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『という夢を見たんだ』 作者: 泥田んぼ
『という夢を見たんだ』
こら、妹紅。
妹紅ってば。
どうしたんだ今日は。
妙に甘えっ子だな。
もう少し待っていてくれないか。
生徒たちの宿題の丸つけをしているんだから。
ん、もう、妹紅。
妹紅ってば。
だから、そんなにおぶさられたら仕事ができないだろう。
聞き分けのない子供みたいにしないでくれ。
……わかったよ。
わかった。負けました。
先生の負けだ。子供の妹紅。
丸つけは後でもできるからな。
ちょっと待ってろ。片付けだけしてしまうから。
ほら。
これでいいんだろ。
先生の膝枕だ。あったか膝枕。
満足かい? 子供な妹紅。
……仕方のない子だな。
すっかり甘えんぼさんなんだから。
ほんとに、今日はどうしたんだ。
そう言えば今朝から妙に眠そうにしてたな。
怖い夢でも見たのか。
図星か。
……ああ、すまない。いや笑うつもりはなかったんだ。
そんなに不貞腐れないでくれ。
なんだったら私に話してみろ?
人に話すと、怖い夢は逃げていくというぞ。
……いや、話したくないならいいんだ。
うん、構わないぞ。
寝てしまっても。
寝不足なら少し休んだ方が体にもいい。
怖い夢を見ても大丈夫だ。
怖くて目が覚めても、すぐ傍に私がいるんだから。
だから安心してお休み。
私が傍にいてやる。
ずっとずっと傍にいてやるから。
……ん?
どうした?
そんなにジっと見られてたら眠れないって?
ふふ。
仕方ないだろう? 妹紅が可愛いんだから。
眠そうな顔も、赤くなった顔も、みんな大好きだ。
だからほら、そんな、顔を隠さないでおくれ。
お前の顔を眺めるだけで、私はこの上なく幸せな気持ちになれるのだから。
ああ、こらこら。
そちらに顔を傾けたら、目玉がこぼれてしまうぞ。
――そう、それでいい。
あと口をぽかんと開ける癖は直そうな。
みっともないから。
なんなら私がずっと抑えておいてやろうか。
くすぐったい? そうだろうな。
ならちゃんと閉じているんだぞ。
できれば剥き出しの顎の骨もどうにかしてやりたいが、それは無理だな。
腹から下は、完全に腐ってしまったな。
仕方ない。
内蔵は腐るのが早い。
でも胸から上はまだもう少し大丈夫だ。
ん。なんだ。
シャツの下に手を入れるのはやめろって?
恥ずかしいから?
女同士じゃないか。
何を気にするんだ……?
いや、妹紅、それは間違っているぞ。
胸の大きさなんて、人それぞれだ。
大事なのは、乳房としての機能が十全に働くかで……、
ああ、すまない。つい説明口調になってしまったな。
うん、だから私が言いたかった事はだな。
妹紅の乳房が大好きだって事だ。
腐る前に食べちゃいたいくらい。
私は妹紅のなら、爪先から頭の上まで大好きだ。
指も、手も、足も、腰も、腹も、胸も、首も、頬も、鼻も、目も、耳も、髪も、大好きだ。
だから小さい事なんて気にするな。
もし妹紅がお母さんになっていたら、きっとちゃんとおっぱいが出ただろう。
子供を育てる時は、どんな小さな乳房でも大きくなるんだぞ……、
……すまない、失言だったな。
妹紅はもう、子供を産めないのに。
子宮が真っ先に腐り落ちてしまったからな。
ああ、妹紅。
そんなに落ち込まないでくれ。
私まで悲しくなる。
そうだ、妹紅、明るい話があるぞ。
私のお腹に、耳を当ててくれ。
……聞こえたか?
そう。
胎動だ。
私とお前の子供だ。
永琳に頼んで、お前の卵子と私の卵子を合わせたものを、私の子宮に入れてもらったんだ。
ふふ、どうだ? 楽しみだろう?
きっと妹紅に似た、奇麗な白色の髪だろう。
男の子かな? 女の子かな?
目はどちらに似ているだろうか。
もし、お前に似た赤色の瞳なら私は嬉しい。
私はこう思うんだ。
お前は死んでしまったが、またこうして私の中へ戻って来てくれたんじゃないかって。
輪廻を、私は信じている。
約束だ。
生まれおちてきたお前を、私が一番に抱きしめてやる。
そしたら、もう二度と、離さない。
ずっと。
ずっと一緒にいよう。
ああ、大丈夫だ。
これは哀しい涙じゃない。
妹紅が帰って来てくれて、嬉しいから涙が出るんだ。
嬉しいから、こんなに沢山涙が出てしまうんだ。
ああ、妹紅。妹紅。
愛しているよ。
『という夢を見たんだ』
……ふぅん、そんな夢を見たんだ。
慧音の変態……。
あ、冗談冗談。
冗談だってば。そんなにあからさまに落ち込まないで。
ああ、もう。
涙で美人顔が台無しだぞ。
ほらほら、涙拭いて?
