少女が泣いている。
辺りは廃墟だ。ところどころに火の手があがっている。耳を澄ますと、遠くから人の声がする。少女はぼろぼろの服を着ていて、素足で歩いていた。
「どうしたの?」
私はそういって近づいた。少女が目を開く。ぼさぼさの髪の毛の間からは、おびえた表情がうかがえる。
「・・・」
赤が溢れる。少女が口から血を流していた。しばらくぴくぴくと震えていたが、やがて動かなくなる。
「どうしたの?」
私の声だ。遠い。とても、遠い。ぬらりとした感触が伝わってくる。私は自分の手の平を見た。そこは、少女の血で濡れていた。少女が崩れ落ちる。私は笑う。
私は振り向く。
後ろには幾十・幾百・幾千の死体が転がっている。
私の、この手で殺めた死体が。
私は・・・
「・・・」
「・・・り」
「・・・・・・聖」
「起きてください、聖」
うん・・・と小さなため息をもらすと、白蓮は静かに目を開けた。ごぅん・・・ごぅんとくぐもった音が聞こえてくる。
心配そうな瞳で彼女を見つめるものがいた。金色の髪の毛に、金色の瞳。赤と黄色を基調にした服装に身を包んだその者は、名を寅丸星という。
「有難う、星」
「うなされていましたよ」
「少し、ね」
白蓮はそうつぶやくと、ゆっくりと周囲を見渡した。ここは星蓮船の中。先ほど聞こえたごぅんごぅんという音は、船が飛んでいる為聞こえてきた音であろう。
白蓮はゆったりとした自らの椅子に腰掛けたままで、心配そうな表情を浮かべたままの寅丸に向かっていった。
「昔のことを思い出していたの」
「昔のこと、ですか?」
「そう」
口元に自戒を込めた笑みを浮かべる。
「私が、悪魔と呼ばれていた頃のこと」
「・・・聖」
「いいのよ」
白蓮は立ち上がった。
「本当のことだから」
「それは」
「私は・・・誠に愚かで、自分勝手だったわ」
ごぅん・・・ごぅんという船の音が断続的に聞こえてくる。今、この場には、白蓮と寅丸しかいないが、船長である村沙や白蓮を姐さんと慕っている一輪も、姿こそ見えないがこの星蓮船には乗っているはずである。
「それはこれからも変わらないかもしれない。昔だけでなく、今も、これからも、私は愚かで・・・自分勝手なのかもしれない」
「聖」
「それでもいい。人間と妖怪が平等に暮らせる世界を作るためなら、私は自分勝手でもなんでもいい。悪魔にだって、なりましょう」
「・・・聖」
「ついたようね」
不安そうに彼女を見つめる寅丸を横目に、白蓮はすたすたと歩き、もはや肉眼で確認できる、星蓮船の先にある目的地を見つめると、いった。
「さすがに、冥界にまで来るのは時間がかかったわね・・・夢を見る時間があるくらいに」
眼下に、広大な屋敷が広がっていた。
桜の美しい、その屋敷の名前は、白玉楼。
紅魔館を壊滅させた白蓮の、次の目的地であった。
長い長い階段。
白玉楼へと続くその階段の途中で、白蓮は庭師と対面していた。
魂魄妖夢。
半人半霊の、白玉楼の守り人である。
「紅魔館を壊滅させた者がいる、という噂は聞いています」
「それなら、話が早いわね」
最初から楼観剣を構えたままで、妖夢は緊張をとくこともなくいった。
「何が話が早いのでしょう?」
「・・・あら?こちらの門番さんは、あまり想像力が豊かではないのかしら?」
白蓮は笑う。
「真面目なのもいいけど、あまり真面目すぎると、役に立たないわよ?」
「何をいう!」
「熱くならないの」
妖夢の目の前にいたはずの姿が無い。
目を離したはずもないのに・・・と妖夢が思った瞬間。
「ほら。こういうときこそ冷静にならなければいけませんよ。未熟な未熟な剣士さん」
