Deprecated: Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『メディで小話×3』 作者: 泥田んぼ
何を血迷ったかマルチエンディング(?)仕様です。
下の選択肢よりお選びください。
ニア【雛×メディが好きだ】 →このままお読みください。ややヤンデレ風味です。
【永琳×メディが好きだ】 →スクロールして一番目の空白(Case2)からお読みください。走れ永琳。
【アリス×メディが好きだ】 →スクロールして二番目の空白(Case3)からお読みください。爆発はしません。
Case1【鍵山雛の場合】
Act.1
二体の人形がおりました。
向かい合って座っていました。
片方の人形は臙脂色のドレス、もう片方は黒とピンクのドレスを着ています。
二体の人形は名前を、鍵山雛、メディスン・メランコリーと言いました。
二体の人形には首がありませんでした。
ですが、別にどこかに置き忘れて来てしまったわけではありません。
二体の首は、それぞれ、向かいの相手の膝の上にありました。
雛の膝の上にメディの首。
メディの膝の上に雛の首。
二人の手には綺麗な布巾。
二人は互いの首をその布巾で磨き合っているのです。
『ん、もう。雛ってば。擦るの強すぎるよぅ』
『あら、ごめんなさい。これでいいかしら』
『きゃふ、く、くすぐったいってばぁ』
『ふふふ。メディの髪は柔らかくて羨ましいわ……』
『雛はそればっかりね。たまにはこの硝子玉みたいな目も褒めてほしいわ』
『あら。でも私がそこを触ったらメディ怒るじゃない』
『だって雛ってば光彩を何度も撫でるんですもの。私は触ってほしいんじゃなくて褒めてほしいの!』
『そう? 私は触る方が好きだけど……誰かに触れて、自分に触覚がある事を自覚するのが好き。私はもう、ただの人形じゃないって事を確認できるから』
『そう? 私は褒められる方が好きよ。誰かに褒められるって事は、自分の存在が認められるって事。誰からも見向きもされなくなった人形は捨てられるだけ。私はそれが怖い』
『『《メディは/雛は》もの好きねぇ』』
『『でもそんな所も大好きよ』』
『『じゃあ私が《褒めて/触らせて》あげるからあなたはもっと私を《触らせて/褒めて》??』』
二体の人形は笑い合い、互いの首を膝に乗せ、また楽しくお喋りを始めました。
Act.2
仲の良かった人形は喧嘩して、離れ離れになりました。
Act.3
二体の人形がおりました。
向かい合って座っていました。
二体の人形には首がありませんでした。
メディの首は雛の膝の上にありました。
雛の首はどこにもありません。
雛の首があった所からは血がドクドクと吹き出しています。
せっかくのドレスが台無しになってしまいました。
膝の上にあるメディの首にも、ドクドクと血が降りかかります。
せっかくの金髪が台無しになってしまいました。
メディは、自分を膝の上に載せてくれている首なし雛に話しかけました。
『好きな人に触られるのって、とっても素敵な事なのね。言葉は声に出さなければ空気に消えてしまうけど、触れていれば触れている間ずっと好きな人の事を感じていられるわ。言葉をずっと声にし続ける事は出来ないけれどずっと触れ合っている事は出来るわ。雛の言う通り、『触れる』ってとっても素晴らしい事だわ。私が間違っていた。今ならあなたに幾らでも触れてあげる。この目もこの頬も、幾らでも触らせてあげる。だから……だから私に触ってよぉ……』
メディが幾ら頼んでも、首なし雛はメディに触ってはくれませんでした。
ピクリとも動きません。
メディは哀しくなってシクシク泣きました。
それでも必死に首なし雛に話しかけました。
何度も何度も、話しかけました。
ですがやっぱり、首なし雛は動きませんでした。
メディの首は哀しくなって哀しくなって、シクシクシクシク泣きました。
降り注ぐ血で汚れてしまったメディの頬を、透明な流れが拭き取って、少しだけ綺麗になりました。
Act.4
二体の人形がおりました。
向かい合って座っていました。
二体の人形には首がありませんでした。
いいえ、メディには体もありません。
メディには首しかありませんでした。
メディの首は雛の膝の上にありました。
メディの体はどこにもありません。
雛の首は向かいの椅子の上にちょこんと置かれていました。
首だけメディはパッチリ開いた目から血を流していました。
まるで涙のようです。
首の切れた部分からも血が流れていました。
よく見ると床の絨毯に黒っぽい染みが転々と付いています。
それは部屋の隅の、ベッタリ血の付いた斧の所まで続いていました。
雛は、自分の膝の上の、首だけメディに話しかけました。
『私は触れるのが好きだった。触れられるのが好きだった。だけどね、一緒にいる間はずっと気付かなかったのだけれど、あなたの声もとても好きだったの。あなたの鈴を転がすような声が。声は触れる事ができない。一瞬ではあるけれど、それは体を越えて心にも触れる事ができるのだわ。私が間違っていた。今ならあなたを幾らでも褒めてあげられる。あなたの好きな言葉を沢山かけてあげられる。だから……だからもう一度、喋ってよ、ねぇ……』
