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『合成の誤謬1』 作者: マジックフレークス
その年は、いわゆる不作の年だった。
幻想郷は神の愛でし大地。
たとえ春であるはずの時期まで雪に覆われていようとも、夏に世界が朱につつまれて日の光が射さずとも、秋の夜長がまさに長い永い夜になろうとも。幻想郷において植物や昆虫など自然に分類される者達の営みはそれを司る妖精・妖怪によって調整されるか、さらに上位の神々の力によって守護される。
幽霊が春を独り占めして冬が続いたときも、それが終わったとたんに蕾さえなかったはずの枯れ木に桜が花開く。
異変は異変。一過性のもの。解決されるもの。
ならば何故? 秋の神々の力ならば不毛の大地に実りをもたらすことすら出来るのではないのか?
管理された世界。万能とは言えずとも賢く有能で長命な者達が微調整するだけで、人の思いつくような事柄の殆ど全てが可能なのではないのか?
さしずめ、牧場物語ハーベストムーンで主人公に早朝4:30まで鉱石掘りや道具経験値上げの素振りで働かせ、温泉に漬けた後に30分だけの睡眠をとらせる生活を何年も続けさせても、ステータス的には疲労度が危険域に入らなければなんら問題ないように。
もしくは、アストロノーカで種の合成を行う際にピート君の情報を見ながらLRボタンを押して、自分が作りたい種の情報が現れるまで粘るように。
さらに言えば、シムシティで街づくりを行う際には時間を停止して地域指定や道路の敷設を行い、ある程度下地が出来たら高速で動かして人間を集め、収入が出てきて住民が市政に要求をしてきたら再び時間を停止して警察署や消防署を建てるなどするように。
だが幻想郷の賢者達は、神々達は違った。一部の人間がSLGの遊び方の一つとして、効率を追求した、いわゆる極めプレイを好んで行うのとは違ったのだ。彼らは変化を許した、不測の事態を容認した、異変すらも撲滅するのではなく巫女に収束させることで広がらなければ良しとした。退屈だったのだ。変わらない世界をただ眺めるということなど。
住人である人や妖怪が極端に減少するでもなければ、不作や天災が起きることもまた自然の営みの一つであり、必要以上に介入することも無い。いざとなればいつでも操れるということも根底にあるのかもしれない。
外の生き物にしても何度となく滅びの危機に瀕するほどその数を減らしたこともあったが、そのつど進歩したり耐性を獲得して次の繁栄に結びつけたのだから。
その年は雨が欲しい時期に晴れが続き、収穫の時期には雨が続く最悪の年だった。穀物も野菜も収穫高は例年の四半以下という最低の記録を打ち立て、秋の神が「自分達にお供え物して豊作を願うなら収穫の前にやってくれないと……」と不作の農地にやってきて今更過ぎる指摘を行ったり、イヤに元気な氷精や冬の妖怪がまだ早い時期から活発に活動を始めて山の恵みまでをも人々から早々に取り上げてしまった。
何よりこれは異変ではなかった。腹を空かせた巫女が冬の妖怪をしばいてもなんら状況は変化しない。これは幻想郷の気紛れに過ぎなかった。
「何とかしなければならない」
人里では連日のように里長や有力者が集まって会議を開く。先程の発言は半人半獣の歴史喰い、上白沢慧音のものである。彼女は人間と妖怪の中間のような存在でありながらも人間達を愛し、導くことを喜びとしていた。長命で歴史に通じる彼女の知識は里にとっても有用であるだけでなく、寺子屋の教育者としての立場もあって彼女の発言は里長に匹敵するほど住人には権威のあるものだった。
実質、若くして会議に参加している世代の者は殆どが彼女の教鞭を受けているといってもよい。年配でも一部にはそういう者達もいるし、そういった人間達は自分の判断というものに窮すると彼女に指示を仰ぐ。慧音は別に里長と対立しているわけではないが、仮にどちらの意見に従うかの投票が必要となれば半数に割れるだろう。
「このままでは備蓄していた保存食糧を各戸に分配してもこの冬を乗り越えられるかどうかギリギリだ」
一言一言を噛み締めるように言葉を発する。これは作物の不作が決定的になり、里人総出で食料の確保に走り回っていたときに同時に調査した結果だ。里の備蓄食料と今年の収穫高、掻き集めた山の幸や川魚、動物の肉、食せる虫を燻製などの保存食にしたものの総量を人口で計算したところの、どれだけ持たせられるか、という試算。
その結果は、各々がかなりひもじい食料の節約をしながらの生活を行うとして、春が来る頃には無くなるだろう、というものだった。
これだけ聞けば、『冬は乗り越えられる』と考えるかもしれない。実際そうだろう。だが、冬を乗り越えて春がくれば食糧事情は何の問題もなくなるのか? 春先には若葉が芽吹き、畑では春野菜を栽培する事が出来るようになる。それだけだ。
そのときに食料が底を尽きていれば人々は生えてきた草を食べて飢えをしのぎ、動物達が起き上がってくるのを今かと待ち、畑に種をまいて収穫まで育てなければならないのだ。春先の草には七草とも呼ばれて食べられるものも多くあるだろう。それらを探しにいって大勢の分を確保し、動物を狩り、畑を管理する体力が果たしてあるだろうか?
