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『ポロロッカ・グリーン』 作者: 灰々
秋穣子はキレた。
毎年の豊作がさも当然のことのように思い感謝を忘れた人間たちに。
結果、穣子は荒れた。田畑も荒れた。
作物は育たず、大飢饉が起こった。
穣子のありがたみが痛いほどわかった人々は謝罪した。他の神々の説得もあり穣子はこれを受け入れた。
しかし、すでに手遅れだった。冬は間近にせまっており、穣子の力をもってしてもこれから作物を育てるのは無理とのことだった。
このままでは人々は冬を越すことができない。途方に暮れる人々。そんな人間たちに手を差し伸べたのは、河童たちだった。彼らの新技術により生みだされた非常食『ポロロッカ・グリーン』が各地で配給された。『ポロロッカ・グリーン』は人々の飢えを満たした。
これで冬が越せる。人々は大いに喜んだ。
だが、ここにただ一人浮かない顔した巫女が一人
「一体なにで出来てるんでしょう?」
東風谷早苗はふとそんな疑問を抱いた。
『ポロロッカ・グリーン』は小さな板状で、ソフトクッキーのような触感。、塩気のきいたシンプルな味付けだ。非常食という割になかなかうまかった。
この『ポロロッカ・グリーン』は河童から好きなだけもらえる。配給所には桶やバケツ、中には大きな台車を率いた者までが並んでいた。
いかんせんお菓子のような形をしている上にいくらでももらえるとあって、皆スナック感覚で貪っていた。
里に降りればあっちこっちで『ポロロッカ・グリーン』を食べている人を見かける。
そんな中、早苗はおかしなことに気付いた。
河童たちが『ポロロッカ・グリーン』を食べているところを一度も見たことがないのだ。握り飯を食っているところなら見かけたが……。
不作だったのは何も人間の里だけではない。木の実や果物など山の幸も穣子の影響を受けて、木々の先にその姿を見ることはできない。
多少蓄えがあるにしても河童たちもつらいはずである。だというのに『ポロロッカ・グリーン』は食べずに何故貴重な米ばかりを食うのか。
早苗は思った。
「これは、何かありますね……」
博麗霊夢は神社の縁側に座りお茶を啜っていた。
傍らには『ポロロッカ・グリーン』が山盛りにされている。
「霊夢さーん」
早苗が息を切らして飛んできた
「なによ?」
霊夢はむしゃむしゃと『ポロロッカ・グリーン』をほおばりながら聞いた。
「異変ですよ!」
「そうね。でも、もう解決したわ。穣子も許したんでしょ?」
「違いますよ。それです!『ポロロッカ・グリーン』」
早苗は堆くつまれた非常食を指さして言った。
「これがどうかしたの?」
「おかしいと思いませんか?」
「何がよ?おいしいとは思うけど」
「霊夢さんはそれを河童が食べてるところを見たことありますか?」
「いや、ないけど。何?それがおかしいっていうの?私たちが見てないとこで食べてるんじゃない?」
「たしかにその可能性は否定できませんが、じゃあなんで河童は私たちに隠れてこそこそ食べるんですか?」
「知らないわよ。どうせ――」
適当に茶化してこの話題を切り上げようとしたが、早苗がいつになく真剣にこちらを見ているのに気付き躊躇った。
「……私一週間ほどこれだけで生活してるんだけど」
「……」
「今更こいつの正体とか知りたくないんだけど」
「……今なら間に合うかもしれませんしよ」
「あ〜もう!」
ついに観念したといった様子で霊夢は立ち上がった
「わかったわよ!こいつの正体を調べればいいんでしょ!」
「はい!」
早苗は険しい表情を解き笑顔で答えた。
二人は人里に向かって飛行していた
「あんたはこの非常食の正体を何だと思ってるのよ?」
「私が外の世界にいたとき見た映画で『ソイレント・グリーン』って映画があるんですよ」
「ソイレント? ポロロッカじゃなくて?」
「はい。その映画では人口増加で資源が枯渇した世界が舞台なんですよ。そこで『ソイレント・グリーン』という食品が配給されてるんです」
「似てるわね。今の状況と」
「そうなんです。その映画のラストで明らかになるんですが『ソイレント・グリーン』の原料は人間なんですよ」
「……なるほど」
二人の間に少しの間沈黙が流れた
「『ポロロッカ・グリーン』の正体は人肉と……そう思ってるのね」
「ええ、河童たちは妖怪ですから加工せずにそのまんま食べてるんじゃないかと思うんです」
