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『The game 1-4』 作者: 名前がありません号
21.
昔、人里の前の村長が人々の娯楽施設として、賭博場を作った。
里の幹部クラスで運営された賭博場は、
里の上流層に大変好評で、連日入り浸るものも居た。
それからしばらくして、人里での変死体が度々発見された。
医者は、麻薬の類の過剰摂取による中毒死だと言っていた。
それだけではない。
人里内で次々と子供が誘拐される事件が相次いだ。
子を失った親達は、悲しみにくれていた。
おまけに妖怪による金品の略奪も行われ、里の人々は苦しんだ。
そうした事件が次々起こり始め、
村長側も自警団の設営を行い、対応をすると人々に説明をした。
しかし事態は変わらず、また自警団も村長の命令なしには動けない身の上であった。
そんな時、村の外れに庵を構えていた慧音に、村の子供らが相談に来て、事態が動いた。
自警団は慧音に説得され、本格的に活動を開始し始めると、
これらの事件の発端が明らかとなった。
村長とある妖怪との癒着。
子供を差し出す代わりに妖怪に人里の人間を襲わせて、金品を略奪させた。
さらには麻薬売買で膨大な利益を得ていたのである。
そしてそれらが実行された場所こそが、あの賭博場であった。
全ての動かぬ証拠を揃え、慧音らは村長と幹部を次々と捕縛、粛清した。
村長とつながりのあった妖怪も博麗の巫女によって退治された。
その後、賭博場は解体。現在はただの廃墟が広がるのみである。
22.
再びこの場所に足を踏み入れる時が来るとはな。
慧音は苦い思い出を噛み潰しながら、そう呟く。
賭博場の地下へ続く階段を進む。
ここに来た時のことは今でも覚えている。
麻薬に溺れ、やつれて、言葉も発せない人々。
そして痩せ細り、ぐったりとした子供たち。
極めつけは、袋詰めされた沢山の臓器。
大小様々で、子供の臓器までもが存在していた。
何故人間同士でこんな事が出来る。
そう何度も思ったものだ。
それからだ。
本当に人々を守りたい。
あらゆる物から守ってみせる。
そう思えるようになったきっかけでもある。
そして奥に進む。
そこにはテーブル一つが置かれていた。
沢山の乾いた血とテーブルに置かれたコイン。
人の絵が刻まれたコイン。
コインを手に取り、裏を見る。
裏には“命”と書かれていた。
表は人。裏は命。つまりこのコインは人の命、というわけだ。
だが、と慧音は思う。
今回発見されたコインには、裏には何も描かれていなかった。
表に人の絵が描かれているだけだった。
何故、人の絵しか描かれていないのか。
人の姿をしているだけ?
はっ、と慧音は気付く。
爆発したアリスの死体。
人形の設計図。
表に人、裏は無地のコイン。
河童の製造していた人型。
まさか。
だが、仮にそうだとして。
そんなことがありえるのか……?
23.
慧音は人里に戻ると早苗を呼びつけた。
「どうしたんですか、慧音さん」
「ついてきて欲しいところがある。頼めるか?」
「は、はい」
いつになく険しい表情をする慧音に気圧されるように、早苗は慧音と共についていった。
しばし空を飛び、向かったのはにとりのいる診療所だ。
椛からの連絡はまだだったが、どうしても確認しなければならないことがあった。
診療所に入り、にとりの居る部屋の前に椛がいた。
「慧音さん? どうしたんですか」
「にとりは起きているか」
「え、は、はい。にとりさんなら起きてますけど……」
「少し話がある。外してくれないか」
「え、ど、どうしたんですか?!」
椛は慧音の突然の行動に、驚きを隠せない。
椛は必死に止めようとするが、慧音はその静止を振り切って、
にとりの部屋に入った。
「にとり。私だ。慧音だ」
「……」
「喋りたくないならそれでもいい。勝手に私が話す事にする」
「……」
「設計図が見つかった」
「……!」
「お前の工房の倉庫に偶然残っていた」
「……」
「今は私の庵の書斎に保管している。気が向いたら見に来るといい」
「……」
「それじゃあな、にとり」
そういって慧音は外に出る。
にとりは布団を深く被っていた。
24.
