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『レミリアのおさんぽ』 作者: マイルスマイル

レミリアのおさんぽ

作品集: 13 投稿日時: 2010/03/07 11:53:52 更新日時: 2010/03/07 20:53:52
レミリア  「おさんぽにでかけたいー。咲夜、支度して」

咲夜    「お嬢様申し訳ありません、メイドとしてのお仕事がまだまだありますし、
       今日の天気は曇りです、これから雨が降ってきそうですのでお散歩はお控えください」

レミリア  「やだーおさんぽするーせっかく昼に起きてるのにつまらないじゃない」

咲夜    「めっ、お嬢様いけません、今日は図書館でパチュリー様と遊んでいてください」

レミリア  「だったら咲夜はお仕事していればいいわ、私は一人でおさんぽしてくるから!」

咲夜    「あっ!お嬢様お待ちくださいっ」

パチュリー 「咲夜、今は追いかけないほうがいいわ、あの子もたまには一人で出かけることも必要よ」

咲夜    「ですがパチュリー様、今にも雨が降ってきそうなので心配です」

パチュリー 「雨くらいたまにはうたれてみるとレミィのわがままも少しは良くなると思うわ」

咲夜    「それは親友としてはあんまりじゃありませんか、パチュリー様」

パチュリー 「あなたは過保護すぎるわ、今日は館の仕事をしてなさい」


飛べるはずなのに走って出て行ったレミリアは眠っているメイリンの横を通り紅魔館の門を出た。
振り返っても咲夜は追いかけては来ていないようだった。

レミリア  「ふ、ふん!別に咲夜なんかいなくてもいいわ、私は一人でたのしーさんぽに出かけてやるんだから!
       今は夜じゃないし、お化けも妖怪もいないしね!雨だってきっと降らない」

レミリア  「今日はどこに行こうかなー人間の里にでも行ってみよう、咲夜が里でしてくるお買い物っていうのをしたい」



おっかいもの〜おっかいもの〜♪里に着くまでレミリアは楽しみでしかたないのか即興でつくった「お買い物の歌」を歌っていた


里の商店が並ぶ通りには出店風の店舗も多かった、レミリアはそこでお買い物をすることにした。

レミリア  「おじさん、これちょうだい」

店主    「いらっしゃい、おや?見かけない子だね、それとも妖怪のお客さんかな?」

レミリア  「ち、違うわ、私はごく普通の人間のお客さんよ」

店主    「じゃあお嬢ちゃん、その羽みたいのはなんだい?」

レミリア  「あ、あくせさりーよ」

店主    「そうかい、えっと鈴カステラは10銭だよ」

レミリア  「10銭?なにそれ?」

店主    「おやおや、じゃあ、お父さんかお母さんいないのかい?」

レミリア  「いないよ、妹ならいるけど、親なんて見たことも無いわ」

店主    「そうか・・・お嬢ちゃんも大変なんだな、よし、出世払いでかまわないよ」

レミリア  「しゅっせばらい?」

店主    「そう、お嬢ちゃんが将来立派な人になったらそのとき払ってくれたらいい」

レミリア  「わかったわ、私は偉大な吸血鬼になるからまかせといて」

店主    「吸血鬼?」

レミリア  「あわわわ、ちがうの立派な人になるから!おじさんありがとう、またね」

店主    「またおいで」


レミリア  「吸血鬼だってばれちゃうとこだったわ、それにしても不思議なお菓子ね、丸くてふわふわ
       毛玉妖精みたい、館に帰ったら食べよう、次はどこに行こう、魔法の森でも探検してみようかな」



レミリアは魔法の森に向かった、初めてのお買い物、不思議なお菓子に興奮気味だった
そのために気がつかなかったのだろう、空には暗雲が立ち込めてることに。

レミリア  「魔法の森〜、さっきからきのこはいっぱいあるけど、毒キノコかもしれないしきのこ狩りはやめておこう
       それより動物いないかなーかわいいウサギとかみてみたいなー、あっウサギは竹林のほうだった・・・」

