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『俗・香霖堂の店主が望んだこと』 作者: ND
僕が幻想郷から出ていって1年近く経った。
この世界では、まず宿を貰うには不動産屋という所に向かうべきらしい。
それでようやく宿を手に入れた僕だが、この宿でも1ヶ月に一度家賃と言う物が必要らしい。
その家賃と言うのは、目が飛び出るくらい信じられないくらいの金額だが、
さらに驚いたのは、就職やバイトなどの給料だった。
たった1週間働いただけで、幻想郷の時とは信じられないくらいの金が手に入るのだ。
この世界は物価が高い。
だから賃金も高いのだ。
だが、就職するには学歴という物が必要らしい。
そんなものを持っていない僕は、バイトをするしかなかった。
幻想郷に居た頃と比べると、結構大変な作業だった。
だが、働いている感があり、結構充実していた。
女から聞いたが、僕は少しだけ妖怪の気があるようだ。
僕はただ、能力を失っただけで、ほとんどは妖怪なのだそうだ。
だから僕は、食費という物を気にしないで済んだ。
ただ、お酒と本が読めれば結構だった。
ここの世界の本は、幻想郷の時とは比べ物にならないくらいの量があった。
家賃を払った残りの金は、ほとんど本の金に回っていた。
だが、僕はこの世界では充実していた。
ある日、店長から バイトではなく正社員にならないか? という勧誘が来た。
正社員になれば、給料が増えて本を買う事がさらに多くなることから、僕は
『是非』
と言った。
そして僕は正社員になった。
バイトの時より仕事の量は増えたが、給料は結構上がった。
それでも僕は頑張った。それ以外頑張る事が無かったからか。
その頑張りが認められたのか、僕は店長になった。
僕は、いつの間にかこの店に愛着が湧いたらしい。
さらにこの店が向上するように、幻想郷では考えられなかったであろう、
このお店は、以前より繁盛したらしい。
そして、いつの間にか僕は社長になっていた。
あのお店はチェーン店という種類のお店だったらしい。
この国の中では100店舗くらいの数があるらしい。
僕は、今日もその100店舗の店の為に働く。
霖之助さんが死んでから1年近く経った。
時間と言う物は残酷だ、確かに心の傷はどんどん癒えていった。
だが、私はまだ香霖堂の店に通い続けている。
そして、お店の掃除や洗濯などを繰り返している。
主婦になったつもりなんだろうか。私は。
『おーい!霊夢ー!!』
親友の魔理沙が遊びに来た。
『お前、最近この店に来る事が多くなったよな。自分の神社の方にも気にかけろよ。』
『余計なお世話よ。』
そうだ、私はこの店に来る事が以前より多くなった。
『私に会いに来てくれているのかしら?』
このババアが居すわっているが、私は構わずこの店に来ていた。
『でも残念ね、私が好意を持っている人は一人だけ。でもその一人も、もう居ないのよ。』
恋敵 という者だろうか。
だが、その相手も もう居ない
苛立ちは感じず、ただ虚しさが残っていた。
『で、何しに来たのよ魔理沙。』
『ああ、ちょっと小腹がすいたからつまみ食いでもしようかと。』
やはり、そんな用か。私はそうあきれた
『言っておくけど、もう霖之助さんは居ないのよ?』
『分かってるよそんな事…………』
魔理沙は急に大人しくなった。暗くなった。
一番、心に傷が残っているのは彼女なのだ。
兄と言えるほど仲が良かったと思われた人が、居なくなってしまったからだ。
『どうして言わなくちゃいけないんだ。僕たちはそこまで親しくないだろう。』
この言葉を聞いてから、私と魔理沙は
その言葉を思い出すたびに心の傷がえぐられてた。
私は、再び縁側の掃除に戻った。
端の方を掃除しようと移動したとき、
向こうに居た霖之助を殺した女の顔が見えた
僕が、仕事をしているときにいろんな人が報告などをしてきた。
青森県の店舗の売れ行きや