「用事は済んだ。無茶をしてすまなかった」
「……気をつけてください。にとりは病み上がりなんですから」
「ああ、気をつける」
椛の忠告を聞いて、慧音はそれでは、と言って出て行った。
出てきた慧音に、早苗が問う。
「一体にとりさんと何の話をしたんですか?」
「いずれ分かるさ」
「?」
早苗は疑問符を浮かべていた。
25.
夕刻。
誰も居ない慧音の庵に、何者かが近づいていた。
姿こそ見えないが、その存在は確かに慧音の庵へと入り込んでいった。
そして誰も居ない事を確認して、書斎に入り込む。
早くしなければ。
それは書斎を探し始めるが、目的の品は何処にもない。
確かに。確かに書斎にあるはずなのに。
「お探しの品はこれか?」
後ろから声がする。
静止した状態から、それは動く事が出来ない。
「設計図。見たいんだろ? にとり」
慧音だ。その手には設計図の書かれた紙がある。
もうだめだ、と思い、にとりは光学迷彩を解く。
「み、見せてくれ。それは大事なものなんだ」
「そうか、だが、お前に見せなくても他の河童に見せてもいいか」
「だ、駄目だ! それはアリスと共同で作った……」
「アリスと?」
「あっ!?」
「私は設計図とは言ったが、何の、誰が書いた設計図かまでは言ってないはずだが」
「う、うう。ひどいよ、カマかけるなんて」
「答えろ。この設計図は何だ」
にとりは咄嗟に煙幕弾を、床に投げつけると、そのまま外へと脱出を図ろうとする。
しかし突如、吹いた突風に吹き飛ばされ、慧音の庵に戻される。
いたた、と顔を上げると其処には東風谷早苗が居た。
お手上げであった。
「逃げるほど危険なものなんでしょうか、この設計図の物は」
「答えてもらうぞ、にとり。これは一体何なんだ」
にとりは今度こそ、観念した。
26.
にとりは早苗と慧音の二人の前で少しずつ話し始める。
「最初にこの話を持ちかけてきたのはアリスだったんだ」
「新しい人形を作る為に協力してほしいって」
「私も興味はあったんだ。人型のロボットとか作ってみたかったし」
「それでアリスの設計図どおりに部品を作って、組み上げたんだ」
「全部で十体ほど組み上げた時、アリスが突然言ったんだ。動作試験をしようって」
「何処でって聞いたけど、教えちゃくれなかったよ」
「その後からかな。アリスと連絡が取れなくなっちゃったんだ」
「その代わりに変な招待状が届いたんだ」
「招待状?」
「『The game』への参加資格を取得しましたって書いてあった」
「よく分からなかったけど、その後ゲームの内容が通知されたんだ」
「ゲームは宝探し。人里に隠されたコインを10個集めると願いを一つかなえてくれる」
「そんな内容だった気がするよ」
「折角だからゲームに参加してやろうって事になったんだけど」
「私は、その、光学迷彩を使って、人間の家に入ってコインを発見してたんだけど」
「でもある時、私がコインを発見した場所に家主が帰ってきて、隠れてたら」
「突然、その家主が私の目の前で殺されたんだ」
「怖くて、怖くて、その場からしばらく動けなくなった」
「その後、アリスが殺されたのを知って」
「それから、もう『The game』をやめようと思ってたんだ」
「けど、同僚の河童が突然コインをよこせって言ってきたんだ」
「今思えば、あいつも参加者だったんだろうって思うよ」
「私は拒否していたよ。何故かは分からない。もしかしたら他人の願いがかなうのが嫌だったのかもしれない」
「その後、私の工房にあいつが入ってきて、あんたに助けられたんだ」
「あの三枚のコインは、お前のだったのか……ん、ちょっと待て。お前はどうやってコインの居場所を知ったんだ?」
「知ったも何も事前に通達されるんだよ。コインの最初の所持者は」
「その後、コインの移動があった場合、その度に誰が所持しているかわかるみたい」
「おい、今コインはいくつあるんだ」
「昨日までの通達だと、確かAが五枚、私ことB・Cが無し、NPCが四枚だったかな」
「最後の一枚……誰だ、それは!」
「えっと、確か……この人だよ」
そしてにとりが、慧音に写真を見せる。
慧音はそれを見ると、突然走り出した。
「け、慧音さん!? 一体誰が……!?」
早苗は驚愕した。
写真の人物は、この人間の里の村長だった。
26.
