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『東方スカ娘「早苗の茶色いバレンタイン計画」』 作者: ウナル
東方スカ娘参加作品
カップリング:東風谷早苗→博麗霊夢
霊夢さんにクソを食わす。それが私の全てでした。
『茶色いバレンタイン計画』立案から一ヶ月もの間、私は己を厳しく律し、精進に励んでまいりました。
毎朝早朝ランニングをして、足腰を鍛え、うんこをひり出す力を強化しました。
食事も白米から玄米に変えました。食物繊維は排泄を促し、その量を増やすからです。
血の気の多いステーキなどを食べると、匂いがきつく浅黒いうんこが出ると研究の結果わかったので、私のご飯は玄米+レアステーキです。
和洋折衷の素晴らしいメニューです。
神奈子様と諏訪子様はいい顔しませんが、無視です。草でも食ってろ。
多分、変態って呼ばれる行為だと思います。
むしろ、偏執的って言われるかもしれません。
奇人変人ビックリショーです。
でも、みなさん想像してください。
あの完璧超人のスカした顔の霊夢さんが、うんこを口に含んでそれを吐き出す様を。
口元を押さえて、茶色の便と肌色のゲロをぶちまける瞬間を。
とっても素敵だと思いませんか?
なら、やるしかないでしょう。
犬のうんこなんかで誤魔化しちゃダメです。
全てを計画した者の責任として、霊夢さんには最高のうんこを食べてもらいますよ。
たっぷりと、ね。
◆ ◆ ◆
「くっくっくっ。霊夢さん、あなたがいけないんですよ。あなたの人気が私を狂わせたんです。少しっばかり人気があるからっていい気になって。百合百合カップリング? 引く手数多? 第六回人気投票1位!? こっちは13位から4位ですよ! 何ですかこの狙いすました順位は? 政府の陰謀ですか? どれだけ訓練された投票者ですか!! 何の神様を祀っているかもわからない神社で茶を飲んでいるだけのあなたに人気が集まるなんて、あってはならないんです! こちとら上から下からプレッシャーだらけのストレス社会生きてるんです! 中間管理、外回り営業、受け付け、備品整理全部一手にやってんだぞコラ!! あなたがいるから私は2Pカラーとか呼ばれるんです。対戦ゲームで色違い選んだら、ほんとにそっくりでしたよ。どうでもいいですけど、レミリアさんの下段ガードの構えってマ○オのパクリですよね!?」
頭に『必勝』と書かれたハチマキを付け、私は台所に入ります。
入る時は右足から。まあジンクスです。
もう、準備は整っています。
台所にはお湯を張った鍋と刻んだチョコレートを用意してあります。
型に流し込むだけのチョコ作りは、作品の良し悪しほほとんどを素材で決まります。
私は幻想郷で唯一天然のカカオの手にはいる場所、幽香さんの庭に侵入しました。
そして、最高のカカオを入手することに成功したのです!
その際、魔理沙さんを幽香さんのエサにしましたが、これも全て私の計画の為。神はきっと許してくれます。
「私は私を許します。よしOK!!」
自作自演? いいえ、私は神です。ゴッデスです。
私=神なのです。
幽香印のカカオのおかげでチョコレートの味は段違いに上がりました。
後は、メインディッシュだけなのです。
「う―――は――――っ!!」
気合いを入れ直し、中央に置いたボウルに跨ります。
おしっこ良し!
生理良し!