背後からの声。妖夢は剣を一閃させたが、振り向いたときにはすでに白蓮の姿はなかった。
大階段の上の方、彼女がいる場所よりも数段上の場所に、白蓮は立っていた。
「この立ち位置が、私と貴女との差・・・いえ、もっと離れているわね」
「何を!?」
「人の話は聞きなさい」
ためらわず剣をふってくる妖夢を笑ってあやすと、白蓮はいった。
「紅魔館の次は、ここ、白玉楼を壊滅させることにいたしました」
「そんなことが、許されるわけがない!」
「許してもらおうとは思っていません」
笑う。笑う。悪魔の笑い。
「許すも許されるもなく、ただ、そうなるのですから」
一閃。一閃。
妖夢の剣が閃くものの、その全てが届かない。二人の差は、あまりにも遠かった。
「いったい、何のために、そんなことを!?」
「妖怪と、人間のため」
常人ならば何回も殺されているような妖夢の鋭い攻撃を、まるでそよ風が吹いているかのように軽くかわしつつ、白蓮はいった。
「私の夢は、妖怪と人間とが、平等に暮らしていく世界。そのためには・・・」
目の前が暗くなる。
たった一回の、白蓮の攻撃。
白蓮にとっては軽い一撃だったが、受けた妖夢にとっては今まで生きてきた中で受けた一番の衝撃だった。白蓮の拳が妖夢のみぞおちに入り込み、妖夢は口から反吐をはきながらその場にうずくまった。
「私の力を、広くこの幻想郷に知らしめる必要があるのです」
妖夢には、その言葉は届いていない。本当に痛い時には、うめき声すらあげることは出来ないものだ。ぷるぷると身体を震わせてしゃがみこんでいる妖夢を見て、白蓮の中に嗜虐的な気持ちが沸き起こってきた。
「私の夢は、妖怪と人間との共存」
「妖怪と、人間」
「・・・」
「なら、幽霊はそのどちらにも入らないわね?」
ゆっくりと、白蓮が妖夢に向かって階段をおりはじめた時。
「あらあら、それは差別というものよ〜」
目の前に、蝶が舞った。
美しい蝶。しかしその蝶は、人を死へと誘う蝶でもある。
「!」
白蓮は、飛びずさり、声のしたほうを見上げた。
そこに立っているのは、はかなくも美しき、青白い亡霊。
白玉楼の主、西行寺幽々子その人であった。
「・・・幽々子さま・・・」
「無理して声を出さなくてもいいわよ〜」
お腹をかかえたまま、必死に主に近づこうとする妖夢を軽くとめると、幽々子は白蓮を見つめた。にこりと笑う。
「うちの妖夢がお世話になったみたいね〜」
「とんでもありませんわ」
白蓮も、笑う。
「ただ、遊んでもらっていただけですから」
「その遊びで、妖夢、死にかけているじゃない?」
「もともと半分死んでいるのなら・・・四分の三殺し、くらいですか?」
「貴女が噂の、白蓮さんね〜」
「以後、お見知りおきを」
蝶が舞う。
周囲全てが、無数の蝶で埋め尽くされた。
「知りたくもないわ」
幽々子の声には、彼女らしからぬ苛立ちが含まれていた。
「紅魔館を壊滅させたとしても、幻想郷で何をしようとも、私にはどうでもいいことだけど、私と妖夢が静かに暮らしているこの白玉楼に雑音を紛れ込ませることだけは、やめてほしいわね〜」
無数の蝶が白蓮を襲った。
死が、白蓮を襲った。
死を、操る程度の能力。
幽々子の操る「死」とは、対象をゆっくりと死に至らしめることもでき・・・その場で卒倒させるように死に至らしめることも出来る能力である。
今、幽々子は何の迷いも躊躇もなくその力を使い・・・
そして、はねられた。
「懐かしい匂いね」