村長は今日の仕事を終え、家に帰ろうとした時だった。
人の気配を感じる。
ふと振り向くと、誰かが居る。
「だ、誰じゃ?」
その人影は突如、村長に体当たりをしてくる。
咄嗟の事に体制を崩した村長は恐怖の余り動けない。
その人影が手の獲物を振り下ろした。
ズシャリ
村長を切り裂くはずだったそれは、まったく別の物を切り裂いていた。
「ぐぁ……」
「け、慧音様!」
「ま、間に合ったな……」
慧音が村長に覆いかぶさり、斬撃をその身体で受け止めたのだ。
「はぁ、本当に無茶ばかりするんですね。理解に苦しみますよ」
人影が慧音を嘲笑うように言う。
聞き覚えのある声だった。
「お前が……Aか。犬走椛」
「そうですよ、私がAです」
椛は自身だと、強く主張した。
「人里の殺人事件。お前も関わっているな」
「ええ、その通りです。楽しかったですよ。バッサバッサ人を切るのはね」
「何故、こんなことをする!」
「何故って? 決まってるじゃないですか! 私の願いをかなえるためですよ!」
「正直な話、天狗の世界じゃ、昇進できる限界というのがあるんですよ」
「上位の天狗ほど、上位の階級が約束されるんですよ」
「私は下位の天狗で、哨戒天狗からどんなに頑張ったとしても」
「精々、部隊長クラスが限界なんですよ」
「そんなのって無いじゃないですか。私はもっと上を目指す能力があるのに!」
「誰もそれを認めてくれないんですよ!」
「そんな時、私にもやってきたんですよ。『The game』の招待状を」
「どんな願いもかなえてくれるなんて、素敵な響きじゃないですか」
「そして私は、片っ端から人間の家に侵入して、コインを奪いました」
「幸い哨戒天狗なんてのは暇でしてね。多少抜け出したぐらいじゃ分かりません」
「おまけに滅多に人にも会わないので、私に気付くものも少ない」
「流石にやりすぎて、慧音さん達が動き始めた辺りからは自粛するようにしましたがね」
「にとりさんと河童のやりとりもこっそり聞いていました」
「それで先回りして、河童を自殺に見せかけて殺しました」
「しかし、コインを奪う前に貴方達がやってきた。やむを得ず、脱出するしかなかった」
「でも好都合です。その村長の持ってるコインと、貴女が持ってる四枚のコインを手に入れれば」
「私はついに願いをかなえることが出来る!」
「うふふ、安心してください。出来るだけ血化粧をして殺してあげますから、あはは、ははははは」
狂ったように笑いながら、椛は言う。
正気じゃない。慧音はそう確信する。
しかし予想以上に慧音の傷は深手であった。
スペルカードを使い、三種の神器の剣を発現する。
「あれれぇ? 私とやりあうつもりですか? そんな怪我で」
「黙れ。私はお前と違って、守るものがある」
「はっ。守るものなんて無意味ですよ。どうせ使い捨てられるだけなんですから!」
椛は剣を大きく振り上げる。
ぶおんッ、という音と共に慧音めがけて振り下ろされる。
慧音はそれを発現した剣で受け止める。
衝撃が腕を伝わり、慧音がぐぅっと声を上げる。
「あはは! 馬鹿ですねぇ、こんなオヤジ守ったってさぁ! 何にも意味ないじゃないですか!」
「さっさとコインを渡せよ! そして私は昇進してやるんだ!」
「今まで私を蔑んできた奴らを今度は私が見下してやるんだ!」
「それで私の願いが達成されるんだ! あひゃひゃひゃひゃ!」
「そんな事をして何になる! お前だって守るものがあったんじゃないのか!」
「そんなもの、とうに捨てましたよ!」
剣術も何も無い、感情のまま振るわれる剣。
その一撃を受けるたびに、椛の内に秘めた暴力的な感情を受けているような気さえする。
そこまで会う機会が無かったとはいえ、その時には見せない顔が今はっきりと目の前にある。
あの時見せた顔は嘘で、今ある顔が本当なのか?
