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『S.T.A.L.K.E.R Fantasy Sky 第二話「ブロウアウト」』 作者: 炉耶
S.T.A.L.K.E.R Mirage Sky
第二話 「ブロウアウト」
頭がクラクラする。
いったい何があったんだろう…
記憶が混乱していて何も思い出せない。
色んな記憶が走馬灯のように駆け巡っている。
その時ふと私の頭に思い浮かんだのはペット達や時々帰ってくる妹とそれなりに幸せに暮らしていた記憶だった。
しかしこれは古い記憶のはずだ。
今ではこの光景はあり得ないのだから。
幸せだったあの時はもう戻ってこない…
そう、私はかつては地霊殿と呼ばれる所でそこの主人をしていた。
あの異変…いや爆発が起こるまではそれなりに幸せな日々を過ごしていた。
あの事件で私の身の回りの環境は一変してしまった。
異変で幻想の力を失うまで持っていた心を読む能力のせいで元々嫌われるのには慣れていたが、思わずあの際には人間や妖怪の心理に吐き気を覚えたものだ。
あの爆発の少し後、トレーダーや河童の調査などにより異変の原因の1つに”放射能”があると判明した。
そのためお空は様々な人妖に疎まれ、殺意を向けられた。
爆発はマヨヒガ付近で起こっておりお空は関係などあるはずがないのに、生き物はやはり怒りの対象を何かにぶつけたかったのだろう。
無理もないのかもしれない、あれは自分達の生活が一変する程のものだったのだから。
お空はその後トレーダーの部下を名乗る者たちによってこの異変の原因の1つとして連れていかれた。
あの時の奴らの目からして、恐らくお空は生きてはいないだろう。
例え仮に生きていたとしても、死んだ方がマシな扱いだろうと思う。
私は長く人の暗部や暗い感情を見てきたからその辺は予想がついてしまった。
引きとめようとしたが下手に反抗すればお空だけではなく、地霊殿自体が危ないと判断して私はお空を見捨てた。
数人のペットが私を見限って地霊殿を出て地上へといった。
無理もないだろう。だが私にはお空一人のためと、他の無数のペットを天平にかけてお空を取ることが出来なかった。
お燐や数匹の賢いペットはそれを察してくれたのが幸いだった。
その数ヵ月後地下深くにある地霊殿にも人の頭を狂わせると言われている謎の電波の影響が出てきたため、知能の低いペットから徐々に狂っていった。
その時既に当たり前だが旧地獄の者達は地上に逃げており、地下に居るのは私達くらいだった。
妹はもう既に何処かに行ってここ最近ずっと会っていないため、お燐や知能の高いまだ正常なペットと話し合いここを捨て地上に逃げることにした。
私達は地上にいくのが体力的に困難なペットや狂ったペットを見捨てて地上へ行った。
苦い思いはあったが今はまだ正常なペットや私もこのままでは狂う可能性もあり、居続ける選択肢はなかった。
地下と違い地上は放射能による汚染があるので食料を作るのは難しく、トレーダーに会うことに私達はした。
地下では辛うじて食料を生産できていたが、地上ではそれは絶望的だろう。
出口の最も近くにある妖怪の山のトレーダーの所に私達が向かった時、それは起こった。
Bandit(バンディッツ)と呼ばれる盗賊集団と私達はその時ばったりと出会ってしまった。
奴らは、道行くSTALKERや非戦闘員から食料や金、アーティファクトなどからとにかく金になるものを盗り生計を立てている屑共だ。
この時代、自分で稼ぐより盗った方が楽だから、こういう連中は多い。
そいつらに運悪く私達は見つかってしまった。
地霊殿にはトレーダーが居ないためまともな武器を持たない私達は奴らの要求する通り持ち出してきた金目の物と食料を渡した。
食料なんかより命の方が所詮大事だからだ。
しかし奴らバンディッツは中でも性質が悪かったらしく、少女の姿をした私達を見て汚らしい性欲を丸出しにして犯そうとしてきた。
必死に抵抗はするが奴らの持った鉄の武器から出た弾でペットの一人があっさり死亡するのを見て私達は反抗を諦めた。
そもそも男と女では力も違う以上見えていた結果なのかもしれない。
そして奴らの汚らしい性器に次々と犯されていくペット達を見て私は絶望した。
こんな世界ならまだ地下で狂った方がマシだったのかもしれない、と。
そして私もついに犯されようという時逃げてきたペット達が示し合わせたように奴らに一斉に反抗した。
ペット達の目的は何か?
