Deprecated: Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『エベレストに登るのに何百万もかかるってどういうことだよ』 作者: 暇簗山脈

エベレストに登るのに何百万もかかるってどういうことだよ

作品集: 13 投稿日時: 2010/03/07 15:41:04 更新日時: 2010/03/08 00:41:04
「さあ藍!ここがエベレストの頂上よ!世界のてっぺんよ!トップオブザワールドよ!」
「寒いです・・・」

二体の妖怪、紫と藍は現在、ヒマラヤ山脈の最高峰エベレストの頂上に来ているのだ。
ちなみにスキマで来た為、大した達成感はない。
そのかわり凄く寒い。氷点下30℃ぐらいだ。

「貴方何も感動しないの?この絶景、この空気」
「吹雪が凄くて視界ゼロだし、空気も薄いし、寒いし、それに紫様は『トップオブザワールド』って言いたかっただけなんじゃないんですか?」
「わかったわよ!帰るわよ!」

結局二体はさっさとスキマで帰っていった。













スキマでマヨヒガに戻ると、橙が縁側で黄昏ていた。
最近、ハブられ気味であると専らの噂である。

「うわ〜寒かった・・・」
「あ、藍様お帰りなさい」
「あれ、橙・・・私にお帰りって言いなさいよ」
「紫様お帰りなさい」
「腑に落ちないわ・・・」

最近橙の紫を見る視線が険しいのだ。
この気持ち、変えられない、越えられない。

「御二人とも何処に行ってらしたんですか?」
「いや、エベレスト山頂に・・・」
「絶景だったわ」
「だから景色見えませんでしたって!あんな吹雪の中で何が見えるんです!?眉毛に雪が張り付いて死ぬかと思いましたよ!」
「妖獣のくせにしょぼっ」
「へぇ・・・スキマで行って楽しいんですか?紫様はそれで満足なんですか?人生満足なんですか?」

橙の発言により、紫は大変傷ついたそうだ。
めでたし、めでたし。














傷心旅行と称して博麗神社に遊びに来た紫。
大体自分から「傷心旅行」とか言って何処かに行く奴は(ry
ごめん、失言しそうになった。

「聞いてよ霊夢」 
「はい」
「藍と橙がね、私に冷たい視線を送るの」
「はい」←(冷たい視線を送っている)
「それでね、私の人生が薄いとか言ってくるのよ」
「はい」←(紫の人生が薄いと思っている)
「ねえ」
「はい」←(心底どうでもいいと思っている)
「何で敬語なの?」
「私と貴方は赤の他人・・・ということにしてね」←(これ以上関わって欲しくないと思っている)   

――ここからダイジェスト――

幻想郷の数学大好き大賢者、八雲紫ことゆかりん♪は日頃の鬱屈としたストレスが溜まりに溜まってキレてしまったよ。
彼女のキレ際に放った一言が女達をエベレストへと駆り立てたよ。

『えっ、今日の朝食の残り?欲しけりゃくれてやるわよ・・・探せ!幻想の全てをそこに置いてきた!!』

世はまさに、大登山時代になったよ。嘘だよ、なる訳ないよ。
皆自分のことで精一杯なんだよ。
ちなみに数学が得意な人は理屈っぽくて(ry
ごめん、失言しそうになったよ。

―――――――――――――――















ここはマヨヒガの庭。
この場には八雲家の変態トリオと霊夢がいる。
その中央で紫が威圧的なオーラを放っている。

「よし、まずは・・・藍!」
「もしかして怒っているんですか?」
「私の質問の答えは『イエス』だけよ!」

そう言って紫は藍のスネを思いっきり蹴る。

「ぐああっ!」

そう言って倒れ込む藍。痛いのです。

「アンタはあそこの鉄板の上で土下座しなさい」
「えええ・・・あの鉄板ってまさか・・・」

一メートル四方程度の大きさの鉄板の下には、片膝をついた妹紅が必死に支えていた。 

「夢を夢と信じて何が悪いーッ!!」
「え、なんか妹紅が叫んでますよ」
「無理やり拉致ってきたから頭が変になったのでしょう」
「そんなもんなんですかね」
「いいから早く焼き土下座」
「シュワッチ」

ちなみにシュワッチと叫んだのは藍だ。
気が付くと鉄板の上にいた。恐らくスキマでワープさせられたのだろう。

「重い!どけ!」
「なんか怒ってるんですけど・・・」
「加熱すると消し炭になって軽くなるわよ」
「夜の湾岸を舐めるなーッ!!」

妹紅が叫んだ瞬間、鉄板ごと藍は炎に包まれた。
夜の湾岸は危ないらしい。今この状況の方が危ないが。

「熱い!」
「重い!」

鉄板の方の二人は無視して
紫は次に、怯える橙に視線を向けた。

「ひっ!」
「貴方は・・・今すぐマヨヒガの屋根の上に登りなさい」
「は、はい!」

紫に言われたとおりに屋根の上に登る橙。

「そこからの眺めはどうかしら?」
「微妙です」
「じゃあそこからジャンピング土下座しなさい」
「そんなことしたら膝のお皿とおでこが割れます!」
「藍を助けたくないのかしら?」
「・・・ッ!!」