雛が幾ら頼んでも、首だけメディは口を開こうとしませんでした。
まばたきも動きません。
雛は哀しくなって涙をポロポロこぼしました。
それでも必死に首だけメディに話しかけました。
何度も何度も、話しかけました。
ですがやっぱり、首だけメディは喋ってはくれなかったのです。
雛の首は哀しくなって哀しくなって、ポロポロポロポロ涙をこぼしました。
血の染みで汚れた絨毯に透明な滴が降り注いで、同じように染みになりました。
Act.5
鈴蘭の人形は、アリスの躯を想い人の代わりに。
流し雛の人形は、アリスの首を想い人の代わりに。
それぞれ抱きしめながら、いつまでもいつまでも泣いていました。
Case2【八意永琳の場合】
永琳は激怒した。必ず、かの風見幽香に復讐してやるのだと決意した。かの邪智暴虐の頭までお花畑フリフリ少女趣味の年増陰険三白眼は、永琳の愛するメディスン・メランコリーを奪ったのである。決して許してはおけぬ。永琳には道理が分からぬ。永琳はただの天才である。クローンアリスだって作れちゃう。だからまずはクローン・メディスンを作ろうとした。幽香への復讐はその後である。暴徒に汚されたメディも一緒に処分である。故にその前にクローンメディスンを作らなければならないのである。しかしメディスンの体は無機物であったためクローンによる複製は不可能であった。それでももしかしたらと、寝台の片隅で発見したメディのものと思しき金色の体毛に一縷の望みを託した。しかしそれを培養してできたのはクローンアリスであった。『紛らわしい!』と永琳はクローンアリスを八つに引き裂いた。これがほんとの八つ当たり。しかし怪我の功名。天才は転んでもただでは起きぬ。永琳の桃色の脳に天啓が舞い降りた。自らのあまりに天才的な発想に永琳は『ほとんどイきかけました』。そうとなれば寸毫ほどの時間も惜しいと永琳は部屋を飛び出した。
「腐腐腐。良く似合ってゐるわよメディ。」
真っ暗な部屋を、煤けたアルコールランプがジジジと、鈍く室内を照らす。腕まくりをした永琳は、椅子の上にかしこまって座るメディスンに、嬉しそうに話しかけた。メディスンは無反応であった。永琳の言う通り、風呂を出たばかりのメディスンはとてもとても可愛らしかった。梳かれた髪はまだほんのりと湿っており、石鹸の甘い香りを部屋の中に漂わせていた。新しいドレスは、永琳がてづから縫ったもので、布地の端々に鈴蘭の花が縫いこまれており、仄かに毒を発していた。頭のリボンはピンとして、まるで、できたてのお人形のようであった。ただし首は外れていた。外れた首はメディスンの膝の上にちょこんと置かれ、二つの白い手が添えられていた。首は、目からは血の涙を流していた。
それはメディスンの格好をさせられたアリスであった。息はもうない。
「一寸ばかり背が高いのが玉に瑕ね……後で少し足を削りましょう。」
上機嫌に鼻歌を歌いながら永琳はそう言った。これから、自分とメディは永劫でも共にいられるのだ。まずは、さうだ。久しぶりにメディスンとまぐわう事にしよう。丁度助手も呼んである。そのためには、まず着替えなければ。永琳は、メディスンを風呂に入れて濡れてしまった衣服を、脱ぎ始めた。すると、ウドンゲがやって来て、呆れた顔になり、突然に永琳に抱きついた。
「師匠、もう、まっぱだかじゃないか。ちょっとは我慢できなかったんですか。この可愛い乳首さんめ、自分の痴態を、メディさんに見られるのが、たまらなく好きなんですよね。」
天才は、ひどく赤面した。
Case3【アリス・マーガトロイドの場合】
メディの家からキャッキャと二人分の笑い声が聞こえてきます。
声の主はメディスンとアリス。二人は恋人同士です。
今日は何と、メディスンが新聞の取材を受ける日。
だから今日のメディの服装は、ドレスからミニハットまで、アリスが気合を入れてコーディネートしました。
我ながらメディの可愛らしさをフルに引き出した、完璧なコーディネートだわ、とアリスは一仕事終えた後の満足顔で言いました。
ありがとう、アリス。メディスンも嬉しそうです。
そうしてメディスンは妖怪の山へ飛んで行きました。
アリスは残ってお片づけです。あれはどうかしら、これはどうかしらと引っ張り出しまくったドレスやらスカーフやら帽子やらドロワやらで、部屋の中は酷い有様なのです。
半分くらい片づけた所で、アリスは一休みしましょう、と紅茶を淹れました。
レモンティーで一服していると、ふと、出したままのドレスの一着がアリスの目に留まりました。
これらは元々、魔界にいた頃お母さんがプレゼントしてくれたものでした。
あまりにヒラヒラふわふわしているので、幻想郷に来てからはすっかり着なくなってしまい、箪笥の中で肥やしになっていたのです。
それをメディの晴れ姿のためにと、メディに似合いそうなのを当たり構わず持ち出してきたのでした。
目に留まったのはそのうちの一つで、ちょっと大きめのものです。
(これなら、私にも着れるかしら?)