心を読まなくてもわかる。私を逃がすためだ。
私はこのチャンスを逃さないために必死に逃げた。
ここで彼女達の心を無駄にすれば、それは最も愚かな選択と思えたからだ。
彼女達は奴らの性器に力の限り噛み付いたり、体を引っ掻いたり、殴ったりしていた。
しかしその必死の努力も空しく奴らの武器によって一瞬で皆殺しにされてしまった。
背後では銃声と悲鳴が聞こえたが、すぐに途切れたのがいい証拠だ。
私は思わず泣き叫びたくなったが、逃げろ!という本能がそれを許さなかった。
辛うじて無事で一緒に逃げ出したペット達も次々と殺され、気づくと残ったのは私とお燐だけだった。
近くにあった樹の根元で逃げ切ったためか今までの疲れがドッと出てきたためへなへなと座り込んでしまった。
「…どうして、こんな目にあっているんでしょうね。
私はただあなた達と平和に暮らせればそれでよかった…
どうして……」
「さとり様、あいつらの心を無駄にしちゃいけません。
私達は生きましょう。どんなに苦しくても、辛くても生きましょう。
それが私達に出来る償いです。」
「お燐…そう…ね。
…まずはトレーダーに会いに行きましょう。
金目の物は失ったけど、この命がある…
私は何としてもこの異変の謎を解いて見せるわ…!」
彼女も辛いはずなのに、彼女は私を励ましてくれた。
いつまでも私が崩れていては死んだペット達にも申し訳ない。
「それでこそさとり様です!
さあ、行きましょう!私がさとり様を死んだあいつらやお空の分も支えます!
二人で頑張っていきましょう!」
「お燐…ありがとう…」
そう言ってお燐は私に手を差し伸べてきた。
私はその手を取り樹の根元で立ち上がった。
私の手には生暖かい液体がかかった。
気づくと顔にも生暖かい液体や物体が飛んできたようだ。
なんだろうと思いお燐の方を私は見ると
お燐の顔が吹き飛んでいた。
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なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
「やっと見つけたぞ…
小娘風情がてこずらせやがって…
たっぷり犯してから殺してやるから覚悟しろよ…」
見るとあいつらが追ってきていた。
恐らく手に持っている武器でお燐の顔を吹き飛ばしたのだろう。
見たところ2発の弾幕が撃てるようだ。
いくつかの散弾が当たり私の足からも少々血が出ている。
死なずに済んだのは恐らくお燐が遮蔽物になってくれたからだろう。
何かこの塵屑が喋っていた気がしたが私の頭には何も入ってこなかった。
絶対に殺す。
もう死んでもいい、そう思い私は奴らに襲いかかろうとした時だった。
「あんたらがここを最近荒らしているっていう盗賊共だね?
私たちの土地で盗賊行為を働いたのが運の尽きだった。死にな。」
青い髪をした何処かで見たことのある女の号令で部下(と思われる)人間や妖怪の持った武器から弾幕が出た。
銃と呼ばれるらしいあの武器を持った部隊の動きは素人の私からでもよく訓練されておりその道のエキスパートだとわかった。
奴らが一瞬で生き物から肉塊に変わっていく。
勝負は一瞬だった。かつてのあの美しく綺麗な弾幕ごっことは弾幕を出す以外は似ても似つかない戦いだ。
そして奴らが全滅した後、彼女が私に話しかけてきた。
「私の名前は八坂神奈子、この辺りのSTALKERを仕切っている元神さ。
むっ…あなたは…確かあの地霊殿の主の…」
「…さとりです。…古明地さとりです。
あなたは確かお空に力を与えた…」
「ええ、あの時あの鴉に力を与えたのは私よ。
彼女は確か紅魔館のトレーダーに連れて行かれたんだったわね…
申し訳ない事をしたとは思うわ。」
「…過ぎたことです。あなたを恨んでもお空は帰ってこないですしね。」
「そう…強いのね、あんたは…
しかし運が悪かったね。確かあんたらは地下で篭っていたからよくわからないだろうけど、今じゃ幻想郷はあんなのが大量に沸いている。
特に奴らはそのバンディッツと呼ばれる盗賊集団の中でも性質が悪いグループでね。
まあ私たちに目をつけられて、今その辺に死体を晒す事になったわけさ。
あんたこれからもし身寄りがないなら私たちと共に行かないかい?