三日間出していないから、腹の中にはしっかりと熟成されたモノが詰まっているはずです。
こうして立っているだけでも、まるで赤ちゃんでもいるみたいに腹の中にずっしりとした感覚があります。
お腹を撫で、確信しました。
これこそが私の最高傑作になる、と。
「やっと全てが完成します。一ヶ月。思えば長かった……」
私のぷりてぃーなお尻が突き出され、S字結腸が垂直になり、直腸への道が開かれました。
栄光のヴィクトリーロードが今、開かれたのです。
溜め込まれた600gのう戦士たちがピンク色のゴールライン目指してスタートダッシュを切りました。
「ふ……ん………んん……っ」
いきむ。いきむ。いきむ。
ステンレスのボウルは鏡となって、私のヒクつく肛門を映し出します。
いきむたびにぷっくりと肛門は膨れ、その卑猥さに目が釘付けになっちゃいました。
私のお尻。そこには合計で21本のシワがあって、ちょうど正三角形の頂点の部分には特に深いシワが刻まれていました。
ヒクヒク動くそれは、軟体動物のような不思議なグロエロさがあります。
「くっ……は……うぅ……ん」
……三日間溜めたうんこはさすがに固いです。
最近は生活習慣が改善されたおかげで、便秘もしてなかったので余計に。
うんこは確実に肛門の方に向かっています。ですが、そこから先が難題です。
ぎちぎちと直腸を押し広げるうんこ。お腹の中が千切れてしまいそう。
内側から針でも刺されているみたいな痛みが襲います。
しかも、裁縫針ではありません、注射針です。
その先には肛門という最大の難所が待ち構えています。
ちくちくちくちく。
「つぅ、い、痛いんですよ!! ちくしょー!!」
富士山を逆さにして雪の部分を茶色にしたみたい。
今の肛門を表現するなら、そういう言葉が良く似合う。
しかし、いきむのも限界です。
「っはぁ――――!」
一旦息を吐き、力を抜くとピンク色の山肌はするするとお尻の中に戻っていってしまいました。
「ふぅ……んく……は…はあああ………っ!」
ミチ…ミチ……チ……ブッ! ブブゥ!!
肛門が大きく広がり、ようやくプチトマトを三つほど繋げたくらいのうんちを出せました。
どれだけの間、腸内に留まっていたのでしょうか。
それはひどく黒ずんでいて、とても固くガサガサに乾いていました。
「くぅ!……ふぅ!……はっ……ああっ!」
グ……ググ……ブゥゥゥゥゥッ!! ブプッ!! ッチ! ブチュ! ブリッチチチチッ!!
……やばい。今のオナラは神奈子様たちに聞かれたでしょうか?
でも、ここで止めることなんてもうできません。
先ほどの黒ずんだうんこが堰となっていたのでしょう。
ダムの放水が始まったかのように、うんこが飛び出し始めました。
正直、シャレにならない痛みです。
直径がニンジンほどあるうんちが、容赦なくお尻をこじ開けていきます。
先ほどまでの『出したいけど出せない』状況とは逆です。
固いうんこは重力と蠕動運動に流されるまま、荒々しく直腸の中から滑り出してきます。
太すぎるそれは肛門の括約筋でもそうそう切る事はできません。
まるで黒人ボディビルダーのビリー・オルトンさん(28歳・独身)に指をつっこまれ、お尻を広げられているよう。
腸全体が押し広げられる感覚に、まともに息をすることもできず、痛みを逃がすこともできません。
「ンッ! んん~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!! くはぁ!!」
大蛇のような便がボウルへと伸びていきます。
痛くて痛くてまぶたをギュッ!
再び目を開けたとき、ボウルの中には見事な大便が天を目指すように積みあがっていました。
「――ッ最・高・傑・作!!」
そこに詰まれたうんこはまさしくバベルの塔!!
人が至ってはならない禁断の領域の存在でした!
天に向かい細く切られた先端。
ステンレスのボウルに映し出された巨躯。
表面は腸の凹凸を残し、茶色の腸液はエロティカルに輝きます。
まさしく神の造形。
思わず、瞬きを忘れて見入ってしまいました。
「さて、と」
後はうんこをチョコでコーティングするだけです。
これを崩してしまうのはもったいない気はしますが、初志貫徹。
私の目的はあくまで霊夢さんにクソを食わせることです。
うんこをハートの金型に入れて形を整え、そこに湯煎で溶かしたチョコレートを流し込みます。
チョコとうんこの比率は2:8。これがスカトロ黄金比。
しっかりと全体をコーティングしたら、冷蔵庫の中に保存して固まるのを待ちます。
ここで焦ってはいけません。チョコが固まるまで最低三時間は待ちましょう。
チョコが固まれば、後は型から出し、メッセージを書き込むだけ。
『I LOVE 霊夢』などと吐き気のするメッセージをホワイトチョコで書き上げ、私のチョコは堂々たる姿を現しました。
「できた……。とうとう。私のチョコが……」
仕上がりは今までで最高。
見た目だけは高級洋菓子店のハートチョコ。
でも中身は核爆弾。
私が思い描いたウンチョコ。
それが今目の前にある。
「ふふ……。これで霊夢さんもイチコロです!!」
もはや勝ったも同然!!
霊夢さん!
明日が貴方の命日です!!
