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『些細なことか大きなことか? 前編』 作者: ギョーザ
ある日のこと、下っ端哨戒天狗こと犬走椛は山を駆け訓練に励んでいた。
「疲れたなぁ〜」
そう言って地面に座りこみ額の汗を拭く。
「椛、こんなところにいたんですか。探しましたよ」
椛が上を向くと、写真機を首からさげた少女―射命丸 文が立っていた。太陽を背にして立っているので表情がわからない。
「これから私に付いてきてください」
「何故ですか?私はまだ訓練が終わってませんが?」
またか、と心の中でため息をつく。射命丸はいつも狙ったかのように訓練中にやってきては、どうでもいい用事を言いつけてくるのだ。
無論、天狗の世界は階級社会であるため断るわけにはいかなかった。
「そんなこと言わないで、とにかく付いてきてください。訓練なんて用事を済ませてからすれば良いじゃないですか」
剣を踏みつけていることを気づかずに射命丸は能天気にそんなことを言っている。
――ふざけやがって。てめぇと違ってこっちは忙しいんだよ。それに剣を踏むんじゃねぇよ。
椛は今にも射命丸の首筋に噛み付いて、自慢の犬歯でその首を噛み千切ってやろうかと思ったが、堪える。
「ん?あやややや。剣を踏んでいました。申し訳ないです」
射命丸が剣を踏んでいたことに気づき、謝罪したのでとりあえずは許してやろうかと思ったが、次の一言で、頭の中の何かが音を立てて切れた。
「でもこんな剣、壊れても私が買いなおしてあげますよ。こう見えても結構お金持ちなんですよ〜」
――ッ!それは我が犬走家に代々伝わるッ・・・どんなに家計が苦しいときも絶対に質に出さなかったのにッ!それをこうも簡単にそんなことを言うとは・・・いくら代々伝わることをてめぇは知らないとはいえ、大事な剣をそのように愚弄するかッ!
頭の中で切れた線はほかの線とぶつかりショートし、椛の思考をほんの少しおかしな方向に向わせた。それも冷静に。
――上の者と堂々と暴力沙汰になるのはご免だな・・・ならば・・・
「わかりました。付いて行きましょう」
「やっぱり椛は頼れますね、下っ端なのに」
――はッ。いつまでもうやってられるかな・・・
用事を済ませ家に帰るなり椛は明日からの計画を立て始めたのだった。
ども。新参者のギョーザと申します。稚拙かつグダグダですが見てやってください
この話は前編後編に分けて進めることにします。
人間(天狗?)関係って簡単なことで崩壊しちゃいますね
怖いです
>>1 あんまし期待せずに待っていていただければ幸いです。
>>2 すいません。後編の方を長くしたいと思います。
>>3 怒った姿が想像しにくい分恐ろしさが倍増しますよね。
ギョーザ
作品情報
作品集:
15
投稿日時:
2010/04/29 08:37:05
更新日時:
2010/05/04 21:42:37
分類
射命丸
椛
前編は短いです
続きに期待させていただきます
しかしこの椛口調からして相当溜まってますねw
続き待ってますが、椛怖いです。