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『続・東方惨劇録 Episode2 「解答編」』 作者: HAMU
注意書き。
この作品では、死なないはずの部類の人までもが死にます。
ご了承ください。
あと、侮辱系批判コメする人は、ブラウザバックしてください。
この解答編は、今までのやつに少し書き足しただけです。
「レミリアじゃないとしたら?」
「紫じゃないかしら・・・あいつにも訊いてくるわ」
「私たちを殺そうとする理由が判らないぜ?」
「思い出せませんか?」
「ごめんなさい・・・全く・・・」
咲夜は頭をかかえた。
どうすればお嬢様の記憶を取り戻せるの?
「何かきっかけがあればいいというのは知ってますが」
「・・・私が好きなものとかってありましたか?」
「特になし」
「なるほど・・・打つ手無しという事ね」
「すいません・・・パチュリー様・・・」
咲夜の後ろに、隠れるようにレミリアが立っていた。
「・・・ああ、紹介が遅れてたわね。私はパチュリーノーレッジ・・・この館の住人の1人よ」
「よ、よろしくお願いします」
パチュリーは、レミリアの態度に違和感を感じていた。
「なんか・・・新鮮ね・・・」
「なー霊夢」
魔理沙はいつも通りの調子で話しかけてみた。
「レミリアの記憶を簡単に取り戻す方法って?」
「あいつが楽しかったことでもやらせればいいと思ってね・・・文ー?」
霊夢は大声で文を呼んだ。
「はいー。こちらの準備はいつでも大丈夫です」
「うん、よろしく頼むわよ」
そう言うと、文は飛んでいった。
魔理沙は再び霊夢に顔を向けた。
「何を頼んだんだ?」
「宴会でもやろうかなっ・・・て、思ってね」
「!!!」
「こんなことでもすれば記憶が戻るかなって思って」
「妖夢ー!これ見て見て!宴会だって!」
「えー・・・嫌ですよ、もぅ・・・」
妖夢はため息をついた。
幽々子は「えぇー・・・」と言う顔になって落ち込んだ
「えー、でもでも、」
「こないだのようなことが起きるかもしれないからです!!!」
「あ、それもそうね・・・」
幽々子は変に納得してしまった。
「お嬢様・・・宴会がやるそうです」
「・・・さっきの紅白巫女の神社で?」
「きっと楽しいですよ」
翌日。
博麗神社での宴会当日。
「ふ〜ん・・・結構集まったじゃない・・・」
「これでレミリアの記憶が戻るといいな!!」
そんな事を言ってる途中に、レミリア達がやって来た
「パチュリーにレミリア、それに小悪魔!」
「咲夜は置いて来ちゃったのか?」
「はい・・・3人で楽しくやって来てください・・・って」
「そうか・・・」
その頃。
博麗神社の石段にて。
「やっと着いた・・・」
リグルが来ていた。
両腕で大きな壺をかかえている。
「誰かが手伝ってくれるといいんだけどな・・・」
歩くだけでも結構疲れていて、石段なんてそれよりつらい。
その時、リグルの後ろから誰かが来ていた。
「手伝ってあげましょうか?」
「え?」
声をかけられたと同時に、その人が壺を持ってくれた。
「あ、ありがとうございます・・・」
その人に向き直って、お礼をしようと頭を下げた。
その時だった。
後頭部をその壺で思いっきり殴ぐられた。
「うっ!!」
いきなりのことに抵抗が出来ず、うつぶせの状態で床に倒れ込んでしまった。
「・・・く・・・」
倒れているリグルに打らに衝撃が走る。
そいつは、様子見なんて生易しい事はしてくれなかった。
今度は、何か固いもので殴ってきた。
それも、一度ではなく何度も。
何回か繰り返すと、今度は体に激痛が走った。
どうやら刃物のようだ。
何度も何度も激痛が走り、刺されるたびに血が吹き出ていく。
次だった。
リグルの心臓部分にその刃物が刺さり、貫通した。
「!?」
「どうした、霊夢?」
「いや・・・今、石段の方で変な感じが・・・」
「まさか・・・」
魔理沙は霊夢と同じように、変なものを感じた。
「行くわよ!!魔理沙!!」
霊夢達は社を出て、石段をすぐに下りた。