藍は今なお燃え盛っている。
このままでは死んでしまうだろう。

「わかりました・・・」
「いい子ね」

橙は屋根から飛び降りると、ほぼ完璧な土下座のポーズで地面に着地した。
当然、ダイナミックに打ち付けた膝と額からは鈍い音が響いた。

「うわああああああああ痛いいいぃぃぃいいぃいい!!」
「痛そうね、そのままでキープするのよ」

正直、叫びながら土下座する姿はとでもシュールなのだが、
そんなことはどうでも良いとばかりに霊夢を睨む紫。

「な、何よ・・・」
「博麗の巫女よ・・・貴方は私の肉便器になる必要がある!」
「ないわよ!」
「いいから馬になりなさい」
「はい・・・」

スネを蹴られたり、燃やされたり、ジャンピング土下座させられるのが嫌なので素直に言うことを聞く霊夢。
四つん這いになった霊夢の上にでっかい尻を乗せる紫。

「うう・・・」
「アッハッハッハッハ!いい気味だわ!」

あまりの屈辱に泣きだしてしまう霊夢。
紫は暴君と化してしまった。

「うう・・・畜生・・・畜生・・・!!」
「どうしたの霊夢・・・貴方もやっぱり人の子ということね・・・」

嫌らしく笑う紫。
自分の罪を棚に上げ、藍、橙、霊夢、そして部外者の妹紅ですら苦しめるこのババアに対し、博麗の正義の血が燃えたぎった!

「C1だからって・・・馬力を落とすのは良くないんじゃないかナ」
「なっ・・・もこたん!?」

残念。藍ごと鉄板を跳ねのけて立ち上がったのは妹紅だった。
その頃、霊夢は現実逃避していた。

「やっぱりギア比弄る時は、心持ちハイエンド寄りにするべきだナ」
「な、何言ってんのこの子・・・」
「走ってるときに話しかけるな!」
「もぶぅっ!」

全く訳のわからない台詞をブツブツ言いながら妹紅は紫を叩きのめしてしまった。
つ、強いぞもこたん!

「くぅっ!逃げるわ!」

スキマを展開して逃げようとする紫。

「アンタもかい・・・『降りる』奴は止めない・・・それが首都高(ココ)のルールだ・・・」

スキマを展開すると、中からゴッツい男達が3人出てきた。

「な、何ですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「え、ネパール政府の方ですか?ええ、はい・・・いや、別に・・・いや、登山料とか高過ぎるでしょう・・・」
「・・・・!?・・・・・・・!!!」
「え、すいません・・・いや、そんなに払えませんし・・・ていうかここ幻想郷ですし・・・すいません・・・」

その様子を見守る黒焦げになった藍と、額から血を流す橙と、虚脱状態の霊夢。

「で、出た!紫さまの30度未満土下座だ!」
「え、藍様なんですかそれ」
「腰の角度が30度に満たない土下座だ!全く誠意が込められていないが、月人をそれで騙したという実績はある」
「あなどれませんね」
「カスみたいな土下座だけどな」
「ですね」

「え、ですから、ここ幻想郷なんで・・・あ、わからないか・・・ええ、ユートピアみたいなもんです、ええ、治外法権なんで」
「・・・!!!!!・・・・・・・!!」
「だからもういいじゃないですか・・・帰ってくださいよ・・・」

紫がスキマで男達を強制送還させている間に他の連中はとりあえず逃げ出した。

「おのれ、アイツら・・・いつか見てなさいよ・・・セクハラを合法にしてやるんだから・・・」

まだ懲りていない紫であった。













その頃、神社に逃げてきた妹紅は霊夢を慰めていた。

「人生山あり谷あり、だよ」
「妹紅・・・」
「何?」
「助けてくれてありがとう・・・」
「照れるじゃない」
「それでね、アンタさっき紫に操られている感じだったけど何やられたの?」
「いや、夢と現実の境界を弄られてね・・・でもイイ夢見れたよ・・・夜の首都高は気持ちいいんだ」
「首都高って何よ」











山頂から見える星が偽りのように輝いて
     ――完――
私は登山とか疲れるので嫌いです
暇簗山脈
作品情報
作品集:
13
投稿日時:
2010/03/07 15:41:04
更新日時:
2010/03/08 00:41:04
分類
謝罪
1. 名無し ■2010/03/08 00:56:38
えっ?焼き土下座とかジャンピング土下座ってセクハラになるの?
2. 名無し ■2010/03/08 01:40:41
湾岸ミッドナイトマキシマムチューンと聞いて(ry
3. ジョルジュ ■2010/03/08 03:19:27
C1はグリップ振り安定なんやな……
4. いきかぜ ■2010/03/08 08:10:44
くそふいたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
5. 名無し ■2010/03/08 10:27:01
ジャンピング土下座がツボったwwwww
6. 名無し ■2010/03/08 12:05:40
紫様おかえりなさい 略してゆかえり
7. 名無し ■2010/03/08 13:24:49
幻想郷にもなんなくこれるネパール政府まじスゲェwww
8. 名無し ■2010/03/09 21:59:30
しかしよく考えると幻想郷に易々と入れるって存在が危ぶまれる状態なのではなかろうか……
9. ぷぷ ■2010/03/11 23:28:34
ネパールやるな
10. 名無し ■2010/04/15 01:30:11
30度未満土下座吹いた
名前 メール
パスワード
投稿パスワード
<< 作品集に戻る
作品の編集 コメントの削除
番号 パスワード