東方惨劇録 Episode1 第５話　【グロいのか？】

殺されたくなかったら、殺しなさい・・・。












＊紅魔館・廊下＊
「ものすごい静けさですね・・・」
「・・・」
早苗と文は、紅魔館内のとある廊下を歩いていた。
館内の地下室へ向かうために。

地下室に近い廊下にたどり着く。
「・・・？」
早苗は異様なモノを感じ取った。文も同時に。
「なんか・・・焦げ臭くないですか？」
文は振り向いた。
「・・・確かに・・・。なにかおかしいですね・・・」

「・・・！！」
地下室につながる、廊下にあるドアから、煙が立ちこめてきた。
それも、膨大な量であった。
「・・・これは・・・」
「判ってます・・・ただ事じゃないです・・・！！！」
２人は先を急ぐことにした。

ドアノブに手をかける。
「覚悟はできてますよ？」
早苗は自信ありげに言った。
「私もです」
文は応えた。
ドアノブをひねり、ドアを勢いよく開けた。
その瞬間、ものすごい量の黒煙が流れ込んできた。
「・・・危険すぎますッ！！」
しかし文は動じない。
手持ちの葉団扇で、目の前の黒煙を薄くした。
「早苗さん！！また、煙が元に戻らないうちにッ！！」
「はい！！」
「それと、何か水を持ってきておいてください！！」
「判りました！！」
早苗は戻り、厨房あたりに水をとりに行った。
文はそのまま、地下室の奥へと進んで行った。



＊紅魔館・厨房＊
「水・・・あった！！」
早苗は、料理に使うと思われる、大きい鍋に水を汲み、再び地下室へ戻った。


＊紅魔館・地下室＊
「フランドールさん！？無事ですか！？いますか！？」
文は急いでフランドールを探し出す。
「はっ・・・！！」

文の目の前に、炎に包まれている１人分の影を見つけた。

「フランドールさん！！？」
炎に包まれているフランドールは、既に動かなくなっていた。
フランドールの心臓には、ナイフが１本刺さっていた。
「さ、早苗さん！！早く来てください！！」
その時、早苗がどでかい鍋を持ってやって来た。
そして、勢いよく、火だるまになっているフランドールにかけた。

火は燃え広がらず（てか広がるモノがない）に、すぐに沈下された。



「これは・・・」
文は死体（フランドール）を確認した。
死体の体に、何回も刃物で刺されたあとがあった。
文は早苗に向き直った。
「おそらく、死亡の原因は何回もさされたことではなく」
「・・・」

「心臓をこのナイフで刺したことでしょう・・・」

「だとしたら、咲夜さんが怪しくなってしまうのでは・・・？」
「いえいえ、ありえません」




＊魔理沙のいる客室＊
「落ち着いた？」
「ああ・・・」
霊夢は魔理沙をなんとか落ち着かせた。

「で、お前はそうして助かった訳だな」
「そう・・・」
「だとしたら？」
「咲夜たち３人は殺し損ねたことになるわね・・・」
「だろうな・・・」



＊フランドールの死体が発見されたあとの、厨房＊
「ねえ？危ないよ・・・ここはやめとこうよ」
「レイセンは臆病だな・・・」



現在、午後１１時４５分。
『祭』の終わりまで、残り４時間１５分。