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『無意識旅行』 作者: だにお
無意識。
・ ・ ・
ドアがある。
白い、硬い、四角い。
開ける。
階段。
登る。踊り場に人。
廻る
廻る
まわる。
地面。
黒い。丸い。石。
小石だ。
小石。
こいし。
私。
・ ・ ・
歩く。
白い。
くさっぱら。
青い空に白い草原。きれい。
笑う。誰。
革の人。
なるほど。
気が付かない。
寄る。
笑う。
見上げる。
見上げる。
鳥。
黄色い闇を見た。
・ ・ ・
逃げる
逃げる
逃げる。
歩いて。
革。
恐ろしい革。
逃げる。
ミットグローブ。
有刺鉄線。
赤い
塞ぐ。塞ぐ。
行けない。
革。近付いて来る。
寄らないで。
よらないで。
縒らないで。
私は紙。
紙はカレンダー。
今日は。
明治十七年。十四月三十九日。
・ ・ ・
見ている。
目が二つ。
耳一つ。
鼻はない。
口二つ。
向き合う。
パイプの椅子。
冷たい。
氷精。
つぶす。
かき氷にする。
差し出す。
喜ぶ。
ありがとう。
クイズは溶けない。
解けない。
融けない。
私。
溶ける。
・ ・ ・
通路だ
ドアだ
迷路だ
人だ
妖怪だ
妖精だ
物だ
命だ
あれだ。
・ ・ ・
目をひっぱって、取る。
目をひっぱって、取る。
目をひっぱって、取る。
・ ・ ・
革。
夢まで追って来る。
革の人だ。
ドア。
向こうはあちら。
閉める。
来る前に隠れる。
机。
ドア。
開けられる。
見つかる。
捕まれる。
食われる。
そこで、おしまい。
・ ・ ・
こいしは、気がつくと薄暗い森の中で人間の男の死体を眺めておりました。
辺りの木々は飛び散った黒い血にまみれ、死体を中心に小さな血溜まりが形作られています。
男は、鋭利な何かで無惨に腹を縦横に裂かれ、そこからは黒ずんだ内臓が顔をのぞかせています。
血に濡れて固まってしまった男の髪は、何故か乱暴に縒り合わされて、こいしは、その奇妙な髪を見て、野に咲いた一輪のあざみの花を思い浮かべました。
手足は、何か重たいもので叩き潰されたようにひしゃげ、到底歩いたりは出来そうにないほど、ひどく砕かれております。
折れて砕けた骨が、手足の末端の皮膚を破って、蜥蜴の鱗のようにも見えなくはありません。
死体が新しければ、鮮血の赤に彩られ、それは綺麗な蜥蜴となっていたことでしょう。
そしてその顔は、目の辺りの肉が骨ごと引きちぎられ、眼球はその半開きのままの口に乱雑に押し込まれています。
眼窩から溢れ出た血液が、男の目の下に流れていっており、まるで涙の表情を見せているかのよう。
きっと、かつての生きていた状態で立ったまま目を抜き取られたのでしょう。
男の死体は、まさに虐殺されたといった出で立ちでありました。
血は黒くなっており、屍肉にはすでに、色とりどりの宝石のような死出蟲達がやって来ております。
男は、今頃はもう、閻魔様のもとで審理を受けている頃なのでしょう。
さて、こいしは、何故死体を眺めていたのかをぼんやりと考えました。
でしても、こいしにはさっぱりとわかりません。何せ、これは無意識の出来事なのですから。
こいしの心は、またも無意識に移っていきました。西へ東へ、のらり、くらり。今日もこいしはゆくのです。
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・
・
・
・
メリー「という夢を見たんだ」
レンコン「なぁる」
最近いろいろと厄いので雛さんを有刺鉄線でぐるぐる巻きにしてなでなでしたい。
あとレミィをフランと一緒に銀製の有刺鉄線でぐるぐる巻きにしてなでなでしたい。
だにお
- 作品情報
- 作品集:
- 10
- 投稿日時:
- 2010/01/20 13:52:09
- 更新日時:
- 2010/01/20 23:28:34
- 分類
- こいし
- メリー