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『ぱーふぇくと』 作者: kurusu
「は?妖精如きが私に何の用よ?」
ここは紅魔館、そして私は紅魔館の主、レミリア・スカーレット
「はい、あのチルノが珍しくレミリア様に会いたいと…」
「咲夜、追い払いなさい、いつも追い払えって言ってるでしょう?」
それが…と声をくぐもらせる
「これを」
「?」
咲夜から鉄で出来た箱を渡される
その箱は、薄く。カラフルなボタンのついた何かの機械のような箱だった
「これ、何よ?」
「ゲーム機、外の世界ではそう呼ばれているそうです」
ゲーム機…ねぇ
外の世界では、体は使わないのかしら
それともこの箱を投げ飛ばす遊び?
「ふぅん…つまり私はアイツから対戦を申し込まれたと」
スペルカードとは違う、ゲームでの対戦
「…いいわ、面白い」
「その勝負、受ける!!」
「こら!そこは図書館だから入ってはいけません!」
「えーちょっとぐらいいいじゃない」
今日もメイドは大忙し、頭の悪い妖精を主の元へと導くのだ
「ここよ、ここがレミリア様の部屋」
「へぇ、随分とちっぽけな部屋!」
「…いい加減にしないと…」
懐に手を差し込みナイフを取り出し、やはり追い返そうとした瞬間
「いいのよ咲夜」
…主だ
「こいつはこのレミリア・スカーレットが直々にぼっこぼこにするから、貴方は下がってなさい」
「…わかりました」
主は忠実な犬を小屋へと追い払う、犬は小屋の掃除で忙しいのだ
「ごめんなさいね、チルノ
この紅魔館は偽物で、本当の真の紅魔館は秘密の場所にあるのよ」
「なにそれ、そういうキャラって、大体弱いよね(笑)」
「…は?」
私はてっきり、『え!?本当なの!?どこにあるの!知りたい!』
といったような反応が返ってくると思っていた
だが…コイツは今何をほざいた?
命知らずな奴だ
「…チルノ、ゲームなんだから…罰ゲームがあって当然よね?」
右手の上にある紐を引っ張る
すると、後ろの幕が開き見るだけでも痛々しい拷問器具が姿を現した
それも一つや二つではない、24個である
「うっわー、痛そう!」
「負けた方があれ全部の餌食となるのよ」
「へっへーん、いいのかな?私強いよ〜?」
生意気な小娘め
後で泣き叫んだって絶対許さないぞ
もう遅いんだからな
そもそもあの拷問器具は私のプライドを際立たせる為の飾りなのだ
だが飾りでも、使える物は使える
まっ、このバカの頭は飾りよね
「ルールは!」
「格ゲー!!」
「核…ゲー?」
あの苦手な偽太陽バカのことかしら
「知らないー?」
悔しいが、ここは教えてもらわねばならない
あー我慢してる私ってカリスマ上昇してるわね
「バグ技無し!カードポイント20!ノーオプションバトル!」
「バグ技無し!カードポイント20!ノーオプションバトル!」
…ゲーム機を構える私
ちょっと恥ずかしいわ…
ルールはこうだった
私達のスペルカードバトルと酷似しているゲームで、使用するキャラクターも私達だった
そのキャラクターを箱のボタンで操り相手を倒す簡単なゲーム
勝負は一千だけ
ふふ、頭脳戦がメインね
この私が負ける筈がない!
キャラクター選択
そうね、私は私を選ぶわ
一番強そうだもの
レミリア『レミリア』
そうだなー、あたいはあたいよ!
一番強いもの!
チルノ『チルノ』
バトルスタート
ははん、何よアイツ、びびって動いてないじゃない
見てなさい!そのガードごと粉砕してあげる!
ボタンを壊れるくらい連打し、私は一気にたたみ掛ける!
打撃打撃打撃弾幕!
ははっ、ざまぁみろ!アイツ、防御しかしてな…ッ
「かかったわね!」
ガキィン
「な…何!?」
突然私の分身が後ろへと吹っ飛ぶ
「ふふん…回避結界!
ポイントを一つ使って、弾幕攻撃を跳ね返すのよ!」
「な、何よそれ!そんなの聞いてないわ!」
「手札、確認したら?」
そ、そんな技あったかしら…?
慌てて手札を確認しようとする…が
「そんな暇、あったらの話だけどね!!」
アイツは私の分身に氷を飛ばしてきた
「あっ…!」
尖った氷は私の分身のお腹に突き刺さった
「あ…あ…」
リアル過ぎて見るのが辛い
画面の私もの顔も、苦痛の表情に変わった気がする
「よくも…」
「よくもやってくれたな!!」
自分の手札は全て確認した
…チルノの言っていたカードは無かったが、色々と凄そうなカードが入っていた
体力は半分、相手は8割。このカードを使えばまだ勝てる!
だが待て…迂闊にカードを使って外れてしまったら損だ
ならば…コンボだ
ゲームにはコンボというものがある
このゲームにとって、コンボは大切な物なのだ
何故なら、一撃食らったら8割の確率でゲームが終了するからだ
奴の回避結界の手札はもう無い、なら…勝てる
「ゆくぞっ!」
行け、私の分身。奴をボコボコにしてしまえ!
ドゴオッ!入った!コンボの一撃目…!
これで奴はのけ反るはず!