平和と平等を徹底すれば全員が同時に力尽きることすらある。だが生物はもっともっと生に貪欲で、遺伝子は個よりも種を保存することを優先させるだろう。
だからその様なことにはならない。食料が底を尽きかけたら、残りを巡って殺し合いになるだろうからだ。あるいは死んだ人間の体を食べて飢えを凌ぐかもしれない。
(それだけはなんとしても防がなければならない)
慧音は知っていた。歴史の一部として、知識として知りえた事柄もあるし、実際に自分が体験し目撃したことも多々ある。賭けはまずいのだ。被害がどうなるか想像もつかない。問題を先送りにし、非情な決断を下すことを躊躇えば躊躇うほど犠牲者は多くなる。
「守矢の神々は不干渉の立場を守っています。豊穣の神も不作だった秋口以来姿を現さずに沈黙したままです」
守矢の神に秋の豊作をもたらす力があるわけではない。冬に食糧を生み出す事が出来るわけではなく、石をパンに変える力があるのでもない。だが、一応妖怪の山の長の立場であるのだから天狗や河童に圧力をかけることは出来るはずだ。
だがあの神々も学んだのだ。幻想郷で特定の種族に肩入れすることは異質なことなのだと。勿論信仰という見返りはあるが、危機的状況を常に救うことは種の堕落へと繋がる。人間を助けてやりたいと思えばこそ試練を課すのも神の使命。自分達神の力のみでどうにかするならばまだしも(一応)自分達を敬い従う種族に救済を命令することはできなかった。
(また、あれをやらなければならないのか)
その考えが頭をもたげ、過去に行った自分の行為が甦ってくる。
間引き。植物をより成長させるために、植えた種が芽吹いてきた頃にその一部を取り除いてやること。こうする事で残った苗は大きく成長する。
人間も間引きをすることがある。産んだ子が立て続けに女子だった時、男子が欲しい家庭では生んだそのすぐ後に、母親が足の裏で赤子の口を覆い、殺す。水子供養をしてお終いだ。時と場所と人にもよるかもしれないが、大抵の場合は罪の意識と哀悼は一時的なものですぐに忘れる事が出来る。
今年のように不作であった場合、里の存亡が懸かっている場合に選ばれるのは、やはり年齢が問題となる。殆ど動けなくなった年寄り、幼い童子は年が明けても働き手にはなり得ないではないか? ことに子供というものはまた作ればいいだけのことである。十分に豊かな年にまた育めば良い。
問題はある程度一緒に過ごした我が子に対して、親が情をかけない事など無いとも言えることだ。それが本心からのものであれ、世間に対する建前としてのポーズであれ、このような“蛮行”を提案すれば非難は必至、子を持つ親は皆反対する。だが、この方法ならば犠牲者はコントロールする事が出来る。決断と実行が早ければ早いほど、諦めざるを得ない子供の人数は少なくて済む。
「……………………私に一つ提案がある」
彼女は親が働きに出ている間に子供達の世話と指導をしている教師だ。親と同等な程に、いや、大勢の子供達を見限るとなれば一人一人の親以上に辛い思いをするのは彼女なのだ。だからこそ、自分が提案してその非難を一身に受けなければならない。これが里の人間達に関わることである以上、その承認と選択は彼らに任せる必要があるのだから。いずれ子供達の生きた歴史を喰らい、その存在を隠匿して闇に葬るとしても。
「私にもあります。慧音さんから話されますか?」
この場にいた里の代表者である人間の全員が沈痛な顔をして俯く中、1人の少女が挙手をして発言した。彼女は稗田阿求、里の有力者一族の稗田家の主にして稗田阿礼の転生した姿。彼岸での苦行と転生を繰り返し、この世に於いては幻想郷縁起を編纂するためだけの短い生を送る者。
無論、慧音の考えにある“子供”に彼女は入っていない。そのように括れる様な存在ではない。
「……いや、貴女の提案とやらを聞かせて欲しい」
自分の案はまさに最後の方法。打てる手があるならば、それら全てを打ち尽くしてからでもよいではないか。もっと賢く、全てを解決する手段と云うものがあったとしたならば、過去の自分の行いがより重く彼女の双肩にかかることにはなるだろうが。
「この際里の人達が持っているお金をかき集めて放出しましょう。持っていても食料は配給になるでしょうから、当面の間里の中では無価値になるといえます。寧ろ、そういった物があることで多額の金銭と交換に食糧を確保する者、家族の分を受け取りつつもそれらと交換して、家族を犠牲に富を蓄えようとする者すら出てくることも予想されます。それであれば、生命の維持にさして食糧そのものを必要とはしない妖怪達に食べ物を売ってもらうように交渉しに行ったほうがお金を有効に使う事が出来ます」
少女の姿にしか見えない彼女の口から淡々と、そして非道な行為が行われるという予測付きで冷静な言葉が紡がれる。
(そのようなことか……)
