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『ツェペシュの幼すぎた末裔の友人』 作者: 穀潰し

ツェペシュの幼すぎた末裔の友人

作品集: 11 投稿日時: 2010/02/05 17:24:46 更新日時: 2011/09/26 10:02:17
注:この作品は「ツェペシュの幼すぎた末裔」のネタバレとなります。
もし上記の作品をご覧になられていない場合、流れが掴めないかもしれません。
手前味噌と思われますが、上記作品シリーズを一読された後、本作品をお読み頂けるようお願い申し上げます。
また、この作品には独自解釈が含まれますのでご注意下さい。



ぱちゅりーがその吸血鬼と出会ったのは、まだ彼女自身五十年も生きていない頃でした。
その頃ぱちゅりーは大きな国の権力者に仕えており、その豊富な知識と膨大な魔力を持って権力者の手助けを行っていました。
もっとも、彼女に権力者に対する親愛の意識など全く有りません。
ただ財力があり、周囲への影響力を持つ存在の近くにいた方が、彼女の望む魔法に関する知識や書物を手に入れやすいと考えた上での行動だったのです。
そんなある日、いつものようにぱちゅりーが魔導書を読み漁っていると、急に館内部が騒がしくなりました。
怒声や絶叫が聞こえてきます。
しかしぱちゅりーはそれらに対し何ら興味を抱きませんでした。
彼女が興味を持つことと言えば、目の前で開いている埃臭い魔導書の中身だけなのですから。
消音の結界を張り、周囲から聞こえる喧噪を無視して、文字を追っていたぱちゅりー。しかし、彼女が張り巡らしていた結界が破られたことによって、その行動は妨げられました。
折角の楽しみを中断された苛正しさに、ぱちゅりーはその原因となった不届き者を探し出そうと思いました。
でも、その行動は必要なかったのです。
何せその不届き者は、既に彼女の目の前にいたのですから。

「お前か。七曜の魔女と呼ばれる魔法使いは」

それは一見したところ十歳前後の少女でした。薄桃色の布地に紅いリボンとラインをあしらった洋服を身に纏い、可愛らしくウェーブのかかった白銀の髪の上にふっくらとした帽子を被っています。
しかしその血のような赤い目、不敵な笑みを作る口元から覗く小さな牙、そしてなにより、背中から伸びている禍々しい翼が、外見通りのただの少女ではないと語っていました。

「……そうだけど。人に名を尋ねるにはまず自分が名乗るものよ。それとも、最近の吸血鬼は礼儀がなっていないのかしら?」

冷めた視線を少女に向け椅子に座ったまま、ぱちゅりーは言い放ちます。
その言葉に少女は、浮かべていた笑みをさらに深くしました。

「ああ、これは礼を失していた。私の名はレミリア・スカーレット、誇り高き吸血鬼の末裔だ。今日はお前に伝えたいことがあってな。しかし……」

そう言ってれみりあと名乗った少女はぱちゅりーへと近づきます。
全く警戒する様子もないその図々しい態度に、ぱちゅりーは眉を顰めました。

「私を吸血鬼と見抜いた上でのお前の態度は悪くない。静かな湖面のようでいて、その下では大口を開けた魚が待ち構えているような気配。実に心地良い。……しかし、お前に比べてこの館の人間共は駄目だったな。騒ぎ廻るだけで話もまともに出来やしない。まるで壊れた蓄音機か、割れ響く歌のようだった。あの騒がしさに比べたら、この部屋は天国だな」

ぱちゅりーの書斎を見渡し、れみりあは言います。彼女の手が紅く汚れていることに、ぱちゅりーはようやく気付きました。
これが只の泥棒や下級妖怪風情でしたら、ぱちゅりーは有無を言わさず魔法で吹き飛ばしていたでしょう。そして服に付いた埃を払って、また読書に戻っていたはずです。
しかし、彼女にはそれが出来ませんでした。
目の前の吸血鬼の少女は、その幼い外見とは裏腹にとても強大な存在です。膨大な魔力と知識を蓄え、そしてぱちゅりーには無い、吸血鬼特有の驚異的な身体能力を有しています。
吸血鬼の弱点を脳内で検索し、有効な魔法を瞬時に組み立てるぱちゅりー。
そんな彼女の態度に気が付いたのでしょう。
れみりあは唇の端をつり上げ、言いました。

「私はお前が欲しい」
「……………は?」

組み立てていた攻撃術式をうっかり崩壊させる程、ぱちゅりーは呆気に取られました。

「……私には吸血鬼の女に嫁ぐような趣味はないわよ。他をあたって貰えるかしら」

冷静に、それでも一抹の動揺を滲ませたぱちゅりーの返しに、れみりあは楽しそうに笑います。

「勘違いするな。私の仲間になれといっているんだ。誰も伴侶になれとは言っていない……まぁ、その物怖じしない態度は気に入ったから、やはり私はお前が欲しいな」

さっさとこの屋敷を出ていこう、とレミリアは無言で語っていました。
その態度にぱちゅりーは溜息を1つ。

「ご期待に添えないのが残念だけど、私は此処での暮らしが結構気に入って……」
「ここに有る以上の魔導書に囲まれる事が出来る、と言ってもか?」

ぱちゅりーの言葉を遮って投げかけられた台詞は、ぱちゅりーの心を大きく揺さぶりました。
その言葉はまさしく、『悪魔の囁き』そのものです。
表面上には出ていない筈の動揺を、れみりあは敏感に感じ取ったのでしょう。さらにたたみ掛けてきます。

