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『ゴシップ/Welcom to AIDS world』 作者: sako
あるいはそれは一部の者には見慣れた光景である。
山中。夜露に蒸れた落ち穂。腐り、黴の苗床になり、馬陸や竈馬の隠れ家となる其れ。それを床に姫海棠はたては身体を横たえていた。
虚ろな瞳。乱れた髪。落葉や枯れ枝が張り付いている身体。目の周りには痣が、口端からは涎と共に血の乾いた痕が残り、左の腕はあらぬ方向へねじ曲がっている。そうして…下半身。馬にでも乗るように開かれたそこはかつてスカートと呼ばれていた腰布が巻き付いているだけで何も身につけていない。露わになっている白い尻には平手打ちの痕が見られ、残酷に口を開けている女性器からは痛ましい赤と穢らわしい白濁が入り交じった液体が零れている。
明らかに乱暴された後―――誰もが目を背ける凄惨な光景、をはたては晒していた。
と、
―――パシャリ
その身体を強い光りが照らす。
時刻は夜。日の光ではない。そして強い光りは星々の瞬きでもなく、分厚くたちこめる雲海の向こうに月は遠い。
―――パシャリ
また、閃光。人為的な輝きに薄闇の中のはたての身体が映し出される。
―――パシャリ
三度目の閃光で緩慢な動作ではたての首が動いた。
「………だ、誰?」
しわがれたか細い声。どれだけ泣き叫べばはたての鈴を鳴らしたような声がこうも変わり果ててしまうのだろうか。凌辱の凄惨さを物語っている。
「あ―――起きましたか。まぁ、寝起きに一枚」
―――パシャリ
四度目の閃光ではたての意識は完全に覚醒した。間近で焚かれたフラッシュの光りに目を細める。
「っ―――この声。何撮ってるのよ文ッ!!」
そうして、状況を把握。闇の向こう、自分に向けられたファインダーを覗き込む烏天狗の同僚、射命丸文へ向けて怒声を放つ。
「何って…婦女暴行の現場ですよ。ほら、レイプ犯に憎悪を向ける顔って事でもう一枚」
―――パシャリ
とは行かなかった。シャッターを切ろうとしたところではたてが文に向けて手近に落ちていた石を投げつけてきたからである。慌てて、回避する文。
「もぅ、危ないですね。レンズに当たったらどうするんですか!」
「冗談ぬかしてんじゃないわよ! 何…何を勝手に撮ってるのよ! こんな…こんな私の…」
嗚咽。枯れ果てたと自分では思っていた涙をまた流し、憤怒と悲哀に顔を赤く染めるはたて。指を毛がするのも厭わず落ち穂や枯れ枝を握りしめ、打ち震える。
「まぁ、写真撮ったのは冗談ですよ」
口をとがらせ、そっぽを向いて弁明めいた言葉を口にする文。カメラの蓋を開き、収められていたフィルムを引っ張り出し、ケースに巻き取られたそれを延ばし、ネガを駄目にする。
「ちょっと遅れましたけど大丈夫ですか」
カメラをバッグになおして少し声のトーンを柔らかく、文ははたてに安否を気遣うような言葉を投げかける。返ってきた言葉は五月蠅い、だったが。
「何が『大丈夫ですか』よ。見てわかんないの!? 私、手ぇ折られてんのよ! 殴られたし…口の中も切れたし…それに…それに…」
語尾は森の静寂の中に消えていった。うつむき、涙の雫を漏らすはたて。目はあけられなかった。目を開けていれば…嫌でも自分の無残な性器を眺めることになってしまうからだ。
「あやや…取り敢ず、医者に行きましょう。幸い、いい医者を知っていますから」
嗚咽に耳を痛めながらも文ははたてに歩み寄り、その肩に手を触れようとした。
「触らないでよ! 私はぁ…私はっ!!」
「私の真似なんてしないで念写した写真で記事を書いていればよかったんですよ。いくらスクープだったからって」
「ふ、フン。悔しいんでしょ。私に先を越されて」
文の腕を振り払い噛み付く勢いで怒鳴るはたて。精一杯ねつ造した勝ち誇りの笑みを浮かべて、文に視線を向ける。
ポケットをまさぐり、仕事道具を取り出そうとする。
「ほ、ほら、この中に外から来たっていう悪漢の写真が…私が身を張って取材した結果が………あ」
「…壊れてますね、それ」
ポケットから取り出したはたての念写機能付き小型カメラは折りたたみのジョイント部分でぽっきりと折れていた。
あわててはたてが操作するがカメラはうんともすんとも言わない。砕けたプラスチックを纏め、飛び出た配線を元に戻そうと中に詰込んでみたが、動く気配はない。もとよりディスプレイには大きな亀裂が入り、何も写せないようになっていた。
「あ、あ、あ…私のカメラが…」
血の気を失せさせた、絶望の表情。
それは先刻、悪漢に胎で果てられたときに感じた絶望と同種のものだった。
はたては打ち震えたまま手の中の壊れたカメラに視線をずぅっと注ぎ続けていた。嘆きの、その瞬間のまま時を凍らせたように。
「はぁ、まぁ、壊れてしまったものはしかたないですよ。とっとと医者に行きましょう」
「――――――――――――――――――――――」
返事はない。気絶したわけではなさそうだが、精神が限界に達しているのだろう。軽く肩を揺すってみてもはたては何の反応も返さなかった。