そんなことはすでに試していない筈が無い。今までにも多方面に食糧を売ってくれるように打診したが、相手はこちらの足元を見るようにして平年の何倍もの額を吹っ掛けてくる。それでもあるには越したことは無いのだが、お金を持って再び訪ねるとさらに上乗せして要求するという始末だ。これでは個人個人での取引はもとより、里の代表として買い付けに行くことすらできない。
僅かな期待に目を上げた慧音の顔が再び暗くなる。
(その方法が間違っている訳じゃない。それをすることで、何人もの子供達を“諦めなくて”済む。だが交渉次第ではやはり全員を救うには届かないかもしれないし、年が明けてから苦しいことになる。里の事情が良くなるまでは里には金が無くなるのだから、場合によっては収穫の秋までは他の者達と商取引をする事が出来なくなるかもしれない)
「勿論、我々稗田が管理している財は全て放出します。先程も言いましたが、持っていても意味が無くなりますでしょうし、私自身が提案した事柄なので先ず私の下で実践いたします。提案が受け入れられて実行される段になればの話ですが」
ざわ……ざわ…… ざわ……
稗田家は里の有力者であり、情報の管理者とも言える。幻想郷縁起が里にもたらす利益に対する報酬が、税として納められた里の管理食糧、管理金銭の中から支払われているということもある。
また動産・不動産の商売をしていなくても、稗田家は情報を売り物にして利益にしてもいるのだ。幻想郷縁起の印税ともいえる収入のほか、商売人同士の橋渡しをする手数料・仲介料を受け取ったり、里以外の人々、あるいは人間以外の勢力との交易の取り持ちをして、やはり利益を上げている。他に類を見ないほど情報を広く占有している稗田家は、まさに交易の基本中の基本、余っている場所から安く買って必要としている相手に高く売ることが最も効率よく出来るのだ。
それも、自分達では一切の物品取引を行うことなく、それを直接行いたい商売人に対する助言という形でそれをする。損害が出ても保障する契約ではないが、現在まで滅多にそのような事はなく助言料も安く抑えて信頼もされている。
情報を占有しているからこその富。人を大勢使って自分自身で商売しているわけではなく、また当家の生活は慎ましく富は積み上げられるように蓄えられている。
その財が如何程になるのか……。その全てがあれば、あるいは……。
周りの男達はその提案に釘付けになる。
自分がさして富めるとも言えぬ者達は、この提案は自分達にとって有益ではあれ不利益ではない。
里において元は豪商・豪農であった者達も、今回受けた不作の打撃は計り知れない。溜め込んでいた財を放出することに躊躇はあるが、自らの財を守らんと行動すれば里中を敵に回すも同じ。土地が残り、自分と小作人たちも年を越せれば幾らでもやり直せる。提案を呑む不利益はあっても、蹴る不利益の方が遥かに大きい。
「この件、交渉は私に任せて頂きたく思います」
続ける阿求の言葉。聞く者達は3度の言葉に3度驚愕した。
食糧を売ってもらう交渉ということは、相手は妖怪ということになる。いくら彼女が幻想郷縁起のために数多くの妖怪をその目で見、時に接触する事があったとは言え、危険な妖怪相手の交渉に10代にしか見えない少女を向かわせる事が出来ようか? 博麗の巫女のような力も無いというのに。
「阿求殿、稗田家の里への献身とも言える提案は有難い。だが、仮に里中のお金を集めても、必要とする分の食糧を確保できるだろうか? もう一つ、全てのお金を使い切ってしまったら、無事に年を越せた後はどうするのだろうか?」
里の男達が阿求の提案に圧倒されているとも言える状況で慧音が質問する。彼女とて子供を犠牲にしたくなど無い。今にして思えば、自分が残酷な話を持ち出す前にこの提案があって良かった。全て上手くいけば言うことはなく、仮にどこかで破綻すれば絶望する里人達は酷な選択も受け入れざるを得ない。
(勿論前者の方が良いに決まっている。なればこそ、彼女の提案を吟味して皆で生き延びられる道を模索しなくては)
里を守護する者として、知識の半人半獣として。
「用意できるお金は多いに越したことはありません。そのためにもしかすると幾つか別の手を講じる必要になることもあるかもしれませんが……。とりあえずご質問の答えとしては、妖怪の山の河童と天狗に取引を持ちかけようと思います。河童からは来年の収穫を大幅に拡大することの出来る道具と技術を買い、里の農業を一新します。天狗からは里人全員が最初の春野菜の収穫時期まで十分に持たせられるだけの大量の食糧を売ってもらいます」
「……それは無理だ。天狗は人間のことを見下している。彼らに食糧の備蓄がそれだけあったとしても、そして我々が全ての財を投げ打ったとしても、我々を完全に救済するような量を寄越しはしないだろう。まして河童から道具や技術を買った上で残った額という事になれば、プライドの高い天狗達は取り合いもしないと思う」