「はっ!!」
異変に先に気づいたのは魔理沙だった。
石段のすぐそばに、リグルの死体を発見した。
「さっき、霊夢が感じたのはこれかよ・・・」
「たぶん」
リグルの頭は半分砕けるようになっていて、体の方も何回も刺されている
そんな事が判った。
「修復しきれないか・・・」
「・・・そうね・・・元がやられたら出来ないでしょうね・・・」
「ん?」
リグルの死体の他に、もう1つの事に先に気づいたのも魔理沙だった。
死体のすぐそばに、手紙が置いてあった。
「また手紙かよ・・・」
魔理沙は手紙を拾い上げた。
その手紙を、霊夢にすぐに手渡した。
「また手紙?」
「レミリアはまだ社の中にいる。レミリアには不可能だ」
「判ってるわよ」
霊夢と魔理沙は石段を上り、社に戻った。
「皆ー聞いて」
「?????????」
霊夢の一声に、宴会参加者達は「何だ何だ」と集まって来た。
社の中に全員集まると、すし詰め状態だった。
霊夢は、宴会参加者達に、先ほどあった事を話し始めた。
「ほ、本当なんですか!?」
先に反応したのは早苗だった。
「しー・・・静かに」
「・・・」
「そして・・・」
霊夢は手紙を頭の上に公開した。
「リグルの死体と一緒に、手紙が落ちていたわ」
「・・・」
「ちょっと、読んでみるわね」
霊夢は手紙を開き、少し、手紙のないように目を通した。
「「こんにちは、博麗神社での宴会参加者の皆さん」」
「「皆さんは宴会を楽しんでいる事でしょう」」
「「ここで、今から幻想郷全域で、大イベントを開きたいと思います」」
「「そのイベントとは、この幻想郷を崩壊させる事です」」
神社内にどよめきがはしる。
「「明日からの3日間、宝玉を探してもらいます」」
「「そして、宝玉を見つけた生き残りのみが、助かる事が出来ます」」
「「今のを聞いた通り、生き残りのみです」」
「「3日間、私の方からも刺客を送り、皆さんを少しずつ減らしていきます」」
「「では、がんばってください」」
社内は沈黙に包まれた。
最初に、魔理沙が口を開いた、
「も、もちろん・・・生き残らせるのは、れ、霊夢だよな?なぁ?!」
「・・・」
魔理沙は同意を求めるように、皆に問いかけた。
早苗は立った。
「ですよね・・・博麗の巫女ですもの・・・」
「・・・」
「結界を見守る役目もあったのですから」
宴会は、この時点で解散した。
幻想郷崩壊前1日目。
「そういうわけなの、咲夜」
「本当なんですか?あと3日でこの幻想郷が崩壊するなんて・・・」
「噓ならあんな手紙は出さないと思うけど?」
パチュリーは咲夜に顔を向けずにそう言った。
今、図書館にはレミリア、パチュリー、咲夜、小悪魔の4人がいる。
昨日の出来事を話し合っていた。
パチュリーとレミリアは本をあさっている。
「覚悟だけは決めといた方がいいんじゃないの?」
「そう・・・ですね・・・」
咲夜はそう言って、図書館を出て行った。
「パチェはどうするの?ここを出てくの?」
「・・・レミィ」
「・・・」
「八雲紫は疑えないのかしら?」
パチュリーはレミリアに質問した。
「無理ね」
「なんで?」
「今朝、射命丸文が持って来た新聞に、紫が何者かに殺されかけた状態で発見されたそうよ」
「・・・」
レミリアはすっかり、いつも通りの口調に戻ってきていた。
「紫のそばには式神2体の死体」
「つまりは、レミィでも紫でも式神達が犯人でもないのね」
「そういうことになっちゃうわ・・・でも」
「?」
「紅魔館での殺害予告の犯人と幻想郷崩壊予告の人は同一人物だと思うわ」
「まあ・・・犯人が誰にせよ、あがきようがないのは判るわ」
パチュリーは、本に目を通しながらそう言った。
「外の世界の本?」
「そう・・・時間は不可逆と書いてあるわ」
「もっとも、この幻想郷にはそんな常識は通用しないかもしれないけど」
魔法の森にて。
ガサガサガサガサガサガサガサガサガサ・・・。
魔理沙とアリスは、昨日に分かった『宝玉』とやらを探していた。
ガサガサガサガサガサガサガサガサガサ・・・。