文は仕方ないですねぇ、とため息をつくと大丈夫な方のはたての腕を自分の肩に回し、そのまま彼女を立たせた。このまま永遠亭まで運ぶしかなさそうだ。
「腕以外は大したことないみたいね」
場所は変わって永遠亭。はたては八意永琳に治療を施された後、検査を受けていた。
「まぁ、二週間ほどうちで安瀬にしていれば大丈夫でしょう。腕の方も、非道い折れ方はしていないみたいだし」
「そっか…よかった」
永琳が処方した精神安定剤の効果もあってだが、その頃にはもうはたては我を取り戻していた。格好も永琳が用意した入院着を来ており、身体の方もすっかり綺麗にしてもらっている。頬に張られた絆創膏や腕に巻かれた包帯が痛ましさを想像させるが、先ほどのあの凄惨たる様に比べれば相当、マシになっている。
「ところではたてさん、今のお気持ちは? 自分をレイプした卑劣な男についてはどう思われます? やはり、極刑を望みますか?」
そこへ、検査が終わったのを見計らって文が腰を低くしながら近づいてきた。メモを片手に、ペン先を舐めて食い入るような視線をはたてに向けてくる。
「っ、文! なんでここにいるのよ! 帰ったんじゃなかったの!」
「いやいや、不肖。せっかく助けたレイプ被害者を放っては帰れませんよ。かっこうのスクープのネタですのに。あ、治療中は暇だったのでてゐさんに最近、巷で流行のウサウサ詐欺について訪ねてました。胸を痛めていたようです」
「知らないわよ、そんなこと!」
「といううか多分、それの犯人はうちの因幡よ。きっと」
ははぁ、それは有力な情報を頂きましたありがとうございます永琳先生、と頭を下げメモを取る文。あきれ顔の永琳と憤りに震えるはたての対比が診察室の空気をカオスにする。
「ああ、それと、姫海棠さんに乱暴したっていう悪漢だけれど…死んだそうよ、もう」
「えっ…?」
声を上げたのははたてだった。
文はほう、と興味深げに瞳を光らせる。
「博霊の巫女がとっちめたそうよ。死体も…残さない方法でね。今頃、ヤマザナドゥの所で地獄行きを宣告されている所じゃないかしら」
よくて衆合、悪ければ大灼熱ね、と感情の込められていない言葉を続ける永琳。
「なんだ、つまらないですねぇ。この後、復讐に燃えるはたてに追い詰められる悪漢っていううシーンを想像していたのに。地獄に堕ちたんじゃ復讐に行くのは面倒じゃないですか」
「あんたねぇ!!」
文の投げやりな言葉に声を荒げるはたて。永琳は頭痛を覚えたのか額に手を当てて盛大にため息をついた。
「射命丸さん、患者さんが興奮なさってますから今日の所は取材はお止めになって帰られませんか」
「あー、そうですね。いえ、最後に一つだけ、犯されていた時のお気持ち…」
「鈴仙! 患者さんのお連れさまがお帰りよ。引っ張っていって塩まいときなさい!」
あー、といいながら鈴仙に首根っこを捕まれて連行されていくあやや。
「まったく、どうしてこうヘタクソが多いのかしらねプレイヤーって」
眉間に皺を寄せまたため息をつく永琳。小じわが増えそう、と切実な呟きを漏らしている。
「あの、先生。疲れたんで今日はもう、休みますよ」
「え、ええ、そうしてください」
タイミングも何もなく言葉を挟んでくるはたてにあわてて返す永琳。
それじゃあ、とはたては椅子から立ち上がろうとする。
「あ、ちょっと間ってもらえる、姫海棠さん」
「はい?」
「最後にもう一つだけ、採血させてもらってもいいかしら」
「別にいいけど…」
中途半端に浮いたお尻を戻してはたては無事な方の腕を差し出した。
永琳は注射針と消毒用のアルコールを用意し、僅かばかりの血液をはたてから採取した。
それから暫くはお話は何も進展しない。
少なくともはたての怪我があらかた治るまでは。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「怪我の具合はすっかりよさそうですね、はたて」
病室の扉が開けられるなり、げっ、とはたては顔を引きつらせた。
入ってきたのは文だった。今日はオフなのか手にカメラは携えておらず、替わりに畳んだ新聞紙が握られていた。
「何しに来たのよ」
「病人怪我人の所に死神以外が来る理由は一つしかないですよ。ああ、医療ミスに見せかけて殺す場合は別ですけど、前者です、つまらないことに」
文の回りくどい言葉にここの美味しくない病院食の味を思い出すはたて。患者の健康を考えたメニューっていったってあんな精進料理みたいな食事ばかりじゃお腹はふくれない。
「お見舞いならお見舞いの品ぐらい持ってきたらどうなの?」
ちらりとベッドの脇に積み上げられたフルーツや花瓶に活けられた花に視線を向けるはたて。みんな、はたての友人知人がお見舞いにと持ってきた品だ。
「お見舞いの品なら持ってきてますよ、ホラ」
そういって手にしていた新聞紙を差し出す文。ナニコレ、と新聞も手に取らず聞き返すはたて。
「私の新聞ですよ。貴女の事を書いたんで読んでもらおうと思って」
「私の?」
少し躊躇いをみせたものの、はたては文の手から新聞を取った。
一面を広げてみる。
博霊の巫女、悪漢を捉えたその場で殺害
―――幻想郷の抑止力の倫理規定は大丈夫なのか!?