はらり・・・はらりと、全ての蝶が地面へと舞い落ちていた。地に触れた蝶は、ゆっくりと消え入るように消滅していく。死が、消えていく。
「あら?」
幽々子は手にしていた扇で顔の下半分を隠した。心の奥底にはかすかな動揺が広がっているのだが、それを表に出すことはない。常に優雅で、常に心を見せない。幽々子は今までずっとそうしてきたし、これからもそのようにしていくつもりでもあった。
「可愛いこの子たちが消えてしまったじゃない」
「死が可愛いですって?」
白蓮が言う。言葉には、少し苛立ちが込められている。白蓮の中にあって、「死」というものは深く、重いものであった。
彼女は「死」を恐れていた。恐れていたからこそ、死を克服しようとし・・・その「死」というものが自分だけ、人間だけでなく、妖怪にも訪れるものなのだと心から実感し・・・
「死を弄ぶ貴女。誠に薄く、軽挙妄動である・・・南無三ッ」
階段をかけあがる。白蓮の走りさった影だけが残る。
「あらあら・・・怖い怖い」
幽々子は、余裕を取り戻していた。先ほどの蝶を全て消滅させた力には少し・・・ほんの少しだけ動揺したけれども、やはりこの女も、死を恐れるただの凡人だ。恐れることは何もない。自分の方が、上手なのだから・・・
「さようなら」
墨染めの桜が広がる。
死が広がる。
心臓の音が止まる・・・はずであった。
「え・・・」
だが、白蓮は、止まらない。
そのまま、何の躊躇もなく、まぎれることもなく全ての弾幕を一直線で超えてくると、手を伸ばして幽々子の首筋を両手で握り締めていた。
「・・あ・・なた・・は・・」
死が怖くないの?
喉を締め付けられて、声が出ない。幽々子の顔に、焦りの色が浮かんでくる。いけない。もっと余裕を見せなければならない。もっともっと、自分はまだまだ平気なのだと・・・
「誠に、哀れである」
両手に力を込めながら、白蓮はいった。
「人の死を自由に操ることが出来る、その傲慢さこそが、あなたの余裕の本質であろう」
ぐ・・ぎゅ・・・
親指に力を入れる。もう一押しすれば、喉がつぶれるであろう。
「私は、死が怖い」
「・・・」
声はでない。
眼下の白蓮を、幽々子は見下ろしていた。手にも、足にも、力が入らない。なんという、力だ。能力でもなんでもない、これは、圧倒的な、単純な、力。
だが、単純なだけに・・・幽々子にはなんとすることも出来ない。
「怖いからこそ、私は一直線に死を見つめてきた。あなたは優雅に、死を弄んできた。それは優雅ではあるが・・・」
ごきゅ。
「純粋ではない」
白蓮が最後に力を入れようとした時。
「幽々子さま!」
背後から、切りつけられた。
不意の一撃であった。
背中に熱い痛みが走る。
「・・・む・・・」
「今、お助けいたします!」
金色の瞳を怒りで燃やし、妖夢は楼観剣と白楼剣を振り回す。妖夢は、人を斬ったことがない。無論、練習は毎日しているし、いつも人を斬るつもりで、その気迫で行動している。
だが。
本当に切りかかったのは、これが初めてだ。
肉の切れる感触が妖夢の両手から脊髄、脳髄へと進んでいく。あぁ、これが、人を斬るという感触なのだ。
「貴女の庭師の方が、貴女よりも、よっぽど覚悟を決めているようね」
左手で幽々子を握り締めたまま、そのままの姿勢で、白蓮は振り向き、妖夢に対峙した。
「剣士が、人を後ろから斬りつけてもいいの?」
「まったく問題ない」
妖夢は、まっすぐな瞳で、いった。
「私の役目は、幽々子さまを守ること。そのことと私の剣士としての誇りとを比べるなら、どちらが大事かなど一目瞭然!」
妖夢が切りかかる。
