カリスマブレイクウィーク・1.5

注・ゲロあり







５月２２日0:01　白玉楼

「お腹減った〜！ようむ〜！ご飯残ってない〜？」
「夕飯で15合も食べたじゃないです・・・かッ！」
ザシュゥゥゥン
「ごはァッ！な、何するのよ！」
「い〜〜つ〜〜も〜〜い〜〜つ〜〜も〜〜！！」
「え、え？」
「食費がやばいんですよォォォォォォ！！
こっちの身にもなってくださいィィィィ！！」
「だからって斬りかかってくる事ないじゃない！」
「カリスマブレイクウィークの始まりですよォォォォォッ！
皆さん！さぁ！サァ！！！」
「ちょｗｗｗｗ何言ってんのｗｗｗ意味わかんないんだけどｗｗ」
「うっさい！ああそうだ、特別にご飯をあげましょう！
ほら、あんパン！あんこだけですけどねｗｗｗｗ」
うぜぇ
パクッごくん
「足りないわ！もっとちょうだい！」
「いい加減にしろォ！」ドゲシッ
「あぐぅ！・・・うっ！？お、お腹が！？」
「クククククク・・・速くトイレに行かないといけませんね〜、さぁさぁ早くいけばいいじゃないですか？」
「言われなくても行くわよ！・・・う、痛・・・」
スタタタタタ
痛みを堪えながら小走りでトイレに駆け込む！
「臭っ！」
トイレの外から妖夢の声が聞こえてくる。
「わかりませんか！？あははははは、カメムシの死体と！接着剤と！腐った食べ物を吊るしているんですよ！！！」
「はっ！」
上を向くと、確かにカメムシの死体やその他諸々の臭い物が吊るされていた。
出たい！臭い！でも出られない！
「うぐぅ・・・・」


1時間後

「はぁはぁ・・・おえっ・・・・うぷっ・・・」
「大丈夫ですかぁ？（笑）」
「くぅ・・・か、カリスマブレイクウィークって・・・何よ・・・オエエエエッ」
「このメモを見てください。あ、吐くならトイレでしてください」
メモにはルールが書いてあった。

ルール
・食事は抜き（自分で調理するのも禁止）
・トイレにはカメムシの死体その他を吊るす
（お茶に下薬入りというのは書かれていなかった）
・幽々子が博霊神社に辿り着けばカリスマブレイクウィークは終わる
辿り着けなかった場合、カリスマブレイクウィークの期間が1週間延びる

裏を見ると、全体的なルールが書かれていた。

・期間中に部下、従者からいくら酷い仕返しをされても、
それを従者のせいにしないこと。「仕返し」なのだから、原因は自分にある。
・期間中に死ぬと、自室、もしくは最後に寝た所で生き返る

幽々子が見たのはここまでだった。
「博霊神社に行くしかないわね・・・うっぷ」
とりあえず吐こう。吐いて楽になろう。
そう思い、台所にスーパー袋を取りに行く。這って。

しかし、スーパー袋を掴んだ瞬間、何かが飛んできて、
体に刺さった。それは、お札だった。

ヒュッ　　　　　　　　ヒュッ
　　　　　　ヒュッ　　　　　ヒュッ　　ヒュッ
　　ヒュッ　　　　ヒュッ

ざくざくざくざくざくざく。
無数のお札が体に刺さった。

・・・残念！幽々子の残機は残り１４だ！






目を覚ますと、自室だった。
「あれは一体なんなのかしら？スッキリはしたけど」
机の上に先ほどのメモがあった。
裏をもう一度よく読む。最後まで。


・「プレイヤー」である対象者にのみ発動するトラップが仕掛けられている可能性がある
・計15回死ぬとゲームオーバー。3ヶ月間カリスマブレイクウィークが続く。


「んなバカな・・・」
さっきのお札の謎は解けたが、
3ヶ月も食事抜きなんて誰だって耐えられるわけがない。
余計、どうしても博霊神社に行くしかなくなった。
計15回ということは、道中にさっきのような即死トラップがある場合もある。
気をつけないと・・・。

とにかく、善は急げだ。早く博霊神社へ！

が、幽々子を睡魔が襲った。
睡魔に耐えられず、ベッドに入ると、
お札のチェーンが体を貫いた。



「はっ！」
残り残機は13。
「・・・うかつ・・・」
スッキリはしたけど。これの仕組みはよくわからない。
「あ、今ので思いついた！
・・・残機はもったいないけど、ちょっと実験しましょう・・・」

歩いて階段の一番下まで降りる。
途中嫌な予感がしてぴょんと飛んで下まで一気に降りながら後ろを振り返ると、お札の槍が飛び出ていた。
「さて・・・どうなるか」
実はここに来る前に、廊下で昼寝（？）をしてきた。
寝るのは得意なのだ。寝るまで3秒。○○太には負けるわね。
そして、持ってきた包丁で首を貫いた。


目覚めたのは廊下だった。
残り残機は12。
「・・・よし」
幽々子が試したのは、
「自分の土地の外で死ぬと、自室で生き返るのか、最後に寝た場所で生き返るのか」だった。
「とりあえず、眠くなったら仮眠を取って「あかうんと」を取りつつ進めばいいわけね・・・」
階段の最下段までが自分の土地だった。
そして、幽々子は深夜の幻想郷に飛び出した。
――――下から飛んでくる無数のお札を器用に避けながら。