◆ ◆ ◆
2月14日。バレンタインデー当日。
皆さんもご存知の通り、私はこの日のためにひたすら自己研鑽に励んできました。
それに加え、一ヶ月の試行錯誤により、固く、臭く、黒ずんでおり、それでいて味わいあるうんこを出すことに成功しました。
この時点で『茶色いバレンタイン計画』は成功したも同然。
後は最高のウンチョコを霊夢さんに届ければ全てがうまくはずでした。
しかし。
ああ、それなのに。
「風の中のか〜なこ〜……。砂の中のす〜わこ〜。ゲホゲホッ! な、なんでこんなことに」
ボロボロ涙を流しながら、ふとんの中にこもる私。
なんでかって?
その側に置かれた体温計を見て察してください。
まくら元には水差しとコップ。そして、本日の主役であるウンチョコが所在なさげに転がっています。
「チョコはできたのに、チョコは完成したのに! これじゃあ、これじゃあ! 霊夢さんに一泡吹かせられないじゃないですかあ!!」
そう。昨日の時点でウンチョコは完成を見ました。
しかも、見た目は完璧。
包装も最善を尽くしました。清楚な白い箱に入れ、赤に金のラインが入った包装紙を手に入れ、丁寧に包み込みました。
その完成度たるや高級チョコ店の店頭に並んでもおかしくないくらいです。
きっと霊夢さんもまじまじと観察しなければ、ウンチョコを口の中に入れてしまっていたでしょう。
後はこれに手紙を添えて、霊夢さんの家に置いてくれば全ては順風満帆。霊夢さんはチョコ恐怖症になり、一生消えない心のキズを抱えて生きることになるはずでした。
「おのれ! 全ての希望は失われた! もはやここまでか!?」
しかし、全ては水泡と化しました。
一ヶ月の研鑽が裏目に出たのか、チョコが完成したことで気が緩んだのか、その前にした禊で身体を冷やしたのか、私は見事ウイルスにKO負けしてしまいました。
下あごにアッパーがクリティカルヒットですよ。
まさかデンプシーロールまで使ってくるとは。
一晩で一気に熱が上がり、せき、鼻水、のどの痛み、気だるさなどの風邪の諸症状を身体が訴えます。
それでも私はなんとか霊夢さんのもとに向かおうとしました。
ここで引いては女が廃る。
ですが、それを頑として許さない神奈子様と諏訪子様の手によってふとんの中にボッシュートされてしまいました。
お二人方、今だけはお恨み申しあげます。
「まさか神奈子様や諏訪子様にウンチョコを託すわけにもいかないし……。なんで、どうしてこうなっちゃうんですか!? う、ゲホゲホ!」
あがいたところで熱が下がるわけでもなく。
実際のところ、全身は膜をまとったかのようにあやふやで、トイレに行くのも壁に手をつかねばならないほどでした。
永遠亭の薬師に薬を調合してもらいましたが、今日一日は絶対に安静を言い渡されてしまいました。
こんな調子では博麗神社に辿り付けたとしてもチョコを置いてくるのは無理でしょう。
そう。わかっていますよ、そんなことは。
でも、それでこの一ヶ月を無駄にして、納得できる訳ないじゃないですか!!
「どうして私、こうなんだろ……。中学の修学旅行も、しっかり準備したのに、当日インフルだったし。体育祭じゃあ練習中に足をひねっちゃうし、文化祭でも、遠足でも……うっ」
思えば私、何かをやろうとしてやり遂げたことなど一度もなかったんじゃないでしょうか。
何もかも精一杯の努力をしたのに、最後の最後でいっつもケチがつく。
成功なんかなくて、どこにもぶつけようのない思いだけが残る。
保健室の窓から見える光景が悔しくってしかたなかったあの小学校の日々。
どうして、彼らはあんなに楽しそうなのだろう。
どうして、彼らはあんなに元気いっぱいなのだろう。
どうして、どうして。
一番頑張ったのは、私なのに。
一番楽しみにしていたのは、私なのに。
なんで、あんなに楽しそうに。
なんで、得をするのは彼らなんだ。
何もしていないくせに。
何もしていないくせに。
ただぼーっと立っているだけで、幸福が舞い込んでくるんだ。
そのくせ、誰も私を見てはくれない。
「うっう、うわ――――ん!!」
泣きたくないのに涙が溢れてしまいます。
悔しくて悔しくて。
自分の無力さを噛み締めてしまいます。
「こんなもの!」
ウンチョコを壁に投げつけます。
哀れな最高傑作は、無抵抗のまま壁にキッス。
包装がくしゃくしゃになり、中身が露出しますが、もはやどうでもいい。
霊夢さんに食べさせられなけらば何の意味もないんです!
