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『スター☆にゅー☆ワン』 作者: うらんふ
東風谷早苗は現人神である。
あがめられ、たたえられ、畏怖をされ。
信仰を一身に集めた早苗は・・・当然の結果、傲慢になった。
「まったく、この世の中なんてくだらないわね」
そう言いながら、檀家の香霖堂から「これ、お布施ね」と無理やり奪ったバイブレーターをうぃんうぃんと動かしていた。
と、その時。
突然、もわっとした白い煙がバイブの先から噴出したかと思うと、煙の中から可愛らしい女の子が現れたのだ。
普通の人間ならこういう場合びっくりして逃げ出す処だろうがそこはさすが現人神の東風谷早苗は格が違った。
「何よ」
と動じることもなく女の子を見つめると詰問したのだ。
「あなた、誰?」
「私はレミリア。偉大なる吸血鬼である」
「ふーん。で、その偉大なる首領様がどうしてこんな薄汚いバイブの中なんかに封じ込められていたの?」
「運命よ」
「都合のいい言葉ね」
やれやれとため息をつく早苗。そんな早苗を見ながら、レミリア、と名乗った吸血鬼は腰に手をあてて言った。
「よく私を封印からといてくれた。お礼に、3つの願いをかなえてあげましょう」
「出来るの?」
「もちろん」
早苗は考えた。
普通の奇跡程度のことだったら、別にこんな吸血鬼の力なんて借りなくても出来る。どうやらこの吸血鬼の言っている言葉は本当のようだ。どうせなら、突拍子もないことを頼んでみることにしよう。
「あなた、吸血鬼よね」
「いかにも」
「幻想郷の王ともいうべき存在よね」
「まさに」
「なら」
早苗は笑った。
「私を、世にも恐ろしいものにしなさい」
「・・・?」
「聞こえなかったの?私を、世にも恐ろしいものにしなさいと言ったのよ!」
ここでも早苗は傲慢だった。
こんなに偉い私なのに、里の人間たちは、いまいち自分に対する恐れが足りないような気がするのだ。
天罰を与えてやらなければならない。
しかし、早苗自らが天罰をおこすと、結局自分が恨まれてしまうだけだ。
ならばこの「運命を操る」吸血鬼に頼んで自分を「世にも恐ろしいもの」に変身させてもらい、里の人間どもをさんざんなぶって楽しむことにしよう。
どうせ願いは3つもあるのだ。1つくらい、自分の楽しみに使った処で罰は当たるまい。
「世にも恐ろしいものねぇ・・・」
レミリアはうーうーと考えていた。
その光景を見て、早苗はいらいらがつのる。
「もう、馬鹿ね。本当にあなた馬鹿ですね。世にも恐ろしいものの想像もつかないの?本当に馬鹿ね」
「わかったわよ」
レミリアはほっぺをふくらませたまま、むにゅむにゅと呪文を唱えた。
「テクマクマヤコンテクマクマヤコン、世にも恐ろしいものになーれ!」
ぼわん。
煙が立ち上り、早苗は大きな十字架の姿になった。
「きゃー!恐ろしい!なんて怖いんでしょう」
レミリアはぶるぶる震えてその場にしゃがみこんだ。カリスマガードの態勢だ。
「1つ目の願いはかなえたわよ。さぁ、早く2つ目の願いを言いなさい」
十字架はしゃべらない。
「ないの?」
十字架はしゃべらない。
「うー。こんな恐ろしいものの前に長くいるなんて無理。咲夜ー!助けてー!」
レミリアは怖くなってそのままバサバサ逃げ出してしまった。
あとには、何もしゃべれない十字架だけがぽつんと残された。
おわり。
作品情報
作品集:
15
投稿日時:
2010/05/06 02:58:34
更新日時:
2010/05/06 19:45:22
分類
レミリア
早苗
3っつの願い
願いを叶える主がレミリアであることを考慮すべきだったな、早苗さん
「やめろー!レミリアー!ぶっとばすぞー!」
というシーンが目に浮かんだ
オチいいなー
基盤になる設定がカオスですがw