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『S.T.A.L.K.E.R Fantasy Sky 第四話「竹林の決戦」』 作者: 炉耶
S.T.A.L.K.E.R Fantasy Sky
第四話「竹林決戦」
さとりがPDAで時刻を見ると午前1時40分だった。攻撃開始は2時という事を考えるともう少しでいよいよ始まるようだ。
永琳は既に山で狙撃の配置につき、作戦に参加する部隊も緊張感を露にしている。
当たり前だろう、恐らくこれで自分達の運命が決まるのだから。私達は声を押し殺し攻撃開始の合図をまった。呼吸の音でさえ大きく聞こえる程の静けさが辺りを包み込んでいる。
そうして私達が待っている時敵の拠点から突如少女の悲鳴が聞こえた。
もう攻撃を仕掛けたのか? それとも襲撃がばれたのか?
各々に衝撃が走り身構えたがどうやらそれはどうやら私達とは関係なかったようだ。
双眼鏡を使い村をこっそりみると、白っぽい服と特徴的な黒い帽子を被った少女がバンディッツ共に襲われていた。
大方奴らの雰囲気から察するに慰み者にでもしようとしているのだろう。
みれば少女を数人がかりで押さえ込んでいる。相変わらず性根の腐った奴らだと思った。
隣を見ると優曇華は何か思うところがあったのか小声で永琳に無線を入れていた。
ザッ
「……師匠、敵拠点の中心にて捕虜と思われる少女を発見。名前までは思い出せませんが確かリュウグウノツカイの種族だった妖怪です。恐らく奴らは彼女を犯そうとしていると思われます。指示を。」
「こちらでも発見したわ。……助けたいのは山々だけど……そうだわ。奴らが彼女を犯す直前になった瞬間私が狙撃するわ。恐らく奴らの注意は彼女に集中しているはず。
それと同時に各部隊は手はず通り攻撃開始。可能であれば彼女を助けるのを許可するわ。ただし彼女を助けるのに夢中になりすぎて作戦を失敗させないようにね。」
「了解。通信終わり。……何とか助けてあげたいところね。」
「……そうね。……しかし難しいのが現実でしょうね。」
拠点に攻め込めば銃弾が飛び交う戦場となるのは確実だ。
その中を彼女が上手いこと生き延びるのはかなり難しいだろう。
「……!あれは確か風祝の……」
優曇華が驚いた表情をしたので拠点の方を見ると建物からいつだか地下に神と一緒に来た巫女がきていた。
確か早苗とかいう名前だったか。周りの人間の雰囲気を見るに彼女が奴らのリーダー格らしい。
「おやおや、最近私達の事をかぎ回ってる者が居るというから罠を張ってみれば……まさかあなたが引っかかるとは。
確かあの生意気な天人の知り合いでしたね?」
「くっ……総領娘様はあなた方のグループとマヨヒガへ行くための情報を交換した直後に行方不明になった!総領娘様に一体何をした!?」
「あなたが知る必要なんてありませんよ。……いや、その方が面白いし1つ話をしてあげましょう。
あの天人は天界が”あんな事”になった後も慕って付いてきてくれるあなたを危険に合わせたくないという理由でマヨヒガにあるとされているアーティファクトの鉱脈の情報を交換しにきたのですよ。
アーティファクトの鉱脈を見つけさえすれば金が入る。金が入れば危険をおかしてまで食料とかのためにあなたが危険をおかさなくて済む。何というか単純な考えですよね。
だから私は言ってやったんです、あの天人の有り金全部と引き換えでアーティファクト鉱脈の情報とマヨヒガへ安全に行くための道をね。」
※アーティファクト
出血の抑制、体力の向上、放射能の除去など持っていると様々な効果をもたらす物質。
非常に高値で取引されておりこれを探して日々の糧を生きているものは少なくない。
「なっ……まさかあなた方は異変以降誰も近づけなくなったマヨヒガへの道のりを知っているのですか!?」
「まさか。知っているはずがありません。あの天人に教えた情報は勿論嘘です。完全な嘘です。
あそこは頭を狂わす怪電波あり、化け物の巣あり、アノーマリーありの最悪の場所ですよ!今頃は大方頭を狂わすか化け物の餌になってるかアノーマリーで体を千切れさせてるかでしょうね。
私の言った事を信じてあなたを楽に暮らさせてあげられると思って笑顔になったあの時の天人の顔ときたら……くっくっくっ……あははははは!!思い出すだけで腹がよじれます!」
「くっ……貴様よくも……!」
彼女が笑うのに合わせて回りの男達も下衆らしい気持ちの悪い笑いを漏らしている。