「あ……」
叫んで熱が上がったのか、頭がぐらぐらと揺れます。
ぐんぐんまくらが迫り、柔らかなそば殻が迎えてくれます。
悔し涙を流しながら、私の意識は夢の中に吸い込まれてしまいました。
◆ ◆ ◆
「ん、うう……」
見慣れた天井を見つめながら、私は目を覚ましました。
どこか垢抜けない古風な雰囲気。
木目はすっきりと縦に伸び、ススが浮いた板目はいつも私をほっとした気持ちにさせてくれます。
「気がついた?」
「っ! 霊夢さん!」
突然声をかけられ、私は布団の中から飛び上がってしまいました。
いたた……。腰打った。
「な、なんでここに?」
「みんなから逃げてきたのよ。うっとおしくてしょうがないわ」
ぶっきらぼうに言い、霊夢さんはそばのちゃぶ台の上から黒い塊を取り、口へと運ぶ。
パキッと小気味よい音が響く。
それはホワイトチョコで『from Remilia』と書かれたハートのチョコだった。
「んー。材料はいいもの使っているみたいだけど、変なものでも混ぜてるのかしら、あんまり美味しくないわね」
「霊夢さん。それ……」
「ん? レミリアからのチョコ」
見ればちゃぶ台の上にはたくさんのチョコが置かれています。
10までは数えましたが、それ以上は馬鹿馬鹿しくなってやめちゃいました。
その全てが本命と思えるような気合の入れっぷりです。
もう何も言う気になれず、私は布団に転がりました。
その横で霊夢さんは特に何にも思うでもなくチョコを食べ続けます。
霊夢さんの瞳には何も映ってはいないみたいです。
私も、チョコをあげたみなさんの事も。
そりゃそうですよね。
霊夢さんは喜びも悲しみも楽しみも、全て自分にしか向かない、向けない。
誰かのために笑みを作る私と自分の為にしか笑みを作れない霊夢さん。
圧倒的自愛と圧倒的献愛。
口惜しいぐらいのアンビバレンス。
忌々しいコントラスト。
そして、そんな霊夢さんに惹かれる人たちは山のようにいて、私にはお見舞い一人いない。
「……やっぱりモテますね。霊夢さんは」
ガスみたいに言葉ガが抜けていきます。
でも、その言葉を聞いた瞬間、霊夢さんの眉間に深いシワが刻まれました。
「どうでもいいことよ」
ガリッと霊夢がチョコを噛む。
表情こそあまり変化してないですけど、明らかに不機嫌です。
そんな私の視線に気付いたのか、霊夢さんはため息を一つ。
「誰も見ちゃいないのよ。私なんか」
「え?」
「なんでも無いわよ」
霊夢さんはちゃぶ台から新しいチョコを手に取りました。
ガサガサと開けられていく包み紙。
赤いと金の包装紙を見て、とぼけた私の頭はようやく事態を把握しました。
「うひゃああ!」
「うわっ! 何よ、びっくりするわね」
「れ、れ、れ、霊夢さん! それ!」
「ん? これ? チョコでしょ? 食べていいわよね」
「あわわわわわっ!」
霊夢さんが手に取ったそれ。
それはまさしく私特製のウンチョコでした。
考えうる中で最悪の事態!!
霊夢さんは箱にかかっていたリボンを外す。
赤と金の包装を解き、中に入っていた白い箱を取り出す。
「だ、だ、だ、だめです霊夢さん! それを開けたら!」
「なんでよ? 別にいいでしょ? それよりもあんたは安静にしてなさい」
「い、いえですね! それは、そう! 神奈子様や諏訪子様にあげる分でして!」
「霊夢さんへ(はーと)って書いてるわよ」
「そ、それを開けると中からトンデモナイ悪魔が飛び出して来て!」
「悪魔が出てくるなら小突き回して、召使いにしたいわね。パチュリーみたいに」
「じ、実は開けると中から煙が出てきて、お婆さんに!」
「ふーん。じゃあ、永琳にでも開けさせようかしら」
「実はビックリ箱で!」
「むしろ開けたくなったわ」
「じ、じ、実は――っ!」
「はいはい。とにかくあんたは眠ってなさい」
霊夢さんは私の言葉を無視して、白い箱に手をかけます。
くそ!