明朝体の太字のフォントが踊っていた。
センターの写真には振り返り、鋭い視線を向けている巫女の姿が映っている。頬には返り血。地獄の悪魔も身をすくませる鋭い眼光だ。
「私の記事じゃないじゃん」
「いえ、はたてもキチンと載ってますよ。ほら、左下に」
視線移動。河童や商店の広告の上に小さく丸く切り取られた写真が載せられている。解像度が低く、印刷の拙さもあって誰が写っているのかまるでわかりはしない。その隣に刪つきで
被害者のはたてさん。現在、永遠亭で治療中。
と注釈が載せられている。
「小さいじゃん!」
「いやぁ、霊夢さんの返り血、合成なんですけどなかなか上手く撮れてるでしょ。この写真、一昨年取ったものなんですけど、棄てようと思っていたところに丁度いいタイミングで使いやすい事件が起こってくれたものですから」
リサイクルです、と胸を張る文。その顔面に丸めた新聞紙が投げつけられた。
「ばっかみたいな冗談言うためにやってきたの!? 巫山戯ないでよ!」
「いや、だからお見舞いですよ」
「黙れ! 帰れねつ造記者!」
顔を赤く今にも殴りかからん様子のはたて。文は宥めようと冗談を口にするが逆効果だ。
「っ、この―――」
「姫海棠さん、ちょっとよろしいかしら」
と、はたての怒りをさます声が病室の外からかけられた。永琳だ。回診の時間はまだの筈、と少し訝しげに思いながらも所在なさげに振り上げられた腕をゆっくり下ろしつつ、どうぞ、と不機嫌さを露わにはたては返事した。
「失礼…あ、射命丸さん。お見舞いにいらしていたの」
「いいえ先生。こいつは私を怒死させに来たんです」
「もしくは入院患者をもう一人増やすためにって痛いわねはたて」
「………」
そんな漫才を見て永琳が少しいらたしげに眉を顰めた。あからさまなため息かツッコミを期待していた文は表紙抜けた気分であやや、と口癖を漏らした。
「射命丸さん、申し訳ないのだけれど、少し、姫海棠さんと大事なお話があるの。今日は…帰ってもらえますか」
「むっ、スクープの匂いがしますね。いったい、どうしたっていうんですか? まさか、精神に傷を負ったはたてが夜な夜な入院しているショタっ子を襲うようなPTSDを患ったとか?」
メモを取り出す射命丸。カメラ置いてきたのは痛かったですね、と自分の不手際を嘲った。
けれど、
「射命丸さん。私は今、冗談を聞いている気分じゃないの。自分の足で出て行くか、担架に運ばれて出て行くか、好きな方を選びなさい」
「―――っ、前者で」
睨まれ背中から大量の冷や汗を流す文。流石にこれだけ力の強い存在に喧嘩を売りすぎるのは拙い、と平謝りしながら立ち上がる。
それじゃ、お大事に、とはたてに挨拶してそそくさと文は病室から出て行った。
「元気な人ね」
「ええ、天狗の内でも嫌われてますよ」
文の姿が見えなくなってから永琳は口を開いた。やっとこの病院にも同士が、そんな態度ではたては歩賭場を返す。
「さて…姫海棠さん。さっきも言ったけれど…少し大事な話があるの」
「はい?」
少しなのに大事? とはたては思った。それにこの永琳の険しい表情。悪漢に暴行された自分の身体を綺麗にしているときでさえ感情を表に出さなかったこの女史がこうまで顔を曇らせるなんて一体何の話なのだろう、とはたてはこの時、思った。不安よりも好奇心が先に出てきたあたり、はたても根っからの記者なのだが。
それが好奇心から不安、そうして絶望に変わるまでにはさほど多くの言葉は必要なかったのだが。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「非道く、酷なことを告げるけれど…姫海棠さん、貴女は今、病気に侵されています」
「は? 病気? センセ、つまんないよ、その冗談」
唐突な言葉にはたては肩を竦める。
怪我ももう治り、退院は明日か明後日かと待ち遠しくなった今日この頃。はたての体調はすこぶる付きで良好だった。日がな一日、ベッドでごろごろして、適当に散歩して、不味いとはいえ栄養バランスのいい料理を食べ続けたお陰だろう。
それが病気なんて言われたところではたてには冗談にしか聞こえなかった。
けれど、永琳の顔つきがそれが真実だと告げる。
「ふぅん、病気ね。どうにも信じられないけど…」
「そうね。潜伏期間―――病気に罹ってからその症状が現れるまで暫くかかる種類の疾患らしいの」
「らしいって―――ずいぶんと曖昧な言い方じゃないの先生」
「ええ、私も貴女が初めての症例よ。いえ、恐らく幻想郷で初めてでしょうね」
「幻想郷で―――ああ、あのクソキモメンのレイパーが病気持ちだったっていうこと?」