正直今にも奴らに襲い掛かりたいが、そうすれば作戦が台無しになる。
優曇華や強襲部隊の兎の少女達も手を怒りで震えさせながらも堪えていた。永琳の指示はまだなのか……
「……はぁ、笑った笑った。さて、私の話もこの辺で終わりにして、あなた達この女は好きにしていいですよ。犯すなり殺すなりご自由にどうぞ。」
早苗がそう言うやいなや男達は抑えていたのだろう、すぐにあの少女を犯そうと動き始めていた。
思わず虫唾が走る。
「い……いや!やめて!さわるな!ひっ……い、いやああああああぁぁぁ!!」
男達の汚れた性器が強引に衣玖に近づけられ必死に抵抗はしているが今にも挿入されようとしていた。
もう見てられない。ペット達の最期の時を思い出し私が動き出そうとした時……
「ふふふっ、やはり人がこうやって絶望する表情は素晴らしいものです!あぁ……あんな神社に縛られていた頃が恨めしい。
そうだ!いつかあの神共もこうやって絶望させ……」
早苗がそう喋っていた時早苗の体を一発の銃弾が貫いた。その銃弾は恐ろしい程正確に早苗の心臓を貫いていた。
「え……なに……これ……?」
そう呟いて早苗がドサっと血を噴出しながら倒れこみ状況は一変した。
周囲の男が早苗が倒れたのを皮切りに次々と倒れ始めた。
衣玖を犯そうとしていた男達はえっ?などとまぬけな言葉を呟いていた。
サブレッサーにより無音だが何処からかの攻撃と気づき戦闘の構えを取った男はその狙撃に優先して撃たれていった。
合計して6人ほど男が倒れた時ついに合図の信号弾があがった。
「いまだ!総員攻撃開始!」
Fantasy Sky(以下FS)の分隊長がそう叫ぶと同時に入口の前を警戒していた敵に攻撃を開始した。
北と南の入口より一斉に攻撃を仕掛けられた上、リーダーを失った事で奴らは統制を失っていた。
逃げ出そうとするものや個人で反撃を開始するものも問わずに血や臓物を撒き散らして死んでいった。
戦闘が始まってすぐに好機と見たのかリュウグウノツカイの少女は壁の方へと走っていったが無事に逃げ切れたのだろうか?
……今は考えないでおこう。
その後狙撃やこの奇襲により相手がおおよそ12人ほどに減った辺りでようやく奴らは統制を取り戻して組織的反撃を行ってきた。
奴らは狙撃を警戒し建物の中に避難したり遮蔽物に体を隠しながら銃撃を浴びせてきた。あいにくこちらの部隊の遮蔽物の村の壁は木だったため弾が貫通しこちらの部隊からも死者が出始めた時に永琳から作戦の第三段階の移行の通信がきた。
「優曇華、今よ。強襲部隊を動かして横っ腹を突いてあげなさいな。」
「了解!いくぞ!総員攻撃開始!仲間の仇と今までの鬱憤を晴らしてやれ!」
優曇華の指示とともに素早く動き始める兎達。その動きは一般の兎と違い非常に統制が取れており素早かった。
私も負けじとついていく。先ほどの一連の会話を見て私も相当苛立っていたらしい。
私がAK-74を敵に向かい発砲すると余程正面の部隊に集中していたのか横からの攻撃に気づかず建物の影に隠れていた敵があっさりと死んだ。恐らくはなんで自分が死んだか気づけていないだろう。
銃の反動で自分の少々手が痺れているのがわかった。
その後私とFS強襲部隊が4人ほど倒した所で銃声により建物内の敵がこちらにも攻撃を浴びせてきた。
「くっ……ろくな遮蔽物がない……ちょっと厳しいか……」
そう優曇華が呟くと永琳より無線がきた。
ザッ
「優曇華、建物の中にフラッシュバンかスモークグレネードを投げ込みなさい。狙撃銃の残弾もまずいし入口から炙り出された奴を一人一人狙撃するわ。」
「了解!……くらえ!」
優曇華がピンを抜きスモークグレネードを建物の中に投げ込むと見る見るうちに建物の中に煙が充満し奴らがむせながらのこのこと出てきた。
1人は狙撃の餌食に、2人は私達の銃弾の前に倒れた。
入口に近い建物が陥落した事によりFSの分隊が動けるようになり各々が村に突入してきた。
ある程度接近してグレネードが届くようになってからは割と一方的だった。
建物の中にグレネードが投げ込まれ吹き飛ばされる者、フラッシュをくらい目が見えない間に突入した強襲部隊の兎に撃ち殺される者……
その後15分ほどの銃撃戦の後、私達は被害を出しつつも奴らの拠点を制圧した。
私自身も肩に銃弾を一発くらい医療キットのお世話になった。
それからさらに10分ほど経ったのち、永琳が合流した。