そうこうしてるうちに雨が降ってきた。

レミリア  「あ・・・雨・・・どうしよう、傘もってきてない、濡れちゃうと魔力が減ってきちゃう
       大きな木の下で雨宿りしないと、大きな木大きな木・・・・ない・・・
       どうしよう、こんなに濡れちゃったらもう歩けない」

レミリア  「足がガクガクしちゃう・・・はあはあ・・・息も苦しい・・・雨やだぁ・・・」

レミリアは雨にうたれながらその場にへたりこんでしまった。

レミリア  「ああっ・・・もう、意識も保てない・・・死んじゃうのかな・・・」



レミリアの意識がもどると紅魔館ではない屋敷にいた

ゆゆこ   「あら気がついたのね、吸血鬼のお嬢さん」

レミリア  「ここは、どこ?・・・私、死んじゃったの?」

ゆゆこ   「ここは冥界、死者が行き着くところの1つ、けれどあなたは死んでいないわ、
       あなたが倒れてるところに私が偶然通りかかったの、この屋敷は白玉楼、私は西行寺幽々子
       ここの主よ」

レミリア  「え・・・冥界??お姉さんはお化け?」

ゆゆこ   「お化けではないけれど、幽霊だとは思うわ、怖がらせちゃった?」

レミリア  「ううん、怖くないよ、でもなんで助けてくれたの?」

ゆゆこ   「鈴カステラが食べたくなったからかしら」

レミリア  「私のお菓子!どろぼうはいけないんだよ?」

ゆゆこ   「あなたを食べちゃっても良かったのよ?そのほうがあなたもよかった?」

レミリア  「咲夜も迎えに来てくれなかったし、この前なんか私をお留守番させたりしたし
       みんな私のことが好きじゃないのかも、そうだったら食べられちゃってもよかったかも
       きっと私のことをみんなは魔力があるから、怖いから従ってるだけなの」

ゆゆこ   「今からあなたを食べちゃってもいいのだけど、お腹もすいてるし、だけどさっきから
       あなたの従者が私を睨んでるのよね」

レミリアは意識が戻ったばかりで自分の後ろにまで注意がいかなかった、ゆゆこの視線を追って後ろを振り向いて見ると
そこには咲夜がいた。

咲夜    「お嬢様、よかった・・・意識が戻らなかったら私・・・」

咲夜は声を出さずにに泣いていた。

ゆゆこ   「これでもあなたは自分の力だけに従者が従ってると思うの?
       大丈夫、あなたはあなたが思っているよりずっと愛されてるわ」

レミリア  「う・・・うぅ、ごめんなさい、一人でおさんぽにいってごめんなさい・・・
       もうわがまま言わないから・・・ごめんなさい・・・」

咲夜    「お嬢様もういいです、お嬢様が無事ならそれでいいのです、お散歩を断ったりしてごめんなさい
       さあ、帰りましょう、私たちの館へ、みんな待ってますから」


咲夜に連れられて、一つの傘を二人でさして紅魔館に帰ってきた、すっかり二人とも笑顔だった。

パチュリー 「レミィ、無事だったのね」

レミリア  「あなたにも迷惑をかけたわねパチェ、でもこれからは迷惑がかからないようにするわ」

パチュリー 「レミィ、落ち着いて聞いてね、私、必死で止めたんだけど、フランがあなたを探しに
       この雨の中、出ていっちゃったの」

レミリア  「どうして・・・吸血鬼は雨に弱いのに・・・
       それに私のために・・・あの子が」

パチュリー 「フランにとってレミィは姉よ?あの子なりに慕っていたと私は思っているわ」

レミリア  「私、フランを探してくる!みんなは館で待っていて、私が!どうしてもフランは私が
       探さないといけない気がするの!」

パチュリー 「ええ、そのほうがいいわ、でもレミィ、私も咲夜も紅魔館のみんなは
       あなたたち姉妹が大好き、それは忘れないで、だから帰ってくるときは必ず二人よ」