迷いのない、無駄の無い、妖夢の今までの中で、最高の一撃。
「・・・誠に、残念である」
その一撃ですら、白蓮には届かなかった。
左手で幽々子を握り締めたまま、白蓮は妖夢の渾身の一撃をかわすと、もう一方の右手で妖夢の首筋をつかみあげていた。
「・・・ッ」
言葉にならない。
夢も、覚悟も、忠誠心ですら、届かない。
妖夢は悔しさに涙を溢れさせていた。
横を見ると、自分とまったく同じ体勢で、幽々子が白蓮に吊り上げられている。
「絆で世の中が何とかなるのなら、争いなど起こらない」
ぎり・・ぎりぎりぎり・・・
白蓮の力が強くなる。
こひゅぅ・・・という、空気の抜けるような音が幽々子の喉奥から漏れ聞こえてきていた。
涙が出る。
幽々子様、幽々子様、私は貴女をお慕い申し上げております。貴女の役に立てることが喜びです。そのためなら何でもします。朝から夜まで、ずっとずっと、剣の修行をいたします。それは全て、貴女を守るため。食事の準備もします。夜の準備もします。私の全てを捧げます。貴女を守るためなら、私は何でも・・・
「あなたの絆は本物。それは私にも分かる」
力が強くなる。妖夢の意識も薄れていく。
どんなに強い意志があっても、どんなに折れない覚悟があっても。
「でも、圧倒的な力は、その絆すら超えていくのよ」
幽々子と妖夢の意識は、白蓮のその言葉を聞くのを最後に、途切れた。
だから、次に白蓮がいった言葉は聞こえなかった。
「絆、覚悟、信念、それら全てを超える純粋な力で、私が幻想郷を包みましょう。全ての怨嗟の声、全ての歓喜の声、全ての憎しみ、全てを私が引き受けましょう」
どさり。
幽々子と妖夢の体が大階段へと落ちた。
「妖怪と、人間の、平等のために」
ぎぃ・・・
ぎぃ・・・
妖夢が気づいた時、全身に痛みが走った。
痛みがある、ということは、生きているということ。
ぼぅっとした頭の中で、妖夢は状況を把握しようとつとめた。
自分の体が、一番分かる。
自分は今・・・縛られている!?
目が覚める。
確かに、妖夢は、縛られていた。
全ての服を脱がされ、生まれたままの姿になって、宙吊りにされていたのだ。
ここは、地下室のようだった。
目を凝らすと、燭台からのあかりがみえた。
「おはよう」
目の前に座っているのは、自分をこのような目に合わせた張本人、聖白蓮だった。
椅子に座り、勝者の余裕からか、こちらを見つめて口元をゆがませている。
「幽々子さまをどうした!」
最初に出た言葉は、やはり自らの主の安否であった。
自分はどうされてもいい。
けれど、幽々子様は・・・
幽々子様だけは、私が、お守りしなければ・・・
「見えないのかしら?」
嬉しそうに、白蓮はいった。
よく見ると、白蓮は小刻みに動いている。
何の動きなのかは分からなかったが・・・目を凝らし、その動きが何なのかを理解したとき・・・妖夢の頭の中に、怒りという感情が沸いてきていた。
この女は。
自分のこの姿・・・裸にされて縛られている姿を見て・・・
自慰をしている。
くちゅ・・・ちゅる・・・
卑猥な音が、白蓮の股の間から聞こえてくる。
白蓮の服は、その部分だけを、いじることができるように穴があけられていた。
「何をしている!」
「見て分からないのかしら?まだまだ、ネンネなのね」
白蓮は嬉しそうに笑う。
その声には、艶やかななまめかしさがあった。
「貴女の姿を見て、興奮しているのよ」
「・・・愚劣な」
「ふふ・・・」
くちゅ・・・ちゅ・・・
自慰を続けながら、白蓮はいった。
「貴女の最初の質問に答えさせていただくわ」
最初の質問?
