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『その少女は如何にして心を閉ざしたか』 作者: 憂

その少女は如何にして心を閉ざしたか

作品集: 14 投稿日時: 2010/04/17 02:37:38 更新日時: 2010/04/17 11:37:38
昔昔の事だった。
どの位前の事だったかは覚えていない。
それはそれはとても残酷で、無常で無情で無上な・・・



「おはよう、こいしちゃん」
一人の男の人が私に声をかける。この男は地上で大罪をなすりつけられ、所謂冤罪で地霊殿に追放された人だ。たまたま私が地上の近くを散歩していた時に遭い、それ以来地霊殿に住ませている。
「おはよう♪」
私の朝の日課は男の人と一緒に朝食を食べにいくことだった。

すでに朝食はできていて、お姉ちゃんもお燐も席についていた。
「おはよう、こいし」「おはよう御座いますこいし様」
私は挨拶を返すと席につく。男の人は隣に。

私の一日はとても美しい

朝食を終えると、それは始まる



「挿れるよ」
「うんっ・・・」
私の秘所に男の人のソレが挿ってくる。
愛液が潤滑油になって、いやらしい音を立てて男の人の腰の振りを速くする。
そう、長い間私と一緒にいたことでお互いに愛情を持ち交わるようになったのだ。
私は男の人との交わりがあるだけで、その日がとても素晴らしいものに思えた。



「こっち来るなよ」
私は覚り妖怪だから。
「お前、人の心覗き見できるんだろ」
私は覚り妖怪だから。
「気持ち悪いんだよ」
私は覚り妖怪だから。
「お前みたいな奴は死んだらいいんだよ」
・・・・私は、覚り妖怪だから。

ずっと忌み嫌われ、地上を追い出された私には‘優しさ’に対する耐性が全くと言っていい程なかった。
いつもお姉ちゃんと二人ぼっちで生きてきた私。
そんな私を男の人は愛してくれた。私の気持ちを受け入れてくれた。

だけど、私はまだ男の人に一つだけ教えていない事がある。



私が‘覚り妖怪’だということを。




次の日も次の日も私たちは交わった。
男の遺伝子が私の膣に入ってきているだけで、私の心は熱くなった。

「ねぇ」
「・・・?」
「私の事、好き?」
「あぁ・・・愛してるさ」

男の心は、何も考えていない



私はいつものように交わりを求めたが、突然今日は具合が悪いと断られてしまった。
心を読んだけど、やっぱり男の人は何も考えていない。
私は一日位は我慢することを決め、その日は別々の部屋で寝ることにした。早く良くなってくれないかな。早く元気になってほしいな。私はそう呟きベッドに身を投げた。


意識が、沈む

こう、何も考えずに暗闇にみを委ねていると言い表しようのない気持ちに包まれる

それは、無意識の遺伝子

母親の胎内

本能

そして私は無に還る

私のDNAは果たして私を受け入れているのだろうか

意味のない追憶

何も思い出せない

この世界は×××いる



私はふと目が醒めた。
「ん・・・・?」
辺りを見回したがまだ夜中のようだ。
しばらく目を瞑っていたが、なんとも気持ち悪い、夢の余韻が残っている感じで寝付けそうもなかった。
「・・・・洗面所行こ」
私はベッドから気だるげに体を起こした。

夜は、いい
静寂に包まれて、世界は眠るのだ
私の足音が、一人ぼっちに、ヒタヒタヒタヒタと


「全く、こいしは何時になったらあなたに飽きるのかしら」

不意に、お姉ちゃんの声がした。



なんで

お姉ちゃん??

「本当だよ・・・全く毎日毎日疲れるんだ」
「ふふふ・・馬鹿よねあの子も・・・・それより、前教えたことちゃんと守ってる??」
「・・・ああ、あの子の前で変な考え事をしちゃいけないんだったね。大丈夫、ちゃんとそうしてるさ」
「なら良かった・・・」
「それより、挿れていいか?もう君の体を目の前にして我慢できないんだよ」
「ふふふ・・・仕方のない子・・・」

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

確かにこいしと言った!!!
こいしと言っていない筈がない!!!
何故ならこいしと言ったのだから!!!
言っていないとおかしい!!!!!

あの男は愛していると言った!!
私を!!!お姉ちゃんではなく私を!!!!