「私は強い。だがそれは戦闘面に特化した場合のみだ。自分で言うのは気に入らないが、外交や統治に関して、私は一歩及ばない所があるだろう。そこで私を支え、助言をくれる者が欲しい。だからお前を選んだ。まぁ個人的な願いも他にあるがな」

そう言ってれみりあは小さな手を差し伸べてきました。
数秒迷ってぱちゅりーは、結局その手を取りました。

「貴女は知識を持つ参謀が欲しい。私は今此処に存在する以上の魔法に関する知識を得たい。双方の利害が一致しているという事……良いわ、その『悪魔の囁き』に従ってあげる」
「それは私にとって最上の誉め言葉だ」

こうして七曜の魔女は永遠に紅い幼き月の知り合いとなりました。
れみりあに招かれた館は紅魔館と呼ばており、その名の通り、血のように紅い外壁が特徴でした。
その館で侍従長を務めるめいりんという女性に出会ったのもこの時が初めてでした。
人当たりの良いめいりんは、ぱちゅりーにとって直ぐに話しやすい相手となりました。
そうして彼女の館で生活をはじめたぱちゅりー。
れみりあの言ったとおり、彼女の館には古今東西あらゆる魔法の知識を収めた書物が列を成していました。
唯一と言っても良いぱちゅりーの欲望。知識欲と言えるその感情にとって、そこはまるで天国のような場所でした。
しかし、その天国には小悪魔が住んでいたのです。
そう、れみりあの事です。
吸血鬼という種族がそうなのか、それともれみりあ独特の性格なのか、とにかく彼女は自分勝手でした。
子供のような気まぐれで呆れるような我が儘はいつものこと。
そして毎日のように、大した用事もないのにぱちゅりーの元を訪れました。
もちろん侍従長であるめいりんも一緒にです。
図書館を好きに引っかき回し、ぱちゅりーにあれこれと質問を投げ掛け、そして帰っていきます。
最初こそ自分の趣味を邪魔されることを嫌い、れみりあをおざなりにしか相手しなかったぱちゅりー。それでもれみりあはしつこくぱちゅりーへと付き纏います。自分より数百才も年上のくせに、自分と話す時だけ見た目相応にはしゃぐれみりあ。
やがてぱちゅりーは、れみりあを手のかかる妹のように思いはじめました。
れみりあの行動が「初めて自分と対等の存在が出来た」ことによる喜びに基づいていることなど、ぱちゅりーには判りません。
しかし、彼女の中でれみりあの存在が「ただの協力者」から「何か」に変わったことだけは確かでした。



やがてぱちゅりーが館で十数年ほど過ごした時、れみりあは言いました。
住み良い世界に行こう、と。
そしてれみりあ達は、ある世界へと辿り着きました。
そこは『幻想郷』と呼ばれる世界でした。
忘れられたモノが辿り着く場所。
全てを受け入れる場所。
そこに彼女達は居を構えました。
最初こそ傍若無人に振る舞っていたれみりあですが、その世界の管理者と話し合った結果、食料を提供してもらうかわりに、出来る限り大人しくしているということを決めました。
そしてしばらく、平穏で、退屈で、何もない日々が続きました。
何も起こらない、起こるはずのない毎日でした。



そんなある日、めいりんが血相を変えてぱちゅりーを呼びにきました。
何時も人当たりの良い笑顔を忘れない彼女が、それと判る程焦っている姿に、ぱちゅりーは眉を顰めました。
図書館へ飛び込んできためいりんは叫びました。

「レミリアお嬢様がお呼びです! お急ぎ下さい!」

何時も自分から来るくせに、今日に限って呼び付けるとは。
疑問を頭の片隅に押しやったぱちゅりーは、呼びに来ためいりんに導かれるまま、館の地下へと足を踏み入れました。
そこには厳重な封印を施された部屋が、1つだけ存在していました。
その部屋へとぱちゅりーを連れてめいりんは飛び込みます。そして小脇に抱えられたぱちゅりーが見た者は、れみりあそっくりな女の子が、血まみれで床に倒れ伏している姿でした。
しかもそれだけではありません。少女の周りに存在していたであろうベッドや箪笥、家具の数々が全て残骸になっていたのです。
それは、その部屋だけ強大な嵐や竜巻に見舞われたような凄惨な光景でした。
異常な光景に、一瞬戸惑うぱちゅりー。しかしそれもれみりあの声を聞くまででした。