このマイペース巫女め!!
飛びかかってでもそれを止めてやる、と意気込んだ私ですが、突如熱がぶりかえしてきたのか、一瞬にして頭が茹でタコ、ボッシュート。
箱が開かれていく。
禁断の箱が。
「――ッ!」
「ひ――――ッ!」
箱を開けた瞬間、私の鼻にまでツーンと来る刺激臭が漂ってきました。
どうにも寝ている間にチョココーティングが溶けてしまったみたいです。
中にあるのはむき出しのウンチョコ。
私の最高決戦兵器だけ。
「さ、早苗……。こ、これ」
「あ、あの、ですね! 霊夢さん! それは、その、えっと!」
熱で回らない頭を総動員して、何とか言い訳を編み出そうとしましたが、ああ無情。
いくら考えても良い言い訳など出てこない。
当たり前です。
どこの誰がバレンタインチョコからうんこ臭がする言い訳を思いつくものでしょうか。
(こ、殺されるっ!)
沈黙する霊夢さん。
その姿に死を覚悟しました。
もとより病気の身。抵抗などできる訳もない。
霊夢さんはかのマルキ・ド・サドもびっくりな方法で私を苦しめ、無残に殺すことでしょう。
血も涙もない極悪非道強盗巫女のことです、その想像はあまりに真実味に溢れています。
なのに……、
なんでか、
「――ッ! うっ、うぅ……ッ」
「……れ、霊夢さんが!?」
泣いている!?
あの唯我独尊、天衣無縫、人を人とも思わない、加虐性殲滅者(サディスティック・マーダライズ)の霊夢さんが!?
慌てて目をこするも、霊夢さんは消えません。
私の作ったチョコを抱きしめ、氷のように頑なだった両眼から粒の涙を流しています。
まるで何かが壊れてしまったように。
それは苦しいとか痛いとかそういう涙ではなく、感涙、喜び、戸惑い、そんな感情が入り混じった涙だと思えました。
「早苗……」
「は、はい。何でしょう?」
「……知ってたの?」
「え? なんのことでしょうか?」
「……そうよね。そうじゃなきゃ、こんなことしないわよね」
「れ、霊夢さん?」
「もう、とぼけなくていいのよ」
「私が愛糞家だって知ってたんでしょう?」
「――――はいぃ!?」
霊夢さんは私に向き直りました。
どこか違う世界を見ていた瞳は、今は真っ直ぐ私を見ています。
まるで、私に感謝するように。
そして霊夢さんは、ウンチョコを頬張りました。=私のうんちを食べました。
それはそれは美味しそうに。
「美味しい! 美味しいわよ、早苗!!」
「え? あ? ありがとうございます」
なんとマヌケな返答。
しかし、この状況で他に何と言えば良いと言うのでしょう。
霊夢さんはあっという間にウンチョコを食べ終えてしまい、ちょっと恥ずかしげに私に色目を使ってきます。
「……初めてだったわ」
「え?」
「うんこもらったの」
そりゃそうでしょうよ。
女の子にうんこ送るような人はマジモンのキチですよ。
あれ? じゃあ私はキチちゃん?
「今だから言えるけど、私、子どもの頃からなんでかうんこが好きだったの。トイレにこもってうんちしたり、誰かがオナラしたらその匂いを嗅いだり、幻想郷のトイレを盗撮してたりしてたのよ」
「ま、マジですか!?」
「早苗のするとこもくっきりはっきり見てたわよ」
「ちょっ! うぅええええ!?」
「早苗って、結構、お尻の毛薄いのよね」
「いやああああああああああ!! もうお嫁にいけない!!」
次々と明かされる痴態の数々。
もう、聞かされるだけで羞恥プレイです。
なんなんですか霊夢さん!
人の排泄についてあれやこれや嬉々として語るなんて!
しかもその顔ときたら、初恋した中学生みたいです!
こんなに朗らかに笑う霊夢さんなんて初めて見ましたよ!!
「だから、早苗のこと前々から気になってた。でも、私の趣味を知られたら引かれるなあ、なんて思っちゃってね。はは、馬鹿よね私。こんな性癖理解してもらおうなんてとっくの昔に諦めてたはずなのに」
なに、一人語り始めてるんですか!
なに、自分の性癖とうとうと語ってるんですか!
なんですが、その嬉し恥ずかしでも気持ちいいみたいな顔は!!
そんな顔されたって!
