車方葬迭夢 ＡＮＯＴＨＥＲ

　
　
　
　
　
　








　
　
　
　

ジグソウの本質は“無機質さ”――――それは、あるいはプログラムに近い。

目の前で泣き叫ぶ幼子を見て、知らん振りをする者はいない。

だが、“ジグソウ”は、それすらも持たないのだ。

ジグソウの目的は、己の生を省みぬ者に、生の尊さを理解させるコトが目的。

だが、それは酷く盲目的で、独善的。

“信念”や“正義”という名の、もはや最悪と呼んで差し支えない 人類を蝕む悪性のウイルスプログラム。

それが、“ジグソウ”の本質と言えよう。
















































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『車方葬迭夢 ＡＮＯＴＨＥＲ』




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ジグソウ：「おはよう、こいし。ゲームがしたい」

こいし：「ひっ、なんなの！？ なんなのよ貴方わあああああああああ！！」

ジグソウ：「今のお前は、１時間経ってふやけたカップラーメンのようだ」

こいし：「あひゃああああああん！！ もっと言ってええええええええええええ！！！」

ジグソウ：「今から選んでもらおう……」

こいし：「らめ、らめええええ！！ おひゅうううううううううん！！」

ジグソウ：「ボンバヘッ！！ ボンバヘッ！！」

こいし：「ボンバヘッ！！ ボンバヘッ！！」

ジグソウ：「燃え立つような〜あっつい被験者！！」

こいし：「なに言ってんの、お前」

ジグソウ：「Everytime kill you！ 何時でもFuck you！ 逢いたいおーもいが〜ぁ〜！」

こいし：「究極のレイプＶＳ至高のレイプの実況中なんだよ！！ さっさと帰してよ！！」

ジグソウ：「おまえは、うっかり、台所の流しにブチ撒けられたカップヤキソバのようだ」

さとり：「こいし！ 助けに来たわ！！」

こいし：「おねえちゃん！！」

さとり：「さあ、此処から脱出するわよ！！ あなたは究極のレイプが好きなんでしょう！？」

こいし：「うん！ おねえちゃんは思考のレイプが好きなんだよね！？」

ジグソウ：「今のお前たちは、オナホールに使い終わったカップラーメンのようだ」

こいし：「死ねよ」

ジグソウ：「ゲームオーバー」

さとり：「らめ、らめえええええええええええ！！」

こいし「へ――――……？」






ボンッ――――！！





瞬間、何かが爆ぜるような激しい音がさとりの耳を劈き、同時に目の前で赤い花火が舞う。
思わず両腕で顔を護ったさとりだったが、一瞬 行動が遅れてしまったために 爆風を顔に浴びてしまう。
とは言え、さとりの立ち位置は爆心地から離れていたため、可愛らしい顔に、少し火傷を負うだけで済んだ。



「こ、こいし……？」



不安げな声で、さとりはこいしを呼ぶが、返事は返ってこない。
もうもうと立ち込める粉塵が次第に収まり、さとりの目に こいしが立っている姿が映る。
けれど、完全にこいしの姿が露になった瞬間、さとりの表情が驚愕に歪む。
こいしの頭があったはずの場所には何も無かった。



「こ……い、し……」



呻くように、さとりの喉から愛しい妹の名が絞り出ると同時に、首を失った小さな肢体ぐらり、と揺れる。
同時に、ジグソウたる“そいつ”が動き出す。



ジグソウ：「ボンバヘッ！」



ジグソウは そんなこいしを両腕に抱え、 やっとの思いで歌い終えた……
腕に抱えられたこいしは、既にボンバヘッ!!