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『アリー・スッターの孤独な年越し』 作者: 七七
1月1日0時 博霊神社
「あけましておめでとう!!!」
「「「「「「「「「「「あけましておめでとう!!!!!」」」」」」」」」」」
宴会に集まった人々が高らかに叫ぶ。
皆が乾杯する。
そこに集まった人妖の中には、
ア リ ス マ − ガ ト ロ イ ド の
姿は無かった。
魔理沙やレミリア、早苗等、普段は宴会に来ない人妖も年越しに来ているというのに。
皆がアリスの事を忘れているのである。
では、アリスはどうしているのか?
6時間ほど前に遡って見て見よう。
12月31日18時 アリス宅
「・・・・・・今年も一人なのかな」
溜息をつくアリス。そう、彼女は昨年も、一昨年も一人で年越しをしていた。
正確に言えば一人と数人の人形なのだが、やはり皆と年越しをしたい。
しかし、それなら宴会に行けばいい。何故行かないのか?
実を言うと、彼女は極度の酒乱な上、本当にあるのかないのか微妙な程のアルコールで酔ってしまう。
その為、一度宴会に行ってからは、恥ずかしくて一度も行けなくなったのだ。
一度行ってから、長い間宴会に行っておらず、
その上、ここ数年は引き篭もりがちだったので、
そもそもアリスの存在を覚えている物がいなかった。
更に皆酒を飲んで酔うのだ。皆アリスの事など忘れてしまう。
「シャンハーイ」
「ホラーイ」
二体の人形が寄り添う。しかしアリスは暗い表情のまま。
毎年この時期になるとどんよりとアリスの心は沈むのだ。
ぐううううううううううう
アリスの腹が鳴る。
アリスは暗い表情のまま、人形が作ったご飯を持ってきて、食べ始めた。
12月12日22時
「今頃皆は宴会してるんだろうな・・・」
アリスは魔法の研究に勤しんでいた。
宴会に行けない事はかなりのコンプレックスだった。
様々な人妖の集まる宴会では、酒乱も珍しくなく、
そこまで恥ずかしがることでもないのだが、
アリスのプライドがそれを許さなかった。
ということで、この頃アリスは酒乱をどうにかする魔法を研究している。
手探りで行う研究だが、魔法が完成すればそれからは宴会に行くつもりだった。
そして、試作型が完成した。
アリスは酒を持ち、外に出た。魔法が失敗しても大丈夫なようにだ。
アリスは魔法を詠唱した。そして、酒をごくりと飲み―――――――
1月1日0時30分 博霊神社
宴会は続いていた。
今日の宴会はえらく長い。
いつもは朝方までなのだが、今日は特別。
八雲家やスカーレット家の計らいで、
食事が用意されるようになっている。
なんと、7日7晩の間宴会をするのだ。
その為なのか、普段は来れない里の長や門番なども来ている。
いつもよりも宴会に来た人が多い為、博霊神社の中をはみ出して、広間で宴会をしているのだ。
そこに、長い間宴会に来なかった、
七色の人形遣いがやってきた。
魔法は、完成していたのだ。
魔理沙や霊夢、パチュリーが、アリスがやって来た事に気付いた。
3人はアリスを笑顔で迎えた。
「ごめん・・・日付が変わるのに間に合わなかった・・・」
「いいさ。一緒に飲もうぜ」
「久しぶり!さあ飲みましょう、アリス」
「うん・・・」
「魔法が完成したのね?さあさ、飲みましょう?今日は折角アリスが来てくれたんだから!」
「うん・・・!」
アリスは3人の優しい友人に迎えられて、
ニコリと笑った。上海や蓬莱もついてきている。
二体の人形も、アリスにつられて笑った。
1月1日7時 アリス宅
「・・・・・夢か・・・・ぐすっ」
毎年アリスの初夢は、孤独をより加速する夢だった。
アリスだから。ね。
年越しでテンション高くなって書いた。
後悔はしてない。
七七
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2009/12/31 15:59:25
更新日時:
2010/01/04 20:23:15
分類
アリス
上げて落とす
マリー・サッター
アリス…でも、大丈夫!きっと今年も 輝ける 年になるんだから!!
…って思った人、挙手。
泣けるこれ・・