「うん。純粋に嬉しいかな。同じ気持ちの人が側にいたっていうのは」
ないのに!
私にスカ趣味なんてないのに!
でも、
でも!
霊夢さんのそんな恥じらい顔見せられちゃったら――、
目覚めちゃうじゃないですか!!
「れ、霊夢さん!!」
チョコを両手の霊夢さんの肩をがしっと掴む!
って、何をシテイルの私!!
違う!
これは熱のせいです!
吊り橋効果ならぬ、発熱効果なんです!
霊夢さんのことがちょっと気になっていたとか、愛しさ余って憎さ百倍だとか、嫉妬の心は親心だとか、そんなことはないんです!!
「け、結婚してください!!」
何を言ってるの――――――――――――――――――――――――――――――――――――っ!!
「さ、早苗? 本当に、私なんかでいいの?」
いや、霊夢さんも何まんざらでもないみたいな返事返してるんですか!
そんな上目使いで顔を赤らめられちゃったら、本当にやばいんですけど!!
「あ……あれ?」
「ちょ、早苗!?」
ふらりと身体が揺れます。
熱で脳みそまで焼きついたみたいです。
最後に見たのは、慌てて私を抱きとめる霊夢さんの顔。
ああ、霊夢さん。
やっぱり綺麗だなあ。
後、口のまわりが汚れてますよ?
◆ ◆ ◆
まばゆい光で目が覚めました。
ずいぶんと陽が高いです。もうお昼ですね。
「夢――だったんでしょうか?」
そうですよね。
霊夢さんがスカトロジストで、私がスカトロマニアで、くんずほぐれつの後に、結婚イベントなんて都合のいい話があるわけないです。
でも、夢だとしたらどこから?
霊夢さんが来たときからでしょうか? 一番可能性が高いですね。
それとも熱を出したところから? じゃあ、急いで準備しないと。
もしかして、『茶色いバレンタイン計画』からでしょうか。今思えばなんであんな計画を思いついたのか謎です。
「うっん。お水が飲みたいな」
熱は引いたみたいですが、喉がカラカラです。
冷たい井戸水をこころゆくまで飲みたいですね。
寝巻きも汗でべとべとだし、お風呂に入っちゃおうかな。
あ。
そこで見つけた。
昼の木漏れ日を受けた、ボロクソ過ぎてむしろ神々しいちゃぶ台。
その上に置いてある、一枚の手紙に。
『返事はホワイトデーに』
「――――夢、じゃないみたいですね」
うん。
どうやら、私はとんでもないバカをしちゃったみたいです。
しかも、霊夢さん。
ホワイトデーとかどれだけ焦らしプレイなんですか。
本当はSなんですか?
霊夢と書いてレイプと呼ぶんですか?
「うへへへ。うふ。ふふふ」
うわあ、にやけてる自分が気持ち悪い。
でも、ほほの緩みが止まりません!
だってしょうがないでしょう!
こんなにも幸せなんですから!!
その後、私と霊夢さんはホワイトデーをきっかけに付き合い始め、そのままできちゃった結婚に突入して、一緒にスカトロウェディングをあげちゃいます。
そして、幻想郷一幸せな夫婦として噂されるようになるんですが、それはまた別のお話ということで。
おわり
憎さ余って可愛さ百倍!!
ちょっと変化球気味に早苗さんのチョコを作ってみました。
しかし、スカトロ描写が前半でほぼ終わりという理不尽仕様。
すいません。本当にすいません。
それでも楽しんでいただけたなら幸いです。
追記:一秒フライングすいません!
早苗ちゃん人気投票で二位となりましたね。やったね早苗ちゃん!
ウナル
http://blackmanta200.x.fc2.com/
作品情報
作品集:
11
投稿日時:
2010/02/13 14:59:59
更新日時:
2010/02/14 16:06:38
分類
東方スカ娘
東風谷早苗
博麗霊夢
スカトロ
うんこ
バレンタインデー
早苗さん、よく頑張った・・・
早苗ちゃん超カワイイ!
早苗さんもお疲れ様です。
てか孕まされたのはどっちだw
まさに嘘からでたまこと☆
たぶんレミリアも何か混ぜてるんだろうな
盗撮で興奮している霊夢はかわいすぎる
霊夢さんは暴走じゃなくて最初から狂ってた……いや、これが正常なのか?
早苗がまさかの二位・・・俺の嫁は暴落(泣)
眩しいほどのスカトロへの愛が溢れていました