彼女の案は荒唐無稽のように思える。少女の姿をしているとはいえ数百年以上のにわたり、知識と能力を継承してきた者だ。慧音は周りの人間達以上に阿求の力を知っていると言えたが、それでも彼女に全てを託してもいいのか判断に窮する。
「最悪の場合でも私の家の資産のみで河童達と前払いの契約をして参ります。冬の間は彼らとて時間はあるでしょうから、その間に道具類は作ってもらえます。河童達は人間と友好的ですし、しっかりとした契約の元に前払いでお金を渡しておけばそれを違える事はしないでしょう。年明けからそれを基に効率よく仕事をすれば今年の分を取り返せるかもしれません」
そこまで言ってから一呼吸おいた阿求は続ける。
「天狗との交渉には私なりの策はありますが、上手くいかなかった場合も里の財を放出することはありません。その時は慧音さんが言いかけた案があるようなので、そちらを実行することにいたしましょう」
「いや、私は……」
慧音は自分の案、と言われてドクンと心臓が跳ねるのを感じる。
(彼女は私の心中を知っているのか? 以前に里があの決断を下したとき、稗田の転生人は現世に居ただろうか? 歴史は完全に隠蔽したはず)
「もう一つ、皆さんにお願いしたい事があるのです。お酒や茶葉、その他嗜好品類の使用を控えること。それと、それらや貴金属類などの食糧以外の物品の売買を少なくとも私の交渉中は一切行わないで欲しいのです。里の中で取引するなら良いのですが、外との取引は止めて下さい。いいですね?」
阿求は終始冷静で落ち着いた言葉遣いで皆に言って聞かせる。彼女の提案は驚くべきものであり、普段ならば到底受け入れられるものではない。だが、この非常事態を打開するには他に良い案など里の男達には思いつかなかった。
「……稗田様にこの件を一任する事に異議のある者、他に案のある者は挙手するように」
里長が言う。
慧音は黙って俯き、異議も唱えなければ他の代替案を提案することもない。
雁首並べた里の有力者の男衆は互いに目を合わせたり慧音や里長の顔色を窺ったりしながら、最後まで誰一人として手を挙げる者はいなかった。
阿求は妖怪の山に来ていた。たった一人、だが阿求自身妖怪の調査や観察をするので身を守る札などの、いわゆるマジックアイテム類を所持しているので道中問題は無かった。その手に大きな鞄をぶら下げて、少々息を上がらせながら山を登る。
哨戒の天狗に話をつけ、人里との取引や商談の窓口になっている天狗、その統括責任者に目通りをする。
「して、話とは?」
日頃より人間と商売をしている天狗だけはある。幻想郷では組織の力関係こそあれ、それをバックにした朝貢貿易などは無い。ここでは商取引に上下の関係など無く、彼もまた取引を行うに関しては対等の立場で以て人間と接している。言葉にも態度にも人を見下した印象はなかった。
「ご存知の通り、人里は大規模な不作で今年の冬を乗り切れるかどうかというところです。天狗の方々に措かれましては、備蓄の食糧を融通しては頂けないかと参った次第で御座います」
「ふむ。我々妖怪には食糧など必要無いのだから、食わねば死んでしまうそなたらに譲って欲しいということか?」
言葉だけを取れば高圧的で見下した言い方だろう。だが、これは商談だ。弱気な商売、相手の要求をそのまま飲む商売など何処でもありはしない。最初に強く言い渡し、妥協する形で取引を成り立たせる。その着陸地点が最初から儲かる目標地点と同じ場所か、それより上で決着できれば腕の立つ商売人ということになる。
「身勝手な言い分であることは判っております。しかし私達が何処からも食料を調達できなければ、年明けに里で餓死者が出るほどの事態になっていることはご理解下さい。その上で我々が出せる対価は里のお金、1億円です。これで例年の取引額の10倍で食糧を買い上げさせて欲しいのです」
「ふむ、“億”とはな。その鞄にはその前金でも詰めて来たということか、掻き集めたものだ。10倍とは大きく出たようだがな、大方他に持ちかけた商談でもそれくらいには値をつり上げられたのではないのか? もっとも、うちの下の連中が里の商人と交渉した際もその位までは吹っかけたと聞いているがね」
そう言って彼はフンと小さく鼻を鳴らして嗤った。
「……これは里が救われるために必要なギリギリの量です。勝手ながら、普段の様な売買交渉は私には出来かねます。この額のお金、そしてこの取引額で食糧を融通して頂くより他にありません。私は交易というより、交渉でこちらに参ったのです」
「ほう。……例年の10倍と言ったが、今年のこの状況では高すぎる相場とは言えぬ。まして最初に提示した額から変える心算が無いといきなり申すとはな。稗田の生まれ変わりは高等妖怪に匹敵する知恵と知識を有する者と聞いていたが、商談に関しては素人もいいところだ。がっかりだよ人間、出直してくることだ」