その後の事は覚えていない。
気が付いたら、男の人が私を起こしに来ていた。


「ねぇ・・・」
「?」
「・・・具合、大丈夫・・・かな・・・」
「心配してくれてるのか??」
「・・・だって・・・それは・・・」
「はははは・・ありがとうこいし。俺は大丈夫だよ。最近疲れが取れなくてさ・・」
「何に疲れるの・・・?」
「え??」
「あっ、何でもない!!気にしないで♪」

心を読んだ。
何も考えていない。
読ませろ。お前の心を読ませろよ。読ませろ読ませろ読ませろ読ませろ読ませろ・・・
「こいしっ!!!」「お姉ちゃん・・?」
お姉ちゃんが私の方へ走って来る。
「ちょっと来なさい」「ぇ・・・」「いいから」
お姉ちゃんは私の腕を無理やり引っ張って男の人から距離をとった。

「こいし、今あなたが何を思ったかわかってるの?」
「え・・・・?」
「あなた、私達が何で忌み嫌われているかわかってる?」
「・・・それは、人の心が読める・・・から」
「・・・・・・・。」
「あの、お姉ち」「こいし、暫くあなたはあの人に会っては駄目よ」「へ・・・?」

それは、余りにも強引な理由付け。。。。

「わかったわね、こいし」
「なんでっ、なんで!!!???私何もしてないよ!?どうして!!??」

お姉ちゃんの背中が遠くなっていく。
遠く。遠く。



「暫くこいしにあなたに会わないように言ったわ」
「ありがとう・・これで毎日君と・・・」
「んっ・・・駄目よ・・そんなところ・・・」

私は無言で部屋の前に居た。

「・・・あの子さえ居なければ、君とずっと居られるのに・・」
「ふふふ・・・全くよね。あの子、あなたを見つけたからって調子に乗りすぎだわ。」
「本当だよ、いつも一方通行の愛ばっかり・・・・あの子が覚り妖怪じゃなくても忌まわれるよ」
「・・・私は・・・?」
「・・・・君は、俺の・・」
「んっ・・ぁ・・」


私が男の人に会うのを禁止されてから一週間がたった。
一週間前の私とは一つ違う点がある。
お腹が、膨らんだのだ。
そう、妊娠。
一種の生命の起源が私の子宮で起こっている。
男の人と私のDNAを引き継いで、確かに鼓動している。

これなら、あの男の人が私の許に還ってきてくれるかも知れないとう一種の期待を抱いていた。

「お姉ちゃん」
「なに、こいし」
一瞬軽蔑の視線を感じたけれど、私は思い切ってきりだした。
「私ね、あの男の人の赤ちゃん・・できたの」
お姉ちゃんは顔色一つ変えずに言った。
「おめでとう」
「え・・・・?」
私の予想を反する態度だった。
「もうあの人は知ってるの?」「いや・・・まだ・・・」
「早く言いに行きなさい」
お姉ちゃんの顔に笑顔が張り付いている。取れないよ・・・。


「・・・あのっ!!」
「あ。こいしちゃん」
「・・・・・実は・・」
「もう。俺に会っていいって言われたんだ。良かったね」
「・・・あなたの赤ちゃんが・・」
「・・・・・・・」
「その・・・」
「そうか」
そう言って男の人は踵を返した。
「待って!!!」私は無意識に叫んでいた。
男の人は一瞬だけ歩みを止めて、そのまま歩いていった。

「君なんてどうでもいい」と、言い放って


そう、お姉ちゃんはあの男の人が私じゃなくてお姉ちゃんを選ぶって最初から判ってたんだ。
そうだよね。
昔からお姉ちゃんは私の味方だと思っていたのに、なんだぁ。
私はそっと自分のお腹を撫でた。




「さて」

「美しい時間を始めましょう」



「こいし!!!」
お姉ちゃんが私に向かって叫ぶ。
お姉ちゃんは椅子の上に座らせた形で縛りつけてある。
男の人は、ベッドの上に寝かせ、四肢を鎖で繋いだ。
「なんのつもりなの!止めなさいこいし!!」
私は男の人の上に跨った。
「こいしちゃん・・・・」
男の人は怯えた表情で私を見上げた。
私は無言で持ってきたナイフを男の人のお腹に突き刺した。

「      」

何か叫んだであろうが、私は何も聞こえなかった。
私は男の人に顔を近づけて優しく言った。
「私のこと、好き??」
男の人は首を縦に大きく何度も振った。
心は、恐怖でいっぱいなのに、私を愛してくれてるなんて・・・
そんな愛、美しくないわ
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!」
「止めてこいし!!止めて!止めなさい!!!!」

「あなたの怯えた顔・・・会った時以来ね・・ふふふ」
「ぅ・・・あ・・・許してくれ・・」
「許す??何を??私はなーんにも怒ってないよ??」
「愛してるから・・こいし・・・」
「こいし、お姉ちゃんからもお願い・・・だから、ね??」

