注意事項
私の書いている物語の『藤原さん』タグは、藤原さんが出演していると言う意味ではなく、
初投稿から続いている『藤原さんシリーズ』の作品である事を表します。
そして、藤原さんシリーズはつづき物であり、割と話が繋がっております。
別に見なくてもいいのですが、知っておくと小ネタがあったりして少し嬉しいですね。
と言う事で、私がここで投下しているSSは巨大な長編だったりします。
まあ、これから矛盾も生じるかもしれませんが・・・・・・作者が適当なのでご愛嬌。
『藤原さんシリーズ』
主な登場人物
モコウ・・・・・・・とてもかわいい。何だかんだでいい人。
中将・・・・・・・・・ほんと誰だろコイツ。俗にいう説明役。
モッコラー・・・説明不要。最強であり紳士のゆっくり。
ムラサ・・・・・・・ヤマトの艦長だったけど沈められたよ。
―――藤原さんシリーズ時系列―――
基本的に01から順番に時間は続いていおり、基本的には一話完結ですが、
話と話が続いていたり、繋がっているものがあります。
(それぞれの過去編)
01、「東方紅魔狂」(下へ続く)
02、「東方妖々無」(下へ続く)
03、「東方永夜将」
04、「見つかった二冊の日記」
(数年前〜現在)
05、「妹紅はかわいい」
06、「フェニックスミサイルと藤原妹紅」(そそわ)
07、「妹紅と軍鶏とワルサーPPKと」(モッコラー初登場)
08、「妹紅とバカルテットと17ポンド対戦車砲と」(オープンファイア!藤原さん!!へ続く)
09、「異教徒が悪い異教徒が悪い異教徒が悪いいきょうとがわるいいきょうとがわるい」(げんそうきょうえんぎ〜へ続く)
10、「最後の航海日誌」(そそわ)(2へ続く)
11、「最後の航海日誌 ぱーと2」(ムラサ艦長初登場)
12、「たけのこごはん パート2」(レッツレーション!!に続く)
13、「もこもこ短編集」(げんそうきょうえんぎ〜へ続く)
14、「げんそうきょうえんぎをつくろう!!」(ERA MOKOへ続く)
15、「レッツレーション!!」
16、「微笑少女」
17、「ERA MOKO」
18、「魔理沙とアリスの焼死体」(2へ続く)
19、「魔理沙とアリスの焼死体 ぱーと2」(魔理沙のひ・み・つ☆へ続く)
20、「微妙に冬だよ!!もこもこ短編集!!」
21、「魔理沙のひ・み・つ☆」
22、「妹紅とたのしいクリスマス」
23、「年明けだよ!もこもこ短編集!」
24、「幻想郷にエスマートがやってきた!!!」
25、「スタンドバトルだよ!!全員集合!!―――フジワラの拳は砕けない―――」
26、「オープンファイア!藤原さん!!」(ここから北アフリカ戦線)(下へ続く)
27、「モッコラーの野望!」(下へ続く)
28、「蘇った英雄!!」
(○○年後)
29、「妹紅と終わる事の無い明日」(そそわ)
30、「たけのこごはん」
(特にストーリーに絡まないもの除く)
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ある男がいた。
その男は調教師であった。
今まで数人の少女達を調教し、売り飛ばしてきた。
それによって得た金額は決して多いとは言いがたかったが、
そのノウハウを生かして一歩、また一歩と進んでゆく者であった。
現在の男の所持金は50万円・・・・・普通に考えれば大金である。
しかし、男の仕事である人身売買には少々その額は少なすぎた。
手ごろな妖精なら幾らでも買えるが、それではリターンが少ない。
かといってあまりにも問題がある人間は良くない。
例えはデフォルトで『狂気』を持っていると非常に不味い事になる。
私は殺されるものやだし、金にならないのも嫌なのだ。
『俺は面倒が嫌いなんだ』
それが男の口癖であった。
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E r a M o k o
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「・・・・・・・・カチ・・・・・・・・・カチカチ・・・・・・・・・。」
私は目の前に置かれたパソコンを起動し、次なるターゲットの娘を探していた。
別に調教対象は男でもいいのだが、残念ながら私にはそういう趣味は無い。
まあ、お客のニーズに合わせて努力はするが、それだって限度というものがある。
まだまだ私は駆け出しだ。かつて師と仰いだ無口の先輩はもうこの世には居ない。
話によると調教対象に殺されたそうだ・・・・・・先輩らしいといえばらしいがな。
自分にできることといえば、彼女達が逆らわないように努力するだけだ。
しかし、こうやって目に悪そうな画面を見続けて数時間・・・・・・
いっこうに自分の好みにあった調教対象が見つからない。
今までは適当に値段の安い妖精や、妖怪などをチョイスしていたが、
お金もある程度たまった今では、ほぼ全ての奴隷を購入する事が可能となっていた。
(まあ、貴族階級のお嬢様とかそういうのは流石に買えないが・・・・・・)