私は近々、この幻想郷に自由と秩序をもたらすべく行動を起こす。私たちのグループは自由という信念の下でミュータントやバンディッツを滅するのが目標よ。
あんたは奴らに恨みがありそうだしよかったら…」
「やめておきます。恐らくペット達は復讐を望んではいないんで…
私はこの幻想郷がこうなった原因と謎を探っていくつもりです。
それが私なりの巻き込んでしまったペット達に対する罪滅ぼしです。」
「となるとまずはトレーダーに会わないとねえ。
確かFantasy Skyだかいう派閥がこの間結成されたらしくて、目的は異変の原因の模索だとか。
私たちはよく場所を知らないけど確かかつて迷いの竹林だった場所に本拠があるらしいわ。
もっとも地形が地形な上にあそこはアノーマリーが豊富だから誰も本部にはたどり着いた事がないらしいけど。
うちのトレーダーにあんたが来たらFantasy Skyについて教えるように言っておくわ。
私たちはこの後も盗賊狩りをするからあんたを護衛できない、だからこれを渡しておくわ。」
「これは…?」
「ホントに何も知らないのね…
これは銃っていう武器よ。外の世界じゃ主流な装備品だけどこっちじゃちょっと前までは一般的じゃなかったわね。
使い方は簡単、このソードオブってショットガンは、この穴に弾を込める、閉じる、引き金を引いて目標に当てる。
ね、簡単でしょう?あんたの連れが頭を吹っ飛ばされたように威力は高いわ。
最も近距離だけだけどね。
とりあえずこのPDAって地図みたいなものを上げるからこの印の所にいきなさい。
そこにトレーダーが居るわ。それともし私たちの仲間になりたくなったらいつでも言うといいわ。
八坂神奈子はあなたの入信を歓迎する。…入信なんて言葉いまじゃ使えないわね。
まあ頑張りなさいSTALKER。ここは地獄よ。」
※PDA
地図や通信機の役割や通帳の役割など色々万能な機械。
STALKERの世界でいう携帯電話の進化版みたいなもの。
「…ええ、色々ありがとう、神奈子。」
その後何度か軽く会話し彼女達は去った。
そして姿が見えなくなった時、私はふと力が抜けてまた座り込んでしまった。
あの時と違い手を差し伸べて起き上がらせてくれる者は居ない。
「くっ…お燐……みんな……なんで…なんでこんな…ううぅう…うわああああぁぁ!!!」
私はひとしきり叫ぶように泣いた後、トレーダーの所に向かった。
私はもう異変を解決するまで涙を見せない。そう心に誓って。
その後私は妖怪の山のトレーダーに会い迷いの竹林の場所を教えてもらった。
情報料などが本来はかかるらしいが、あの神奈子が既に払っていたようで食料や簡単な装備も貰える事が出来た。
彼女の性格なのか神の施しというものかはわからないが私は有難く受け取ることにした。
その際にアノーマリーやミュータントについても聞いたので竹林までの道のりは気をつける事にした。
ちなみに余談だが彼女のほかにも紅魔館では統制された秩序を幻想郷にもたらそうとする派閥が生まれた事や、マヨヒガ周辺ではこの異変は天の意思として異変を信仰する狂信者の派閥が生まれたことなどを聞いた。
他にも数十人規模のグループでトレーダーの指示の下で動く傭兵集団や、河童などの研究者による異変と共存しようと動く派閥などがあると聞いた。
そして私は数日後ミュータントに襲われたりしながらも竹林の前まで無事訪れた。
道中で私は様々なものを見た。
食料の缶詰を巡っての昨日まで共に行動をしていた仲間の殺し合いや、アーティファクトを巡ってのグループ同士の戦い。
アノーマリーで数日共に行動したSTALKERの羽の生えた妖怪の少女の体が目の前で血飛沫を撒き散らして吹き飛んだり、ミュータントがここに住んでいたと思わしき天狗の少女の死体を喰う光景…
私は様々な物をこの数日でみた。
あの異変からおよそ1年とちょっとで幻想郷は大きく変わってしまった。
もしかしたらもう元には戻らないのかもしれない。
その後私は竹林の中を少し歩くとFantasy Skyの構成員と思われる兎達に出会った。
迷うことがなかったのは幸運だったのかもしれない。
話を聞くと彼女らは竹林の汚染や近隣の調査を済ませて本拠地に帰る途中だったという。
私は彼らに自分も協力したい、という事を話すと指揮をしている者と思わしき人物との通信の後に付いてきてくれと言われた。
どうやらリーダー的な立場の者が話を聞きたいらしい。
そうして私は彼女達についていく最中にそれは起こった。
トレーダーに聞いたBlow out(ブロウアウト)と呼ばれる爆発だ。
これは爆発の範囲に居る植物や樹を吹き飛ばしたりするアノーマリーと同じ謎の現象だ。
ブロウアウトはその他にも効果があり、それは爆発の範囲外でも近くに居る人の神経を焼ききるという事だ。
調査隊と私は咄嗟に近くにあった廃墟の家に隠れる。
「チームデルタより本部!!チームデルタより本部!!