レミリア  「ありがとう、私、行ってくる!」

咲夜    「この傘をお持ちください、必ず二人で入ってきてくださいね」

レミリアは紅魔館を後にした、きっと魔法の森にフランはいる、そんな勘がレミリアを魔法の森に向かわせていた。




私は一人、ずっと一人、それもいい、楽しいことが起きないかもしれないけど怖いことも起こらない。
友達なんか無くてもいい、ずっと一人で館の地下で・・・。

フラン   「あ〜ぁ、なんでかな?なんでバカなお姉さまのことを探しになんか出かけちゃったんだろう
       私にとってあいつがそんなに重要だったっけ?
       重要なのは私一人、世界でたった一人、そして私の世界は私ひとり
       もうそれでいいって諦めたんじゃなかったっけ?
       雨も強くなってきて、お姉さまより雨に強いけど流石に動くことはできなそう。
       館の中でもいつも一人であまり動いてないし、動けないことなんて問題ない。
       どうして動きたかったんだっけ?あ・・・お姉さま、そうだった
       お姉さまを探しにいって動けなくなって、でも私はいつも一人だから
       お姉さまを探す理由がわからなくなった。」

ゆゆこ   「あらあら、今日は魔法の森で雨宿りする子が多いのね」

フラン   「だあれ?私はいま機嫌が悪いの、お姉さん壊しちゃうよ」

ゆゆこ   「ふふふ、物質的に存在が曖昧な私を壊すことは大変だとおもうわ」

フラン   「何を言ってるの?私みたいにお姉さんも狂ってるの?」

ゆゆこ   「私が幽霊だといってるのよ」

フラン   「幽霊・・・やだぁ・・こわくない」

ゆゆこ   「あら?怖くないの?」

フラン   「だって足あるし、おばけみたいに驚かすのが専門でもなさそうだし」

ゆゆこ   「足が重要なのね・・・あの子も怖がってなかったし・・・幽霊としてどうなのかしら私・・・」

フラン   「で、お姉さんなんなの?何か用?」

ゆゆこ   「うーん、そうねえ、お節介幽霊?といったところかしら」

フラン   「ふーん、あっそ、私にかまわないで、楽しい一人の時間を邪魔しないで」

ゆゆこ   「あらあら、これはずいぶん捻くれた子ね、お姉さんを探しに来たんでしょ?
       でも心配ないわ、今頃家にかえってるころよ」

フラン   「なんでわかるの」

ゆゆこ   「さっき雨が降り始めたころに倒れていたあなたのお姉さんを介抱したのは私なの
       その後、咲夜という従者がきて連れて帰ったわ」

フラン   「ありがとう・・・」

ゆゆこ   「え?」

フラン   「お姉ちゃんを助けてくれてありがとう」

ゆゆこ   「ちゃんと自分の思った素直な気持ちを言えるじゃない、あの子はあなたにとってとても大切な姉なのね」

フラン   「うん・・・ぐすっ・・・お姉ちゃん・・・よかった、お家にかえれてたんだ・・・ひっく」

ゆゆこ   「よしよし、姉想いのいい子ね、あなたは一人でいる時間が長すぎた、だから少しだけ
       自分に素直になれなくなっちゃっただけ、もう意地を張る必要も無いわ、諦めることもひとつも無いのよ。
       それにあなたの事を心配してる人は姉だけじゃないわ。」