「コーヒーをお持ちしました『大佐』」
「うむ、すまないな。」
彼女は・・・・・名前はムラサと言っただろうか・・・・・私のお気に入りだ。
およそ今からひと月前ほどに購入した奴隷の一人であるが、
彼女は元人間だったらしく、他の妖精などよりは早く調教を進める事ができた。
そのかいもあってか、現在では私の優秀な『助手』として働いているのだ。
そして、彼女は実によくわたしの言うことを聞いてくれて助かる。
もしかして彼女は、生前はどこかの軍隊に所属していたのかもしれないな。
私も人のことをいえない口であるが、ここでは絶対的な権力を持つ『大佐』だ。
『最後の聖戦』では、私は特殊部隊を率いて”ヤツラ”と戦ったものだが、
もう軍隊には所属はしていない・・・・・・もうあそこには呆れが果ててしまってな。
しかし、旧友がこのザマを見たらどう思うのだろうか・・・・・悲しむのだろうか。
落ちぶれてしまった私にはもう過去の力は無い。あるのは調教だけになってしまった。
死ぬまでこの仕事を続けるのだろうか?それは私にも分からない。
ただ一つ分かる事は、これからもその仕事をしなければ腹が減って死ぬと言う事だ。
残念ながら私は妖怪ではない。腹が減っては戦はできぬのだ。
ムラサかが入れたコーヒーをぐいと飲み干すと、私は調教対象を決めた。
『 藤 原 妹 紅 』
モニターにはその文字が光っていた。
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「ここは・・・・・・・?」
辺りを見回すが、薄暗く、そして頭がぼやけていて把握できない。
ようやく頭が活性化したときには、私の置かれている状況が理解できなかった。
灰色の壁、灰色の地面、そしてベッドのみの質素な部屋。
私にはまったく見覚えの無い風景がそこには広がっていたのだ。
「お目覚めかね、モコウ君」
「誰だ・・・・・・・・・!!」
モコウは振り向き、炎で攻撃をしようとするが、不発に終わる。
首を傾げるモコウに、私は分かりやすいように解説をした。
「残念ながら、この場所では攻撃や、能力を使うことはできない。」
「なん・・・・・・だと・・・・・・・・・!? どこのクリムゾンだよ」
「何でおまえがそれを知っているかは知らないが、そういうことだ。」
「調子こいてるとクリムゾンフレアかますぞてめえ・・・・・・!!」
歯をぎりりと噛み、こちらをにらみつけるモコウだったが、かわいいものだ。
獄炎だか不老不死だが知らんが、もうここでは力を発揮する事は不可能なのだから。
「いずれ、君も彼女のように従順になる、直ぐにな。」
私は別室からムラサを呼び寄せると、モコウの部屋につれてきた。
従順なムラサをみて驚いたのか、モコウはハッと一瞬顔色を変えたが直ぐに戻った。
「どうした?彼女は素晴らしい助手になってくれたぞ?」
「いや、なんでもない。彼女と少し話をさせてほしいのだが、いいか?」
「それぐらいならいいだろう。私は晩飯を作ってこよう。」
彼女は50万円全財産はたいて購入したお姫様だからな、是非とも頑張って貰いたい。
しかし、助手と言うものは本当に便利だな。ひとりよりふたり、ふたりよりさんにんだ。
さあて、今日の晩御飯は何にしようかな・・・・・・私の得意料理の大根の煮物にしておいてやろう。
やはりこの時期は大根が美味しい季節である。冷えた身体にはこういうのがありがたい。
だが、冷蔵庫の中身はムラサの好きな『おさかなさんソーセージ』しかない事に気づき、
その後大急ぎで最寄の八百屋と肉屋へ駆け込む事となるのはもう少し後の話である。
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「なあ、おまえムラサだろ?どこ行っていたんだよ」
「初めましてモコウさん、何故私の名前を知っているのですか?」
「てめえマジで分かってないのか?私は?中将は?モッコラーは?」
「はて?何のことでしょうか・・・・・・・・・・」
どうやらコイツ、記憶喪失かなんかのクスリをぶち込まれたみたいだな。
そういえば私もモッコラーと山菜取りに行ったきりの記憶が無い。何かされたか。
そしてムラサの方も一ヶ月以上前の記憶がぜんぜん、と言うかすっかり無いという。
一ヶ月前と言えば・・・・・・・・・あの時か?(『げんそうきょうえんぎをつくろう!!』参照)
はてさて、それは置いといて、どうやってここから脱出するか・・・・・・・・だが。
まず、コイツの記憶をどうにかしておかないと、後々面倒な事になりそうだな。
逃げようとして足引っ張られるのも嫌だし、こいつがここに残られるのも面倒だ。
何か手っ取り早い方法は・・・・・・・・・と。
「おいムラサ、少しその場から立ってみろ」
「立ちましたが、どうされましたか?」
「そのまま右に二歩、前に三歩、歩いて待機してみてほしい」
「はい、ここに何かあるのでしょうか?」
「そのまま、私に背を向けろ」
「諒解いたしました。」
ゴ シ カ ァ ン ッ ! ! !