付近にてブロウアウトが発生!!規模は過去で最大級、回避は不可能!!
どうか救援を!!!」
「こちらでも観測したわ。救助は不可能。距離的にも現実的にもよ。
救助に行っても救助隊がブロウアウトで死んだら元も子もないわ。
調査データをブロウアウトが去った後取りにいくからその時に生きていると願うことね。
白兎の幸運があらんことを。」
ブツッ
そういって無線は途切れた。
調査隊の兎達はみんな絶望的な表情をしている。
私も恐らく酷い顔をしているのだろう。
「しにたくないよぉ…わたし…しにたくないよぉ…
えいりんさま…た、たすけ…」
そういって彼女は口から泡を吹き糸の切れた人形のようにゴトッっとその場に倒れた。
恐らくブロウアウトで神経が焼ききれたのだろう。
それを皮切りに次々と倒れていく兎達。
私自身も視界が真っ赤に染まり、意識も朦朧としてきた。
ああ…私はこんなところで…
…思い出した。
私はこの地獄を這いずり回り無事目的の場所へ来れたようだ。
「…ことよ。…今じゃ各思想や正義や主義の下で幻想郷は割れに割れているわ。
アーティファクトや食料を巡ってのちょっとした殺し合いや、盗賊行為も当たり前。
こうなった原因や謎を解き明かそうと調査する者は私たちを含めごく僅かな者だけ。
あなたはこれを幻想郷と信じられるかしら?
ああ失礼、”アレ”で脳みそと神経を焼かれたのに奇跡的にあなたは平気だったわね。
記憶障害すら起きないのは幸せと取るのか、それともこの地獄を忘れる事が出来なかった不幸と取るのか。
まあ…それはあなた次第ね。
私の名前は八意永琳。かつて迷いの竹林と呼ばれたこの地で、派閥Fantasy Skyのドクター兼科学者兼強襲部隊の指揮官を務めているわ。
よろしくねSTALKERさん。さて、あなたの名前は?」
「私の名前は…古明地さとりです。」
「さとり…?ああ確か地下の屋敷の主人だったかしら。
ようこそいらっしゃい。ここはFantasy Skyの本部。アノーマリーやミュータントは居ない。
奥地は汚染もあまり進んでいない為食料の自給生産も可能な今となっては貴重な素晴らしい場所よ。
あなたはあのブロウアウトを受けたにも関わらずあの調査隊と違い数日の昏睡状態と軽いショック症状で済んでいる。
何故なのかしらね?」
「私自身もさっぱり…」
「あなたはこのブロウアウトを耐えれる、恐らく貴重な人間…いや妖怪よ。
最も身体能力的には幻想の力の消えた今じゃ妖怪も人間と同等だけどね。
さて、調査隊の通信によればあなたの目的はこの異変の調査と謎の解明、だったわね?」
「…ええ。…それが私の生きる目的よ。」
「…何かあったようだけど、まあ聞かないでおくわ。
地獄のような光景なんて今の幻想郷じゃ当たり前だものね。
まああなたのそのブロウアウトにすら耐えられるという特性はもしかしたらあなたの目的を達成する上で最高のものかもしれないわ。」
「どうして?」
「異変の中心と考えられているマヨヒガでは頻繁にブロウアウトや大型のアノーマリーが発生してるらしいわ。
そのため我々も今までずっとそこに行くまでの道を探して見つけても足踏みしてきたわ。
仮に行ってもブロウアウトやPSI-Emisyon(エミッション)と呼ばれる人の脳みそをドロドロに焼き尽くして食欲とかの本能のみに従って生きる廃人にしてしまう現象のおかげで待ってるのは全滅よ。
あなたの能力はその不可能を可能にする可能性があるの。」
「…それなら話が早いわ。私を早速マヨヒガへ…」
「残念だけどそれは出来ないわ。」
「どうして?」
「私達には今深刻な悩みがある。それはこの間のブロウアウトにより竹林の特性が完全に変わってしまった事よ。
今までアノーマリーが私達を守る役割をしていたルートは安全地帯となり食料の話を聞いた盗賊や、ミュータントが流れ着き、今まで安全だった派閥の構成員専用のルートはアノーマリーや重度の放射能汚染ときたわ。