うげぇ、と嘔吐する真似をしてみせるはたて。実のところそれは強がりで、綺麗になったとはいえ、今すぐにでもアイツに触れられた肌と、あの穢らわしいものを突っ込まれた膣を引きちぎってやりたくなっていたのだが。
「感染経路はそう。確実にあの―――たまには私も汚らしい言葉を使わせてもらいましょう、あの下衆よ」
永琳の瞳に少し怒りの炎が灯る。同姓に乱暴を働いたものにはこの理知的な女史でさえ怒りを覚えずにはいられなかった。あまつさえ、あんな酷い病気を感染させるなんて―――とも。
「まぁ、早めに気がついてよかったじゃん。自分の身体だけど。で、一体、どんな病気なの? 淋病? 虱? 梅毒だったらヤバイなぁ」
はたては言葉を多く語る。もとより口数の多かった彼女ではあるが今はそれが少々、いきすぎているきらいがある。視線を彷徨わせながら、どうなの、先生、と何でもなさげを装って問いかける。
内心の怯えと表層心理の否定、その結果。そうして、圧倒的に前者が正しいこともはたての心は理解していた。
幻想郷で初めての症例、永琳がいっていた言葉ではたての台詞はすべて道化のソレだとわかる。
ちがうわ、と頭を振るった永琳を見てはたては内心でその先を言わないで、と叫び声を上げた。
「姫海棠さん、貴女の身体に根を張っている病魔はその手の幻想郷でもよく知られた病気ではないの。厳密に言うと今現在、貴女はまだ病気ではないわ。病気を引き起こす病原菌―――これも正確ではないのだけれど、割愛するわ、それに侵されているだけなのよ」
「あ、ああ、なんだ。ちょっと分からないけど、取り敢ずは大丈夫ってことなんだよね、センセ。その言葉だと…」
「ええ、今のところは。けれど、発症した場合、その後どうなるのかの保証は私にはできない。それに―――治療する術も」
「っ―――でもさ、でもさ」
強力なボディブローを喰らったみたいに意識がぐらついた。けれど、はたては耐えて藁にすがるような声をあげる。そうとも外道にレイプされても私は一応、大丈夫だったんだ。この後、どんな非道いことを言われたって―――
「別に―――死ぬような病気じゃないんでしょ?」
「………その可能性がないとはいいきれない。その程度よ」
「―――」
吊り橋を渡っていたらその吊り橋のロープがぶっちぎれたような絶望をはたてが襲う。重力にひかれ、奈落へ堕ちていこうとするからだ。それを必死に伸ばした手で掴み、九死に一生を得る。そんな気分。けれど、残ったロープも解れ始め…
「HIV ヒト免疫不全ウイルス。今、貴女の身体の中に巣くっているウイルスの名前。そして、そのウイルスによって引き起こされる病気が―――AIDS 後天性免疫不全症候群、そう呼ばれる外の世界の病気よ」
その先、永琳は呆然とするはたてに説明を続けた。
そのHIVという名前のウイルスは病気が発症すれば免疫能力…風邪の菌の様な人体に有害な物を退治する生物の基本的な機能を破壊してしまう病気だと。
発症してしまえば小さな子供でも十分治せるような些細な病気も治らなくなり、結果、死んでしまう、と。
それ以外にも悪性腫瘍…癌を発症させたり、ウイルスが脳神経系を破壊して脳障害を起こすなど、聞くに耐えないはたての未来を永琳は告げた。
その当たりから永琳の説明には専門的な語句が多く交じるようになり、はたては話の殆どが理解できなくなった。或いは理解しようとしなかったのか。
この疾患は外の世界では猛威を振るっており、現在も治療が不可能。そうして、それはことさら医療設備が乏しいこの幻想郷でも無理で、更に人間ではない貴女が感染したことによってウイルスがどんな変化を起こすか分からない。申し訳ないのだけれど、安全性を確保するまで貴女をこの病院から出すわけにはいかない、そういう禁固刑の宣告じみた言葉を聞いたところではたては気を失った。
部屋の外では文が鬼気迫る表情を浮かべ、壁にもたれ掛かっていた。
話を―――全て盗み聞いていたのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
或いは重罪を犯して牢にでも入れられていた方がマシだったのかも知れない。
食事は毎日出るし、屋敷の中はある程度、自由に動き回れる。永琳は毎日、様子を見に来てくれた。
けれど、自分が死ぬよりも酷い病に侵されている事を考えるとはたては気が気ではなかった。
ストレスの余り食は細くなり、永琳を冷たくあしらい、自分の身体を傷つけた。自殺を試みたことも数回。けれど、その度にすぐさまあの女医は飛んできてはたての命を救ったのだった。自分の命を大切にしなさい、と。
けれど先生、いつか腐って死んでしまう自分の命なんてどう大切に扱えばいいんですか?