「フランを助けて!」

まるで幼い少女のように悲壮な声を上げるれみりあの姿に、頭に浮かんだ疑問を全て押しやって、ぱちゅりーは治療を開始しました。
結果として血まみれだった少女は助かりました。
そして一時の小康状態を得た時、れみりあがぱちゅりーに言いました。
あれは私と血を分けた妹なのだ、と。
驚きに眉を跳ね上げたぱちゅりーは、無言でれみりあの言葉を待ちました。
れみりあの話によると、倒れていた血まみれの女の子は、ふらんどーる・すかーれっとという名だそうです。、
彼女は生まれつきれみりあ以上の強大な力を持っていました。
しかしその代償か、心を病んでしまっていたのです。
談笑していたかと思えば、次の瞬間には相手の首をもぎ取る。
そんなふらんの行動理念は姉であるれみりあすら理解できませんでした。ふらんは強大すぎる力に振り回されていたのです。
だかられみりあはふらんを館の地下へと幽閉しました。
彼女が暴れ、それを切っ掛けとして彼女に危険が及ぶことは看過できない。それならばいっそのこと、周囲との関係を全て絶てばいいのではないか。
そう考えたのです。
確かに幽閉されたふらんは最初の百年程は大人しくしていました。
けれども結局、彼女の暴虐ぶりは収まりませんでした。
しかし、癇癪を起こそうにも彼女の周囲に壊すことの出来るようなモノはありません。
ではふらんはどうしたのか。
彼女は自分の身体を傷つけることで、その衝動を発散していました。
吸血鬼は多少の怪我なら一瞬で完治する程、治癒能力は優秀です。それがふらんの自傷行為を悪化させました。
そしてついに、『行き過ぎてしまった』のです。
その結果が、先程ぱちゅりーが目にした光景でした。
そこまで話してれみりあは尋ねました。フランを治療できるか、と。
その言葉に、ぱちゅりーは一瞬戸惑いました。しかし、この吸血鬼はその場凌ぎの優しい言葉など求めているわけがありません。
いつの間にかれみりあの事を少し理解していたぱちゅりーは、言葉と紡ぎます。

「正直肉体の治療すら難しいわ。今回は幸か不幸か妹様の体力が落ちていたから私の魔法で治療できた。けど、今後こんな幸運な状況がまた生まれるとは思えない。もともと吸血鬼は魔法抵抗力の高い種族なのだから」
「………」
「確かに魔法には精神に作用する物もあるわ。でもそれは一時的な物であって永続的な効果を持つタイプは存在しないし、そもそも魔法抵抗力の高い吸血鬼に効果があるかどうかなんて判らない。下手をしたら逆効果になることもありえるわ」
「………」
「助けたいという気持ちは分かる。でも下手な治癒魔法や精神魔法で症状が悪化したら………目も当てられないわ」

ぱちゅりーはこう言っているのです。
今の状況では打つ手はない、と。
その言葉を言われた時のれみりあの表情を、ぱちゅりーは直視できませんでした。
れみりあは小さな声で治療の礼を言うと、その場を去ってしまいました。
その後ろ姿を目にしながら、ぱちゅりーは生まれて初めて、フツフツと腹の底から沸き立つような感情を感じていました。
それは、妹を閉じこめ自傷行為に走らせたれみりあの行動に対してでなく。
姉の心情を一切理解しないふらんの行動に対してでもなく。
膨大な知識を溜め込んでいながら、必要な時に一切役に立たない自分の頭脳に対しての「怒り」でした。
その日から彼女はより一層本を読み漁るようになりました。
ふらんを封印する結界も改良を加え、出来るかぎり、ふらんの暴走を押さえ込もうとしました。
そして魔導書のみならず、あらゆる知識を頭に詰め込み続けました。
その代償として身体能力は衰弱し、籠もった空気によって喘息まで引き起こしてしまいました。
しかしぱちゅりーはそんなこと構いませんでした。最低限の生活ですら時間の無駄だと思い、生み出した使い魔にこなさせていた程です。
しかし結果としてぱちゅりーの行動は一切無駄となりました。
自傷行為の止まらなかったフランは、結局自分で自分の命を絶ってしまったのです。
灰となって崩れていく頭部を抱いていたれみりあに、ぱちゅりーは掛ける言葉がありませんでした。
半分しか残っていなかったふらんの頭部。笑みの形に歪んでいた瞳に、乾いた涙の跡を見て取ったのです。
それが切っ掛けだったのでしょうか。
次の日かられみりあは変わってしまいました。
最初は些細な事でした。
館の装飾が気に入らない、と吐き捨てたれみりあは、部下に次々と高価な食器や家具を揃えさせました。その家具にわざわざ金や、吸血鬼の弱点である銀を使ってまで装飾させたのも、れみりあ自身でした。
それだけではありません。
周辺の妖精を叩きのめし、人間達に恐れられるよう振る舞い、妖怪達にはことごとく喧嘩を売るようになりました。
妖怪の中でも最強の部類に入る吸血鬼であるれみりあを止めることが出来る者は存在せず、結果としてれみりあの我が儘はどんどん酷くなっていったのです。
ある日そんな行動を目にしたぱちゅりーはれみりあに尋ねました。
何故そんなことをするのか、と。
れみりあは言いました。