つまり私達は今じゃ竹林以外の防御力を持たないの。急いで構成員の兎を使って各拠点の確保やルートの構築をしたんだけど、奴らの動きが予想以上に速くて酷い有様よ。
こっちは派閥の目的を見てもらえばわかると思うけど基本は調査とかがメインなおかげで戦闘はあまり得意じゃないの。
そのため私達の勢力図は日に日に狭くなっているわ。
そしてこんな状況であなたのようなふと訪れた者を信用するのは難しい。」
「つまり信用を勝ち取れ、と。」
「話が早くて助かるわ。さてと、何かちょうどいい適当な任務は…」
ザッ
「本部!こちら第二前哨基地!繰り返す!本部!こちら第二前哨基地!
ミュータントの群れの攻撃を受けているわ!!至急救援を!!もう2人やられたわ!
長くは持ちそうにない!くそ、化け物が!近寄るな!!」
ドンッドンッと通信機越しに銃声が聞こえる。
「早く塔に登って!!奴らも上には登って来れないはず…
う、後ろ!!」
「え?ひぎゃぁああああああぁぁぁ!!」
グチャっという何かが轢き潰される音と共に一つの通信が途切れた。
「そう…ね。あなたのPDAに彼女達の座標を送ったわ。
仲間を命がけで救ってくれれば私達はあなたを信用して私達のリーダーにも会わせてあげる。悪くない話でしょう?」
「そうね。悪くないわ。元からただで信用してもらえるとは思ってないし。」
「交渉成立ね。」
ザッ
「トレーダー、彼女に武器と弾薬と食料を。
彼女は私達の仲間の救出に向かってくれるわ。」
「rgr 用意しておきます、永琳指令。」
「彼はトレーダーにしては珍しくあまり儲けとかを考えず純粋に私達に協力してくれるわ。
彼から装備を受け取りなさい。その薄着じゃ汚染はろくに防げないわよ。
現にここに来るまでに体内に放射能が大分溜まってから除去しておいたわ。
水辺や湿地帯っぽくなってる場所は放射能が残留していて危険だから可能な限り避けるといいわ。」
「…ありがとう。じゃあいってくるわ。」
「えぇ、頑張って。こちらは非戦闘員や戦闘が苦手なばかりで仲間を助けたくても助けにいけば無駄に死を増やすってのがわかってる状況よ。
数は少なく、質も低い戦闘員で辛うじて支配地域を維持するのが精一杯…
彼女達の命はあなたにかかってるわ。Good hunting , Stalker 」
「英語はわからないわよ?」
「ふふっ、頑張ってねSTALKERさんって意味よ。」
「中々いい言葉じゃない。」
(出来るかはわからない、けどやるしかないわね…)
さとりはその後トレーダーよりFantsy Skyの簡易防護服を受け取った、
拠点の場所を余所者に見られるわけにはいかないという事なので目隠しをされ前哨基地の近くで目隠しを外された。
「この草むらを抜ければすぐに野営地よ。」
言われてみれば遠くでかすかに銃声がする。
急いだほうがよさそうだ。
「本当は私も助けにいきたいんだけど、私は戦闘が本当に苦手で出来ることは竹林で安全地帯を探すことくらい…
どうか仲間を助けてあげてください…」
「やれるかわからないけどやってみるわ。
全力を尽くすと約束する。」
「ありがとうございます。
帰る際は私のPDAに連絡を入れてください。迎えに来ますんで。」
「わかったわ。あなたの名前は?」
「…私はただの因幡です。…
てゐ様の真似事で竹林の地形を探って道案内する事しか出来ないしがないガイドです。」
「…この危なっかしい竹林を案内できるだけで私からすれば偉大だけどね。
まあ、いってくるわ。時間も急ぐに越した事はないでしょうし。」
その後さとりは前哨基地に向かって走り出した。
2年も前の自分なら考えられなかっただろう。
こんな武器(確かハンティングライフルといったか)を持って全力で地上の竹林を走るなどと。
次回「竹林を巡る戦い」
どうも、1話ではマイナーなジャンルを扱うという事もありコメント頂けないだろうなーと思ってたら予想外にコメントを頂けて歓喜した炉耶です。