「みんな、ご苦労様。本拠地を潰したことで奴らの残った拠点は数人のキャンプとか容易に潰せるものばかりとなったわ。
リーダーも死んだ事だし奴らは勝手にこの竹林から出て行くでしょうね。犠牲はあった……でも私達の勝利よ。
今後は警戒態勢をブロウアウト以降の新しい竹林の構造に合わせていけばまた以前のように支配権を維持することが可能になると思うわ。
改めて言うわ、みんな本当にご苦労様。ありがとう。」
そういって永琳が頭を下げて事後処理や報告のために本部へ戻ると言い、分隊(といっても戦闘前10名居たFSの部隊の兎は4名しか生きていないのだが……)と共に戻っていった。
優曇華達強襲部隊はしばらくは敵の反撃を警戒してここに残るらしい。強襲部隊は重傷者こそ1名出したが全員生存している辺り本当に優秀だと思う。
その後各々が敵や味方の死体の肉や血の匂いに釣られて獣が集まってこないようにアノーマリーに死体を投げ入れて処理をしたり仲間と焚火を囲んで酒(確か外の世界のウォッカといったか)を飲んだりしていた。
私も疲れたため焚火の近くで何をするでもなくぼーっとしていると優曇華がウォッカの瓶を2つ持って話しかけてきた。
「ご苦労様、さとり。あなた戦闘経験が少ない割にはよく頑張ってたじゃない。あなたきっと生き延びれば腕の立つSTALKER(ストーカー)になると思うわよ。
あぁ、そうだ。よかったらお酒どう?」
※STALKER(ストーカー)
トレーダーが名づけて広がった幻想郷で生きている人妖の呼び方。
人間のキャンプがあればそれはSTALKERのキャンプと呼ばれる。
「ええ、頂くわ。……このお酒結構強いわね。」
さとりは知りようもないがウォッカは外の世界じゃ相当アルコール度数が高い部類に入るので当たり前だろう。
「えぇ、確かに強いわ。だけど強いから嫌なことを一時的とはいえ忘れさせてくれるわ……
仲間の死、化け物の恐怖、明日への不安……それらをその場しのぎででも遠ざけられるのは魅力的よ。
実際あの異変以来は現実を見たくなくて酒に溺れた者を何人も見てきたわ……」
「……気持ちはわからなくもないわね。」
生きていく事がとにかく難しく地獄のようなこの世界だとそういう人間が居ても仕方がないのだろう。
もっとも私は溺れる気など毛頭ないが。
その後優曇華と初めて持ったAK-74の感想はどうだ、やら冬になれば竹林が雪に染まって美しいやら下らない話をしていると一匹の強襲部隊の兎が話しかけてきた。
「鈴仙様、先ほどの戦闘で敵に捕獲されていた少女を発見しました。付近の見回りをしていたところ、猪のミュータントに囲まれていたので救助したところ先ほど件も合わせてお礼を言いたいらしいです。それと少々話があるとのことです。」
「わかったわ。……よかった……生きていたのね。」
そう優曇華がそう嬉しそうに小さく呟くとすぐに顔を指揮官のそれに戻して彼女をここに呼んでいいとの事を部下に伝えていた。私としてもあの少女が無事に生きていたのは嬉しい。
そんな事を考えていると先ほどの少女が先ほどの兎の部下と一緒にこちらに向かって歩いてきた。
「先ほどは2度も私の窮地を救って頂きありがとうございます。私は永江衣玖と申します。……おや、あなたは確か総領娘様が異変を起こした時に何処かで会った……」
「お久しぶりね衣玖。生きていてくれて何よりだったわ。」
「はい、お久しぶりです。正直先ほど奴らに捕まる前に武器や装備を落とした箇所に向かう最中に化け物に襲われた時は死を覚悟しました。本当にありがとうございます。
おや……?あなたは確か地霊殿の……」
「はじめまして。元地霊殿の主の古明地さとりです。私としても生きていてくれて何よりです。」
「元という事は噂どおり地霊殿は……失礼な事を言いました。改めて自己紹介します。私は永江衣玖、リュウグウノツカイという種族の妖怪です。
さとりさんもあの時は救ってもらいありがとうございます。」
「いいのです。あんなやり取りを目の前で見せられたから私としてもあいつらには苛立っていましたし。」
「さて、一通り自己紹介も終わったところで、えーっと衣玖さん、あなたは私達に何か用があったらしいけどどうしたの?」
「はい、私はあの異変と同時に天界が消滅して幻想郷の一部となった事件がありましたよね。
あれにより天人は地上での暮らしを余儀なくされたのですが、その多くがその自尊心やプライドで死んでいくなかで総領娘様はこれを機に天界に依存するのをやめて地上で生きていくという事になったので共に行動していたのです。
