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『無関心』 作者: 急降下ペンギン
「マスタースパークって実際どうなんだ?撃ったことはあっても、撃たれる側になったことは無いんだ。」
目の前の、手癖の悪い友人が訊いてくる。正直、一点突破型のスペルカードなんて当たったことも無いので適当に答える。まぁ…私が撃つ訳じゃないからいいんだけど。無視をしても後々面倒だし、答えることにした。
「威力があっていいんじゃない?当たらないけど。」
その友人は、しばらく考えた後に帰って行った。私以外誰もいないはずの神社に、人影が見える。…今から昼寝でもしようと思ったのに。巫女として声をかけることにした。
「賽銭箱ならここよ」
「今日も霊夢の冗談は冴えているわ、私が賽銭なんかどうあがいても入れる訳ないのに」
即答。声の主は友人、もとい友妖だった。またお茶をたかりに来たか、まぁ…茶葉は余っているし、隣の従者が芋ようかんを持ってきたからいいとするか。
正直どうでもいいことを話して、目の前の友妖は帰り際にパーティーに来て欲しい、と告げると帰って行った。次の来客はいよいよ眠りに就く寸前だった。いらついたので追い返して作り出された隙間に針を投げてやった。嫌な手ごたえを感じたが、まぁ問題はないだろう。
パーティ当日、昼まで寝て夕方に会場に行った。いつもより足が軽く感じられた、楽しみにしていたようだ。ぶっちゃけどうでもいいようなことだけど。見渡してみると、スキマ妖怪とその式達が居なかった。命中したようだ、これでこれからは安心して床に就ける。
「霊夢さん。貴女に参加して欲しくないと思っている妖怪が居ますよ」
地霊共の頭がそう言ってきた。どうでもいいと思っていたが、他の妖怪の態度もやけに癪に触る。紅魔館でやらかしたら後が面倒なので帰ることにした。
「霊夢、お嬢様がどうしても来て欲しいって言っているわ。戻ってきて」
「は?嫌よ。なんで私を嫌いと表明した奴らが居るのにそこに戻らなきゃなんないの?帰ってくれる?」
封魔針を見せつけたら、従者は帰って行った。誰も来ない様子なので寝ることにした。
後日、吸血鬼が一度だけ訪ねて来たがそれっきり訪ねて来ない。白と黒の友人はちょくちょく来るが、かなり余所余所しい。その理由を聞いてみたところ、曖昧に回答して帰って行った。神事で扱ったことがあるので、矢文で回答を求めたら「スキマ殺し」と言う単語を目にした。恐らく死ぬ間際に私に関することを弄ったに違いない。もうスキマ妖怪はいない。つまり、いざとなったら私は舌を噛み切ればすむ話だ。そうすれば幻想郷を覆う結界を支える力が無くなって、幻想郷自体が崩壊する。早速針を持って地霊共の主を狩りに出かける。奴のペットを各個撃破し、地霊共の主を狩った。見られる可能性があるので、他の地底に住む鬼や妖怪も狩り尽くしたが。次に、妖怪の山――とりわけ天狗と呼ばれる種族を根絶やしにし、山の上の神社をも狩る。私の2Pカラーのような巫女が泣いて命乞いをする。躊躇せず二柱の許に送ってやった。奇跡など起こされちゃたまらない。次のターゲットは永遠亭と竹林だ。どうせ殺しても死なないので、八咫烏から奪った核の力で「浄化」してやった。外の文献で読んだことがあるが、それの光を浴びたら、それこそ死んだ方がましになるような…死にたくなるらしい。そして、紅魔館。昼に入って行こうとしたら、門番が蹴りを入れてきたので眉間に針を刺してやった。もっと苦しませるべきだが、状況がそう運ばせてくれそうにない。そそくさと従者と吸血鬼を狩る。念のため、吸血鬼の親友も殺して館に火を放ち、立ち去る。
次の日、人里に食料を買いに行ったらどの店も売ってくれなかった。恩知らずもいいところ…よって半獣と記録者を殺し、後は逃げ惑う民を気の向くままに殺して回った。最後に隠れているかもしれないから、八咫烏の光でまた「浄化」してやった。この光は私の心の陰りも「浄化」してくれるのだろうか?最後は魔法の森だった。これまで数々の人妖や妖怪を葬って来たが、これが最後なのだ。そう思うと、涙が出てきた。悲しいわけでもない、悔しいわけでもない。嬉しくもない。
「ふふ…あはは…あはははははははははははは!」
取りあえず燃え盛る炎を見て笑ってみた。
全て―燃え盛る紅魔館に魔法の森と花の咲いていた土地、干上がった湖に三途の川、跡形もなく消し飛び住人のみが残った館、階段の砕けた死者の集う地、壊滅した人里、死の灰が取り巻く天界、スキマ妖怪が居なくなったことで消えたマヨヒガ、形が変わった元妖怪の山、そして綺麗に残った私の神社。
まともに生きているのはもういない、本当の「死」がここに、私の桃源郷が訪れた。四季は春、夏、秋が消えて核の冬の一季になった。
最期に私も自らを「浄化」して、幻想郷は終わりを告げた。
―後日談。
転生した幻想郷で文が書きあげた『文々。新聞』の第一面には「一発だけなら誤射かもしれない」と、そして第三面には「B-52H、空母から発艦」と、堂々と記してあり清く正しい新聞だったとさ。購読者にDOS攻撃のようなツッコミをされたのは言うまでもない。
缶ビールの開ける音で閃いた。
圧倒的力を持つ人間は孤独主義にならざるを得ないのか…と呑んでいてなんとなく思ったので投稿しました。
後日談については、
撃たれる方はたまったもんじゃないですよね。撃つ方も神経がどうにかしていると思いますけど。
B-52Hは空母から発艦できません。どこぞの政治家曰く出来るらしいが、あんなでかすぎる8発機を空母に乗せることすらできないのに何故その発想が浮かぶかが知りたいwww
急降下ペンギン
- 作品情報
- 作品集:
- 14
- 投稿日時:
- 2010/04/15 21:41:48
- 更新日時:
- 2010/04/16 06:41:48
- 分類
- 霊夢視点オンリー
- 壊霊夢