コメントを下さった皆様ありがとうございます。
今回から話はついに動き始めます。
ストーリーはClear skyをなぞっていくつもりですが今回の話のようにオリジナル要素も多々含んでやっていくつもりなんで過度な期待はせずお楽しみに。
産廃民には必要はないかもしれませんが原作通り普通にキャラが死ぬんで嫁が死ぬの嫌だとかいう人はあまり見ない方がいいかもしれません。
炉耶
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2009/11/19 09:13:10
更新日時:
2009/11/28 18:11:31
分類
グロ描写あり
STALKER
さとりちゃんちゅっちゅ
安西先生…もう少し演出能力欲しいです
お燐を殺した武器をそのまま手渡したんだろうなぁきっと。
あと神奈子=Monolithだと思ったww
AK一つでCNPPまで行ったのはいい思い出です
多分…
それともSTALKER世界の調査or戦闘服なのか気になります。
どうして幻想郷でやる必要があるのだろうと思ってしまう。
固有能力も身体能力もダメになるんじゃ、幻想少女たちは軒並みただの女の子
になってしまうわけだし。
外世界の装備やアイテム、現象がたくさん出てきて、途中から
これ東方?って感じてしまう。
まあ完結するまでは早合点せずに見守ることにします。
>ずぎゃ様
STALKERが最初に持つ武器はやはりこれでなくては。
察しの通りお燐を殺したBanditsが持っていたSawed-offを渡しています。
>48様
竹林=Swampです。
両方とも地形が複雑という共通点や永遠亭ならClear Sky派閥のように調査に乗り出すだろうという考えから選びました。
Monolith様は別なキャラが担当する予定ですが csで明確にMonolithが出ないんで登場させるか思考中です。
>サレ様
いぢめスレとかは好きなキャラだからついいぢめたくなるって感じの人が一部を除き多いし
程度の差こそあれそういうものなんでしょうね。
>4様
次回で描こうと思っていましたが東方原作とSTALKER衣装を混ぜた感じをイメージしています。
CSスーツであれば永琳の服のように左右で赤と青に区切られてます。
想像するとシュール極まりないです。
>5様
東方キャラをSTALKERという原作のゲームのハードで理不尽な世界に私が以前より放り込みたかったためです。
不死の能力やチートクラスの能力を持ってるキャラが居るとあの世界は簡単に崩壊するんで…
誰もが平等に死んで平等に生き抜く、そんな感じの世界観を幻想郷でも出したかったので異変の爆発による効果で能力の方を使用不能とさせて頂きました。
本当に東方キャラをSTALKERの世界に放り込みたいといった気軽な気持ちによる所がこの作品を作ろうと思い立った上で大きいのでどうかご了承ください。
続き待ってます
ここは日本だ。日本語を(ry
原作では一番好きな派閥です。SIGとSVDもらえるから狙撃しように一番しやすいし。
原作だとBanditsは狩られるだけの雑魚集団だったから新鮮ですねw
現在3話の製作の方始めました。
>7様
続きの方は現在製作中です。
過度な期待はせずにお楽しみを
>8様
今後は専門用語の方を減らしていこうと思います。
>マジックフレークス様
Monlithは別な方に担当してもらおうと思っています。
私は原作ではLonerと東側の装備が好きなんでDutyが好きだったり。
Banditsはルーキーや単独のSTALKERにとっては恐ろしい存在という事をSOCで語ってるNPCが多かったのでこんな感じに。
ちなみにあなたの作品は私的にかなり好きです。
>10様
原作の小説ストーカーはほとんどあてになりませんね。
SOC(この原作の前作)だとまだしもCS(これの原作)ではほとんど共通点ありません。