Deprecated: Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『霊夢の長い午後』 作者: sako
.
その日、お昼を過ぎてから古くからの友人の処へ遊びに行った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
蓮の形を模したシャワーから流れ落ちる暖かい湯を頭から浴びる。
禊みたいなもの、と聞いていたけれど、禊は冷たい井戸水か滝でやるものでは、と思う。
春先、とは言ってもまだまだ肌寒い日が時折訪れる今時分では有難いのだけれど、これでは身が引き締まるどころかむしろ焼いたお餅のようにたるんでしまうのでは? といらぬ心配をかけてしまう。
一頻り湯を浴びたところで髪の毛に絡まった雫をぬぐいさり次の扉へ。
真鍮の取っ手を引いて開けた先は、シャワー室と同じタイルが敷き詰められた浴室だった。
ぺたりぺたりと裸足でタイルを踏みしめ浴室の中央に。
風呂桶は床に埋め込まれていて、風呂、というよりは話に聞いたプールというもののようだ。
浴槽にはなみなみと蓬色の水が張られ、軽い刺激臭が鼻をつく。入るのが躊躇われる。
けれど、しっかりと身体を清めてから来るようにと言われていて、アレは一度やってきた客人をおいそれと帰すような珠じゃない。
食虫植物、のような女性なのだから。
私はため息をつくと、意を決してそろりそろりとプールに入った。
プールにはご丁寧に階段が設けられており、真鍮の手すり伝いに歩いていけばいいだけだった。
中央辺りで腰を下ろし、ひとーつ、ふたーつ、と古来より伝わるお風呂の入り方を実践する。
人肌より若干温めの謎の液体に首までつかることを入浴、と言えればだが。
次の部屋は乾燥室だった。
上左右の空気孔から勢いよく乾燥した熱風が吹き出しており、私はそこで適当な体勢を取るだけで身体を乾かすことができた。
部屋の隅に置かれた編み籠に着替えが用意してあり、ご丁寧に『ここできものをきてください』という注意書きまで添えてあった。香油を塗らないだけ、心配はいらないだろう。
と、編み籠の中身を見て私の動きが止まる。
入っていたのはここに来る時に来ていた巫女服…ではなく、とても、今までの私が着たことがないようなハイカラな衣装だった。
衣服として必要最低限の面積しかなさそうな布地を広げて、訝しげに眉を潜め、仔細に眺める。
「…コレを着れっていうの」
しかし、他に選択肢はなく、前記の通り、私はウツボカズラに落ち込んだ蚊蜻蛉と同じく、ひとつっきりの運命しか与えられていないのだった。
乾燥室の次の部屋が目当ての場所だった。
扉を開けた瞬間、雪崩のように酷い湿気と肌を焼くような熱気が流れ込んでくる。
扉の向こうは別世界。
言葉遊びではなさそうだ。
「暑…」
外に出た瞬間、自然とそう言葉が漏れた。
肌にべたつくような熱気、
息苦しくなる湿度、
目に飛び込んできたのはひたすらな緑。
見たことも聞いた事もないような植物が生い茂り、
毒々しい色合いの華が乱れ咲き、
腕より太い蔦が蛇のように伸び、
熟れ腐った匂いを充満させている場所。
物珍しい植物のためだけに作られた特別な部屋、温室。
そんな緑の中にあってただ一つ真っ白なテーブルと椅子に、彼女はけだるげに身体を横たえていた。
「はぁい、霊夢」
寝起きの様で片手を怠そうにあげて挨拶する彼女、風見幽香。
この温室の主人だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
蓮によく似た私の右手の先から左手の先までよりも大きな葉をかき分け幽香の元へ。
足下は芝生が敷き詰められていて、足の裏がくすぐったい。
「よく来てくれたわね、ありがとう」
「暇だったからね」
言葉を交わす私たち。けれど、私は幽香に目線を遭わせられない。
白い長いすに身体を横たえる幽香がとても目のやり場に困るような服を着ているからだ。
チェック柄が入った下着のような服装。
たしか、パレオとか呼ばれる水着の一種。