「ゴハァ・・・・・・・っ!!」(ドサッ
「おい、起きろムラサ。私のゆっくりの名前は誰だ?」
「ええっと・・・・・・・モンテスキューさん?」
「ラスカルッ!!!」(メメタァッ!!
(こいつ分かっていってるんじゃねえだろうな・・・・・・・・)
「もう一度だけ聞こうか、私の友人を一人上げてみろ」
ムラサの襟首掴んで持ち上げる。首が絞まってムラサは苦しそうだ。
「ええ・・・・・・・本当に分かりませんよぉ・・・・・・!!」
「しょうがねえなあ、本当に分からないのか。」
「ですから、私は大佐の助手なんですってば、それにしても殴るなんて!」
どうやら本当に私が誰でどういう人間なのか分からないらしいな、どうしたものか。
これ以上殴ると騒ぎを聞きつけてあいつが飛んできそうだし、何よりこいつが死にそうだ。
ムラサを締め上げる両手を緩めると、彼女は地面に崩れ落ちた。やれやれだぜ。
「ゲホゲホッ・・・・・・・・そういえばモコウさん、大佐がこの薬を飲むようにと」
何故か、ムラサは大げさにせきをしてこっちへアッピルする。風邪でも引いているのか?
「薬ィ・・・・・・・?私は薬など要らないほど健康体だが」
「この空間では、能力が使えないですから、風邪とか引いちゃうんですよ。」
相変わらずゴホゴホと滅茶苦茶こちらにアピールする。どうしても見てほしいか。
「ですから一応飲んでおいてください」
「まて、これは何の薬だ?」
ギクッ
「か、風邪薬ですよ・・・・・・・・・やだなあ・・・・・・・・・・・」
これは、どう考えても怪しい。間違いなく飲んだら何か身体に変化が起こるな。
「もしかして、『媚薬』とか『排卵誘発剤』とか言うオチじゃねえだろうなあ?」
ギクギクッ
「むーーーーらーーーーーーさーーーーー!!!」
「ぎゃあああ!!ごめんなさい!!許してください本当に!!」
「そんな、スイーツじゃあるまいし、そう簡単には飲まんよ・・・・・・。」
「いや、でも本にはそう描いてあったんですよぉ」
ハァ・・・・・・・もう怒る気も失せてしまったな、まあ素直の証明だと言えば聞こえはいいが、
素直すぎるの問題だな、どうせこれもアイツが吹き込んだことだろうが・・・・・・・。
こんな回りくどい事をするなら身体一つでぶつかってくればまだマシだったと言うのに。
まあ、それをするまでもなく、ヤツへの好感度はマイナスへ天元突破しているがな。
しかし、重要なのはムラサがここまで『洗脳』されてしまっていることだ。
恐らくこの様子だとここにいるのは私を含めて三人・・・・・・・つまりどうにか何とかして
ムラサを味方につけてしまえば、あいつを叩きのめして無事にあっちの方へ帰ることができる。
どうせここも元のとこからそう離れた場所ではないだろう、そう悲観的になる事は無い。
それに、最後の最後の最終兵器のスキマ妖怪が居る事だし、何とかなるだろう。
さて、でもそのためにはコイツの目を覚まさなければならねえ。
今までの様子だと心底あのファッキンガイに惚れこんでいるだろうしな・・・・・・・
逆を返せばほうって置いてどこかに行ったあいつはムラサに信頼を置いているとも取れる。
つまりだ、ムラサをどうにかできれば、ここからの脱出の糸口は確実にひらける。
まあ、今のところは状況も分からないしな・・・・・・・・・・
「とりあえず今日は・・・・・・・様子見か・・・・・・・・・・。」
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一日が終わった・・・・・・・・・・
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っていうかさりげなくスティンガー混ざるな。