「私は夜の王だ。王たる者が何かに怯えて暮らすなど滑稽すぎるだろう?」

不敵な笑みでそう言ったれみりあの表情が、泣き出しそうな子供の顔に見えたのはぱちゅりーの目の錯覚だったのでしょうか。
その表情の裏にある『理由』をぱちゅりーは読みとれましたが、直ぐに口にすることはありませんでした。
さて、れみりあの我が儘に困ったのは侍従長を努めるめいりんやメイド達です。
れみりあに付き合わされるたびに、誰かが怪我をしたり辛い目にあったりしていたのですから。
そして日を追う事に悪化する我が儘に耐えきれなくなったメイド達の言葉をうけ、めいりんがぱちゅりーへ申し立てました。
お嬢様の行いは臣下としても目に余る。理由がお教え頂けない以上、友人であるパチュリー様しか頼れる者がいない、と。
その言葉に、ぱちゅりーは読んでいた本を閉じるとめいりんを図書館に残し、れみりあの元を訪れました。
ぱちゅりーにはれみりあの我が儘の理由が何となく判っていたのです。だからこそ、れみりあ自身に乗り越えて貰わなければならないと考えており、今まで自分からは動きませんでした。
でも、それも今日まででした。
だってれみりあは周りを見もしないで無茶をしているのです。
そんな曇った目は、思いっきり引っ張叩いてでも醒ましてやる必要があるのですから。

「レミリア……貴女、美鈴やメイド達に随分と無茶をさせているようね」

開口一番、ぱちゅりーはれみりあに言いました。無駄に言葉を繕う必要はありません。
そんなぱちゅりーに鬱陶しげに眉を顰めて見せて、れみりあは言いました。

「お前も美鈴と同じ事を言うか。ならば私も同じ言葉を返してやる。無茶だと思っているのはお前達であって、私が思っているわけではない」

自信満々に笑顔で、そしてその裏では泣きそうになりながら言い切ったれみりあ。
その様子にぱちゅりーは確信しました。
ああやっぱり、この馬鹿はまったく周りが見えていない。

「いい加減にしなさい、この馬鹿吸血鬼。貴女同じ事を繰り返す気? これ以上美鈴達に無茶をさせれば、今度は貴女が彼女達を『殺す』ことになるのよ。まさかそんなことも判断できない程耄碌したわけ?」

ぱちゅりーの鋭利とも言える辛辣な言葉に、れみりあはそれと判る程大きく震えました。
しかしその動揺を押し隠すと、ぱちゅりーへと向き直ります。
その表情は、それと判る程怒りに満ちていました。

「少し好きにさせてやったからと言って随分と態度が大きいじゃないか。図に乗るなよ、小娘如きが」

れみりあの感情任せの言葉に、ぱちゅりーの内心も一気に沸点を超えました。
双方とももはや言葉は止まりません。

「その小娘相手に血を上らせているのは何処の吸血鬼なのかしら……あら、私の目の前にいるわね」
「お前の知識は役に立った。今後それが手に入らなくなるのは残念だ」
「年を取ると無駄口が増えるのかしら。それとも時間稼ぎ? 素直に言えないのかしら? 『図星を指されて腹が立ちました』って」
「……たかが魔法が使えるだけの小娘が図に乗るな」
「わがまましか言えない吸血鬼が粋がるんじゃないわよ」

そのぱちゅりーの言葉を切っ掛けにして、れみりあが殴り掛かりました。
長期間の図書館暮らしによってぱちゅりーの身体能力は人間程度かそれ以下にまで落ち込んでいます。そんな状態でれみりあの攻撃を受ければ、どうなるかは火を見るより明らかでした。
しかしれみりあの爪がぱちゅりーを切り裂くことはありませんでした。
彼女はその膨大な魔力を使って、強大な結界を作り出していたのですから。
れみりあの攻撃を受け止めたそれは、軋み音こそ上げたものの、罅1つ入らず持ち堪えました。
一瞬動きの止まったれみりあ。ぱちゅりーにとってそれは絶好の機会でした。そして次の瞬間にはぱちゅりーの攻撃魔法がれみりあに叩き込まれていました。
余波だけで巨大な館を震わせる程の威力。まともに喰らったれみりあは受け身も取れず吹き飛ばされます。
床から起きあがったれみりあの見た物は、視界を埋め尽くす魔力弾の数々でした。
それらが着弾する寸前、ぱちゅりーの怒声がれみりあの耳に届きました。

「私を! めいりん達を! 見くびるんじゃないわよ、吸血鬼!」

怒りを内包したその言葉が、れみりあの意識がある内に聞いた最後の言葉でした。



『レミリアが力を求めた理由ならわかるわ。私達に悪い虫が付かないようにしてくれたんでしょうね』
『ええ、彼女は不器用すぎるのよ。それと同時に失礼でもあるわ』
『あら、だってそうじゃない? それは私達が自分の身1つ満足に護れない貧弱な存在と言っているようなものなのよ』
『だから思いっきり叩きのめしてあげたわ。レミリアにとっては百の言葉を並べるより分かりやすいでしょうから』