「わかりました、しかしまたもう一度お伺いすることになるやもしれません。ですがどうぞ心に留め置いて下さい。里の取引は私が代表として一任されています。そして私は先程の条件以外での取引は何れの方々とも行うつもりは御座いません。天狗の方々が拒否されることは無論皆さんのお考え次第のことですが、その場合私達は別の方法で生き残る道を模索いたします」
「是非も無い」
交渉は決裂。阿求はやはり終始冷静な様子で、一礼してから席を立つ。案内された哨戒天狗に見送られながら帰路についた。
「何時までそうしている?」
「……やはりお気づきになられてましたか」
去り往く阿求の後姿を見送りに交易担当天狗の長が建物の門の前に立つ。正面を見据えたままで誰にでもなく話した。側壁の陰から新聞記者を生業にしている烏天狗が姿を現す。
「取材はまだしも盗み聞きとは、仕事柄か? それとも褒められたものではない趣味か?」
「阿求さんとは見知りなので気になってついて来てしまいました。言い訳のしようもありませんが、どうにも性分なのでお許し下さい」
「他の者にはまだ言うな。新聞にするなど論外だ、よいな」
「山に不利益になることなんてしませんって。ですがよろしいのですか? 今年の人間達は冗談抜きに厳しそうですよ。まあ、今までに何回もあったことではありますけれど」
「そうだ、今までにもあったことだ。そしてその度に人間は一時的に数を減らしつつも耐え抜いた。これが幻想郷の大きな流れの中で必要とされている事なのだとしたら、我々が救いの手を差し伸べてやる義理など無い」
そこで天狗は僅かばかり遠方を見通すように首を上げたあと、言葉を続ける。
「もっとも、我々とて流れとやらに従わねばならぬ道理も無いがな」
「つまり、もっと積めば考えてやらない事も無いと。いやはや御見それ致しました。人間達は自分達の命を買うために何処までお金を積み上げるのか、はたまた命のほうを諦めるのやら。彼女は里のお金を集めたと言っていましたから、取引が済めば里の富は全て吐き出されることになりますね。我々がそれを引き受けるわけですけれど、それにしても例年の10倍のレートでも山の食糧のかなりの部分を融通しなければならないというわけですし、その意味でも取引のレートを上げればこちらの負担は軽くなりますしね」
「いずれにせよ我々以外から十分な食糧を買えるような相手はいまい。食糧を確保するというならば我々と取引するしかないのだ。他からある程度調達出来たところで最後は残った富を持ってくる他無くなるだろうからな」
「それでも、彼女が言うように人間が別の方法を選択したらどうします? 私の記憶では以前までの不作の時は口減らしをした上で乗り切っていました。彼らがそれをするのは結構ですけれど、それならそれで美味しい取引をみすみす逃してしまうのではないでしょうか?」
「どこともしないか、他との取引も規模が小さければ今までと同じだ。私は人間風情に舐められたような取引をするつもりも無い。ものを良く知った相手ならば我々とて取引相手としての敬意を払うというものだが、知識と権威を振りかざすだけの無能な小娘など問題にはせん」
新聞記者の天狗は会話をしながら一通りメモを取ると、相手に一礼してから大空に飛び立っていった。
その顔に新しいネタを見つけたような嬉しさと楽しさを入り混ぜたような表情を浮かべて。
「では、宜しければこちらの契約書に署名して頂けないでしょうか。契約通り前払いにて全額お支払い致します、こちらの鞄に全部入っております故」
「む、むぅ。我らとて人間は盟友と思うておる、里の現状も憂いておるし助けてやりたいのは山々じゃ。そちの言うように今から始めれば来年の春までには新しい耕作機械を作ったり、灌漑を整備することも出来よう。しかし来年の収穫高を大きくすることは出来ても、遺憾ながら今冬の苦境を乗り切る手助けにはならぬじゃろう」
稗田阿求は天狗との交渉が失敗した後、山を下りながらそのままの足で河童達の集落を尋ねた。彼らの長と会談を開き、今しがたその交渉が成立したところだ。
「それは重々承知致しております。しかし何処からも食料を調達できない以上は、今冬をできるだけ少ない被害に押さえて乗り切るより他にありません。その際私どもが一番懸念すべきは春を迎えたときの人々の心情です。……ご承知の通り、人間は心も体も弱い生き物です。絶望を耐え抜くには未来への希望が必要なのです。どうか河童の方々には人々の希望になって頂きたいのです」
「辛き冬を乗り切りさえすれば前だけを向いて生きてゆけるように、と言うわけか」
阿求は神妙にコクリと頷いた。