幽香の放漫な胸を強調するように、胸元が大きく開かれている。
といっても、今の私も似たような格好。
紅地に白いラインが入れられたセパレートタイプの水着だ。
残念ながら私の胸は強調するほどないのだけれど。
「似合ってるわよ、それ」
「自画自賛? 貴女が用意したんでしょう」
「だから、よ」
そんな私を見て一言。向日葵みたいな笑みを浮かべる幽香。
「まぁ、座ったら。冷たい飲物も用意してるから」
言われた通り、空いている椅子に腰掛ける。
幽香は手を打ち鳴らすと雇っている妖精メイドを呼びつけ、二人分、炭酸水が入れられたグラスを持ってこさせた。
うっすらと汗を浮かべたグラスの中で氷がカランと音を立てる。
めまいがするこの暑さの中、それは天の恵みのように見えた。
「戴きます」
ストローから一口。
舌の上で炭酸の泡がはじける。
喉を通る度に粘膜が刺激される。
仄かに金木犀の香りがする。
温室の酷い暑さで干からびそうな私はごくごくと炭酸水を飲干してしまった。
「しかし、ここは暑いわね」
「そうね。暑いところの植物たちのための部屋だから」
阿求の持っている植物辞典にも載っていないような草木が生い茂る温室。
地球上からとうに姿を消してしまった植物も生えているという。
向こうに見える剣のような葉を茂らせたシダなんかは地上をまだ竜が闊歩していた頃のものだそうだ。
この部屋には私が許可した者しか入れないのよ、と幽香は自慢げに離してくれた。
その間も暑くて暑くて私は汗を流してしまう。
せっかく身体を綺麗にしたのに。
ぽたり、ぽたり、と顎や肘から汗が滴り落ちる。
汗は芝生の上に落ちて彼らの栄養になる。
このままだとみんな溶けてここの植物たちの栄養になってしまいそう。
私は幽香にお代りを要求した。
ごくりごくりと炭酸水を飲干す。
ぐらりぐらりと視界が歪む。
「あれ?」
「そろそろ薬草が効いてきたみたいね」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
気がつくと私は芝生の上で眠っていた。
いつのまに椅子から転げ落ちたんだろう。
身体を起こそうともがくけれど、頭から伸びている操り糸が切れたみたいに身体は動かない。
幽香が傍らにかがみ込み、私の顔を覗き込んできた。
私を見つめる幽香の瞳に私が映る。幽香の瞳に映った私の瞳に幽香が映る。無限後退の合わせ鏡。その瞳が、
「ちゅっ♥」
幽香の唇に防がれた。
ざらりと、眼球が舐めあげられる。
涙を啜られ、涙腺を刺激させられ、その光景を直に見せられる。
「何を…」
「痛覚はキチンと飛んでいるみたいね。痛く、ないでしょう」
言葉の通り、成る程、眼球を舐めあげられる感触はすれど異物を入れられているのに痛みはなかった。
先ほど、呑んだ炭酸水に何か不可思議な薬草が入れられていたのだろう。
身体の不自由もソレか。
「まぁ、安心して。非道いことをするだけだから」
「安心しない台詞ね」
「だから、先に言ったのよ」
幽香は手を伸ばし、水路の畔に生えていた紫色の小さな果実の房をもぎ穫り、一粒を口に含んだ。
そうしてそのまま嚥下することなく、今度は私の唇に口づけしてくる。
ぷつり、と噛みつぶした紫色の小さな果実が幽香の舌使いで私の口内へ押し込められる。
甘酸っぱい味わいが広がる。よく味わってから飲み込む。
刹那、背骨の中に直接毒素を流し込まれたような強烈な刺激が全身を駆け巡る。
「ふふ、今度は興奮剤よ。どれ、私も一つ」
私に汗の雫を垂らしながら、扇情的に紫色の小さな果実の房をそのまま囓り穫る幽香。
ぽろり、と潰れた紫色の小さな果実が私の身体の上に落ちてきた。
「もったいない」
舌を伸ばし、幽香は私の首筋に引っかかった紫色の小さな果実を舐めとる。
蛇のように、赤い肉の切っ先はそのまま私の肌の上を這い回り、浮いた汗も舐めとっていく。
その上から幽香の汗が落ちてきて広がる。
私と幽香の汗が混じる。
むせかえる熱気に、二人分の臭気が混じる。
華のような、熟れた果実のような香り。
