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『おもい 〜屑星〜』 作者: 名前がありません号
魔理沙はパチュリーとの口論以来、図書館には行かなくなった。
いや、行きたくなかったというべきだろう。
今もパチュリーに言われた事が頭をよぎる。
―アンタが魔導書を盗みに来るせいで私は本も読めない、実験も出来ないのよ、この屑!!
―それとも何? 盗みで相手とスキンシップでもしたいわけ? ふざけないで!!
魔理沙自身にとって、特に後者は痛い一言であった。
魔理沙はありとあらゆる場所で盗みを働いた。
人里から物を盗むような事はないが、
紅魔館の図書館や永遠亭の書庫や白玉楼の古い文献漁りは、頻繁に行っていた。
盗みを行えば、迎撃に出てくる奴らもいる。
それらを適当に弾幕ごっこで叩きのめして、それとなくお茶を飲んで帰路につく。
でも必要な文献や本だけを盗んでいるだけだ。
大体、書庫やら倉庫に仕舞っておいたままだなんて、勿体無過ぎる。
魔理沙はそうして自己を弁護した。
そんなある日のこと。
魔理沙の散らかった部屋のテーブルに、一枚の紙が置いてあった。
折りたたまれた紙を開くとそこにはこう書かれていた。
「 あ な た を ゆ る さ な い 」
魔理沙は震え上がった。
※ ※ ※ ※
誰だ? 誰だ? 誰だ!?
魔理沙は焦っていた。
この紙を置いていった奴は、どうやってこの部屋に入ってきたんだ?
家には誰かの接近を感知する結界を用意している。反応した様子はない。
室内にも、にとりと一緒に作った魔力探知機が置いてあるが、作動した気配はない。
何よりこの散らかった部屋で、物音一つ立てずに入ってこれるはずがない。
魔理沙は八卦炉を取り出して、警戒しながら部屋中を見回すが、何の気配もない。
「『あなたをゆるさない』って……パチュリー? いや、あいつがこんな真似するとは思えない……」
パチュリーはあのとおり病弱な身体だ。
自分の足でここまで来れるはずがないし、魔法を使えば結界と探知機が知らせてくれるはずだ。
小悪魔を使ったにしても、同様だ。
咲夜が向かった可能性もあるが、その咲夜に命令するレミリアはパチュリーと喧嘩中だ。
この可能性もない。
となると、誰だ?
魔理沙は心当たりのある人妖をピックアップしようとした。
しかし。
「だ、ダメだ。殆どの奴らにそれらしい心当たりがあるぜ……」
おおよその人妖に、必ずしも好かれているとは言いがたいのが魔理沙という人間だ。
快活で陽気な性格は人に好かれやすい一方で、彼女の手癖の悪さや素行を知る者の評価はかなり開きがある。
集団という意味では紅魔館、白玉楼、永遠亭辺りには“御贔屓”にしてもらっている。当然、評判は悪い。
個人という意味でもやはり、敵は少なくない。
こんな感じで、手当たり次第に何でも盗みに掛かった結果、重いツケを払わされる羽目になろうとしていた。
「とにかく、何とかしないと…」
こんなモノをわざわざテーブルに置いていく辺り、直ぐに私を殺す気はないらしい。
ならその間に、逃げる準備なり戦う準備なりさせてもらうぜ。
※ ※
この家が割れている以上、ずっとこの家に居るのは危険だろう。
しばらくの間、香霖の所に身を置くことにしよう。
あいつが嫌って言っても、無理矢理泊まりに行ってやるぜ。
「というわけでしばらくの間、泊めてくれないか」
「ああ、構わないよ」
「へっへーん、嫌といっても無理y……へ?」
一瞬、何事かと思った。
あの香霖が二つ返事で私を泊めると言ったのだ。
いっつも、嫌だ嫌だと行って中々泊めないのに、どういう心境の変化なんだ?