もしそれが本当だとすればなんとも胸糞悪い話である。今すぐにでもさっき食べたものを吐き出してしまいたい気分だ。
「とりあえす、人里でいなくなった人がどれくらいいるかしらべましょう」
人里は閑散としていた。
『ポロロッカ・グリーン』配給日には人々が列をなし賑わいを見せているのだが、そうでない日は無駄なカロリーの消費を控えるように人々は家からあまり出てこない。
「そういやブン屋はどうしたのよ?清く正しい射命丸は?これってスクープしゃない?」
「実はそのことについてもちょっと」
「ん?」
「実はここへ来る途中射命丸さんのとこにもよったんですよ」
ふーんと霊夢
「それで?どうだったのよ?」
「どうやら上から圧力かけられてるみたいで取材できないみたいなんですよ」
「圧力……」
先ほどまで半信半疑だった霊夢も天狗に圧力がかかっていると聞くと先ほどの話もひょっとすると本当なのかもしれないと思い始めた。
「急ぎましょう」
二人は里の長に最近行方不明になった者はいないかと尋ねた。長の話では確かに何人かいるものの、例年に比べて特に多いといったことはないとのことだった
「どうやら、この説はずれみたいね」
霊夢は少しほっとしたように言った。
「いえ、もしかしたら捕まえてきたごく少数の人間を河童の科学技術で増やして飼っているのかもしれません。クローン技術ってやつですよ」
「もし、そうなら、そのクローンのエサはどうするのよ?私ならクローンにエサやるくらいなら自分で食べるわ それに人間を増やすにしても何もない状態からクローンを作り出すことなんてできるの?それなりの材料がいると思うんだけど」
早苗の新たな仮説は霊夢に即座に否定されてしまった
「あ!もしかしたら」
「今度は何を思いついたのかしら?」
「妹紅さんや輝夜さんって不死身ですよね」
「ええ、そうね。」
「だったら、肉を削ぎ取る→リザレクションの永久コンボが可能なのでは?」
流石にないだろうとは思ったが今はほかにあてがないので妹紅のいるであろう慧音の家に行くことにした
家には慧音一人だけだった。
「妹紅ならそろそろ帰ってくるんじゃないかな」
それまでゆっくりしていくといいとお茶をだしてくれた。
「なんでも、最近河童のとこでバイトをはじめたらしいんだ」
「「!!」」
二人は思わず顔を見合わせた。もしかするとホントに永久コンボ説が正解なのか。
「いや〜この間な、慧音にばっか世話になって申し訳ないとか言いだしてな。もう、そんなの気にすることないのに妹紅ときたら……」
慧音の頬がいよいよ緩んできたとき
「ただいまぁ」
玄関から扉の開閉する音とともに妹紅の声がきこえてきた
「お、なんだ珍しい組み合わせだな」
「妹紅さん!河童のとこのバイトについてちょっとkwsk」
「ん、なんだ?おまえらも働きたいのか?けっこうきついぞ、ありゃ」
「肉を削がれたりするんですか?」
早苗があまりにもまじめな顔で質問したため妹紅は少し戸惑った。
「いや、どんなバイトだよ。そりゃ……」
「じゃあ、いったいどんな内容のバイトなの?」
「あー、そうだな。まあ、いろいろあるな電線をひいたりとか、道の舗装だとか、井戸水の衛生チェックから便所の糞尿回収……あとは配給のために『ポロロッカ・グリーン』運んだりとかかな?」
「そう……ねえ、河童たちに何か変わったことなかった?」
「いやぁ、べつに無かったと思うけど」
今回もはずれかと二人は肩を落す。バイトやりたいんだった明日からでも働けるぞと妹紅が言っていたが丁重にお断りして慧音の家を出た。
一応もう一人の不死身のほうも見に行くことにする
永遠亭で輝夜はいますか?と永琳に聞いたが、いるけどなにか?と返された。
「バイトとかしてたりします?」
「まさか、輝夜がすると思う?」
「「ですよねー」」
輝夜は相も変わらず部屋に引きこもってるらしい。まあ輝夜にははじめから期待してなかった。永遠亭にきたのには別の目的があったのだ。
「永琳、ちょっと調べてほしいことがあるんだけど」
「なにかしら?」
「この『ポロロッカ・グリーン』について成分を調べてほしいのよ」
河童たちが。『ポロロッカ・グリーン』を食べないのは健康上よろしくない成分でも入っているのではないかと霊夢は踏んだ。
しかし。永琳の口から返ってきたのは予想外の答えだった。
「ああ、それならもう済んでるわよ」
「え!?」