「全体が生き延びるために仲間の一部を犠牲にする、それは自然界では良くあることだと思います。ですが人間は中途に知能があって、感情で行動する生き物です。生き延びた後、人々は自分自身を許す事が出来るでしょうか? 犠牲になった者達に、自分のために死んでくれて有難う、あなた方の死は里にとって無駄ではないなどと言えるでしょうか? 一部の者はできるかもしれませんが、割り切れない者もいるでしょう。その時人間はどのような行動に出るのでしょうか? 何か捌け口を見つけて八つ当たり? 自責の念に耐えかねて拾った命を捨てる? たとえ春を迎えたとしても生きる気力というものが無ければ里は崩壊します」
「……厄介なようだな、人間達は。肉体にも精神にも栄養が無ければ生きられない、か。あい判った、この仕事承ることとしよう。工房は冬季も活動させ、雪解けには資材と製造した道具類は里に持って行けるようにする。実際に建物や重機を組み上げるのは里の中であるから、実際に稼動し始めるのは夏以降になるとは思うが」
「それは仕方の無いことです。早ければ夏野菜の生産に遅くても秋の収穫には間に合うでしょうから、今年の支払いに使ったお金も来年内に回収できるかもしれません」
「わかっているならば良いのだが……。もう一つ、河童と言う一種族の長としては恥ずかしながら、私は先程人間の本質を語る貴女に感動してしまった。貴女は料金について例年の10倍の金額を提示されたが、我々はそこまでの額を要求するつもりは毛頭無い。皆と話し合わなければ私の一存で決めれることではないとしても、通常通りの支払額が妥当であるし、盟友たる人間ならばこそこのような危機に多額の払いを吹っ掛けたくは無いのだ」
河童の長は阿求の目を真っ直ぐと見据えて話す。その瞳には天狗が阿求に向けたような侮りや哀れみの色は無い。言葉の通りこの人間の少女を認め、あまつさえ尊敬している風にも見えた。
「なればこそ私どもにその対価を支払うことをお許し下さい。それにこれは正当なことでもあるのです。今後他の者達と食糧の融通について交渉するとして、例年の10倍の金額と言うのは人里が行う最大の譲歩です。他の者達と10倍額の取引を行う中、あなた方河童達と通常通りの額で取引を行えば、結果として皆さんに損害を与えることになりかねません」
「ううむ、それは確かにそうだが…………」
「どうぞお納め下さい。お互いに辛い時期に河童の方々が我々人間を盟友として救って下さると言って頂けるのですから、私達もその返礼をしなければ真の盟友とは言えません。与えられるだけ、受け取るだけの関係が友などとは言えない様に」
「承知した。我々の名誉にかけて契約は必ず履行しよう」
河童の長は阿求が用意していた契約書に署名し、同じ書類を互いに1枚ずつ保管することにした。
「では前払いで全額、こちらに5千万円をお持ちしております」
里の金ではなく稗田家の私財。結構な重さがありそうだが、よくもまあこの細身で山の道中運べたものだと感心する。
阿求はカバンに入ったお金をそれごと置いて契約書だけ大事に懐に抱えて帰路についた。
「……以上だが、何か質問はあるかな?」
河童の長は阿求が帰路についた後、すぐに主だった河童達の技術者を招集して話し合いの内容を伝えた。
「かなり大掛かりな仕事になりそうですけれど、準備と施工は全員で取り掛かるのですか?」
「手の空いているもの全員の参加が望ましい。報酬は参加した者の働いた延べ時間や仕事量で判断して分割することとする。多額の料金をすでに受け取っているのだから参加しないと言うのならむしろ損になるだけだ。皆協力してくれるだろう」
集まった河童達は最初の話を聞いたときの報酬にそれなりに驚いていた。天狗の新聞などで人里が大枚をはたいて食糧を買い漁っているようなことを耳にしていたが、自分には関係の無いことだとすら感じていた。それより酒やつまみの値段が高騰しないか心配だったぐらいだ。
人里と交友のある河童にしても独力での助けなどは元より無理があり、妖怪として人間を無償で救助すると言うのも天狗や他の者達に対する建前上できなかった。
つまり河童達には願ってもない事なのだ。助けてやりたい相手を助けてやる事ができ、かつ報酬として十分な見返りもある。稗田の少女が長に伝えたように、盟友関係とはまさにこのような互助があってこそだろう。
「ここに来ていない者達にもあらましを伝えて参加を呼びかけてくれ。仕事の見積もりと配分は幹部会議で決定し、後日通達しよう」
阿求は里に帰ってきていた。話し合いの席を設けてもらい、一連の交渉内容と結果を皆に伝える。
「これが現在までの交渉の進捗状況です。今話したとおり、天狗達とは1億円の商取引を行いたいと考えていますので、里の皆さんには貯蓄を持ち寄っていただいて―――」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 今の話だと天狗との交渉には失敗したってことじゃないか。何でこの上私財を取り上げられなければならないのか説明してくれないことには協力できないぞ!」
そうだ、そうだ―――
