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『第二次地霊異変』 作者: 原価計算
ここは地霊殿。
ある日、古明地さとりがいつものようにリビングで紅茶を飲んでいると、博麗霊夢、霧雨魔理沙、東風谷早苗の三名が襲撃してきた。
彼女らはマスパで門扉をぶち破り、殿内を破壊しながらリビングまでやって来た。ペットたちは皆何処かへ逃げてしまった。
「こんばんは^^」
早苗はにこにこしながら言う。
「ったく、アンタら建物壊すなっつったでしょ」
霊夢は不機嫌に呟く。
「まあまあ、報酬はたんまりいただけるんだ、細かいことは気にスンナよ」
魔理沙は嬉しそうに語る。
さとりは訳が分からなかった。なんでこの三人がやって来たのか。
なんで私に近付いて来るのか。それぞれが、明らかな殺意を瞳に宿しながら。
「そういえば、他の家畜共がいないわね。あと妹の方も」
霊夢は立ち止まって後ろの二人に言う。
「そうだな。じゃあ、私が探してヤッておくぜ」
魔理沙はそう言うと、箒を肩に乗せて部屋を出た。
・・・ヤる?どういうこと?
さとりは話についていけない。ここにさとりが居ることなど構わず、なにかとんでもない話をしていることは分かった。
「・・・ちょっと、アナタたち。一体どういうつもりかしら?ここは私n――」
バキッ!ぐしゃぁ。
「げへぇ!」
座っていたソファから吹っ飛ぶ。視界が反転した。側頭部に激痛。思いっきり殴られたらしい。
さとりは体を起こすと、敵意を向けて叫んだ。
「なッ・・・っにをするんですか!」
言いながら違和感を覚えた。
(・・・心が読めない?)
第三の眼を凝らして見ても、彼女らの心には何も映らなかった。
さとりの怪訝な表情に気付いたのか、可笑しそうに霊夢は言う。
「あぁ、そういや言ってなかったけど、屋敷の周りに結界張ってるんだわ。その中にいる妖怪は能力を使えナーイ☆」
「えっ!?」
想起を繰り出そうとしてみるが、発動しない。本当に能力が封じられている。
「どうしてこんな酷いことをするんですか!?」
さとりは泣きそうになりながら言う。
「依頼があったからよ。前、アンタんとこのペットが異変起こしたでしょ?解決したけど、その後、騒ぎが人里まで広がっちゃって、住民たちから退治依頼が来たのよ、『地霊殿の公害妖怪を皆殺しにしてくれ』ってさ。報酬は凄く良いし、紫たちも黙殺してるから、じゃあ殺るかってね♪」
博麗の巫女は笑いながら言う。
「まぁ、そういうワケなんで、私たちの晩御飯のおかずの為に死んで下さい^^」
早苗はにこやかに言う。
「いきなりそんな理不尽なこと言われて、ハイそうですかで終わる訳ないでしょう!」
さとりはそう言いながら立ち上がると、壁際まで歩いた。
「それにアナタたちはひとつ、根本的な誤解をしている」
白塗りの壁に手を掛けると、指でなにかをなぞった。すると、小さなスイッチのような出っ張りが壁から生えてきた。
霊夢は余裕の表情でさとりを見ていたが、
「アナタに、私は、殺せない」
そう言ってスイッチを押したさとりの、勝ち誇ったような笑みを見た瞬間、
「下がれッ!」
叫んでバックステッポした。
一秒前まで霊夢が立っていた床には、大量の剣山が生えていた。反応できなかった早苗は、血液をこれでもかというほどに撒き散らしていた。肛門から貫通し、頭蓋を割って頭に剣が生えていた。大きな穴が開いた腹から、よく分からない赤黒い臓器がぼてっと落ちた。
霊夢は、搾りたて生早苗ジュースが零れている床を嫌悪感をむき出しにして眺めながら、霊符を腋から取り出した。
「おいィ?足手まといになるなら来んなって言った筈なんだが?」
そう言うと霊夢は、さとり目掛けて弾幕を放つ。
「ッ!」
さとりは辛うじてこれを避けると、反対側の壁に向かって走り出した。
「チッ、まだトラップがあんのか。Virgin cockroach(ゴキブリ乙女)!」
霊夢は叫びながら、スペルカードを掲げる。
「今日の私は、ルナティック!――神技『八方龍殺陣』!!」
霊夢、スペルカード発動。
大量の弾幕が展開される。霊夢を中心に円を描きながら拡がって、リビングの床や壁を削り取っていく。
対するさとりは、裏口からリビングを抜ける為、足をもつれさせながら走る。背後から迫る極彩色の弾幕を必死で避ける。
ガガガガガガガガガガガガッ!
グレイズしながら、どうにか扉に辿り着くと、蹴破って出ようとした。
しかし、開くこと能はず。いきなり外側から扉が蹴破られ、激突して吹っ飛んださとりは霊夢のスペルに飲み込まれ、消し飛んだ。
扉から出てきたのは、古明地こいしだった。
「お姉ちゃん!大丈夫!?死んでない?・・・ってうわッ!」
彼女は目の前に迫り来る弾幕群に驚いた。あとさとりのサードアイが落ちてるのも見つけた。
「お姉ちゃん!死んじゃったの!?いやあああああああぁあああぁぁぁ!!!!」
こいしは発狂した。
「このクソ巫女!お姉ちゃんを殺しやがって、絶対許早苗!」
こいしは泣きながらスペルカードを発動した。
「――表象『夢枕にご先祖総勃ち』!! 」
AV男優みたいなのがいっぱい出てきて、霊夢をれいぽぅした。霊夢はショックで死去。
ちなみに魔理沙は普通におくうにフュージョンされて死んだ。
魔理沙(笑)
ちなみに霊夢が死んで色々ヤバくなって幻想郷は壊滅した。
これが後に「第二次地霊異変」と呼称される幻想郷有史以来最悪の異変の詳細である。
――十代目稗田阿籐編纂「幻想郷縁起」より抜粋
そしてキャラリセット、新シリーズへ・・・。
ちなみに稗田阿籐は10代目だからこんなんかなと適当につけました。すいません。
>>荷重さん
報告ありがとうございます。バックステッポはネタなんで、残しておきますね
原価計算
- 作品情報
- 作品集:
- 15
- 投稿日時:
- 2010/05/02 03:57:19
- 更新日時:
- 2010/05/02 17:36:55
- 分類
- 地霊殿
- さとり
- こいし
- 霊夢
- 魔理沙
- 早苗
誤字報告に来ました。
その1
バックステッポ=バックステップでは?
叫んで、バックステッポのとこです。
その2
即頭部=側頭部ですよ、多分。
さとりんの、げへぇ!の後です。
これからも頑張って下さい。
早苗の死にっぷりとやり取りのカオスさが素晴らしかったです
あとにふきましたww