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『レミィの最悪な手縫い』 作者: 七七
「咲夜さん、お嬢様は何をしているんですか?」
「裁縫よ・・・手縫いで簡単なバッグを作っているわ」
「へえ・・・珍しいですね」
「・・・霊夢にプレゼントするんですって」
「ほえー、プレゼントかぁ・・・でも・・・」
「そうなのよ・・・霊夢、この前バッグ買ったばかりらしいのよね」
「まぁでも、自分で作った物をプレゼントするんですから・・・
霊夢も喜んでくれるでしょ」
「いや、仲直りの為よ。お嬢様と霊夢、この前喧嘩したばかりだもの」
「なんだ・・・ちょっと様子見に行きませんか?」
「そうね、心配だし・・・料理みたいになったら大変だわ」
その時。
「パチェェ!!咲夜ァ!!中国ゥゥゥゥ!!!
ちょっと私の部屋にこォォォい!!!」
メガホンでレミリアが叫んだ・・・。
「で、何をしようとしてるんです?」
「何って、バッグを作ってるのよ」
「それはわかります。お嬢様がバッグを手にしているから。
でも、その・・・模様は・・・」
「ああ、これ?霊夢が喜ぶかと思って」
「レ、レミィ・・・あなたそれ、顔?」
「文句あんの?」ギロッ
「あ、あるわけないじゃないの。ねえ?」
「え?あ、は、はい」
模様は、顔なのか分からないほどぐっちゃぐちゃだった。
というかバッグ自体がぐっちゃぐちゃだった。
(咲夜さん!なんであんなにぐちゃぐちゃなんですか!?)
(お嬢様は不器用なのよ!)
(私、レミィが手縫いしてるとこ見たこと無かったわ・・・こんなに下手だったなんて!)
(でも、あれじゃあ霊夢に渡したらえらいことに!)
(そうよ!咲夜、なんとかフォローして!)
(わかりました・・・なら!)
「お嬢様、霊夢が「私の好物はショートケーキなのよ」って言ってましたよ!
今から作り直すのは大変かもしれませんが、私達もお手伝いしますから、
模様を替えてみませんか?」
「咲夜がそう言うなら・・・」
(成功ッ!)
(してないです!なんで私達まで巻き込むんですか!?)
(え、援軍を呼ぶわ・・・!小悪魔ァ!)
ドロンッ
「あ、小悪魔」
「え?あ、ああ、こんにちわ」
(何なんですか、いきなり召喚して!)
(ちょっと助けて欲しいのよ!あれを見なさい!)
ビシッ(バッグを指差す)
(・・・ああ・・・)
(理解が早くて助かるわ。で、どうすんの?)
(ショートケーキだと言ってしまいましたし・・・
確かお嬢様はネーミングのみならず、色とかもセンスがカオスだったはずです。
そこからアシスタントしましょう)
(アレ、顔(?)なのに色が黄色だものね・・・)
「お嬢様、色選びをお手伝いします」
「ん?ああ、適当に選んで。
でも、ショートケーキでしょ?イチゴは絶対茶色よ。いいわね?」
「・・・・はい・・・(いいわけねえだろ・・・)」
「ちょっといい?何で茶色なの?」
「何でって、なんとなく」
「赤色が普通なんじゃ・・・」
「私は普通に囚われないのよ!」
一同(そういう問題じゃねェ!!)
「お嬢様、ミシンを使ってみてはどうですか?」
イチゴの色は必死に説得し、なんとか緑にした。
後は普通にクリームを白、という風に。
「駄目よ・・・手縫いはいいわ。好きだし。下手だと言われようと、楽しいもの」
(もし下手だと言われたとして、我慢はできないだろうなぁ・・・)
「だがミシン!テメェは駄目だァ!!」ズドォォン
爆音とともにミシンは空の彼方へ吹っ飛んでいった。
「やーなかーんじー」という声が聞こえたような気がした・・・
「な、何でダメなんです?」
「あれは幻想郷に来る前のこと・・・そう、私がスカーレット家の当主になる前ね・・・」
(なんかいきなり回想始まったんですけど、いいんですか?)
(お嬢様はジャイアニズムを習得しているわ。
お嬢様がコーラを牛乳だと言ったら、例え黒くても牛乳なのよ)
(えー)
※お嬢様の語り
あれは私が生まれて270年程たったときだったわ。
私はフランが200歳になる誕生日に、バッグをプレゼントしようとしたのよ。
まあ、もうそのときにはほとんど狂ってたけどね・・・
私はその時、ミシンでバッグを縫おうとしたのよ。
そのミシン、AMUZOっていうミシンなんだけど・・・
ズガギャギャギャウゥゥゥン
ズドドドゥゥゥゥン
ズギギャガァンッッ
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
カチカチカチグルグルガチャガチャ
「ラストに返し縫いで完成ィィィィ!!!」
ガガガガガガガガガガガガ
「システムエラーハセェーィ」
「バクハーツシマース」
「!?じょ、冗談じゃ・・・」
「ドォォォン」
ドグワァァァァァァァン
・・・というわけで、私は下半身を失って3日安静にするハメになったのよ。
つまり、トラウマなのよ!