けれど、まだ薄い、と幽香が肌を重ね合わせてきた。
私の胸の上で幽香の胸がいびつに歪む。汗がべたりと、流れる。
「重いわ」
「苦しくはないでしょう」
また、唇を奪われる。
今度は蹂躙。
長い舌が私の舌を絡めるように暴れてくる。
私の舌も私の意に反して幽香の舌へその身を絡ませる。
ちゅぱちゅぱ。唾液が混じり、口端から流れ落ちる。
芝生に染みこむ。
「はぁ、はぁ、はぁ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
暑い、熱い、身体が熱い。
飲まされた薬草の所為/温室の気温の所為/幽香の所為。
私のお腹の上にまたがった幽香が乱暴に私の胸をもみしだいてくる。
布地は薄く、直接と変わらない。
けれど、最初に呑まされた薬草の所為か刺激は余り感じられない。
撫でられてくすぐったいような、そのぐらい。
「薬草が効きすぎているみたいね。もっと、もっと、強くしないと、ダメ?」
質問には頷いて応えた。
じゃあ、と幽香は室内灯に煌めくものを取り出す。
鋭利な薄刃のメス。
手術の時に使うような代物。
なにを、と言おうとする前に幽香はそれで私の胸の下を切り裂いた。
「あ、ああ…」
鋭利すぎる刃物は切られたことを感じさせないという。
薬草の効果も相まってか、私は胸を切り開かれたというのに痛みさえ感じていなかった。
「出血を抑える薬草も入っているから。死にはしないわ」
僅かに流れ出た私の血をぬぐって、丹念に舐めとる幽香。
血と汗と涙と。
それらを混ぜ合わせた粘液を幽香は指を伸ばして私にも味わせてくれた。
「じゃあ、ここを愛撫してあげるわ、霊夢」
ぞぶり、と幽香の指が沈み込む。切り開かれた肉を押し広げて、血管を縫って、私の体内へ。
「っあ」
強烈な刺激。
口やアソコ以外に新しく作られた孔を犯されている。
じゅぶりじゅぶりと愛液の代わりに血糊を潤滑油に幽香は私の内部を弄ぶ。
「これが、心臓ね。ふふ、とくとく言ってるわ」
そっと、薬指だけで幽香は私の命に触れた。
はっ、はっ、はっ、と短く浅く私は呼吸を繰り返す。体は動かない。死ぬ間際みたいだ。
「暖かい。命の暖かさね」
言って心臓をなで回し、傷口に口づけする幽香。ずるずると血と汗を啜り、美味しいと微笑む。
「ふふっ、鼓動が強くなっているわよ、霊夢。薬草が効いて、興奮しているのね」
そういって、幽香は身体をずらし、パレオの裾を持ち上げた。
位置を変え私の太ももの上に跨った幽香の開かれた股の部分ははっきりとそう分かるほどに怒張していた。
そのまま幽香は身体を上下させ、自分のソコと私のソレを擦り合わせる。
「私も、ふふ、興奮してきたわ…」
ぴしゃりぴしゃりと濡れた二つの身体がすりあわされる。
摩擦熱で体温がもっとあがる。熱気で身体が溶けるようだ。
氷みたい。
見ればグラスの中の氷はもうとけて水になりはてていた。
「霊夢、そろそろいいかしら…?」
潤んだ瞳で幽香は問いかけてくる。
股間のモノはもう堪らないようで、水着の布地を押し上げている。
いいもなにも今の私にはなんの権限もないのだった。
するりと幽香は水着の下をずらして自身を露出させる。
節くれだったメタセコイヤのような幽香の男性器。
その下の茂みに隠れた女性器も潤いを帯びてむせかえる精の香りを放っている。
「ふふっ、今日はこっちね。下じゃ、今の貴女は余り気持ちよくないでしょうから」
また身体を動かして私のお腹の辺りまで移動する幽香。
私の胴をまたぐような格好をとると剛直を私の胸の傷口に当てがい、ナイフで刺し殺すように、そこへ挿入した。
「あっ、あっ、あ」
「気持ちいいわ、霊夢」
じゅるり、じゅるり、と粘液と血液とが混じり合う水音。
何とかして首を持ち上げて自分の身体を見てみると胸に空いた穴から幽香の男性器が赤い血を纏いながら出たり入ったりを繰り返していた。
内臓から直に伝わってくる幽香のモノの暑さ。
ああ、暑い暑い。汗をかいてしまう。
幽香も激しい運動で沢山汗をかいているみたいだ。
