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『白昼夢』 作者: エイエイ

白昼夢

作品集: 12 投稿日時: 2010/02/26 13:09:49 更新日時: 2010/02/26 22:09:49
「あーお腹減った・・・」

チルノは妖怪の森の上空をフラフラと飛びながら何か食べる物は無いかと目を凝らした。
が、当然見えるのは木々ばかりで彼女の空腹を満たしてくれそうな物は見当たらない。
仕方なく小川が流れる少し開いた空き地に降りて、
せめて喉の渇きだけでも潤そうと両手で流水をすくいゴクゴクと水を飲んだ。

「ああああ、お腹減ったー。」

彼女が何度目かも分からない程繰り返した台詞を吐き出し、
ごろんと野原に横たわると遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「チルノちゃーん!」
「あ、大ちゃん。」
「どうしたのこんな所で、皆の所に言って遊ぼうよ。」
「今そんな気分じゃないんだよ。さっきからお腹がぐうぐうなって、ぐうぐうぐうぐううるさいのよ。」
「それじゃあ私の家に来なよ、何かご馳走してあげる。」
「だめ、おなかが空いて歩けないー。」
「もお、仕方ないなー・・・じゃあさ、何かごはんを想像してそれを食べてみるといいよ。
 私、たまにお腹が空いてる時にやるんだけど気が紛れるよ。」
「ふーん、面白そうね。」
「じゃ、目を瞑って・・・食べたい物を想像するんだよ。」
「うん。」

二人が目を瞑って想像した物は偶然にも同じ物だった。
豆である。
二人は空からパラパラと降ってくる豆を飛び回りながらパクパクモグモグを想像した。
そして偶然にも二人は同じ場所同じ速度で落ちてくる豆を思い描いたのである。
そう、必然的に二人の口は、唇は同じ所に向かう筈であった・・・

バキッ!
ドカン!

しかしチルノのは口ではなく手を伸ばして豆を掴もうとしていたのだった。
チルノのグーパンを食らった大妖精はクルクルと飛ばされて木にぶつかってしまった。

「だ、大ちゃん・・・あたい。」
「・・・気にしなくて良いよ。」
「ごめん・・・」
「謝んないでよ・・・」
「・・・ごめん」

大妖精はついと目を上げて雲の浮かぶ青空を見上げ、悟ったような顔で呟いた。

「空から、豆は降るんだね。」

チルノは目を落とし、握っていた手を開き、何も無い手のひらを見つめるのだった。
エイエイ
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12
投稿日時:
2010/02/26 13:09:49
更新日時:
2010/02/26 22:09:49
分類
チルノ
大妖精
1. 名無し ■2010/02/26 22:51:53
どうして豆になった

…ああ、仙豆か
2. 名無し ■2010/02/26 23:47:31
尾崎豆
3. 名無し ■2010/02/27 20:10:17
仲良しなのが何よりだな
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