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『新年○○ましておめでとう』 作者: どっかのメンヘラ
「よっしゃ新年来た!!これで勝つる!!」
命蓮寺の除夜の鐘の音を聞きながらガッツポーズをとった霊夢。
「さあ今年のお賽銭はいくら入るかしら!?今年のおみくじはいくら売れるかしら?今年のお札やお守りはいくら売れるかしら?!わくわくしてきたわ!!」
新年を迎えた幻想郷。その幻想郷の一角、博霊神社で新年の収入に胸を躍らせる巫女が一人。神社の収入の半分は新年のお賽銭やおみくじ代などで出来ています。
「ああ今年はどれだけ収入が入るかしら?あ〜緊張でヌルヌルしてきた・・・じゃなかった、ドキドキしてきた〜。」
興奮のあまりしょーも無い言い間違いをする霊夢。その所為か本当に頭がヌルヌルしてきたような気がする・・・?
ばらばら・・・
霊夢の目の前を通過して何か黒いものが落ちてきた。
ふと視線を下へと落とした。
「・・・・え?」
そこに落ちていたのは・・・人毛だ、もっと言えば髪の毛だ。
「・・・・・何ぞこれ?」
霊夢は頭を掻きながら髪の毛を拾う。
ばらばらばら・・・
またしても落ちてきた。しかも先ほどと同じように目の前にだ。しかも手に何かが絡みつくような感触がある。
「えっ・・・まさか・・・。」
霊夢はあわてて部屋の鏡を見た。
「・・・・・・うそ。」
鏡の中には自分の顔があった。
前髪がほとんど無くなった自分の顔が。
「・・・・ぎゃあああああああああ!!ハゲたあああああああ!!!」
思わず大声を上げる霊夢。
「ぎゃあああああああああ!!ハゲたあああああああ!!!」
隣の部屋から大声がした。
「ぎゃあああ!!!ってだれよ!!私と一字一句たがわぬ大声上げてる奴は!!・・・って」
霊夢があわてて駆けつけると、そこには萃香が居た・・・・頭に2本の角をはやしただけで毛一本生やしていない萃香が。
「ぎゃあああああああああ!!ハゲだあああああああ!!!」
萃香は霊夢を見て大声を上げた。
「ぎゃあああ誰がハゲよ!!!セリフ一字だけ変えて返してるんじゃねえ!!!」
「だってハゲじゃん!!!本当の事じゃん!!さらに詳しく分類するとバーコードハゲじゃん!!!」
「黙れ!!詳細な分類すんなツルピカ幼女!!!」
「ほっとけー!!!」
萃香は畳にうずくまって泣き出した。
「うぇーーーん!!!つるつるなのは下の方だけで十分なのにぃぃぃ!!!」
「そうだ!!あいつはどうなったかしら?!!」
霊夢は押入れの襖を開けた。そこには酔いつぶれて新年を向かえる前に眠ってしまった魅魔の姿が!!
「ほら!!起きなさい!!!アンタはハゲてない??あなたに髪の毛ありますか???」
魅魔を揺さぶって無理やり起こす霊夢。
「ん・・・ああ、あけまして閉めましょう・・・。」
「寝ぼけてる場合じゃないわよ!!!緊急事態よ!!!」
魅魔は眠たげに目をこすっていたが、霊夢を一目見たとたんあ然とした。
「・・・・・霊夢・・・・だめじゃん、そっちに腋毛処理用の薬塗ったら。」
「そんなことしてないわよ!!何か急にハゲちゃったのよ!!!アンタは大丈夫なの!?帽子とって見せてみなさい!!!」
魅魔は霊夢に言われるがままに帽子を取った。
帽子の下にはちゃんと緑色のロングヘアーが生えている。
「はぁ・・・アンタは大丈夫みたいね。」
霊夢がため息をついたそのときだ。
「へぇ・・・へっ・・・へっくしぃ。」
ばさっ!
魅魔がくしゃみをした瞬間、魅魔の頭から一気に髪の毛が抜け落ちた。
「・・・・・え?・・・いやああああハゲたああああ!!」
「・・・・・ぎゃああああああ!!!こいつもハゲたああああああ!!!」
「ひいいいい!!こんな悪霊ごときとスキンヘッズコンビになっちったーーー!」
3人の悲鳴が響き続けた。
「兎にも角にもこれは緊急事態よ!!!ほかの皆はどうなってるか見に行って来るわ!」
そうして霊夢は飛び去っていった。魔法の森、親友の魔理沙の家へと・・・。
「魔理沙!!!あけて!!!魔理沙!!!」
霊夢は魔理沙の家の戸をたたきながら叫んだ。
「あけて!!・・・ん?何この臭い・・・ぺろっ・・・これは!!!硫化水素!!」
扉の裏側から異臭が漏れ出してきた。霊夢はドアを蹴破ると魔理沙の家に突撃した。
「魔理沙!!!何やってんの!!!魔理沙!!!」
ドアを開けると、家の中に魔理沙が居た。八卦炉から硫化水素を含んだ煙が出てきている。
「霊夢・・・私はもうダメなんだぜ・・・生きていけないんだぜ・・・。」
「何バカ言ってるのよ!!!」
家からあわてて魔理沙を引きずり出した霊夢。帽子は被っていたが髪の毛が見えない。明らかにはげている。
「ばか!!何てことしてるの!!!体中緑色になって死んじゃうわよ!!!」
「でももう私の毛根はほとんど全部死んじゃったんだぜ・・・生きてても仕方ないんだよぉ・・・。」
「何言ってるの!!!髪が無くたって生きてればいいことあるわよ!!」
