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『題迷未定〜此処は何処と飛ぶ反魂蝶〜・四』 作者: シ骸中尉

題迷未定〜此処は何処と飛ぶ反魂蝶〜・四

作品集: 15 投稿日時: 2010/05/06 08:40:42 更新日時: 2010/05/11 17:25:16
愛に形や定義は必要ない。
自分が"愛"だと認識できるモノこそが、真の愛なのだろう。
それが例え、歪んで狂っている“愛”でも。

「愛に形は無いよねゆゆ様」
「貴方には愛すらありませんわ中尉」

大好きだよゆゆ様。

「あぁ、やっぱり君は可愛いよゆゆ様」
「嬉しいわ、中尉」

愛しているよゆゆ様。

「でも、種族の違いはやっぱり越えられない壁なのだろうかね」
「そんな事無いわ。愛し合っていれば、その壁はきっと越えられるわ」

嬉しいよゆゆ様。

「今日も愛し合おうじゃないか幽々子」
「そうね、今日も愛し合いましょう。"中尉殿"」

愛おしい幽々子、愛くるしい幽々子、可愛い幽々子、素晴らしい幽々子
美しい幽々子、狂おしい幽々子、皆愛してる。
例え世界が君を拒絶しても、例え君が忌み嫌われていても、
俺だけは君を愛してみせる。
だから君をあまり強引に抱かない、だから君を奴隷のように扱わない、
だから君を――――――――――――――――――











愛してる。











それは他人から見れば蛇か蛞蝓(ナメクジ)の交尾のような光景だった。
狂暴過ぎるエイグリッドと、壊れた反魂蝶が抱き合っているからだ。
手足を絡ませ、口を口で塞ぎ合い、布団で躯を押し潰させて、
更にお互いを求め合う、お互い手に入れることのないモノを。
“中尉”は自分が幻視する幽々子からの愛を、
西行寺幽々子は既にこの世に居ないだろう魂魄妖夢を。

歪み過ぎたこの街で、歪み過ぎて一線を越えすぎた愛を育む二人、
その姿はやはり、お互いに縋りついているようにしか見えない。

君と外に出るときはやっぱり“おめかし”しないと駄目だ。
俺はSS隊員でもないのに何処かで買ったその軍服を着て、
君はその素晴らしい出来の良さの死装束を着て、更にシンプルな黒い首輪を装着する。
うん、やはり似合っている。違和感ゼロだ。
後は首輪に紐を付けて・・・完璧だ。

いや、“完璧”なんて存在しない。してはならないんだ。
何故ならそれの完璧の“向こう”は無いからだ、進みようがない。
だから完璧なんてやたら作ってはいけない。
俺と君の愛も、まだまだまだまだ完璧じゃない。

“お互い”完全に壊れてこそ、完璧な愛が育める事が出来るんだ。

「今日は散歩日和ね」
「そうだねゆゆ様。たまにはこんな“天気”もいいな」
この街としては珍しく、今日は晴天。
いつもは雨か曇りが続くこの街なのに、今日は本当に珍しく晴天。
だから久しぶりに外に出る事になったのだ。


そういえば、君と出会ったのもこんな天気だった。


壊れた視線をショーウインドーから見せているその姿。
値下げが続いて、元値の50万からたった数万円にまで落ち込んでいたのに、
元値で買ったあの日の事。
守矢インダストリーのいやらしい社員の笑みが、一瞬で動転した表情へと変貌したあの様。
そしてすれ違った、東風谷早苗。
たかが金でよじ登っただけの売女のビッチの癖に、
この間“仕事”で食事会中に、馴れ馴れしく擦り寄ってきて
「そろそろあんな亡霊では飽きてきたでしょう?」なんて
言ってきた時にはその場で殺してやろうかと思わせてくれるくらいのウザさを
見せてくれたあのゴミ屑巫女。

いつか殺してやる。チェーンソーでバラバラに切り刻んで、
首以外百等分くらいグチャグチャに刻んでやりたい。
そして会社の机に首だけ置いておくのさ。

でも“いつも”みたいにその後の食卓に並ばない。
あんなもの君に食べさせたら毒だから。
君はあんなゴミ屑巫女や守銭奴巫女に比べると格段に純粋で純潔で美しいから。



「まずは何処に行こうかゆゆ様」
「カフェでパフェやプリンアラモードを食べに行きたいわ中尉」
「じゃあそこにしようか」
「そうしましょう」
俺と君は歩く。
こんな天気なんだから、もっと愛し合おう。

「愛してるよゆゆ様。これは本音」
「私もよ、殺してやりたいくらい。これは冗談」
ピースウォーカーとかぶっ壊してたら時間があっという間に過ぎていきました。
何と言う芸術。
後メタルギアジーク硬すぎんだよ犯すぞ。

どうも、長文を書くとどうしても上手く締めを書けないシ骸中尉です。
ええ、早苗死亡フラグです。

幽々子との歪んだ愛の物語は、まだまだ続けさせる予定でいます。

5/11コメント返信
>>1
ゆゆ様の前では全てが万華鏡のようになるのかもしれません。
>>2
美しき混沌...もっと煌く様に、もっと美しく混沌を広げるように頑張ります。
>>機玉氏
私の「愛」は常識で知られる「愛」とは違うかもしれませんがw
シ骸中尉
作品情報
作品集:
15
投稿日時:
2010/05/06 08:40:42
更新日時:
2010/05/11 17:25:16
分類
題迷未定シリーズ
西行寺幽々子
歪愛
1. 名無し ■2010/05/06 20:28:48
おお、歪みがまるで万華鏡のように煌めく・・・
2. 名無し ■2010/05/06 20:38:29
美しき混沌とはこの事か……いやはや、お見事です
3. 機玉 ■2010/05/09 01:00:10
愛っていいですね
ここまで愛せる相手がいるのは素晴らしいことだと思います
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