慧音の中にそんな疑いが生まれてくる。
確かに、守っても意味など無いのかもしれない。だが。
「それでも私は、彼らの為に生きると誓ったんだ!」
それは椛に、というより自分に言い聞かせていた。
そして気力を込めた一撃が、椛の手首を捉える。
盾を構える事も忘れた椛は、そのまま剣に手首を飛ばされた。
「あ? あぎゃあああああああああああああああああ!?」
椛の絶叫が響く。
そして部屋から椛が飛び出していく。
慧音は肩で息をしながら、剣を支えに立っていた。
「け、慧音様! き、きずが……」
「だ、大丈夫だ。今日は満月……だから、問題、ない。それより、村長殿は無事か?」
「は、はい、私は、無傷です……」
はぁ、はぁ、と息も絶え絶えに慧音は言う。
村長は、慧音の背中から流れ出る血を見ていられず、顔を覆っていた。
「そう、か、なら、よかった……」
発現していた剣がふっ、と消えると、支えを失って慧音が倒れる。
「け、慧音様! だれか! だれかー!」
意識が薄れる慧音に聞こえてきたのは、自分の名前を呼ぶ子供らと早苗の声だった。
27.
くそ! くそ! くそ!
椛は失われた右手首を見ながら、毒づいた。
あと少しで全部自分の思い通りになったのに。
あのお人よしのせいで、全部台無しになってしまった。
おまけに顔を見られた。このままでは今の地位さえ危うい。
「くそ、あと少しだったのに。このままじゃ、私は」
「そのような心配は無用ですよ」
「え? あ、文様!?」
眼前に現れたのは、自身よりも上位の鴉天狗。
こんな私の姿を見て、笑いに来たのだろうか。
「かわいそうな椛」
「え?」
「こんな手になってしまって、辛かったでしょう」
「あ、ああ」
「貴女がそんなに思いつめていたなんて知らなかったんです」
何も言えなかった。
文は椛を抱きしめていた。
温かいぬくもり。
椛はその温もりを感じて、自分が哨戒天狗としての道に進んだ時の事を思い出した。
そうだ。
こんな温もりを守る為に、自分は……。
なのに、今の私はそんな事すら忘れて。
椛は自身の愚かさを呪った。
目先の出世欲にとらわれて、大事なものを見失うなんて。
「文様ぁ……」
「椛……。あ、時間ですね」
「え?」
椛がそう言った次の瞬間には、椛は風の刃でバラバラに切り刻まれていた。
最後に椛の眼が見たものは、文の嘲笑うかのような目であった。
「馬鹿ですねぇ、椛。ついに貴女は気付く事がなかったんですねぇ」
「ゲームマスターが私だということに」
「貴女は私の記事を飾る名悪役として、描かせてもらいますよ」
「『英雄、上白沢慧音! 悪逆非道の天狗から里を守る!!』 うーん、いいですねぇ」
「天狗ってのはヒール役が実に似合います。特に下級天狗は使い勝手がいいです」
「あっはっはっはっは!!」
夜の森で文が笑う。
その顔は、誰にも見せた事の無い、本当の文の笑顔であった。
End.