福井県の店舗の売れ行きや
鹿児島県の店舗の売れ行きなど、
実際にその場に行き、改善点などを考えたり等、
人に命令する立場の人間なので、最善の改善方法を考えた。
そうだ、今はこれが僕の仕事だ。
だが、最近では本を読む時間が無くなって来ていた。
興味のある本は、あらかじめ買っておいてとっておいている状態だった。
だが、それのおかげで今だに読んでいない本が3桁を超えた。
ある日、秘書の彼女が話しかけてきた。
『あの………森近社長はご結婚はなさないん……でしょうか……?』
彼女は、秘書と言うには20代前半という、あまりにも若い秘書で、
十分の知識や、行動力を持っているが、
あまりプライドと言う物が感じられず、お茶を持ってこようなら、8割の確率で転んで僕にかけられる。
はっきり言えば、ドジだった。
その彼女の質問に、僕は軽率に答えた。
『まぁ、将来は読み切れていない本を読み切りたいと思っているからね。』
そう言って、僕は仕事に戻った。
仕事が終わった頃に、
秘書は少し赤くなりながら、僕の携帯にメールを送った。
送った瞬間、ものすごく慌てて走ってタクシーを捕まえて逃げるように帰っていった。
家に帰った後、
僕は、溜まった本を読もうと椅子にかけると、
メールの方を少し気になってしまい、僕は携帯に入っているメールの方を見た。
それは、彼女が僕に対しての気持を一生懸命伝えた文だった。
私は、霖之助を殺した女に攻撃をして、とっ捕まえた。
魔理沙も加勢し、女にマスタースパークをくらわした。
紫は、圧倒するような威圧感を出していた。
『どうしてあんたがここに居る!!!どうして死んだはずのあなたがここに居るの!!!』
女は、信じられない返答をした。
『私は殺されていないから』
私は、一瞬意味が分からなかった。
『あら、確かにあなたは霖之助さんを殺したわよね?一体どこのどこで身をかくしていたんですか?』
紫は、ほとんど怒りにまかせて発言していた。
『私は、ただ霖之助さんに恩返しをしただけよ』
『ふざけた事を言っていると食ってしまいますわよ?』
紫は、ほとんど瞳孔が開いている状態で恨みという負のオーラが増していた。
『まぁ、あなた達にとってはふざけた事かもしれませんがね。』
『ふざけてるのはてめえの方だ!!!香霖を殺しておいて恩返しだぁ!?それで自分自身はのうのうを生きているだぁ!?
死ね!!殺してやる!!!』
魔理沙は、今までの衝撃、絶望、虚しさの分を全て怒りに変えていた。
『あなたは知っているんですか?霖之助さんが一番望んでいた事を』
その言葉を女が発した途端、紫は顔色を急に変えた。
そして、紫は香霖堂に戻り霖之助さんの日記を勝手に読んだ。
紫は、女に問いた
『霖之助さんも………本当は殺してないって事ね…………。』
今、紫が何を言っているのかは分からなかった。
だが、今まで暗かった私に、大きな光が入ったのを感じた
『紫……?お前それどういう事だよ!?』
魔理沙には、少し明るさを取り戻していた。
『あまり教えたくなかったんですがね………。』
私は、女の襟首をつかんだ
『霖之助さんは!!霖之助さんは一体どこに居るのよ!!!!!』
女は、答えた。
『紫さんに聞けば?』
女は、あまりにも抵抗が無く、そして何もかもがどうでもよさそうな顔をしていた。
そして、紫は私達に聞こえるように言った。
『霖之助さんは、幻想郷の外に居る』
こんなメールを貰っても、僕は困るだけだ。
明日、君に何を言えば良いというのだ。
少し憂鬱になりながら、僕は本を読んだ。
その本は恋愛小説というジャンルらしい。
少し、その本を読んでみた。
しかし、僕は恋愛などした事が無いので、よく分からなかった。
そもそも、人を恋愛的に好きになったことなど無かった。
妖怪などもっぱら好きになった事が無かった。
というより避けたかったのが正しい。
とりあえず、一番近い異性の人物は、
魔理沙、霊夢、紫
くらいか?