「あやや、やつれましたね、はたて」
それから暫くして文がまた見舞いにやってきた。今度は手にまっとうな見舞いの品を持ってきている。けれど、はたての心中は以前よりも荒々しく文を拒絶していた。
「帰れ。あんたなんかに見舞いに来てもらっても嬉しくもない」
刺々しい言葉。ベッドの上で俯き、文に視線すら向けようとしない。
「まぁまぁ、病は気からって言うじゃないですか。そんなにカリカリしてると治るものも―――」
「治らないのよ! 私はッ!!」
文の言葉を遮り、はたては声を荒げた。
目を見開き、憎悪さえ込めた視線で文を睨み付ける。
「…んー、大体は永琳先生から聞きましたよ。その、外の世界の研究レポートの写しももらいましたし」
半分どころか一ドットも理解できませんでしたけど、と何百枚ものの紙の束を抱えて肩を竦めてみせる文。
「ふ、ふぅん、じゃあ、知ってるんだ。私が、非道い有様になって、風邪とかでも死んじゃうぐらいに弱って、そうして死んじゃうことを…ッ!」
「ええ、まぁ。でも、それって何年も後のことでしょ」
「だから、ナニ?」
つまらないことを言わないで、とはたては吠えた。
「まだ先だし、生きている限りはどうせいつか死ぬんだからとでも言うつもり? おあいにく様、そんな陳腐な言葉、永琳のヤツに何度も聞かされて耳にタコができたぐらいよっ!!」
そんな下らない言葉で納得するのは下らないあんたの新聞読んでる下らない連中だけよ、とはたては文だけにとどまらず、そとでのうのうと暮らしている他の連中さえも呪うような言葉を口にした。
「そんな悲観的にならなくても。ほら、あのドクターは不老不死を完成させるぐらいの天才ですよ。きっとイモリの黒焼きとか蛾の目玉とか天狗茸とか煎じていいお薬を作ってくれますよ」
「そんな訳―――わるわけないじゃん!」
ぶん、とはたては腕を振るう。刹那、
「っ!?」
文は身を引いた。いや、避けた言った方がいいかもしれない。弾幕を回避するように、はたての手を。自分の命を危険にさらすものとして。
「…なに、なに避けてんの?」
その動作がかんに障ったのか、いや、触ったのだ。睨め付けるような目ではたては、脅えた調子で身をすくませる文を見据える。
「私に触られたら病気が感染るとでも、思ったの!?」
わ、私は…と文は涙をにじませる。そうして足は、はたての視線から、いや、はたての病魔に冒された身体から逃げだそうとすり足で後ろずさる。
「ハン、そうよね。そりゃ、怖いわよね。今の私は非道い病気持ちだものね。そりゃ―――触りたくもないにきまっているわ。えんがちょ、だものね!」
ケラケラと笑うはたて。けれど、その瞳は笑っておらず憎悪を湛えているだけだった。
「はたて、私は…」
「出てけ! 二度とくんな!」
文が持ってきたお見舞いの品の桃を投げつけるはたて。文は避けきれず顔面にそれを受ける。
「………今日は帰るとしますか」
お騒がせしました、と珍しく丁寧な口調で別れを告げると文は髪から桃の雫を垂らしながら病室を後にした。
その日から、はたての病室には面会謝絶の札がかけられ、はたて自身も殆ど部屋から出ることはなくなった。
必然的に永琳ははたての病室に足を運ぶことが多くなり、その度にはたての自傷の後を見つけるのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それから暫く経ったある日の深夜。
不穏な物音にうつらうつらしかけていたはたては目を覚ますことになった。
「………なに、してるのよ」
「あやや、見つかってしまいましたか」
病室の窓から身を乗り出し、こんばんわと挨拶してきたのは文だった。体中に笹の葉を貼付けている様は、裏からこっそりと竹林を抜けてやってきたことを物語っている。
「面会謝絶の字が読めないぐらい鶏頭だったの?」
「烏ですから字ぐらい読めますよ。だから、こうして字の書いてない窓からやってきたんです」
まぁ、地獄烏は読めなさそうですけれど、と文。よっ、とかけ声をあげて床の上に着地する。
「屁理屈をこねないで! いいから出て行きなさいよ!」
窓を指さすはたて。けれど、文はそれには動じず、ナイス表情、なんて言いながらシャッターを切った。手にはカメラが握られていた。
「っ、あんた、なに勝手に撮ってるのよ」
「いえ、今度、はたてさんの記事でも書こうと思いまして、ええ、先生にもらったレポートも何とか四ドットぐらいは理解できましたし、せっかくなのでこの知識を無駄にするのもどうかと思いまして」
「じょ、冗談じゃないわ。やめて、そんなことしないで。私を―――私を嫌われ者にする気!?」
「あー、それはそれで面白そうですけど。『村八分にされる天狗。その理由は…』うーん、私の趣味じゃないんですよね」
「どう書いたってそうなるわよ!」
吠えるはたて。