ぽたぽたと雨のように幽香の汗が滴り落ちてくる。私の上に。顔の上に。私の涙と汗が混じる。
「霊夢…っ」
不意に私の頭を抱いてくる幽香。
ずるりと汗にまみれた胸元に私の頭が収まる。
息がつまる。熟れた石榴みたいな幽香の匂いに頭が満たされる。
幽香も私の頭に顔を埋め、深く息を吸っているようだ。
天日に干した干し草の香りがするだろう。
上下する胸が頬に感じられる。
上下する腰の動きも激しさを増す。
愛液と血と汗が混じった液体が私の身体を伝わり流れ落ちる。
芝生に染みこむ。栄養。すくすくと育て。
「そろそろ、出すわね。中に、うん、体内に」
耳元で囁き、幽香は一段と強く腰を打ち出す。
私の胸と幽香の腰がぶつかり、ぱぁん、とタムタムのような荒々しい原始的な音が温室に響き渡る。
血飛沫と汗飛沫とが散り、キラキラと輝く。
「はぁっ…うん…っ」
強く深く穿ち、私の中へ精を放つ幽香。
どくどくと私の中へ私のものではない液体が流れ込む。
血に混じってそれは全身を駆け巡り、幽香の想いが私へ伝わる。
ずるり、と引き抜いた幽香のモノからは血と粘液が糸を引いていた。
「気持ちよかったわよ、霊夢」
そうして、その日の私の午後は終わった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「で、どうしてくれるの、コレ?」
椅子に座ってお代りの、妙な薬草の代わりにきついアルコールが入った炭酸水を飲干し、夕食に、と作ってもらったタンドリーチキンを頬張りながら幽香に問いかける。
「いえ、思いついたからには実行しないと、って思って」
ごめんなさい、と両手を合わせて謝る幽香。普段の気丈にしてサディスティック、優雅にしてファナティックな彼女からは考えられない態度だ。そんな幽香の意外な一面を見て、まぁ、いいわ、と私は嘯いた。
「傷は塞いでもらったし…痛くなかったし、痕は残らないでしょうね」
「ええ、その点は安心して」
手を伸ばした私の肋骨の下には大きなカーキ色の葉っぱが貼付けられていた。下には様々な薬草をすりあわせて作られた特製の傷薬が塗られている。後はこうしてここで数時間ほど過ごしていれば造作もなく癒着してくれる、とは幽香の言だ。
「でも、なんか、悔しいわ。温室が完成したから見に来て、って言われて遊びに来たらいきなりレイプされるなんて」
「人聞きの悪いことを言わないでよ。合意があったんだから和姦よ、和姦」
胸を張って自信満々に応える幽香。呆れてものも言えず私は頭を抱えた。
と、その頭にある悪魔的な閃きが生まれた。
「いいえ、レイプよレイプ。クスリを飲ませて前後不覚になった私を傷つけて犯すなんて、ヤマザナドゥに聞くまでもなく強姦罪だわ」
幽香に詰め寄るように顔を寄せて言い放つ。
「だから、和姦にするために今から普通にシましょう。ね」
にやりと私は向日葵みたいな笑みを浮かべてみせた。
END
隣の部屋のカッポーが五月蠅かったので自転車で街へ乗り出したら道に迷ってあまつさえ雨にさえ降られ、急遽、帰路を急いでいる最中に思いつき、
なんとか帰り着いてから空きっ腹にハイボールを流し込みつつ書き上げました。
個人的に霊夢は人妖問わずいろんな人に好かれるんだけれど当の本人が飄々としすぎている所為で『あれ? 私の想いってコレじゃ届かないの』と恋する乙女達を暴走させる口だと思います。それでも(イタイ)愛を否定しない辺り霊夢さんパネェって俺設定。
愛を取り戻せ!
sako
- 作品情報
- 作品集:
- 14
- 投稿日時:
- 2010/04/11 13:43:34
- 更新日時:
- 2010/04/11 22:43:34
- 分類
- 霊夢
- 幽香
- ふたなり
- 汗
- 傷口を犯す
傷口をねっとりと犯していく姿が鮮明に浮かび上がりました
風評被害もいい加減に(ry
しかし幽香さんはやっぱりドSが一番似合う。この調子だと体内に花を咲かして飾るとかやりそうだ。
それにしてもこの霊夢は度量が広いなw
濃厚なエロスを感じた
ラム酒飲むかい?
ねっとりとした描写が最高でした。