ぱちゅりーの説得によってれみりあの我が儘は終わりました。
それは同時に、れみりあのぱちゅりーやめいりん達に対する認識が変化したということでもありました。
特にぶちのめし合ったぱちゅりーとれみりあは、お互いを愛称で呼び合う仲となっていました。
れみりあが悲しそうな表情を見せることも減り、以前のようなわがままを言うことなくなりました。
そんなある日、めいりんが人間の子供を拾ってきました。
館の外に捨てられていたその子供を、めいりんは食料にしますかと提案しました。
しかしれみりあは何を考えたのか、その子供を育てると言い出したのです。
驚き呆れるめいりんを後目に、れみりあとぱちゅりーは子育ての知識を集め始めました。そして一緒にその少女を育てはじめたのです。
『いざよいさくや』とれみりあ直々に名付けられたその少女は、ぱちゅりーから知識を学び、めいりんから技術を叩き込まれ、そしてレミリアの腕に抱かれすくすくと成長していきました。
中でもれみりあは特にさくやを可愛がりました。
まるで我が子のように。
いえ、本当に自分の子として育てていました。
だかられみりあはさくやに名を与えたのです。掛け替えのない大切な存在だとして。
そうして育てられたさくやは、れみりあにとって必要不可欠な存在となりました。
そして彼女が紅魔館の侍従長へと就任した時、もともと侍従長を務めていためいりんは、門番へと転任しました。
さくやの侍従長就任パーティーが終わった次の日、ぱちゅりーはめいりんに会いに行きました。
れみりあがぱちゅりー達を特別な存在だと思うように、ぱちゅりーにとってもれみりあ達は特別な存在となっていたのです。
れみりあから遠ざけられたのだから、もしめいりんが気落ちしているようなら何とかしないと。
ぱちゅりーは内心そんな事を考えていたのです。
しかし、本来なら下っ端が受け持つような仕事を任されたというのに、めいりんはとても嬉しそうだったのです。
ぱちゅりーはめいりんに聞きました。
レミィの傍を離れることになるというのに不満は無いのかしら? と。
我ながら意地の悪い質問だとぱちゅりーは思いました。しかしその質問に、めいりんは華の咲くような笑顔で答えたのです。

「レミリアお嬢様から掛け替えのない物を頂き、さらに私を信頼してこの職を与えてくださったのです。喜びこそあれ、不満など有ろう筈がありません」

れみりあがめいりんに与えた物。
それは紅魔館の門番という立場だけでなく、『紅』の文字だったのです。
当主であるれみりあが名を与えるという行為は紅魔館内において特別な意味があります。しかもそれが自分の名の一部を取っているとなれば、その重要さは群を抜くでしょう。
つまり彼女の行動は、めいりんをただの部下ではなく家族として扱うと言ったも同然でした。
そしてそれはれみりあ自ら名付けたさくやも同様でした。
その意味を知って、ぱちゅりーは静かに笑みを浮かべます。
唯一の肉親を失った吸血鬼の少女は、それを乗り越えることによって新たな家族を得ることに成功したのですから。



だから、気が付かなかった。

大切なモノが出来たが故に。

それを護らなければいけなくなることに。



ある日れみりあがぱちゅりーの元を訪れて言いました。
この世界の管理者に対して示威行為を行う、と。
普段通り魔導書を読んでいたぱちゅりーも、その言葉に思わず顔を上げました。
れみりあの言葉は、管理者とれみりあの間に結ばれた『大人しくしているかわりに食料を提供して貰う』という約束を破るということです。
それは吸血『鬼』であるれみりあにとって、自分の身体の一部を切り取るに等しい行為でした。
鬼は決して嘘を付かない。
その事実をぱちゅりーに告げられる前に、れみりあは言いました。
大人しくしていろと言われたが、何時までという期限は決められていない、と。
その言葉にぱちゅりーは馬鹿なことを、と言いかけ、口を閉ざしました。
巫山戯た言葉とは反対に、れみりあの目はとても真剣だったのです。
その紅い瞳は、これから自分が行うこと、そしてそれがどんな結果になろうとも受け入れると無言で語っていました。
そしてぱちゅりーがそれを理解すると同時にれみりあは言いました。

「この紅魔館は私の物。そして部下達も私の物。だから最後まで連れて行くわ。でもパチェ、貴女は無理に付き合う必要はない。今すぐにでも紅魔館を発って、そして好きに生きればいい。それぐらいの施しは出来る」

傍若無人で我が儘な吸血鬼の少女は、しかし大切な存在にはとても優しかったのです。
だから親友を自分の考えに巻き込むことをよしとせず、こうして言葉を伝えに来たのでした。
ぱちゅりーがもし、この時点でれみりあの事を『レミリア』と呼んでいたならば、結末はまた別の物となっていたでしょう。
しかし、彼女は既にれみりあの事を『レミィ』と呼んでいます。
その時点で、れみりあの言葉に対するぱちゅりーの答えなど決まっていました。

「それはとても懸命な判断とは言えないわ。この世界ではこう言うのかしら、それは『修羅の道』よ」

何時しか読んだ本に書いてあった言葉をぱちゅりーは投げ掛けました。
それにれみりあは不敵に笑って答えます。

「それを承知した上で、私は歩むわ。全てを押し退け叩き潰し突き進む。それがスカーレット家の伝統よ」

その笑みはいつぞやのように自信に満ちていて。
とても高貴で高潔で。
そしてとても美しかった。

「そう」

短く答えたぱちゅりーは読んでいた魔導書を閉じると、別の魔導書を棚から引き出し開きました。
そしてれみりあに告げました。

「紅魔館全体を包む結界を作成するには時間がかかる。そしてその維持は私にしかできないわ」

遠回しに最後まで付き合うと言い放ったぱちゅりーに、れみりあは顔を隠すように頭を下げ、そして図書館を後にしました。
そして数週間後、結界の完成を待ってれみりあの『暴挙』が始まりました。
妖怪である吸血鬼が力を付けるには、たくさんの命をその身体に取り込むことが一番手っ取り早いのです。
だから、れみりあは手始めにこんな命令を出しました。