その後、文々。新聞にて、昨日の事件の特集が組まれた。
悪逆非道の下級天狗“犬走椛”の野望を、上白沢慧音が阻止したという内容だ。
大幅に脚色され、犬走椛がいかに外道か、上白沢慧音がいかに素晴らしいか、
ある事ない事が書き加えられていた。
「どうです、どうです? 私が言うのもなんですが、会心の出来だと思うのですが」
文は心底うれしそうに、慧音と早苗に見せる。
ちなみに慧音は深手こそ負ったが、満月の影響で獣の側面が強化され、
自然治癒力が高まった事で、大事には到らなかった。
とはいえ、深い傷ではあるため、こうして早苗が看病をしているのだ。
「………楽しそうだな。お前の仲間だろう」
「欲に走って馬鹿をやらかした彼女は仲間でも何でもありませんよ」
文はヘラヘラと笑っている。
正直、慧音は殴りたい気持ちで一杯だったが、そこは堪える。
今は満足に動ける状態ではないし、仮に動けたとしても、勝てるかどうか怪しいものだ。
「『The game』については、どうなんだ?」
「現在、天狗達が必死になって捜索中ですが、まぁ収穫は無いと思ってください」
「どういうことだ?」
「それ自体が作り話の可能性を上は考えているようですから」
「何故だ。にとりの招待状があったはずだ」
「いやぁ、実はにとりさん。読んだ後、捨てちゃったみたいなんですよねぇ」
「何?」
「というわけで証拠ゼロというわけでして。いやぁ、困ったもんです」
文はヘラヘラとした笑みを変えず、言い続ける。
慧音はおおよその推測を立てる。
そして恐らく、その推測は正解かもしれない。
しかし、推測は推測でしかない。
真実である事を証明する為の証拠は無い。
だからこその余裕なのだろう。慧音は眼前の文を見て、思う。
再び文の新聞に目を通す。
其処には、人里で起きた殺人事件の犯人は全て椛の仕業であったと書かれていた。
そして天狗内でも嫌われ者で、爪弾き者だったという書かれ方をしている。
「それじゃあ、内容はこんな感じでよろしいですよねぇ?」
文はニヤニヤとしながら、慧音を見る。
これ以上関わるな、と暗に言っていた。
慧音は好きにしろ、とだけ言う。
文はわかりました、と笑顔で言うと、そのまま飛び去っていった。
一部始終を見ていた早苗は言う。
「釈然としないですね。何もかも」
「だがそれを証明するものはない、か」
慧音が里の診療所に運ばれて、応急処置を受けている間に、
何者かにコインと設計図が盗まれていたのだ。
これで、何もこの事件の真相に辿り着くものは無くなってしまった。
ただ謎だけが、残されてしまった。
動作試験を行ったという人形は一体何処にあるのか。
アリスは本当に死んだのか。
生きているとして、今何処に居るのか。
しかし、慧音にそれを知る機会は、しばらく来る事はないのである。
射命丸文をGMとする人里でのゲームは終了した。
しかしこれは始まりに過ぎない。
その真の目的を達するまで、ゲームはまだ続く。
彼女の目的が達成されるまで。
『The game』は終わらない。
※ 次回予告的な何か ※
幻想郷でも数少ない洋館の一つ。紅魔館。
紅魔館のある人物に届いた一通の手紙。
其処には、とあるゲームのゲームマスターになる権利と、ゲームの内容が記されていた。
普段であれば、そんなものに興味は持たなかったが、ある一文を見て、彼女の眼の色が変わった。
『ゲームマスターが勝利した場合、願いをかなえることが出来る』
その言葉に魅せられたかのように、彼女はゲームの準備を始める。
全ての準備が整ったとき、彼女はゲームプレイヤーにこう言った。
「嘘吐きは誰でしょう?」
※ ※
消化不良エンディング。
不快感ばっちりだぜ!
あと、超大作っぽそうに見えて、そうはならないから安心してほしい。
名前がありません号
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2009/12/16 17:45:27
更新日時:
2009/12/17 02:52:48
分類
不快感たっぷりのエンディング
超展開
物凄く結末が気になります。
続きも頑張ってください。
参加者は何となく予想できたけど
GMはなぁ・・・
文がGMだったとは……
ところで「願いが叶う」が文の嘘なら、プレイヤーたちは何故限りなく胡散臭いそれを一切疑いもせず信じたのだろう