「香霖。まさか今までのツケを私の身体で払ってもらうとか言わないよな?」
「言わないさ、そんな事。期待なんかしていないしね」
「むぅ。酷い言い方をされたが、泊めてくれるなら私は遠慮しない。お邪魔するぜ」
「ああ、どうぞ」
そういって、私は客間に向かった。
すると何故かそこには。
「あら? 魔理沙じゃない。どうしたの?」
「れ、霊夢?」
「ああ、霊夢。魔理沙がしばらく厄介になるそうだから、適当にもてなして欲しい」
「はいはい、分かったわよ霖之助さん。お煎餅でいいわよね? 魔理沙」
「え、あ、ああ、それでいいぜ」
そういって、適当に茶菓子を取り出す霊夢。
なんだろう。霊夢がとてもうれしそうだ。何かあったのかな。
「なんか凄くうれしそうだな、霊夢」
「そう? 私はいつも通りだと思うけど」
「いーや、霊夢。絶対何かあっただろ?」
「ふふ、魔理沙には秘密よ」
そういって人差し指を口元に持っていく霊夢。
そんなしぐさに、魔理沙はドキッとさせられた。
(やっぱ、何かあったな霊夢。変なモノでも食ったんじゃないか?)
なんというか、喜び方が違う。
明日の食事を得たとか、妖怪退治後とか、そういう喜び方には見えない。
男でも出来たのか。男……男?
(ま、まさか、こ、香霖と?)
霊夢が見ず知らずの人里の男と付き合うのは、想像できない。
そうなると順当に行けば、香霖というのは間違いではない。
間違いではないが、魔理沙はそうでないと思いたかった。
(そういえば香霖も、どこかにこやかだ。いっつも本ばっか読んで私にも興味なさそうな視線だったのに……)
私があちこち盗みを働いている間に、まさか二人の関係が進展しているなんて。
(嘘だ、こんなはずが無い……)
魔理沙は軽く錯乱状態に陥っていた。
「魔理沙、大丈夫? 顔が青いわよ?」
「え、あ、ああ!? だ、大丈夫、大丈夫だぜ! あはは、はは」
「変な魔理沙」と霊夢が行って、一緒に客間でお煎餅を食べた。
霊夢いわく、人里の老舗の煎餅屋の煎餅らしいが、私には何の味もしなかった。
※ ※
今日は鍋らしいという事で、私が買出しに行く事になった。
「厄介になるんだから、それぐらいしても罰は当たらないでしょ?」という霊夢のお言葉だ。
しばらく匿って貰う為にも、それなりには協力しておかなければならない。
(しかし、久しぶりに人里に来たが……随分、人が増えたなぁ)
大分前に来たときは、まずまずの人通りだったはずだ。
しかし今は、大分人の行き交いが激しい。
あちこち露店やら何やらが多い。
とりあえず霊夢から貰ったメモを頼りに、鍋の材料を買ってくる。
一通り鍋の材料を買い終えて、帰ろうとすると門の近くに慧音が居た。
少し難しい顔をしている。
「おーい、慧音。どうしたんだ?」
「む、魔理沙か。いや、少し妙な話を聞いてな」
「妙な話?」
「紅魔館の周りの湖で濃い霧に覆われていてな。どう対応したものか、と思っていたんだ」
「霧って、またレミリア達が何かやらかしたのか?」
あいつらも懲りないなぁ、と魔理沙は思ったが、慧音の表情を見るにどうやらそうではないらしい。
「いや、霧そのものに実害はない。ただ霧が徐々に湖を覆うように広がっているらしい」
「おまけに咲夜の姿を、このところ誰も見ていない」
「紅魔館で何かあったかも知れないが、私がここを離れるわけにもいかないんで困ってたところだ」
「そういえば、お前は紅魔館の図書館に通ってたな。何か知らないか?」
慧音は魔理沙にそう訪ねてきた。
喧嘩の事を話すべきかとも考えた。
しかし魔理沙は、下手に喋ってあらぬ疑いを掛けられる事を恐れて嘘を付く事にした。
「いや、何も変わった様子は無かったぜ」