「咲夜。血を飲みながら暇をつぶしたい」

次の日の朝、男の死体が館の近くの湖に浮かんでいました。
もちろんそれだけで終わりません。
だんだんとその命令は残酷なものになっていきました。

「咲夜。綺麗な肌を保つには血を擦りつけるといいらしい」

次の日の朝、たくさんの肉片が館の近くの湖に浮かんでいました。
この時点で部下達の間に、れみりあに対する不信感が生まれはじめていました。
そして次の命令が引き金となりました。

「咲夜。館の庭が寂しいじゃないか」

次の日の朝には串刺しにされた子供が庭に並んでいました。
それを目にしてメイド達は言いました。
お嬢様は妹様のように気が触れられた。
お嬢様は我々を巻き込んで自滅なさる気だ。
館のそこかしこからそんな声が聞こえてきます。
そしてそれはぱちゅりーの耳にも入ってきていました。
しかしぱちゅりーは顔色1つ変えず、ただひたすられみりあの為に結界の維持や強化に力を注いでいました。
彼女は判っていたのです。
れみりあの行動は、部下達にも恐怖心を植え付ける為の物だということが。
理由を教えられず、ただ『暴挙』の片棒を担がされることに耐えられる者だけが、れみりあの全てに対して絶対の忠誠を誓う者だけが、今の紅魔館には必要だったからです。
れみりあの行動はいずれ、この世界の管理者にとって看過できないところまで行き着くでしょう。
そうなった時、自分の命を擲ってれみりあの為に動ける存在。
さくややぱちゅりーのような存在が必要となったのです。
しかし、れみりあはその考えを強制しませんでした。
無理矢理従わせた者など、いずれは裏切ると考えたからです。
その態度が、一部を誤解させたのでしょう。
だから、めいりんがぱちゅりーの所に談判に来たことも、決して不思議ではありませんでした。
ただ周りのメイド達と違う点がありました。
めいりんは純粋にれみりあの事を心配していたのです。
それと同時に残念なことも一つありました。

「パチュリー様からもお嬢様に仰ってください。この様な気まぐれを繰り返されては、いずれ大変なことになります。」

彼女はれみりあの行動を『ただの我が儘』だと考えていたことです。
その物言いに、ぱちゅりーは言いました。

「レミィがそんなことを予測していないとでも思っているの? 夜の王をみくびらないでくれる? 華人小娘」

レミリアの覚悟を『ただの我が儘』で済ませることは絶対に許さない。
ぱちゅりーの怒りを含んだ反応に、思わず頭を下げるめいりん。それにぱちゅりーも頭を冷やしてこう続けました。

「レミィの考えを今すぐ判れとは言わない。ただ、今までのレミィの行動をただの我が儘として片づけることだけは許さない。それがたとえ貴女でも」

それは親友の覚悟を馬鹿にしていることになる。

「私は既に『向こう側』へと渡っている。けれどそれはこれからすることも、そしてそこから起こり得るであろう結果も全て理解した上での行動。紅美鈴、あなたがどちらの進むのか、それは自分で決めなさい。もしこれ以上付き合いきれないと思ったのなら、すぐに紅魔館を発って知らぬ存ぜぬを通しなさい。少なくとも殺されることはないわ」
「………」

返答を窮するめいりん。
ぱちゅりーは少しの助け船として言葉と続けました。

「ああ、レミィのことは気にする必要はないわ。そもそもこの提案を持ってきたのはレミィなのだから」

そう言うと、めいりんを図書館から閉め出しました。
自分は最低限の判断材料は与えた。今真ん中にいる貴女がどちらに転ぶかは、自分で判断すべき事。
そう心中で呟いたぱちゅりーに答えるように、ドアの外のめいりんは駆け出していました。
荷物を纏めるべく部屋に向かった。
わけではなく。
自分の持ち場である正門へと向かう為に。
それを感知して、ぱちゅりーは一言呟きました。

「良い家族を持ったわね。レミィ」



れみりあの行動は成功しているかのように思えました。
しかし、もっとも懐柔が容易いと考えられていた人間達が反旗を翻したことによって、その考えは崩れ去りました。
百人を超える仲間を殺された人間達が感じたのは、吸血鬼に対する「恐れ」ではなく「怒り」だったのです。
畑を耕す鍬で。
野菜を切る包丁で。
雑草を刈る鎌で。
武装した人間達は次々と集結し、紅魔館へと攻め入りました。
優に百を超える人間達。
彼らはまるで何かに取り付かれたように、1つの言葉を口にしていました。
悪魔を殺せ。
そう言い続けていました。