「河童がやってきて人が食べても安全かどうか調べてくれって頼まれたのよ」
「それで!どうだったんですか!?」
早苗は身を乗り出して永琳に詰め寄った。
「なぁに、たいしたことないわ。たんぱく質に食物繊維、塩化ナトリウムまあ主な成分はこんなものね 細かく全部あげてたらきりないからやめとくけど、人体に悪影響をあたえるようなものは入ってないわ。みんな人間が普段口にするものよ」
なぁんだと霊夢は思った。身体に有害なものでも入っているかと心配していたのだが、幻想卿一の名医に問題ないと太鼓判を押されたのだ。心配が杞憂に終わってよかった胸をなでおろした。
「えーりーん。もうこれあきたー」
「働かざる者が食べ物の味に文句言うんじゃありません!」
「でも、流石に一週間これだとあきるわ。せめてもっと味にバリエーションが……」
そんなやりとりをしてる輝夜と永琳をほっといて永遠亭をあとにする
「もう、いいじゃない安全な食べ物だってわかったんだから」
「う〜ん、そうですけど……」
霊夢はもうこれでいいやとも思っていたのだが、早苗はどうにも納得していないようだった。小腹がすいたので、つい先ほど安全が保障されたばっかりの『ポロロッカ・グリーン』を食べながら空を飛んでいると眼下に河童が見えた。見覚えのある格好だったのでそれが河城にとりだとすぐにわかった。
「霊夢さん、霊夢さんは気になりませんか?『ポロロッカ・グリーン』の正体?何故河童たちがひた隠しにするか……」
早苗にの目には怪しい光がぎらついていた。嗚呼、こうなったら早苗は止まらない霊夢はそう思った。
二人は高度を下げにとりに近づいていく。
「こんばんは〜にとりさ〜ん」
いきなり後ろから首に手をまわして満面の笑みをうかべる早苗ににとりは一体何事かと戸惑いを隠せない。
「ひゅい!? な、なに?」
「単刀直入にききます『ポロロッカ・グリーン』の原料はなんですか?教えなさい」
「そ、そんなこと聞いてどうすんの?」
「はぁ?どうするって、どんな食品も産地と原材料書かんにゃいけんでしょ? 私たちには知る権利っちゅうもんがあるんよ?わかるじゃろ?え?『ポロロッカ・グリーン』ってありゃ毎日人々の口にはいるもんでしょ?違うん?それを原材料も教えんでだまって喰えっていうんか?」
「え、永遠亭に問い合わせてもらえば成分をおしえてもらえるよ」
にとりはもう半泣きだった。霊夢はかわいそうだなぁとも思ったがもうここまできてしまったら真相をきかずには帰れないなぁとも思った。
「それならさっき行ってきたわよ。問題は一体どこでどう調達してきた何を使ったかなのよ。そこんとこわかるわよね?」
「え、えっと……」
「ああん!?」
「わ、わかりました!いいます。いいますから!」
案外簡単にゲロってくれた。はじめからこうすれば早かったのではないかと思ったが今日一日がまるで無駄みたいに思えてくるのでやめた。
「で、なにでできてるんですか?『ポロロッカ・グリーン』は」
早苗はいつの間にか元の口調にもどっていた。さっきまでの剣幕が嘘のような爽やかな笑顔を怯えるにとりに向けている。まるで絵本の続きをはやくはやくと急かす子供のようだ。
「これは、ここだけの秘密にしてよ?絶対に他の人に言ったりしないでね。ばれたらわたしどうなるか……」
「だれにもいいませんから、早く原材料をおしえて下さい!」
たのむよぉ?とつぶやくとにとり話しはじめた
「実はあるものをリサイクルして食べ物にする技術が開発されたんだ」
「何かしら?」
「生ごみですか?」
「ううん、その、毎日家庭から出るってとこは正解かな?」
「もう、じらさないでとっとと言いなさいよ」
「……やっぱやめたほうが」
「あんまくどいと怒りますよ?」
「う、後悔してもしらないよ」
二人は固唾を飲んでにとりの二の句を待った。
「…………………排泄物」
「「え?」」
「ウンコだよッ!!ウンコッ!!!あんたらのけつから毎日ひり出される糞を食糧に変える技術をわたしらは開発したんだよッッ!!!!」
「……」
「……」
「……」
「「オゲエエェェェェェェェェエロロロロロロロロロッ!!!!」」 ビチャビチャ ビチャチャ
霊夢と早苗は盛大に嘔吐した
――おわり――
うん、こんなオチですいません
はじめまして 灰々といいます 人生初SSです 拙い文章の上、誤字や変換ミスおかしな文法多々あるかと思いますがお許しを
――おまけ――
魔「おー『ポロロッカ・グリーン』があるぜ」