「ん、そうか。それじゃあな」
「ああ、さようなら」
「……他人が口を挟むべきではないかもしれないが、たまには親に顔を見せにいけ。最後に頼れるのは親ぐらいだぞ?」
「―――余計なお世話だぜ」
慧音の言葉を無視して、私は飛び立った。
魔理沙の姿を見つめる、慧音の目は何処か哀しげだった。
※ ※
(心配してくれるのはうれしいが、余計なお世話だぜ、慧音)
親のことは思い出したくない。
それに最後に頼れるったって、勘当された身じゃ頼りようがない。
もやもやした気分を胸にためたまま、魔理沙は香霖堂に戻ってきた。
勝手口は少しだけ開いていた。
無用心だなと魔理沙は、こっそり中に入ろうとした。
すると、奥から声が聞こえてくる。
耳を済ませてよく聞くと、霊夢と香霖の声だ。
「ねぇ、きもちいい? 霖之助さん」
「ああ、気持ちいい。でも、いいのかい? 早くしないと魔理沙が帰ってくるよ?」
「ふふ、いいのよ。どうせ道草食って帰ってくるわ」
「そうかな、案外普通に帰ってくるかもしれない。今日の魔理沙は様子がおかしかったしね」
「もう、魔理沙魔理沙って。私は霊夢なんだから、たまには私だけを見てよ」
「ああ、申し訳ない」
なにやら居間で何かやっているらしい。
僅かに開いた障子の隙間から、部屋を覗く。
そこには、香霖のおちんちんを咥えてる霊夢が居た。
霊夢は頭を振って、香霖のおちんちんを口で慰めていた。
やがて香霖が霊夢の頭を掴むと、霊夢は少し苦しい顔をしながらも、
喉を鳴らして、口に出されたのを飲み干していた。
「ふぅ、ごちそうさま」
口の端からこぼれた精液を舌で舐めとる霊夢は、魔理沙が一度も見た事のない“女の顔”だった。
※ ※
私は二人に気付かれないように、勝手口まで戻っていく。
あのまま居間に突入したら、気まずいどころじゃなかった。
まさか、二人が本当にあんな関係だったなんて―――!?
魔理沙はあの香霖が霊夢と結ばれているなんて、思いもしなかった。
香霖はあまり色恋沙汰には興味がなさそうに見えていたからだ。
しかし霊夢が、香霖のおちんちんに奉仕している姿を見て、二人はそういう関係なんだと気付かされてしまった。
ショックを覚えながらも、魔理沙は勝手口の戸を叩いて、二人に帰宅を知らせた。
「おかえり」と香霖と霊夢は言ってくれたが、魔理沙は生返事で「ただいま」と返すことしか出来なかった。
―――どれほど思っていようが、先に愛を示した女が愛されるに決まっている。
凡庸な物しか書けずとも、それなりにコメがつくのはうれしい限りです。
需要無視なのがアレですが。
香霖の口調が良く分からずに書くという暴挙。これはひどい。
しかし皆様、いい感じに一線飛びぬけてるなぁ。
※ああ、図書館って明確に名前があるわけじゃないのか。勘違いしてた。
ご指摘ありがとう、>>5さん。
名前がありません号
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2009/11/20 16:14:46
更新日時:
2009/11/21 11:08:21
分類
魔理沙
霊夢
※口は災いの元の続き
「Zzz……」
魔理沙の出遅れた感が良い
手癖の悪さは何の為にある?
そう、全てはNTR展開の為の布石だったんだよ!!(そして修羅場へ……)
だが、俺は怯まない!
『ヴワル魔法図書館』って……
気にしちゃ駄目だよ
魔理沙ざまぁ
お幸せに霊夢。おや潤さんどうしry
男ができたってのは魔理沙の勘違いで、霊夢の機嫌がよかったのは、獲物(魔理沙)が向こうからやってきた事へのものだと思ったのに(ギリッ
魔理沙はホント自業自得だけどね(ギリギリ
オノレレイムユルスマジ