集まった男共は背を丸めて前屈みに自分の周囲の者達に耳打ちして同意を求める。最初の男こそ堂々と阿求に対して発言したが、その他の者達は阿求と目を合わせないようにしながら自分の両隣の者とあーでもないこーでもないと勝手に話しを始めてしまった。
「勿論、先日の交渉は失敗に終わりました。ですが彼らにはまた伺う旨伝えましたので、その際にもう一度交渉する事が出来ます。彼らが今後の交渉は一切しないと私達を切り捨てない限りは、本格的な冬が到来して山が雪に閉ざされない限りは何度でも話をすることは可能です。その時のためにも準備だけはしておかなくてはなりませんでしょう? それにこれはもとより予定されていた事態です。私達は一致団結することを既に里の決定事項にしているではないですか」
「…………阿求殿の言う通りだ。里としては方針が固まっていることのはず、今更になって惜しむ銭でもないのではないだろうか。それに天狗達との交渉が失敗したとはいえ、河童達との約束を取り付けてきたことだけでも大きい。この上僅かにでも食糧を集められればなんとかなるかもしれない」
「私も阿求殿の言う様にすべきだと思う。それに阿求殿は前回“策”があると言っていたのを覚えている。考えあってのことだろうし、皆も代案があるわけでもないのだろう?」
里長と慧音が阿求をフォローする。二人とて落胆していない訳では無いだろうが代案が無いのも事実、誰からも有用な提案がなされないのであれば阿求を信任する他無かった。
変わり映えのしない会議。出席者は自らの危機的状況を代わる代わる嘆くだけで解決策を提示することは出来ない。里長や慧音が策を掲げれば、考えるのはそれによって自身が損害を被るか否か。無論損をするようならば反対を表明するか、少なくとも不服な意思を見せる。
それでも慧音のカリスマ性と影響力、最終的には長の決断によって不満を持つ者達を渋々従わせることも出来た、これほどの危機でなければ。
阿求が当初の提案をしなければこの無為な議論、いや議論すらない唯の集まりは何の意味も成さずに回を重ねただけだろう。慧音が心に秘める最後の解決策が提示され、それを採択することになるまでは。
里の有力者会議で決定が下った。あえて悪く言うのならば人里内の全ての人間に対して資産の没収が行われることになったのだ。もっともすでに食料は細々とした配給制になり、金銭の価値が不明瞭になった里内では買い物は物々交換になっていたので思ったほどの混乱はなかった。
「集まったのは全部あわせて九千百三十七万円。………残念ながら目標としていた額には届かなかったようだが、これが里で持ち寄れる全額だと思う。この期に及んで出し惜しみしている者がいるとは考えられない」
「まだ宝飾品類や嗜好品類は皆それぞれそのままにしているはずだ。阿求様の御言い付けとはいえ、これらも集めて換金するか直接天狗達に金と一緒に献上すれば事足りるかもしれないぞ」
此度の事態で資産の回収と(一応事態が落ち着いたら再分配もありえるので)記録を担当していた出納係が記録用紙と目の前に積み上げられた皺くちゃな紙幣や多量の貨幣を前に呟く。
(里中で集めてこの額とは……稗田家がポンと出したと言う5千万と言うのはやはり大金だ。それ程の蓄財があったことも驚きだが、それをあの少女が躊躇いも無く河童達にくれてやったというのは恐るべきことだな)
「不足分については調達する当てがあります。額を長達に報告し、お金の見張りと警備の人員を要請してください。不足していることについて心配が要らないこともお伝えして下さいな」
「ひ、稗田様、いらしていたのですか?」
まさか当人に聞かれているとも思いもよらなかった男は慌てる。聞かれた発言に問題は無い筈。しかして阿礼乙女の超人振りに思いを馳せていたところだ、自分の考えが見透かされてしまうのではないかと要らぬ不安が頭をよぎる。
それを知ってか知らずか、自分の娘とさして歳もかわらぬ少女は軟らかな笑みを浮かべる。自分の娘は寺子屋で算盤をお父さんの様にパチパチと格好良く弾きたいと練習していると嬉しそうに話してくれたこともあった。同じ笑顔で彼女は話す。
「皆さんには里との外部との取引を自粛してもらっています。貴金属も嗜好品類も皆さんそれぞれの管理ではありますけれど、おそらく誰も物々交換には用いていないと思います。今のところ食糧を入手しようとしても金銭同様に買い叩かれるでしょうし、その手の取引の噂はどうしても漏れてしまうものですから。この状況で村八分にあう危険を犯す商売人はいないと思いますよ」
彼女の顔が自分の娘とダブる。この年端もいかぬ子が様付けで呼ばれ、今里の危機に際して自分のような男衆に指示を出して動かしている。そして彼女は短い生涯を定められているとも聞く。私の娘は大人になってからやりたいことを嬉々として父である自分に語るというのに……。
彼女は私の娘と一体何が違うと言うのだ。