辺りに焦げ臭い臭いが充満しています。
既に人間達が館内部へと侵入し、所構わず火を放ったのでしょう。
それが自分達も煙に巻かれることになると気付く冷静さを持っている者は、既にこの館にいません。
そしてぱちゅりーもそんなことに構っている暇はありませんでした。
何せ彼女の根城である図書館にも、人間達は入り込んでいたのですから。
既に図書館内にも火の手は及んでいます。
侵入者迎撃用の魔法砲台は早々に使い切りました。
司書を努めていた使い魔も、他のメイド達とも連絡は取れません。
孤立無援の中ぱちゅりーは、ただひたすら迫る人間達を撃ち殺し、吹き飛ばしていきます。
しかし、図書館内部というのが災いしました。
本棚が遮蔽物となり、お互いがお互いを認識し辛かったのです。さらにそこに収められている魔導書も足を引っ張る原因の1つとなったのです。
視界確保の為に魔法で辺りを吹き飛ばそうにも、マジックアイテムでもある魔導書に下手に魔法など叩き込んだらどんな反応を見せるか分かった物ではありません。また結界を兼ねていた本棚から落下した魔導書が魔法を悉く妨害しています。
つまりぱちゅりーは利点を殆ど封じられた状態なのです。
そんな中で、身体能力の衰えた少女が生き残る術はありませんでした。
火災の引き起こした煙幕、その中で少女は罠にかかりました。

「ぁぐぇっ!?」

喉に強烈な衝撃を感じたと同時に、彼女は宙に浮いていました。首を引き抜かれるのでないかと言わんばかりの勢いに、手の持っていた魔導書を取り落としてしまいます。
しかし彼女にそんなことに構っている余裕はありませんでした。

「…が……ぇっ! …ぁはっ…!」

宙ぶらりんとなった足をばたつかせ、必至で首に巻き付いている物を取り外そうと指を立てます。
しかし首の肉にしっかりとめり込んだ荒縄は、ぱちゅりーの細い指が入る隙間すら作っていませんでした。
ギリギリと締まってくる荒縄に、喉を潰される痛みと息が出来ない苦しさを与えられ、ぱちゅりーの目尻に涙が溜まっていきます。彼女の口は酸素を求めてぱくぱくと開閉を繰り返しています。
しかし荒縄は緩まるどころか、より一層締め付けてきました。

「……ぁ゛っ!!」

潰された蛙のような声を出し、ぱちゅりーは藻掻きました。自分の首に爪を立て、どうにか指を差し入れようと頑張りました。掻き毟った首は、皮膚が破け血が滲んでいます。
彼女の口からは舌が飛び出し、泡も吹きだしていました。
可愛らしかった顔は、鬱血によって青黒く変色しだしています。
血流を妨げられたことによって段々霞懸かってくる思考で、それでも明確に感じる痛みの中、ぱちゅりーは最後まで首の縄を外そうと努力しました。
どれほど時間が経ったでしょうか。
やがて突如彼女の身体がピンッと硬直したかと思うと、両腕がだらりと垂れ下がりました。
そしてふっくらとした服の股間部分に、じわじわと染みが浮かび上がってきました。
それは臨界を超えると、彼女の股を伝って床へと滴り落ちてきました。
だらしなくぶら下がる足の下で、だんだんと黄色の水溜まりが出来ていきます。
しかし、ぱちゅりーがその事に対して羞恥心を憶えることはありませんでした。
いえ、憶えることは出来なかったのです。
やがて図書館全体にまで及んだ火の手によって、ぶら下げられたぱちゅりーの身体は、周囲の魔導書と一緒に灰となりました。
最期の瞬間まで彼女の目尻に浮かんでいた涙は、果たして首を絞められた苦しさ故の物だったのでしょうか。



それとも。



もう親友を助けることが出来ないと悟った、悲しさ故の物だったのでしょうか。



『パチェ、少しは外の空気でも吸ったらどう? 都合の良いことに今夜は満月、絶好の散歩日和よ。出不精な貴方でも、空を飛ぶぐらいは出来るでしょうに』
『ちょっと、そんなに怒らなくても良いじゃない。私は貴女を心配して言っているのだから。……まぁからかいも有ることは否定しないけど』
『咲夜が良い紅茶を準備してくれているわ。それに美鈴もちょうど休憩中だし。ああ、どうせなら小悪魔も一緒にどう? 1人や2人増えたところで咲夜にとっては負担などではないでしょうしね』
『あら、たまには良いでしょう? 一家揃って団欒、というのもね』



「あれだけ好き勝手やらせといて、あんたや巫女が動かなかった理由は何だい? 条約を破られた時点で動くと思ってたんだけどね」
「子供の勇み足ほど微笑ましく、そして可笑しな物はそうそうない。そういうことよ」
「ああ……成る程ね。実にあんたらしい言葉だよ。とても腸が煮えくりかえるね」
「あら怖い………ねぇ、やっぱり死んでしまったら意味がないのではなくて?」
「何を求めて死ぬか、だよ。鬼は決して仲間を裏切らない、そして仲間に手を出す奴は絶対許さない。だからアイツは力を見せつけて、周囲から仲間を、いや、家族を守ろうとした」
「絶対的な悪など存在しない。正義の反対は、また別の正義である……と」
「きっとアイツはあんたや巫女を引きずり出して戦う気もあっただろうね。それがどんな結果をもたらすかも全て予測した上で、行動を起こした」
「……だから彼女に非はない?」
「まさか。アイツはあまりにも稚拙すぎた。力を付ける為に大量の人間を殺し、その力で家族を守ろうとした。考えは悪くないが、行動が悪すぎたんだよ」
「彼女は思慮深さが足りなかった。それを補佐すべき魔女も友情に目を曇らせていた。門番や従者は言わずもがな、ね。彼女達は全てにおいて『幼すぎた』のね」
恰好つけたっていいじゃない。おぜう様だもの。