※語り終了
「一つ質問が」
「はい美鈴」
「何でさっきの回想で「ズギギャガァンッッ」とか「システムエラーハセェーィ」とかなってたんですか?」
「え?普通じゃないの?」
「多分「AMUZO」だけだと思いますよ」
「・・・じょ、冗談じゃ・・・」
ズバァン!!
咲夜が美鈴の帽子を切り裂く!
「ああッ!もう今月で帽子が2つ目ですよ!?どんだけ作ればいいんですか私はァ!」
「やめなさい、咲夜」
「ハッ!・・・すみません。つい・・・」
「・・・さて。ちょっといいかしら?」
「な・・・何かしら」
「誰かにプレゼントで手縫いしたことある奴以外出てけ」
スタスタスタ・・・グスッ・・・バタン
「え?皆プレゼントしたことあんの?」
「小悪魔はしたことないわよ?あの子、手縫いの知識ゼロだから」
「パチェ、咲夜、美鈴、誰にプレゼントしたか言ってみなさい」
「わざわざいつも湖を渡ってきて図書館に来る好青年の人に小物入れを(イケメンだったしね。
ていうか、小悪魔のはスルーなのね・・・)」
「へ、へぇ。驚きだわ・・・咲夜」
「美鈴にハンカチを」
「ハンカチ!?・・・手縫いで?嘘・・・」
「(お嬢様は下手だから驚いてるのね・・・)ごめんなさい、ミシンでやりました。
本当に手縫いしたやつはさっきのパチュリー様が言った好青年の方にあげました(かっこよかったし・・・)。バッグにナイフを添えて」
「ミシンでもすごくない?ていうかまた好青年?あ、そうだ、そのミシンの機種は?」
「・・・AMUZO.SILENTLINEですが」
「・・・ごめん。出て行って」
「最後に一つだけ・・・!」
「何よ?聞いたげるけど」
「・・・AMUZOはすごいんです!「使いこなせれば」何でも作れるんですよ!
ハンカチだってバッグだってバスタオルだって!小説だって書けちゃうんですよ!・・・では」
スタスタスタ バタン
「・・・ぐすっ・・・ていうか、小説って・・・タイプライター機能まであるの・・・?次・・・」
「その前に一ついいかしら?」
「・・・何よ・・・ヒック」
「(しゃくりあげてるよこの子・・・)私も実は如月のファンなの!!・・・じゃあね。今度説明書貸してあげるから・・・ 500ページもあるけどね(ボソッ)」
スタスタ(ニヤニヤ) バタン
「・・・次・・・」
「・・・ナップザックを無理矢理全部手縫いで、好青年さんに・・・性格よかったですし・・・」
「・・・もう好青年はやめてよ・・・出てって・・・あ、今度その好青年に会わせて・・・」
「・・・はい・・・」
スタスタ バァン!
「開けっ放しにするなァ!!・・・仕方が無い、一人で作るか・・・」
チクチク・・・
「ぐすっ・・・」
チクチクチク・・・ブスッ・・・ブスッ・・・「いてェ・・・あぐぅ」ブスブスブスブス
この後バッグは完成したのですが、やはりぐちゃぐちゃなのでした。
霊夢に渡したら「こんなものいらないわよ!」と言われ、札を貼られて燃やされてしまいました。
レミリアは泣きましたが、咲夜達は慰めてはくれませんでした。
本当に家出してしまったのです。
咲夜達が家出したことで、妖精メイドも勝手に休暇を取り、紅魔館にいるのはレミリアだけになってしまったのです。
後日(1ヵ月後。皆永遠亭の空き部屋を借りていたらしい)咲夜達は帰ってきますが、
レミリアと咲夜達の間の深い溝が埋め立てられるには1年の歳月がかかりました。
なお、レミリアは好青年が(空の)図書館に来たときに会いましたが、
彼は吸血鬼にちょっと恨みとトラウマがあるらしく、
レミリアとまともに話してはくれませんでした。
(パチュリーが帰ってくるまで、彼は図書館で魔法の勉強をしていました。
魔法使いの卵だったのです)
というわけでスーパー傷心状態のレミリアは、一日中ミシン針と刺繍針を首や手をチクチク刺すという
鬱状態で本を読む生活を送っていたのでした。
食事は全て梅干だったそうです。
めでたし、めでたし(笑)
「如月」やら「AMUZO」やら。
今日も紅魔館は平和です。
七七
- 作品情報
- 作品集:
- 10
- 投稿日時:
- 2010/01/15 13:08:55
- 更新日時:
- 2010/01/15 22:08:55
- 分類
- レミリア
- 紅魔館
- キャラ崩壊
このめーりんは普通に帽子職人としてやっていけそうです
むしろそっちの方が儲けられそう
ところでフランちゃんは1ヶ月食事抜きだったのかな
それともおぜうのあの料理を……