ここ幻想郷では格別珍しいことではないのだろう。少女の姿をした恐ろしい妖怪、鬼、神すら存在する場所だから。でもこの娘は人間なのだ。自分の娘とかわらない―――
「それでは先程の事、お願いしますね」
あとがき
かなり久しぶりの投稿になってしまいました。
作品集も未読が結構ありまして、被ったりしていないかと心配です。もしそうであればご指摘下さい、自分でもあまり似た作品はなさそうだとは思っているのですが。
作品の発案やベースは作品集11で読んだ話に影響を受けています。つまり里で食糧危機が起きるとかの部分ですね、複数の方で違ったアプローチをされていたようなのでここで名前は挙げない方がいいかと思いますが。
今のところ産廃っぽさ、とでもいうのでしょうか。そういうのがないなぁと自分でも思うのですが、今後は結構きつ〜くなっていくと思います。そう出来たらいいです。
投稿ペースは以前と比べると相当に遅くなるかもしれませんがご容赦下さい。
それとこの作品内での“例年の”貨幣価値はたぶん現実世界の数倍くらいです。里を救うのに1億(普段の1千万)で足りるのか〜? っていうのもあるのですが、とはいえあまり額を大きくしすぎると………、あっきゅんどうやって持っていったん? になるので
もの書くときにはいろいろ調べたりしてから独自設定を作るのが好きなのですが、なにせにわか仕込みですので致命的な矛盾でもなければ許してください。そういうのがあったら指摘していただけると助かります。
諸事情により一ヶ月ほど、実のところ1月の間だけだったのですがこの場を離れていました。
その間投稿された作品が目の前に山のようにありまして………
これは勝手な自分ルールだったのですが、未読作品や掲示板の未読が一つでもあるうちは自宅での製作と投稿はせずにそれらを読むことを優先させようと考えていました。
しかしその時間もあまり取れず、今現在作品集12の半分くらいまでしか見終えていません。(いろいろあったみたいなので掲示板の方は全部目を通したのですが)
外に出ている時に書いた分で少しだけ作品は出来つつありましたし、幾つかの構想もありました
投稿を続けていたときは書くことも読むことも楽しくて仕方なかったのですが、少しの間離れて堕落した自分の心には脂肪が付いてしまったみたいです。
まだ他作家さんのを読み終えていないとか、誰も彼も自分の事なんか忘れてしまっているとか、言い訳ばかりを考えて逃げていました。
で、>>788さんが目に入ったんです
今後はゆっくりですがまた産廃に参加していきたいと思います
見苦しい自分語りと言い訳をこの場でしたことをお許し下さい
マジックフレークス
作品情報
作品集:
15
投稿日時:
2010/05/08 14:20:29
更新日時:
2010/05/10 07:25:04
分類
阿求
慧音
相変わらず、展開と発想が凄まじいことで^^
話は飛びますが、以前植物ホルモンの実験のレポートの老化作用の課題を思い出しました。
アブシシン酸やエチレンを用い「弱い葉を落とし無駄なエネルギーの消費しない」…
これがそのまんま村社会に当てはまるかはわかりませんが
「口減らし」より「姥捨て山」のがいいんじゃないですかね?^^;>慧音先生
というか
「幻想郷なんて捨てて外にこないか?いろいろと捗るぞ^^」
「今年も土粥が上手いわね。そこら辺の枯れ木でダシをとったおつゆも中々いけるわ」
こっからどう産廃ちっくになるのかドキワクだが今の時点でも普通に面白かったです
続きが気になるぜ
もし、成功したら慧音は過去のことを今以上に苦しみそうだ
慧音先生みたいな東方では珍しいくらいの善人が
苦悩しているのをみると何故かにやにやしてしまう…って我ながら歪んでるな
あなたの重厚な物語、楽しみにしておりました。
どれほど陰惨な破綻と崩壊を辿るのかドキドキしてしまう自分は駄目な人ですね。
目の前の飢饉をただ受け入れることしか出来ない外の世界とは違い、
異種族が多数存在する幻想郷だからこそできる方法を妄想すると楽しくなります
阿求がどう動くのかが大変気になるところ
等と思っていた所でした。
エログロばかり期待してニヤけたりするのでなく、真面目に物語が気になります。
今の段階ではどう話が転ぶのか予想がつかないので続きを楽しみに待ってます。
しかし、牧場物語、アストロノーカ、シムシティとは…貴方とは話がよく合いそうです。
ザ・タワー、AZITO、シヴィライゼーション、ワールドネバーランド、テーマホスピタル、RONあたりもプレイされているのでしょうか…。
あんな書き込みで奮起?してくれるぐらいだったら、
俺もポツリとつぶやいてみればよかったな。
真夜中のデッド・リミットとかその愛は命を賭すに値したとか大好きだったから
またマジックフレークスさんの話が読めて嬉しいです
続きを楽しみにしております
果たして阿求はどうするつもりなのか?
人里が救われることを祈ります。