アリｽからの(一方的な)愛を書いてみた

　朝。ドアを開けると彼女が死んでいました。
「魔理…沙……？」
仰向けに白目をむいて倒れている彼女を抱き上げると、彼女はぐったりと身体を曲げ、青白い肌をしていました。
口から溢れ出た血を見て、舌を噛み切ったんだな、と言うのがわかりました。
「どうして……」
私はぺちぺちと頬をたたきましたが魔理沙は反応しません。
「まりさ……まりさ……」
何故自ら命を絶つようなことをしたの？そう尋ねるように、私は半開きだった魔理沙の唇を閉じると自分の唇を重ねました。
近くに血で書かれた「ザマァミロ」の文字は無視しました。

そしてふと一週間前の会話を思い出しました。


「ねぇ、魔理沙」
『……なんだよ…』
「魔理沙ってさ、きっと死んでもお人形みたいで綺麗だと思うのよね」
『……それはなんだ？私が死んでもお前は私を人形として使うってのか？』
「それを望むの？」
『そんなわけ』ﾊﾞｷｯ『……お願いします』
「あ、でもまだ生きてるじゃない。死んだら貴女を大事に大事に使ってあげるわ」
『……どっちでもいいぜ……いっそ殺してくれよ…』
「ああ魔理沙。愛しの魔理沙を殺すなんてできないわ。」
死んだら使ってあげる。
生きてる間は使ってあげない。

「あんた、ほんっとに馬鹿よね」
いつでも使ってあげたじゃない。月の異変の時も地下の異変のときも。
「バカね」
零れた涙は魔理沙の腕についた手錠にあたりはじけ、逆に笑みも零れてきました。
私は笑顔で彼女に口付けをしました。








「悪趣味ね。ええ。」
「何がかしら？」
久しぶりにアリスの家に行ったら最近見なかったと思っていた魔理沙の姿を見た。
魔理沙はたくさんの糸で固定されていて身体は魔法で腐らなくしてあるようだ。
その表情はどこか恍惚としていて見るものの気分を否応なしにそういうものにする。
「いいのよ、彼女はきっとそれを望んだの」
アリスは濁った目で微笑みを浮かべ彼女を操り始める。
目を開けられて動かされている彼女は、糸に引っ張られてかは問題でなく微笑んでるように見えた。