「レポート読んだんなら知ってるでしょ、私の、この、病気は、感染るのよ。ううん、感染らなくたって、病気持ちの子なんて気持ち悪くって近寄りたくもないに決まっているじゃないの!」
はたての痛烈な言葉にまぁ、かも知れませんが、とバツが悪そうな顔をつるく文。多くの人間や妖怪と接する機会がある文だからこそ客観的に見てはたての言葉が正しいことを理解しているのだろう。
「まぁ、そこを何とか…同僚を助けると思って。今月、他にいいネタがなくって」
ごめん、と片手を立ててみせる文。
巫山戯んな、とはたての口が動いた。
「ナニコレ、嫌がらせ? だとしたら最高に効いてるね。ああ、もう、キレそう。っていううかキレた。私キレてる。ブチ、キレてるよ…!」
うつむき怒りにわなわなと肩を震わせている。
「おっ、シャッターチャンス」
―――パシャリ。フラッシュが焚かれた。
「ああぁぁぁぁぁ、文ぁッ!!」
そうして、咆吼。布団をはね飛ばして、はたては文に襲いかかった。
うわっ、と間抜けな悲鳴をあげて押し倒される文。
「このクソパパラッチが…ころ、殺してやるッ!!」
馬乗りになって握り拳を作り、それを文めがけて振り下ろすはたて。ぶんぶん、と二度三度と強かに顔を殴りつける。
「なにしているの、貴女たちはッ!!」
騒ぎを聞きつけ永琳がやってくるまではたては文の顔を殴打し続けた。
「離せ! 畜生…! 文、殺してやるっ!」
拘束されるはたて。それでも暴れ、口汚い言葉を吐き、倒れた文に唾を吐きかける。
その後、はたては別室に移され、多量の鎮痛剤を投与され、半ば、無理矢理に眠りの床へつけられた。
文は治療を受けると共に事情聴取、そして万が一を考えHIVの感染テストを受ける事になった。
結果は陰性だった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その後も、文はたびたびはたての部屋を訪れた。
はたては永琳に絶対に自分の病室にはあの女を近づけないようにときつく言っておいたのだが、どうやら文はあの白黒の魔法使い並に建物に侵入するのが得意らしい。窓を閉め切りドアを固く閉ざしてもどうにかして毎度、文は病室へとやってきた。
大抵はどれも同じ筋書きで終わった。
嫌悪を露わに文をあしらおうとするはたて。それを面白がってメモに取ったり写真に写したりする文。最後は怒鳴られるか…それとも殴られるかして文が退散するという、つまらないオチまで含めた筋書きだ。
ただし、はたての怒りだけはまるで川底に堆積する泥のように溜まっていった。
外に出ない閉塞感もそれに拍車をかけただろう。文と永琳以外の人の顔を見ないというのも理由の一端。だけれども、それにまして何より…こうして、身体自体は自分では普通に思えるのに病魔は確実に自分を蝕んでいるんだという恐怖が、はたての精神を確実に摩耗させていった。
そうして、発症―――
AIDSの第一段階ともいえる病状、悪寒やリンパ節の腫れといった風邪によく似た症状がはたての身体に表れた。
あるいは、それがトリガーだったのかも知れない。
「あは、アハハハハハハハ、外だっ、私は自由だ!」
山中。夜露に蒸れた落ち穂。腐り、黴の苗床になり、馬陸や竈馬の隠れ家となる其れ。それらを踏みつけ姫海棠はたては独り、闇の中を走っていた。
足は裸足。折れた木の枝や尖った石が足裏を傷つけるがまるで気にならない。外は凍えるほど寒いというのにはたてはだらだらと汗を流していた。瞳は虚ろ。熱にやられた結果だった。
いや、もしかするとそれは積もり積もった怒りが狂気に変質したものだったのかもしれない。
今晩、夜中に何かしら蟲の報せめいた物を感じて目を覚ましたはたてはかつてないほどの怒りを覚えていた。
その怒りはシーツを握りしめ、うずくまって唸り、水差しの水を床にブチ撒けても収まることはなかった。
それでも誰も病室にやってこなかったのは…そう、深夜に暴れ回るという狂態をここ数日、はたてが続けていたせいだった。狼少年の逸話によく似ている。はたてを見張る役目を負っていた永琳が連日の騒ぎに疲れ果て、騒音にもなれてしまい、微睡みから目覚めなかったから。
そうひとしきり暴れても誰も来ず、そうして、怒りの晴れないはたてはある邪悪な方法でその怒りを解消することを思いついた。
それは狂気の閃きだったに違いない。
太陽が赤かったから人を殺しました、そんな狂気じみた常人には理解しがたい感情がひねり出した劣悪な回答。
邪悪な笑みを浮かべてはたてはもはやそれ以外にできることがないといった異様な集中力を発揮してひたむきに闇の中を走った。
目指す場所は久しく帰っていない自分の住処。その近所。ここ最近、永琳の次ぐらいに顔を合わせていた、あの同族の女、射命丸文の家だ。
山の中腹。樹齢何百年という大きな松の木の幹に作られた社のような形の家。そこが文の住処だった。
