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『【東方落語】 1つ目国』 作者: うらんふ
「紫、それは本当なのか?」
「あら?魔理沙は私が信じれないの?」
「今までの自分の言動を胸に手をあてて考えてみるんだな」
「まったく問題ないじゃない」
「話にならないぜ」
魔理沙はそういうと、傍にあった椅子に腰かけ、再び先ほどの質問を繰り返しました。
「本当に、そんな村があるのか?」
「本当よ」
紫はふふんと鼻をならすと答えました。
「その村では、赤ん坊も、子供も、おとうさんも、おばあさんも、みーんな、目が1つしかないの」
「へー・・・面白い村があるんだな・・・まてよ」
「どうしたの?」
「ということは、その村にいって1つ目の子供をひとり借りてくれば、見世物にして大儲けできるんじゃないか?」
「まぁ、そうでしょうね」
「ならば善は急げだ。さっそく行ってくるぜ」
魔理沙はそういうと、とるものもとりあえず、1つ目国を目指して旅に出ることにしました。大儲けをして、からっぽの賽銭箱の前で泣いている霊夢にお金を見せつけてやろう、といった軽いいたずら心が魔理沙の原動力でした。
魔理沙は、どんどんどんどん旅を続けました。
3日後。
「なかなか見つからないな。これは紫にだまされたかな」
魔理沙は見渡す限りの広い草原の中にぽつんとあった石に腰かけると、そうつぶやいていました。
と、その時。
突然、やぶの中から一人の子供が飛び出してきたのです。その子供は、ぽかーんと口をあけたまま、じっと魔理沙を見つめてその場に立ち尽くしたまま逃げようともしませんでした。
「・・・変な子だな」
そう思い、魔理沙はひょいを顔をあげてその子供を見て・・・思わず叫んでしまいました。
「おぉ!1つ目じゃないか!見つけたぜ!」
魔理沙はさっそくその子を捕まえようとしました。この1つ目の化け物を連れて帰ったら、みんなさぞかしびっくりするだろうな、と思っていると・・・
「助けてー!!!!!2つ目の化け物が出たよーーー!」
子供はそう叫びながら逃げ出そうとしました。
「・・・私が、化け物!?」
魔理沙が絶句している間に、子供の叫び声をきいた村人たちが、あちらからもこちらからも、わらわらと飛び出してきました。
「おーい!みんな見てみろ!」
「目が2つある化け物を捕まえたぞ!」
「2つ目だ!2つ目だぞ!」
多勢に無勢でどうしよもありません。
あっという間に、魔理沙は村人たちに捕まってしまいました。
「うわぁ・・・気持ち悪いなぁ。本当に2つ目だ」
「こんな化け物、初めて見た」
「おい、こんな珍しい化け物はめったにいるもんじゃないから、こいつを見世物にしたら儲かるんじゃないか?」
「そうだそうだ!」
「見世物にしよう!」
村人の一人が言いだしたことに、みんな賛同していきました。
みると、子供も、大人も、みーんな1つ目の人ばかり。
あわれ魔理沙は、「2つ目の化け物」としてとうとう見世物にされてしまいましたとさ。
おしまい
作品情報
作品集:
15
投稿日時:
2010/05/08 03:04:27
更新日時:
2010/05/08 12:04:27
分類
魔理沙
落語
人間も妖怪も
私も久々に落語系やってみようかな。
しかし魔理沙の発想が流石というかなんというかw