まずはここまでお読み頂き有り難うございます。筆者の穀潰しです。
全てを知ったが故にレミリアの行動を一切諌めなかったパチュリー。そして護りたいが故のレミリアの勇み足。
彼女達が正しかったのかどうかは判りませんが、読み終えた皆様にそれぞれの答えを持って頂けると幸いです。

さて、このパチュリー編を持ちまして「ツェペシュの幼すぎた末裔シリーズ(と呼べるのかどうか)」は終了です。
本来なら我が儘なお嬢様の描写だけで終わっていたはずのこの作品に、此処まで幅を持たせる事が出来たのも、ひとえに皆様の感想に助けられたお陰です。この場を借りて、お礼申し上げます。
貴重な感想の数々、有り難うございました。
特に「幼すぎた末裔」での>8氏と、「幼すぎた末裔の従者」での>10氏には最大の敬意と感謝を。
お二人の感想がなければ、この作品は生まれていませんでした。

返信
>1
愛は盲目といいますからね

>2
そもそも地獄に行けるのかすら判っていません。

>3
人間からすれば「覚悟」なんて知った事ではないですからね。
パチュリーもなぁ………

>4
有り難うございます。
レミリアは、まだまだ人生ならぬ鬼生を積むべきだったのでしょうね。

>5
身を隠す為の衣と言われる方も居ますからね

>6
焦りすぎた結果ですね。そして有り難うございます。
霊夢と紫は………楽しみとしてとっておきます。

>7
私も書いていてどんどん愛おしくなりました。

>8
それも含めての「幼すぎた」ですね。

>9
これレミリア視点で書いちゃうと、只の自分勝手に見えるんですよね。
友人視点で書いたことで、有る意味免罪符みたいな感じを受け取れるかと。

>10
二つ名をもじった題名を付けたかったもので……。
何か良い題名が有りましたでしょうか?
穀潰し
作品情報
作品集:
11
投稿日時:
2010/02/05 17:24:46
更新日時:
2011/09/26 10:02:17
分類
パチュリー・ノーレッジ
ツェペシュシリーズ
1. 名無し ■2010/02/06 03:47:09
結局レミリアは急ぎすぎたんだな。それを諫めるのも友人の役目だったんだろうが・・・
お嬢様可愛いからなぁ。ついつい甘くなっちゃう気持ちも分かる。
2. 名無し ■2010/02/06 10:00:34
平穏、平和、家族、仲間、いずれも人間の為の言葉
吸血鬼だなんて高潔な呼び方をしても所詮はケダモノだ
自ら全てを遠ざける方法をとって『覚悟』だなんて体裁を整えようとする半端な知恵
殺戮を楽しんでおきながら理由が必要になったからただ『覚悟』を語っただけ
怖れる物が無いと語るなら最初からそうだと言ってしまえばいいのに
嗚呼、全てを謳歌出来る人間のなんと素晴らしいことよ!

何が言いたいかっていうと、地獄で半永久的に行われる極卒の攻め苦が楽しみですね^^
ってことです。
殺していいのは殺される覚悟があるやつだけだ、
死後も大手は振れないことぐらい『覚悟』してたんだろ? カリスマ(笑)
3. 名無し ■2010/02/06 12:49:36
パチュリーも面倒なやつと付き合っちまったな
しかし悪党の末路とは過程がどうあれ無様なもんだ

道具であったパチュリーに道具以上のつながりを持ってしまったのが敗因か
4. 名無し ■2010/02/06 13:04:21
ああ、面白かった。
このレミリアは幼すぎたんだな・・・。
5. 名無し ■2010/02/06 14:12:32
プライドって結局自分の弱さを取り繕う為にあるのかもね
6. 名無し ■2010/02/06 14:24:31
空回りした結果か……南無……
面白かったです。
しかしこのシリーズの人間は強いな
今度は動かなかった紫や巫女に矛先が向かうような気がして楽しみだ
7. 名無し ■2010/02/06 14:49:53
誰が何と言おうと、これだからレミリアを愛さずにはいられない。
8. 名無し ■2010/02/06 17:03:51
示威行為にしたってもっとやり方はあっただろうに・・・
9. 名無し ■2010/02/08 10:08:23
パチュリーよりもレミリアが主役みたい
10. 名無し ■2010/02/23 11:33:54
幼すぎたって表現はちょっと微妙
11. 名無し ■2010/12/16 22:41:16
反抗するには力が足りず
服従するには思慮が足りない
レミリア様はどうにもこまったちゃんですね
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