「・・・・」

「きゃはははははははははははははははははははははは!!滑稽だね!!私が何に怒ったっていうの?私は何にも怒ってないよ??なんで私が悪者みたいに扱われなくちゃならないのかなぁ??おかしくない?それっておかしくない??おかしいよね?おかしいでしょ!!!」

私はナイフを高く振りかざした。

「お前、お姉ちゃんを犯したな」

私はそう言うと、その男の人を去勢してやった。
取ったものは汚らしかったから弾幕で何回も目の前で破壊してやった。
もっとも、男の人は失禁していて見えてなかっただろうけど。

私は何度も何度も男を切りつけた。
胸を開けて、心臓を御開帳。
ああ、生命の源だわ。
ああ、こんなにも小さいものなのね。
一匁。たったあなたの命の価値は一匁なのね。
あぁ、なんとも残酷なことでしょう。


「こいし・・・・」

男の人は死んだ。
お姉ちゃんが静寂をきった。

「お姉ちゃん」
「ひっ・・・!?」
「見て、この男を殺したよ」

もう私は何がしたいのだかわからなくなってしまった。
もう、誰の為に
誰を信じていたのか
誰を憎んでいたのか


「・・・あ」

不意に私は思い出した。
そう、私は妊娠しているのだ。
妊娠!!そう、あの男の赤ちゃん!!!!


ああ
今は何を思っていのかな
私も昔そうだった
羊水に浸かってぷかりぷかり
あぁ、DNAは果たして受け継がれるのだろうか
この子は私みたいに・・・・

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

私は狂喜した。
あぁ、まだ残ってた!!
アイツの遺伝子!!
削除しなきゃ!!
私を犯したDNA。お姉ちゃんを犯したDNA。
あぁ、それはなんとも罪深い事でしょう。

「ぐっ・・・!!」

私はお腹にナイフを刺した。
多量の血が服に滲む。
「こいし!?何やってるのよ・・・!?」
「ふふふ・・・ひひっあっはははははははははははははは!!」
私はぐちゃぐちゃとお腹を切り開いた。
焼けるような痛みで私の頭は真っ白になる。
痛い痛い痛い。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ痛いよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、っく、ははははははははははははきゃははははははははははh!!!!」
私はお腹をどんどん開いていく。
やがて、グロテスクな生物が見えた。
私の赤ちゃん。

「こんにちは」

「私古明地こいし」

「あなたのお母さんよ」

「お父さんはさっき死んだの」

「ねぇ」

「今どんな気持ちなの?」

「あなた、生まれてこないほうが良いわよ」

「この世は汚い事ばかり」

「何にも得しないの」

「愛」

「私、愛になりたいの」

「だから、私あなたを愛する」

「愛ってなにかな」

「何も信じないよ」

「だって私、みんなのこと愛してるもん」

「さようなら」

「あなたは私」



ザクッ・・・



「やったああああああ!!!もうあの遺伝子使えない!!消えた消えたぎゃはははははははは!それは一種のエゴで私はみんなのお母さん!!あははははははは、あは、あーっははははははははは!!!」





「こいし?」


「どこに行ったのこいし?」
私はここだよ
「ふざけてないで出てきてよ・・・」
お姉ちゃん??
「・・・・・」
私はここ。




気がつくと私は羊水の中に浸っていた

深くて息をすると苦しいのに心地が良い

心が何かに恋焦がれているのかしら?

ふふ、私、古明地こいし

いつまでもこうしていたいわ

ずっとこの羊水(海)に浸っていたいの

また、会いましょう
なんか新参です。
ごめんなさい。本当に。
どうでもいいけどこいしちゃん大好きなんだ。本当に。
あああああああああああああああああああああああああああああこいしちゃんカワイイよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


誰か助けてこの馬鹿
作品情報
作品集:
14
投稿日時:
2010/04/17 02:37:38
更新日時:
2010/04/17 11:37:38
分類
パンツ
こいしちゃん
バナナ
新参なんだ。ごめんね
お腹すいた
1. 名無し ■2010/04/17 12:16:30
こいしが好きなのは分かったから落ち着け
2. 名無し ■2010/04/17 15:31:09
これは期待の新参者
3. 名無し ■2010/04/17 18:47:07
4. ■2010/04/17 20:40:34
めがっさ有難う
5. ウナル ■2010/04/17 21:31:31
信頼していたからこそ、絶望は深い。
こいしちゃんはピュア過ぎたのだろうか……
6. 名無し ■2010/04/18 02:06:31
さとりちゃんも隣で失禁してますね
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