フラン   「ほんとう?」

ゆゆこ   「本当よ、もう少しここで待っていればきっとわかるわ、私はそろそろ行くけれど心配しないで待っててね」

フラン   「ありがとう、私のことも助けてくれたのね」

ゆゆこ   「ふふふ、そういうことになるわね、またね、寂しがりの吸血鬼さん」




ほんの少しの時間、私はまたひとりになった、けれど寂しい気持ちはしなかった。



レミリア  「フランー!フランー!!返事をして!フラン!!」

フラン   「うるさいな、聞こえてるよお姉ちゃん」

レミリア  「フ、フラン!よかった!無事なのね」

フラン   「雨に弱すぎるお姉ちゃんと違って雨がやめば自分で帰れたよ」

レミリア  「フラン、あんたねえ、まったく素直じゃないんだから」

フラン   「だったら、素直なこと言ってもいいの?」

レミリア  「いいわよ、姉の私に任せなさい」

フラン   「お姉ちゃんがさがしに来てくれて、その・・・・うれしかった・・・」

レミリア  「な、そ、そんなこといいよ、私のことを探すために出て行ったんだしお互い様よ
       それより、パチェがフランがいなくなったって青い顔してたよ」

フラン   「青い顔ってパチュリーはいつも青白い顔してるじゃない、コバルトブルーにでもなってたの?」

レミリア  「そういう意味じゃない、パチュリーがすごく動揺してた、パチュリーだけじゃなくて
       館のみんなが心配してるわ」

フラン   「青魔館・・・」

レミリア  「うるさい、そういうこと言うなら黙って歩きなさい」

フラン   「・・・」

レミリア  「・・・」

フラン   「ねえ、お姉ちゃん」

レミリア  「なあにフラン」

フラン   「もう一つ素直なこと言っていい?」

レミリア  「いいよ」

フラン   「あのね、こんどのことで私、一人じゃないってわかったの、みんなに大切に想われてるんだって」

レミリア  「そうね、みんなフランのことが大事だと想ってるわ」

フラン   「だけど私、ずっと一人でいたからどうしていけばいいかわからない事もいっぱいあるの
       だから、少しずつ変わっていくね」

レミリア  「なにせ495年のほとんどを引きこもってたんだから、いきなり変わるなんて思ってないわ
       一人じゃないって気がつけただけで、ゆっくり変わっていくわ」

フラン   「あのね、お姉ちゃんもう一ついい?」

レミリア  「今日はよくしゃべるね、いいよ」

フラン   「お姉ちゃんと・・・その・・・手、繋ぎたい」

レミリア  「うん、いいよ、傘も小さいし離れていないほうがいいわ」

フラン   「今度はお姉ちゃんが素直じゃない、くすくす」

レミリア  「フラン、あんたってこんな子だったっけ?」

フラン   「うん、お姉ちゃん、私、素直になってみただけだよ♪」


紅魔館についた二人をみんなが出迎えた、メイリンはタオルを私たちに差し出してくれて、パチェはお風呂を沸かしておいてくれた
咲夜は暖かいご飯を用意していてくれた。




フランはまだまだそっけないけれど、ときどき見せる笑顔がとても自然になった、その笑顔を見ると私も微笑んでしまう。
この前フランに雨の日の出来事を聞いたのだけれど、フランのところにも幽霊のお姉さんが来たみたい。
お化けは怖いけど、素敵な幽霊もいるのね、ありがとう優しい幽霊のお姉さん。
一応レミリアのおるすばんの続編というかそんな作品です。

私の作品のなかでは今作は長めなのですが、やっぱり短いような・・・
長文を書ける方を尊敬します。

つたない文章ですが読んでくれるとうれしいです。
マイルスマイル
作品情報
作品集:
13
投稿日時:
2010/03/07 11:53:52
更新日時:
2010/03/07 20:53:52
分類
レミリア
フラン
1. 名無し ■2010/03/07 21:42:20
( ;∀;)イイハナシダナー
2. 名無し ■2010/03/07 22:38:33
なんだろう、目頭が熱くなってきてる・・・
3. 名無し ■2010/03/07 23:50:57
正に産廃の清涼剤
久々に仲良し姉妹見た気がした
幽々様と店主の優しさに泣いた
4. どっかのメンヘラ ■2010/03/08 00:02:17
あなたは産廃最後の良心です・・・・
5. 穀潰し ■2010/03/08 00:55:29
自然と頬が緩む……。
にしてもゆゆ様と店主が立派だ。
6. ぶーん帝王 ■2010/03/08 00:58:18
素晴らしい姉妹
7. 名無し ■2010/03/08 03:01:20
清々しい気分
8. 名無し ■2010/03/08 17:00:50
仲良し姉妹好きです
9. ■2010/03/13 18:35:51
……?
あれ、ここ産廃だよね?
10. 名無し ■2010/03/18 23:17:04
…………多分。
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