「あー、弾幕貼っとくの忘れちゃった」
ビクともしない
変わったのは、奴の体力がほんの少し減っただけ
「…あっ?」
「何呆気にとられてんのよ」
「だ、だって攻撃入ったわよ!」
「ああ…アンタバカね、上のケージの真ん中見なさい」
台風
…天候が変わっていた
台風とは勝負が荒れる程度の天気である
また自分と相手が荒れる程度の天気でもある
相手がのけ反らなく無くなるので、下手に打撃戦に持ち込むとこちらのHPが大幅に減る事もあるので
射撃と回避をバランス良く使いましょう
また、相手がもう少しで倒れるのであれば、ガンガン攻めても構いません
ただし、あまり霊力を使い過ぎるとロイフレ余裕でした的な事になるので皆注意しようぜ!
「そんな…打撃でのけ反らない天候だったの…!?」
「あー弱い、もう飽きたらこの勝負終わらせるよ」
「な、舐めるなよこのおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
…だけど台風なら、相手もガードは出来ない!
これで決めてやる!レミリアストレッチ!!
R1ボタン連打!!発動!!
「ストレッチぶっぱしてから回避余裕でした(笑)」
ガシィン バァーツ
豪快な効果音と演出だった
だが、当たらなければ意味が無い
チルノは背後へと廻っていた
長く感じた天候が変わる
「ふ、ふざけっ「もう勝負ついてるから」
画面端まで持ってかれる
攻撃で固められ私は何もできない
何もできないまま、私の分身は倒れた
ウィーンチルノ
「勝ったー!あたいったらやっぱり最強ね!」
「う、うー!うーうーうー!!」
「は?何あんた?だだこねてるの?」
「違う!悔しいのよ!あー、もうっ!!」
「半べそなんかかいちゃって、恥ずかしくないの?」
悔しさと憎しみで、衝動的に涙が出てしまっただけだ
こんな奴、ゲームじゃなければ絶対勝ててた!
「はい、そこ座ってね!」
「は!?そんな棘の刺さった所に、座れる訳無いじゃない!」
チルノはさっき私が見せびらかしてしまった拷問器具をとんとんと叩く
誰かこんな奴の言う事を聞くもんか!
そうだ、私が負けたって事がバレなければいい
「ねぇ…チルノ」
私は手を後ろに隠しこっそりと赤色の槍を作りだす
「んー?何よ?土下座でもするの?」
「ざけんなよ」
「死ね「やだよ」
レミリアは壁に叩きつかれる
彼女は何が起こったのか理解までに12秒かかった
「私があんたに殺されるとでも思ったの?ほんっとバカねー」
ありえない
あの妖精が私を殴って吹き飛ばすなど
「その不思議そうな間抜け面は何?教えてほしいー?」
それはね
「あんた、ただ偉そうなだけじゃない」
「なっ…!?」
「だってさぁ〜、あんたの部下が強いだけだよ?
きっと、あの魔法使いが一番強いだろうね」
私が強い
理解不能
「違う!私が一番強い!!」
「まっ、あたいがさ、日頃の訓練のお陰で強くなったってのもあるけどね!」
「認めない!!私が「いい加減うるさいんだよね!」
今度は地面に頭を叩きつけられる
「があっ!?」
「や…やだぁ、血が出てる。え、えっち!」
それは鼻血だと突っ込みを入れたかったが頭が地面に押し付けられていてはっきりとした声が出ない
ガシガシガシカジ
何度も何度も地面に頭を叩きつかれる
「うあ……」
「ふふ…こんなに血が出てる…ドキドキしちゃう!
レミリアったらいけない子ね!」
チルノはその場で楽しそうにくるくると回り遊び道具を探す
「あっ!」
見つけた
紅魔館にある拷問器具だ
「ねぇ、レミリア。
もっと楽しませてあげるから、こっちへ行こうね!」
チルノは微笑む
「ああぁ………!?」
なすすべもなく、ズルズルと引きずられて拷問器具へと張りつけられるレミリア
「………やめて………」
「やーだよ!待っててね…レミリア、すぐに気持ち良くしてあげるから」
こいつは正気か、レミリアは顔を疑う
いや、バカだからこそこんな思考をしているのか…
「あーあったあった。こんなところに使い方が書かれた本があったよ」
願わくば本が解読されないように
「うーん…よくわかんないや」
…願いは叶った
「あ、いいこと思いついた」
え?
「パチュリーに聞けばいいや!!」
やめて
「や、やめて!!パチェを巻き込まないで!」
「じゃあさぁ、レミリア、わかんない所があったら代わりに読んでよ」
「ううぅ…なんとか説明すればやめてくれるかなぁ…」
「だーめ!」
拷問される側が拷問の方法を教えるとは、なんとも皮肉な話
拷問で初めて愛を知る、ちょっと大人なチルノの一日であった
これがまさにバ力カ
非想天則を取り入れた作品、既にありそうだなぁ
被ってたらすいません
こう、強いレミリアをずたずたにすると更に可愛くなるよね
ほんとは拷問部分も書きたかったんだけどね!
というより、拷問まで持ってくる過程が失敗したんだと思う
kurusu
- 作品情報
- 作品集:
- 14
- 投稿日時:
- 2010/04/15 10:51:49
- 更新日時:
- 2010/04/15 19:51:49
- 分類
- チルノ
- ウィーンチルノ
展開の強引さなんて産廃では問題になりません