アリスは、我ながら年甲斐のない事、と思いながらウキウキした手でそのドレスを着始めました。
(ううん。少し丈を直せば使えそうね)
レースをふんだんに使ったお姫様みたいな意匠が少々恥ずかしいのですが、これを着てメディと並んだら姉妹みたいに見えていいかもしれません。
そんな事をアリスが考えていた時、コンコンと扉がノックされました。
訊ねてきたのは射命丸文でした。
「やーやーメディスンさん先ほどは済みません。実は撮らして頂いた写真を現像したらワンカット失敗しちゃったのがあって撮り直させてほしいんですよ。そういうわけでちょっとお邪魔します。わぁ可愛らしいお部屋ですねお人形さんみたいなメディスンさんにピッタリです。こちらで撮った方がいい写真ができそうですね」
どうやらメディの取材を終えた後、現像し、更に本人が帰ってくるよりも早くメディの家まで飛んできたようです。さすが幻想郷最速ですね。しかし口の方も相当早口のようです。
いや私メディじゃないんですけど、とアリスが言いかけたのを無視する勢いで文は部屋に入ってくると、テキパキと辺りを片付けて写真用のスペースを作りアリスをそこへ座らせました。
「はい。じゃぁニコって笑ってくださいー」
全く気付いていないらしいです。速さが自慢の鴉天狗も、そそっかしくてはダメなのでは? アリスは苦笑いしました。カシャカシャ 文は構わずシャッターを切ります。
(ま、いっか。文が一通り撮って満足したら教えてやろう。ついでに現像させちゃおう)
アリスさんは説明を諦めて、ニッコリ笑顔を振りまきました。カシャ カシャ
「うーん。ちょっと姿勢が固いですねー」
何やら文が注文を付けてきます。こうかしら、とアリスさんは何回か姿勢を変えました。
けれどどんな姿勢でも、文は首を横に振ります。アリスさんはだんだん笑顔を保つのが辛くなってきました。
「あーそうじゃなくてもうちょっとむしろこう何というかメディさんらしいアングルがほしいんですよね働け私のイマジネーション!! ここをこうしてあれをこうして、ああこんな感じかな?」
そう言うと文はアリスの首を捩じ切って、その膝の上にぽんと置きました。さすが天狗、怪力です。
血が噴き出しましたが、文が音速を超えて止血しましたのでドレスは汚れませんでした。
「これですこれ! 人形の妖怪っぽい素敵な構図です。これ考えた人は天才ですね! じゃあこれで何枚か行きますよー。それはそうとメディスンさんも血は赤いんですねぇ」
カシャ カシャ
撮り終えると文は、じゃあ現像がありますんで! とまた目にも止まらぬ速さで飛び出して行きました。
そこへメディスンが帰ってきました……。
――首がない場合は、まず入れ替わり殺人を疑いましょう。
絵板のHI氏の作品に感銘を受けてざざっと書いたんですが何やら変質していますね\(^o^)/ヲワタ
雛も球体関節人形派。
ちなみにマルチなんちゃらにしたのはヲチが一緒だから(爆)
せめてもの意地で文体だけ弄ってみたらさらにカオスに!
いやぁ首だけメディって良いものどすなぁ^^;
泥田んぼ
- 作品情報
- 作品集:
- 8
- 投稿日時:
- 2009/12/11 13:06:32
- 更新日時:
- 2009/12/11 22:06:32
- 分類
- メディスン・メランコリー
- 鍵山雛
- 八意永琳
- アリス・マーガトロイド
- 注意:百合、人形、グロテスク、キャラ死亡、ナンセンス
とでも言うとでも思ったか!!
言うよwwwこういう変化球もいいねwwwww
雛メディいいですね!
磨き合いに混ざって一緒にキャッキャウフフしたい
ぎゃぁぁぁなんかやっちゃってますすみません^^; メディの紫色の涙を見てたらつい……