窓からは光は漏れていないが、はたてが近づいてのぞき見ると机に突っ伏したまま動かない背中を認めた。
間違いない、文だ。
得物を狩る豹の恐ろしい笑みを浮かべるとはたては静かに文の家の扉を開け、その中へ足を踏み入れた。
ぎしり、となる板張りの廊下に憤りを感じつつもはたてはしのびの足取りで文に近づく。
そうして、
「文っっ!!!」
「な…!?」
机に突っ伏して眠っている文に襲いかかった。
来る途中で見繕っていた壺で文の側頭部を強打し、一撃でその身体を昏倒させる。額に血を流しながら倒れる文。その格好を見て、無様ね、とはたては鬼気怪々と笑う。
「あひゃひゃひゃひゃ、文ぁ、あんたさ、AIDSの記事、書きたいって言ってたじゃん。じゃあさ、私がいい記事のネタをあげるよ。やっぱりさ、新聞の記事って実体験が一番、書きやすくて効果があると思うんだよね、私は―――だからさ」
あんたにも感染してあげるよ、とはたては唇を円弧に釣り上げた。奇しくも、その日は三日月だった。
「ぅ………やめ」
か細い文の声を無視してはたては文のスカートに手をかけた。それを破き、ショーツを露わにさせる。女性の襲い方は知っていた。これも実体験。あの下衆の野郎に一つだけ徳があるとすればレイプのやり方を私に教えてくれたことだけだ、とかつて世界で一番憎かった相手に感謝する。今、世界で一番憎い相手を凌辱できるのだから。
もどかしさを演出するように躊躇いなく、はたては今度は文のショーツを脱がせた。きつめの汗の臭い。二、三日お風呂に入ってないんだろう。仕事熱心なこと。まぁ、明日からはもっと良い記事がかけるようになるでしょうとせせら笑う。
股を広げさせ、少し腰を浮かさせ、指を十分唾液で濡らせてから乱暴に文の秘裂にそれを突っ込む。茂みをかき分け、肉壁をこじ開け奥へ。伸ばした爪が柔い肉を裂くがむしろ好都合。血管内にウイルスが入ると感染しやすい、と暇つぶしの抗議の中で永琳は語ってくれていた。
「うあ…ああ…」
「何? もう、濡れてきたじゃないこのヘンタイ! 淫売の気があるみたいね!」
こりゃ、ついでにピンク記事も書けるわよ、と下比た台詞を吐き捨てる。言葉の通り、文の秘裂ははたての唾液だけでは説明できないほど濡れそぼっていた。
「ふふっ、せっかくだから…犯してあげるわ。レイプ、してやる…!」
じっとしていなさい、と言ってはたては文の菊座にも指を突っ込む。排便に似た感覚に綾野からだが打ち震える。その隙にはたては部屋を見渡す。丁度いいところに500mlの麦酒の空き瓶が転がっていた。
「こいつを挿入れてやる…」
自らも股を広げ、ショーツをずらし、拾い上げた麦酒瓶の細い方を女陰にあてがう。そこは刺激も受けていないのに十分に濡れていた。病状による熱と獣性による興奮ではたても十分、高ぶっていたのだ。ぞぶりと細い瓶の口は容易く飲み込まれる。
「この体勢じゃ…しにくいわね。アイツは後ろから…犬みたいに私を犯したのに…!」
不公平だ、と文の尻たぶを強かに叩く。張り手の紅葉が浮かび上がる。その色味をみて満足したのかはたては乱暴に文の身体を裏返した。
「さぁ、行くわよ、力を…って、もう、力はいんないわね。じゃ」
躊躇いなく、自らの腰を文の秘裂へ打ち付けるはたて。瓶の尻、太い方を陰口へ捻り込む。
「痛…い、やめて…」
もやがかかったような瞳で微かに首を振る文。嫌だ、とはっきりした口調ではたては返した。
「あんたも、私と同じ苦しみを味わいなさい。ははっ、ほら、いいんでしょ! これがっ!」
激しく腰を前後させる。はたての陰口からは愛液が、文からは更に肉壁が裂けた血を加えたものが流れ出ている。ぐちゃりぐちゃりと混ざり合う二人の体液。
「アハハハハ、ああ、そうだ…」
不意に何かを思い出したのか、はたては手持ちぶたさだった腕を伸ばし文の服を引き裂いた。露わになる形のいい、文の乳房。はたてはそこに顔を寄せると強く歯を立てた。
「―――!」
混濁した意識でもその激痛には耐えられないのか文は悲鳴をあげた。その音を聞いて満足そうにはたては顔を上げる。大きく開けられた口からは涎に混じって血が滴っていた。文の乳房には綺麗に円を描くようにはたての歯形が残されていた。
「片方だけだとバランス悪いわね」
もう片方の乳房にも歯を立てるはたて。あいている方の胸に腕を伸ばして刺激にいきり立っていた乳首を捻りあげる。
再び、悲鳴。無視して強く強く、腰を打ち付ける。そうして―――
「っあ―――イクわ、イクっ!!」
一際強く腰を押し出し、はたては絶頂に達した。文はその少し前に先に達していたようでだらしなく膣壁を弛緩させていた。
はたてが身体を起こすと麦酒瓶がゴトリと抜け落ちた。
「ふふん、寂しそうだから、もうちょっとこれを突っ込んでおいてあげるわね」