しかし先ほどやつらが言っていた通り天子様が奴らのせいで行方不明となったので異変の原因解明と調査が目的であるあなた方の派閥に加わり私も異変の中心部であるマヨヒガへといきたいのです。恐らく総領娘様は中心部を目指したはずですので。
戦闘経験は総領娘様と共に行動していたため豊富にあります、どうか私をFantasy Skyに加えて頂けないでしょうか?」
「うーん……私の一存じゃ何とも言えないけど多分あなたもこの派閥には向いていないと思うのよね。」
「何故ですか?私とあなた方の目的は共に中止部へ行くことですよ?」
「残念だけど私達の派閥は脳を狂わす怪電波や安全な道もわかっていないマヨヒガへ行くのをよしとしないのよ。
行くのは怪電波を止めるか安全なルートを見つけるまで当面は動かないわ。だからさとりもすぐに動きたいって理由があったから私達の派閥へは加わっていないわ。」
「……そうですか。さとりさんは一体どのような理由でここへ?」
「……ペット達や大事な家族がこの異変のせい……私の力不足もあるのだけど……死んでしまったのです。
だから私は弔いとか償いのためにこの異変を少しでも早く止めたいのです。だから私はこれからFSではすぐには動けない箇所の調査や中心のマヨヒガへ行く手がかりを調べてFSに情報提供したり協力しつつ単独で探すつもりです。」
「そういう事よ衣玖さん。……そうだ!あなた達一緒に行動して調査をしてみたらどう?一人で動くより二人で動いたほうが安全だしきっといいと思うわ。
それに戦闘経験が不足してるけど人一倍以上の洞察能力がさとりにはあるから戦闘経験豊富なあなたがカバーしてあげると結構いい感じになると思うのよね。」
「……それは名案ですね。私としても一人行くよりは二人のほうが色々と楽でしょうし。さとりさんの都合がよければその案の通りにしたいのですがどうでしょう?お互い異変の中心部を目指すと利害も一致していますし。
私もこれから総領娘様を追ってマヨヒガへ向かいます。あの方がそう簡単に死んでしまう器とは私には思えませんしね。」
「私としても同行者が居た方が有難いですし願ったり叶ったりですわ。これからよろしくお願いします衣玖さん。」
「はい、よろしくお願いします。さとりさん。それと今後は一緒に旅をする事になりますし敬語は結構ですよ。ただし私の敬語は癖のようなものなのでお気になさらなくて結構です。」
「そうで……わかったわ。じゃあ敬語じゃなくて普通にいくわね。」
「はい。それで結構です。」
「あなた達今後の予定は決めている?」
「いえ、特に私は決めていません。」
「私も特に決めてないわね。何分地上に出てまだ日が浅いんで地理もよくわからないし……」
「なら今から師匠から送られたデータを送るわ。恐らくはこれに従って進めば何かしらの手がかりが手に入ると思うわ。」
「えっと……なになに……未確認情報ながらもマヨヒガに到達したグループが居る……!?そのグループの協力者の名前にその者達の拠点があるとされる場所の情報…… これは確かに手がかりになりそうね……」
「中心部に到達したという事は怪電波やアノーマリーのない安全なルートを見つけたって事ですね……これは大きな情報です。」
「師匠はブロウアウトが頻繁に起きるようなったのは彼らが中心部へ到達した事による幻想郷もしくは異変による拒絶反応という考えを持っているわ。
そう考えると中心部に多く見られたアノーマリーの増加やブロウアウトの発生の増加も頷けます。」
「なるほど……とりあえず私達はこの情報に載っているそのグループの協力者の関係者と思われる人里のトレーダーに会いに行こうと思います。」
「衣玖、私は先ほど言った通りあまり地理に詳しくないのだけど人里って?名前的に人間の集落だとは思うんだけど……」
「はい、おおよそはその通りです。ですが恐らくあなたの想像している人里とは若干違うでしょう。人里は異変以前は上白沢慧音という半人半妖が守護していた幻想郷でも最大クラスの人間の集落でした。
異変後はマヨヒガおり比較的離れていたためあの付近は汚染がきわめて軽微という事もあり人間や妖怪の一大集落となっています。非戦闘員も仕事がありある程度安全に暮らせる数少ない場所だと思います。
外の世界ではなく幻想郷の者で初のトレーダーが人里のトレーダーを担当しており、また上白沢慧音及び藤原妹紅が指揮する自警団によりある程度治安が守られています。