鼻水も垂らしちゃってさ。
ぷぷ。いや笑ってない笑ってない。
ハハ、はいはい、分かりました。
怖かったんだね、慧音は。
うんうん。
いい子いい子してあげる。
ほら、これで安心だな? いい子いい子。
ううん、いつもの逆だな。
なかなか新鮮な感覚だ。
……よし、慧音、今日は特別だ。
私にめいいっぱい甘えていいぞ。
慧音は普段から、背筋をピンと伸ばし過ぎてるからな。
たまには子供に返ったみたいに、私に甘えてくれ。
え? 膝枕?
はいはいはいはい。
お安い御用さ。
早速早速。
ぷぷ。いや笑ってない笑ってない。
はい、これでいいかい。
ああ、また。涙出てる。
ほんとに怖かったんだね……からかってゴメン。
はいハンカチ。涙拭いて?
……いや、やっぱり私が拭いてあげよう。
こら、逃げるな!
……落ち着いた?
うん、そうだね。
寝直した方がいい。
目の下にクマを作った顔、寺子屋の子供達には見せられないだろ?
私でよければ、喜んで枕に徹するよ。
……え?
ああ、いいよ。
手、握っててあげる。
ああ指の先が冷たくなっちゃってるな。
私が暖めてあげるよ。
起きたら、気晴らしに散歩にでも行こう。
永遠亭……はアレだから、そうだな、妖怪の山にでも行こうか。
あそこの渓流は歩いていると気持ちがいい。
河童たちがあの場所に好んで住んでいるのも分かる気がする。
或いは太陽の畑とかどうだ?
あそこは一年中、綺麗な花が咲いている。
根暗な女の妖怪がいるけど、話してみると結構イイ奴だよ。
そうだ、この前妖精に花の冠の作り方を教わったんだ。
慧音に作ってあげるよ。
ん?
ああ、髪が少なくなってしまったのを気にしてるのか。
花冠が似合わないんじゃないかって。
……大丈夫。
慧音も不死になれば、また健康な時の姿に戻れるよ。
私が保証する。
私が何回、酷い姿になって死んだと思ってるんだ?
その度にちゃんと、元の姿で生き返れたもの。
慧音も大丈夫だよ。
そうだ。また飲んどく?
朝も飲んだけど。
毎日三回飲んでるけど。
飲みすぎるって事はないよね。
ちょっと待ってて。
……はい、どうぞ。
ううん。だいじょぶ。
気にしないでよ。
首だって何千回と切られたんだ。
いまさら手首くらい、どうって事ないよ。
痛みだって感じない。
慧音のためならへっちゃらさ。
……いつになったら生き返られるのかって?
……わからない。
でも、安心して。
私は死なない。
いくら手首を切った所で、いくらでも血は湧いてくる。
いつまでだって、慧音に血をあげられる。
だからいつか、いつか、いつか。
いつかきっと、慧音は生き返る。
その時は、私はまず一番に慧音に抱きついて……キス、するんだ。
おかえり、とか。
会いたかった、とか。
言いたい事も沢山あるけど、多分それらは後回しだ。
ええと……十年? 百年? いま、何年目だっけ。
まあいいや。
とにかく長い間、ずっと、ずっと、待ってたんだ。
待ち焦がれてたんだ。
慧音が生き返るのを。
だからまず、キスをするんだ。
……ごめん、今のやっぱなし。
やっぱりもう我慢できないや。
一度だけ、一度だけでいいから。
……キス、していい?
そう。いま。今すぐだよ。
……いいよね?
――。
唇、乾いてるね……。
もっと……もっと飲んで。
私の血を。
そして早く……生き返って。
ね。慧音?
『という夢を見たんだ』
けぃーね「妹紅と私の間に子供なんてできるじゃろか?」
えーりん「クローンアリスできるくらいだから大丈夫じゃない?」
もこたん「不死になるためには蓬莱人の血を飲めばいいってほんまですか?」
ぐーやん「ほんまじゃないです。生ギモ食わんと。レバーレバー」
泥田んぼ
- 作品情報
- 作品集:
- 8
- 投稿日時:
- 2009/12/08 12:33:11
- 更新日時:
- 2009/12/08 21:33:11
- 分類
- 上白沢慧音
- 藤原妹紅
- 注意:百合、キャラ死亡、ヤンデレ
ばんざーい!ばんざーい!やったぜ。
>>けぃーね「妹紅と私の間に〜
できたらしいですね ♀×♀=子供 ♂オワタ\(^o^)/
火の鳥の二巻読んで以来そう思う
きっと、これは星より長生きした結果
体を失って意識だけになった妹紅が見てる夢・・・