そうか、あまりのことに一瞬我を忘れてしまったが、自分がまず最初にしなければならないことは、幽々子さまの安全の確認であった。
「幽々子さまは、どこにいる!?」
「だから、最初の質問に答えてあげようといったじゃないの」
白蓮は、嬉しそうに、笑った。
「貴女の大事な主人は、貴女の下にいるわよ」
妖夢は、下を見た。
裸にされて、縛られて、その尻の下に・・・彼女の敬愛する、西行寺幽々子の姿があった。
「幽々子さま!」
「感動の再開は、まだ早いわよ」
くちゅ・・・ちゅ・・・ちゅる・・・
白蓮の自慰は、さらに早くなる。
彼女の指が動くたびに、透明な液が糸を引いている。
「貴女の絆・・・見せてもらうわ」
白蓮は指を引き抜いた。
ぬらりとしたその指を口元に運び、くちゅくちゅと音を立てて、自らの愛液をすすっていく。
「ん・・・」
幽々子もまた、縛られていた。
まったく身動きは出来ないようになっているが、猿轡も何もされていないので、しゃべることは出来る。
ここまでの話を聞いていて、幽々子が、口を開いた。
「妖夢・・・いいのよ」
「何がですか、何がいいのですか、幽々子さま!」
妖夢の声がする。
いったい、幽々子さまは、自分に何を伝えようとしているのか?いったい何を、自分はされようとしているのか?
「私には、この女のたくらみが分かるわ」
妖夢の尻下に横たえられたまま、幽々子はいった。
「頭が切れすぎるというのも、時にはつらいものね」
そういったのは白蓮だ。ふたたび、指を自らの秘部に入れている。空いた手で、服の上から自らの乳房を触っていた。
快楽に、身をゆだねている。
見てみると、部屋には白蓮だけでなく、白蓮の仲間である、寅丸、村沙、曇居の姿もあった。その三人は何も言葉を発することもなく、ただ、主人である白蓮の姿を見つめていた。
「あとどれくらいかしら?」
白蓮は笑う。
妖夢は、わからない。
何が、いったい、どれくらいなのか?
そのとき。
妖夢の下腹部に、鈍い痛みが襲ってきた。
先ほどの殴られた痛みではない。
もっと、日ごろ、日常的に感じている、痛み。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
妖夢は、気づいた。
同時に、懇願する。
「やめて!それだけは、やめて!」
「あはははははっはははははっははははははっは」
白蓮は笑った。
このために、自慰をしているのだ。
白蓮の変態的な悦びを満たすために。
「気づいたのね?分かったのね?その顔、私はその顔を、見たかったのよ!」
自分は縛られている。
下には、敬愛する、幽々子様がいる。
自分はいつまで縛られているのだろう?
この女は、いったい何のために、私を縛っているのだろう?
答えは、一つしかない。
「やめて!許して!お願い!」
「・・・いいのよ、妖夢」
いいわけがない。
幽々子さまはそういってくれるけれども、そんなこと、いいわけがない。
「あなたの絆・・・見せてもらうわよ」
白蓮が笑う。
その笑い声が、だんだんと遠くなってくるように、妖夢には感じられた。
下腹部が痛い。
下腹部が痛い。
・ ・・出る。
このままでは・・・漏れてしまう。
うんちを・・・
敬愛する・・・主人の・・・
顔の上に・・・
「やめてぇ・・・お願い・・・」
許してくれるはずがない。
目の前の女が、許してくれるはずがないことを、妖夢はすでに経験として知っていた。
幽々子さまは、もっと前に分かったのだろう。
理解したのだろう。
だから、自分に負担をかけないために、「いいのよ」と言ってくれたのだ。
その気持ちが分かるからこそ。
「止め・・・てぇ・・・ゆるして・・・」
泣いてしまう。
「やめて・・・」
墨染めの桜。
「許して・・・」
綺麗な桜。
「助けて・・・」
さいた。
さいた。
・ ・・
糞の、花。
俺の場所をォ〜
チェーンジ
ズボン下ろして待ってます
早く糞にまみれて死ねばいいのに