魔「ちょっと食ってこうぜ」
ア「そうね……この先何があるか、わからないし、ぜいたくは言ってられないわね」
魔「早苗もどうだい」
早「いいえ。わたしは遠慮しておきます^^」
魔「そうかい?じゃあ私たちは失礼して……」
魔 ア「いただきまーす」
ドムッ ドム ドムッ ドム ←食べる音
魔「ふー。食った、食った」
魔「よしいこうぜ!」
ア「いやね……何が原料なのかしら……」
魔「うぅー……作ってる所は見たくないな……」
早「待ちなさい、魔理沙さん あなた達はあの食材を食べました。そのことをよく認識して、その扉を開けて下さい^^」
ア「『ポロロッカ・グリーン』がどうかしたの?」
魔「何だよ……何があるんだよ……一体」
早「それは、あなた達自身の目で確かめて下さい^^」
魔「こ、これは……まさか……」
ア「そんな……、うそでしょ……」
ア「う……」
魔「な……何だよ。こ……これは……一体なんなんだよ!」
魔「うわーーー」
灰々
- 作品情報
- 作品集:
- 13
- 投稿日時:
- 2010/03/20 17:04:56
- 更新日時:
- 2010/03/22 01:16:14
- 分類
- 早苗
- 霊夢
早苗爆散しろ
早苗よりアリスが爆散した方が美しくないか?
河童の肉じゃなくて良かった!
>>7
河童の技術力はすごい!…でもこれリアルでやったら人間はどんな反応するんだろうか?
まあ自然のサイクルも似たようなもんだな
そしておまけがゼノギアスw
ただその結果の人口増加が良い結果なのかどうかはわからないが
まさか、こんなに頂けるとは思いませんでした。
>>1 排泄物だとわかってから食べるとまた感じ方が違ってくるかもしれません
>>2 3 そうですねw でも、気になるとつい調べてしまいます
>>4 3周目くらいしてくると先生の鬼畜っぷりと万能さに笑ってしまいます
>>5 6 早苗もアリスも爆発がよく似合いますねw 機会があればそういうSSも書きたいです
>>7 スペースシャトルに尿をろ過して飲料水を作る装置がついてるみたいですし、近い将来だれかやってくれるかもしれませんね 教科書に開発者の顔写真がのったら頭にウンコよか描かれそうですが
>>8 人間にも河童にもやさしい技術ですね
>>9 いろんな形状にすれば飽きないかもしれませんね カレー風 チョコレート風 かりんとう風 などなど
>>10 食うものに困らない人は馬鹿にするでしょうね
マスター あの河童にをポロロッカ・グリーンを
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧ ∧
ハ,,ハ / `ー一′丶
. .<`∀´> / : : :: :: :::::ヽ
. ▼ >、/⌒ヽ | : : :: :: :::::::::l
─‐⊥‐ッ'-‐y' / i_ ヽ、 : : :: :: :::::::/
`⌒ー′ | |::| )゙ ..::::〃:ィ´
\ | |::| /" '' : : ::⌒ヽ
____ \=::|. i 、 : ::::|____
>>11 確かに そう言われるとそうですよね
>>12 この技術が普及したら美女のウンコだけで作ったポロロッカ・グリーンが高額で取引されるかもしれないですね
>>13 14 実は特に何も考えずにつけたんですよw ポロロッカ あと黒崎 文太さんこんにちは 某動画サイトのウンコ入りコロネをこいしがたべる動画で知りました
>>15 断食してると野菜ばっか食べてる人はそういう色のウンコがでるってどこかで見ました 野菜の色なんですかね?
>>16 気付いていただけたようで嬉しいです ゼノギアスはいいゲームですよね
>>17 はじめてプレイしたときはおつむが足りてなくてストーリーがよくわからなかったのもいい思い出です
>>18 新素材さんこんにちはw いつも作品楽しく読ませていただいてます おちんちんブレードの続きが読みたいです
>>19 ご指摘ありがとうございます この後すぐに修正させていただきます
>>20 そうですね 人口増加も解消できるから人肉のほうがいいのかもしれません……
>>21 排泄物の処理と食糧の確保両方できるこういう技術はうってつけなのかもしれませんね
さすが河童!俺達にできないことを整然とやる!そこに痺れる!憧れるぅ!
お腹いっぱい食べさせてあげたい