そして幻想郷で比較的安全なため新米の人間や妖怪などを中心に多くのストーカーが集まり依頼を受けたり装備を整えたりして旅立っていきます。恐らくは幻想郷の中立的立場では最大規模の町でしょう。」
「まだそんな所があったのね。」
「はい、幻想郷は異変で大きく変わりましたが人々は強く生きています。これほどの規模ではないにしても他にも多くの人里がありますよ。」
「へぇ。優曇華、私達はとりあえずこの場所へ向かおうと思うわ。短い間だったけどお世話になったわね。ありがとう。」
「いや、私としてもあなたが居なかったら作戦が成功しなかったかもしれないし、お互い様よ。
それとさとり、あなたは確か先ほどAK-74は重いと言っていたので敵の持ってた武器からこれを見繕ってきたわ。AK-74の代りによかったら使うといいわよ。」
「これは……見た目的にAK-74の改良版ってとこかしら?軽いわね。」
「はい、これはAKS-74Uと呼ばれるAK-74の改良版です。AK-74より取り回しがよく、軽く持ち運びには便利です。まあ反面射程が短くなったりしてますがそこは衣玖さんの装備を見た感じ何とかなると思います。」
「衣玖のその武器は何ていうの?」
「えっと、これはVSS Vintorez通称VSSと呼ばれる消音狙撃銃です。高い精度と400m先でも相手のボディアーマーを貫ける威力を持った優秀な銃です。」
「なるほど、あなた狙撃銃と私の銃でお互いに苦手なレンジをカバーし合うという事ね。」
「確かにこの武器はあまり近距離での撃ちあいには向いていませんからね。私としてもカバーして頂けるのは有難いです。」
「そういう事よ。人里のトレーダーには私のほうから来客があると話をつけておいてあげるわ。じゃあ元気でね。後々お互い生きて共に中止部へ行き謎を解明しましょう。竹林の地図はあなた達のPDAにアップロードしておいたわ。あなた達に白兎の幸運があらんことを。」
「ありがとう。お互い頑張って生き延びましょう。」
「優曇華さんどうかその時までご無事で。先ほどは本当にありがとうございました。それでは。」
そういって私達二人は拠点を後にした。
目指すは竹林を抜けた先にある人里。
異変解決の手がかりは見つかった。
後は動くだけだ。
仲間も見つかった。
一人で動く時とは違う安心感がある。
これなら私はきっと出来る、そんな予感がした。
次回「人里」
終了時点の状態
装備
武器:OZ-BM16(水平2連式ショットガン。銃の一部にあの時の燐の血が付着している。半ば戒め的な感じでさとりは持っている。軽くて安価だが装弾数の少なさやショットガンならではの精度の低さがネック。威力自体はショットガンのため高い。)
AKS-74U(AK-74を軽く短くしたサブマシンガンモデル。ただし弾丸の口径上アサルトライフルに分類。若干精度と連射性能が犠牲になっている。)
Makarov PM(永琳から受け取ったハンドガン。安価で軽いが古いため精度の低さや威力の低さが欠点)
防護スーツ:Fantasy Sky ボディーアーマー(強襲部隊の防護服と違い軽装だがある程度の銃弾と放射能汚染を防いでくれる。今回の戦闘で若干損傷し劣化)
任務:中止部へ行くための調査を進めるため人里のトレーダーと会え
目的:竹林を出てまずは人里へ向かう
同行者:永江衣玖(簡易状態説明 武器:VSS [軽量化及びマガジン増加改造済] 防護スーツ:Sunrise suit Hagorom=Custom[通常のSunrise suitに衣玖の羽衣の繊維を埋め込み防弾性とアノーマリーや放射能に対する防護能力を上昇させたスーツ。電撃アノーマリーに対する防御能力が特にずば抜けている。])
精神状態:今後への希望及び共に歩む仲間が居ることによる安心感
今回で竹林編は終わり、次回からは原作でいう所のCorden編です。
原作(特にSOC)では一人で行動っていうのが多いので仲間が居たら……って事を考えて同行者をつけてみました。
炉耶
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2009/12/02 13:11:53
更新日時:
2009/12/03 19:03:50
分類
さとり
優曇華
衣玖
早☆苗
クリンコフちゃんうわああああああ
いいぞもっとやれw
個人的にmilitaryがどうなるのかが楽しみでしょうがないww
ひさしぶりにCSやり直そうかなぁ