といっても、そんなに近くはないだろう。
とりあえず、僕が恋愛的ではないが、一番好きなのは霧雨の親父さんだったか。
彼との話や、彼と修行を共にした事はとても楽しかった。
だが、今はその親父さんも居ない。
霧雨の親父さんが今の僕を見たら褒めてくれるだろうか。
一応、そんなありもしない期待をしながら僕は読書に戻った。
紫はスキマを出し、外につながっているだろう世界に入ろうとしていた。
『あんたが出たら、幻想郷はどうなるのよ?』
私は、とっさにその言葉を出した。
『今はそんな事を気にしている場合じゃないわ。』
紫が出るとは思えない返事が返ってきた。
『それに、あなた達じゃ結界を破る事なんてできないでしょう。』
『お前だけじゃあ霖之助を引き戻すのは無理だと思うがな。』
魔理沙は、遠まわしに 私も連れて行け! と言っていた。
『本当に連れ戻す気なの?』
女が語ってきた。
『これは霖之助さんが望んだ事なのよ?あなた達が霖之助さんが望んだ事を壊してもいいわけ?』
女は、少し怒っていた。
確かに、これは霖之助さんが望んだ事だろう。
霖之助さんは、以前にも外の世界に興味を持っていた。
今の彼は、幸せなんだろうか。
でも私は……………。
『あいつは自分の思いだけでこの幻想郷を出てったんだろ?』
魔理沙は、少し怒ったように返答した。
『だったら私は私の想いだけで連れ戻してくるよ!!』
魔理沙は、女を鬱陶しそうに返答した。
返答した後は、霖之助に会えるという嬉しさで笑顔になっていた。
私も、いつの間にか笑顔になっていた。
また霖之助さんに会える。
そう想いを胸に詰めて、私達はスキマに入った。
僕は、1冊の本を読み終わると、就寝しようとベッドに向かった。
また明日、企画書を目に通さなくてはいけない。
僕は、明日の計画を立てて眠りに就いた。
何かに踏まれる感触がして目が覚めた。
僕を踏んでいた奴を見ようと目を開けた。
そいつを見た後、僕は目を疑った。
紫、霊夢、 魔理沙の3人だった。
『香霖、随分良い所に住んでるじゃねえか。少しおごってくれねえか?』
魔理沙が、僕に少し嫌味を言ってきた。
霊夢は、笑顔のまま涙を流していた。
紫が僕の顔に近づけてきた。
『お久しぶりね、霖之助さん。』
どうしてこいつらがここに居るんだ!?
しかし、理由は分からなくても目的は分かった。
『さぁ、一緒に帰りましょう。』
やはりだ、
ふざけるな。まだ企画の途中なんだ。そんな時に帰れるか
僕は、ガードマンを呼び、こいつらを追い出そうとした。
『霖之助さん!?一体何を!?』
『侵入者だ!!今すぐ追い出せ!!!』
僕は、とっさに声を出した。
『おい香霖!!迎えに来たのにこれは酷いじゃねえか!!!』
黙れ!!僕はもう戻れないんだ。幻想郷に。
『なぜ分かったんだ!僕がここに居る事を!!』
『あの女の妖怪が吐いてくれたわ!』
僕は、つくづくあの女を恨んだ。
あいつは本当は僕を痛めつける為にしているのではないだろうか。
『うるさい!どうして僕を連れ戻す!?僕はもう幻想卿に居なくても良い人間だ!店なんかくれてやるから帰ってくれ!』
『いらねえよ!!そんなもん!!』
だが、彼女3人組は徐々に確実に出口の方に押していた。
『霖之助さん!!あなたは前に私達はそこまで親しくないって言ってた!!でも!!でも私達は……』
言い終わる前に、彼女らは僕の部屋から出ていった。
しかし、またこの部屋にくるかもしれない。特に紫が居るのでは、
僕は、秘密の地下室に行き、そこで夜を過ごした。
紫の力でまた部屋に戻ってみたが、もう霖之助さんは居なかった。
結局、また想いを伝えられたなかった。
『霖之助さん………やっぱりもうこの世界の方がいいんだね………』
私は、弱気になってとっさにこの言葉を言った。
私達はまた、死んだように静かになった。
まさかの続編です。
いらなかったら消します。
ちなみに、完結編もでます。
つーかもう出てます。
探してください。
ND
作品情報
作品集:
16
投稿日時:
2010/05/22 04:56:46
更新日時:
2010/05/22 23:28:33
分類
霖之助
霊夢
魔理沙
紫
女
こういう感情のすれ違い話は結構好きだw
なら買う
次でわかるのかな
面白かったです