意地悪げな言葉を吐いてはたては抜け落ちた麦酒瓶を拾い上げると今度は瓶の口の側…先ほどまで自分の胎に差し込まれていた方を文に挿入した。こつん、と瓶の尻を蹴飛ばして深く押し込み、まるで寝起きのように一仕事終えリラックスしたような表情を作って身体を伸ばした。
そのタイミング、全てが終わったタイミングで月が傾き、丁度、月光が窓から差し込んできた。にわかに明るくなる室内。
と、暇そうにしていたはたての視線がコルクボードに止められた一枚の写真でとまる。
「ナニコレ? 私…?」
被写体は自分だった。ベッドの上で物憂げに外を眺めている写真。何回目かの訪問の際に文に撮られた写真。その写真には文字が添えられていた。
―――きっと治る。
短い言葉。けれど、字の形からそれが強い決意を持って書かれた言葉だと言うことはすぐに分かった。
「え―――」
言葉に詰まるはたて。他に貼付けてあるものにも視線がいく。
それは新聞の切り抜きだった。
一枚目ははたてがHIVに感染したという簡単な記事。
二枚目はHIVとは何か、AIDSとは何かかみ砕いた表現で分かりやすく、それでいて正確に説明している内容だった。
三枚目は外の世界の記事の引用だろうか。外の世界におけるHIV感染者、AIDS患者の置かれている状況、迫害や差別、その他、間違った知識や根も葉もない噂などについて怒りも露わに、読者に交換を呼び起こすような内容で書かれていた。
そして、四枚目は…文が突っ伏して眠っていた机の上に書きかけの形で残されていた。
「『姫海棠はたての闘病生活』」
題字はそうある。
けれど、内容ははたてからすれば嘘っぱちもいいところだった。
時系列もバラバラに撮った写真に言ったこともない言葉がはたての台詞として書かれている明らかなねつ造記事。
俯いている写真には―――『死ぬのが怖いです。助かりたいです』
同情たっぷりの台詞。
怒りに打ち震えている写真には―――『ウイルスが憎いと思ったときもありました。けれど、今では折り合いをつけて生きていくしかないんだと、そう、納得しています』
応援を求める言葉。
そして、光りの加減で笑ったように見える写真には―――『病気が治ったらまた新聞記者をやりたいです。絶対になおしてみせます』
健気な言葉が。
そんな嘘八百が並べられていた。
文は幻想郷の住人がHIVやAIDS、それに感染し発症したはたてに偏見の目や排他の意識を向けないようにするための記事を書くために―――病院に入り浸っていたのだ。
「ナニヨソレ、ばっかじゃないの…」
真実を知ってはたては大粒の涙を流した。
END
HIVキャリアの看護師さんが(看護師さんの目方に立てば)不当な理由で病院を自主的に退職させられたっー記事を読んで。
しかし、排他的な偏見というのはある種、群れるタイプの生物の基本行動なんだよな。インパラの群れは年老いた仲間を囮にライオンから逃げ出すと言うし。
けれど、我々は動物か? 断じて否。人ならば、人ならばこそ本能と摂理を理性でねじ伏せろっていうもんだ、とちょー斜め上目線。
何が言いたいかというと幻想郷の新たなるレイプ担当ほたてちゃんを早速、利用。もしくはアインハンダー面白い。
あ、酒はブラッディマリィです。
>>10/05/08追記
あ、素で勘違いしてた。
阿呆だ!阿呆がいるぞ貴様等!
sako
作品情報
作品集:
15
投稿日時:
2010/05/07 17:58:18
更新日時:
2010/05/08 21:28:54
分類
はたて
文
永琳
HIV
AIDS
最近のあややは、ビッチが少なめになってきたなぁ
エイズ云々よりこの文に興味をひかれた俺は外道だと思う
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/\ 丶| / /ヘ
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\ と つ /
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 ̄∪ ̄∪ ̄
怒りや恐れもある種の本能である以上。
コメ欄読むまで気付かなかったが、はたてだぜ。
レイプ後ってのは色々と夢が広がっていいね
リアルに即した幻想郷で怖かったです。
取り敢えず、南アフリカでワールドカップを開催すべきではないと思う
海綿体ほたて
ってみんなギャグで言ってるのか
誤字だったようだが
高尚な読解力を持ってると大変だな
この後誤解が解けて二人は仲良くなれました、とかなったらいいな
アインハンダーはまだやったことはありませんが絶対にプレイしたいゲームの一つです
ドジっ子属性まで付いてますます最強になったな
あとアインハンダーもフィロソマも産廃向きなSTGだわな。
フィロソマは地上戦がきつかったです…。
アインハンダーはいいぞぉ〜
ただもう中古だと必ず一定の場所で曲にノイズが入りそうだが…