霊夢は禿げた頭で精一杯魔理沙を励ました。急いで飛んできた所為で霊夢のバーコードハゲのバーコード部分はもはや全部吹き飛んでいた。
魔理沙は暗い表情でため息をついた。
「やめてくれよ。そんな励ましの言葉聞いたってハゲが増すだけなんだぜ。」
「何気にうまい事言ってんじゃないわよ!」
魔理沙は悲しげに霊夢に言った。
「ううぅ・・・でも・・・。」
魔理沙は死にそうな声で続けた。
「私のハゲ方・・・変なんだぜ。笑わない?」
「笑わないわよ。私だってハゲてるんだから。さあ、帽子を取ってみなさい。」
霊夢に言われるがまま、魔理沙は帽子を取った。
「・・・ぷふっ・・・ぶうぅぅぅ!!!」
霊夢は噴出した。
魔理沙のおでこはハゲ上がっていた・・・がおでこのちょうど真ん中あたりに髪の毛がポツリと残っていた。
「ちょ・・・ちょっと!!アンタ!!!ぶふっ!!何それ!!ハゲのカルデラじゃん!!!」
「このやろおお!!笑いやがって!!何がハゲのカルデラじゃこの野郎!!!」
霊夢の首に延髄切りを食らわす魔理沙。
「ごふぅ!!てめえ!!!何すんのよこのバカ野郎!!!」
魔理沙に馬場チョップを食らわす霊夢。
「いで!!このクソッタレ!!頭にクッション無いから痛かっただろ!!!」
こうして二人の喧嘩は霊夢が十文字固めでKO負けするまで続いた。
ハゲた。皆はげてしまった。里の者達も妖怪の山の者達も紅魔館の住人も冥界の住人も人妖老若男女とわず幻想郷すべての者がハゲた。
何でこんなことになってしまったのだろうか?
犯人は明らかだ。こんな大掛かりなバカが出来るのはこの幻想郷でただ一人だ。
「いにしえの時から伝わる言葉かあるわ・・・その言葉は古い年が終わりを告げて新しい年へと変わるときに誰かが必ず口にした言葉よ・・・。」
「・・・・・。」
「しかしその言葉が賞賛を受けることは無かったわ。いつも皆から嫌悪と軽蔑の目を向けられ、いつも皆から苦笑を買い、そしていつも皆から会話のなかで無視され続けたわ・・・まるで『最初から発言されなかった』かのように。」
「・・・・・。」
「だから私はその言葉を現実のものにしたの。幻想と現実の境界をずらしてその言葉をこの世界に実在するようにしたのよ。」
「・・・・・。」
「この言葉が現実のものとなったとき、人々はこの言葉のすばらしさを理解するはずよ・・・・・・。『ハゲましておめでとう』・・・。そう、この挨拶の真の価値を!!」
「・・・・・で、幻想郷の住人全員をハゲにしちゃったんですか?」
呆れ顔の藍の質問に満面の笑みをたたえながら頷く紫。
「ええ、そうよ。皆つるつるになったわよ。面白いでしょ?!」
「はぁ・・・。」
藍は呆れ顔でため息をついた。
「さあ、幻想郷のみんな、新年のひと時の間ハゲを楽しみなさい・・・。」
紫は不敵な微笑を見せた。
「ふーん・・・犯人はやっぱりアンタだったのね。紫。」
紫ははっとした顔で後ろを振り返る。そこにはとうとうツルッパゲになった霊夢と魔理沙が立っていた。
「あ・・・あらお二人とも・・・。」
紫が引きつった笑顔で二人を見る。
「あけましておめでとう・・・お年玉でももらいに来たのかしら・・・?」
「ごまかしてんじゃねえよ糞ババア!!!」
ぼこ!
魔理沙がとび蹴りを食らわした。
「げふ!ちょ!いきなりとび蹴りしないで・・・。」
「死ねや老害!!!」
霊夢のストンピングが紫を攻め立てる。
「いで!!いだ!!やめて!!マジ痛い!!何か殺気がこもってる!!ホントマジ勘弁!!」
霊夢と魔理沙は紫の帽子を無理やり引き剥がすと紫のブロンドヘアを引っこ抜き始めた。
「このやろっ!!!私達の髪の毛返しなさよ!!!」
「お前もハゲろ!!!ハゲちまえ!!」
「ぎゃあああごめんなさいごめんなさい初ごめんなさい!!藍!!助けて!!藍!!!」
藍は満面の笑みをたたえながら言った。
「すいません紫様、私にその人たちを止める事は出来ません。」
藍はそそくさと部屋を立ち去った。
元旦の初日の出と同時に十円ハゲだらけの紫が幻想郷の皆の髪の毛を元通りに戻したことは言うまでも無い。
新年ハゲましておめでとう!!!
新年早々何やってるんだ俺・・・。
どっかのメンヘラ
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2009/12/31 20:17:30
更新日時:
2010/01/01 05:17:30
分類
新年早々頭悪すぎな作者
グロ無し
エロ無し
バカ丸出し
新年早々声出して笑ったw
新年早々笑わせていただきました
マジでうますぎ噴いた
おや、誰か来たようだ
世の親父達を敵に回す!
何というか、所々 上手い!山田君全部もっていって!!(ぇ
何気に「あけまして閉めましょう」が斬新だった。
むしろみんな同じになったら馬鹿にされないんじゃね?
新年早々、カンブリア級の親父ギャグが幻想入りするとは…
霖之助君〜メンヘラさんに座布団10枚持ってきて!
思いっきり笑ってしまった。
ギャグ漫画日和思い出したぜ。