「こんなに早くから探しても意味はあんまりないと思うんだけど」
「タイミングじゃなく、時間の長さが問題だ」
魔理沙は決してあきらめない。
「せめて・・・霊夢だけでも生き残らせなくちゃな」
「そうね・・・」
ガサガサガサガサガサガサガサガサガサ・・・。
アリスは半分諦めていた。
「ねえ魔理沙」
「何だ?」
「とりあえず、お昼ご飯にしない?」
「そうだな」
アリスの唐突な提案を受けながらも、魔理沙は普通にOKした。
「ねぇ・・・魔理沙は、怖い?」
「何がだ?」
魔理沙には、その質問の意味が理解できなかった。
「何がって・・・」
「怖くないぜ?いつかはこんな時が来るとは思ってたからな」
「・・・」
アリスの顔は本気。
「・・・噓だぜ・・・本当は怖いんだ・・・」
そのとき、アリスの目の色が変わった。
「?!」
アリスは包丁を右手に握っていた。
「な、何をするんだよ・・・アリス」
「怖いんだよね?怖いんだよね?怖いんだよね?」
アリスはじりじりと魔理沙に詰め寄っていく。
「ねぇ魔理沙・・・この家から出て行って・・・あなたを殺したくないの」
「はぁ・・・?!」
アリスは、もう1つの包丁を魔理沙の前に投げ捨てた。
「その包丁で私を刺し殺して」
「そ、そんなことできるわけないぜ!!!」
「なら殺す」
アリスは包丁を構え直した。
「ーーーーーーーーーー!!!」
魔理沙は足下の包丁を手にとり、アリスに刺した。
しかし、刺さったところは心臓ではなく腹。
「・・・ダメじゃないの・・・ちゃんとしなさい・・・」
「ーーーーーーーー!!!」
魔理沙は立ち上がり、家のドアを勢いよく開け出て行った。
そのとき、わずかながらアリスの声が聞こえた。
「いい判断よ」
その頃、博麗神社では。
「霊夢、いるかー?」
「その声は・・・神奈子」
神社に神奈子が来ていた。
「なんなのかしら?唐突ね」
「相談する事があるんだ」
神奈子は社の中には入らず「ここで十分」と言った。
「実はな・・・この幻想郷から出て行く事にした」
「そう言うとは思ってたわ」
「・・・」
霊夢も、「ここで十分」という感じで社から出ない。
「カエルの方は?早苗は?どうするのよ」
「諏訪子には、早苗を頼むように言っておいた」
「一緒に出て行けばいいのに」
「諏訪子は「一緒に行くならここで死ぬ」なんて言うし、早苗は「私も同感です」とか言ってた」
「あんたは残らないのね・・・寂しくなるんじゃない?」
「・・・」
神奈子からは返事がなかった。
「?」
社の中にいて、庭の方を見てなかったため、気づく事が出来なかった。
神奈子はいつのまにか、とっくのとうに出て行ってしまった。
「ふぅ・・・」
霊夢は外を見た。
この幻想郷とは後3日でお別れ。見納め。
・・・。
ふと、霊夢は異変に気づいた。
魔法の森の方角が真っ赤に燃えていた。
火事だった。
霊夢は、通信機能のある陰明玉を取り出した。
パチュリーのつなげた。
「何よ、霊夢」
「大変なの!!魔法の森の方角が燃えてるのよ!!」
「な、何ですって!?すぐ行くわ!!」
パチュリーとの交信が終わり、霊夢は札をいくつか持って神社から出た。
嫌な予感しかしない。
魔法の森の方角が燃えている以上、魔理沙かアリスが大変な目に遭っている事になるからだ。
燃えている面積からするに、まだ燃え始めてから間もない。
急げば間に合う。
霊夢は燃えている現場に着いた。
「ア、アリスーーーーーーッ!!!!」
燃えているのはアリスの家だった。
既にアリスの家は業火に包まれていた。
魔理沙は近くの地面に座り込み、アリスの家に向かってただただ叫びかけている。
少しすると、パチュリーが到着した。
「も、ものすごい燃えているじゃない!!」
パチュリーは本を開き、水符の呪文を唱え始めた。
「2人とも、少し下がってて!!!」
パチュリーは呪文を唱え、アリスの家に向かって発動した。
火事はすぐに鎮火した。
魔理沙は燃えているアリスの家を呆然と見つめている。
「他のところに燃え広がらなかっただけでも奇跡よ・・・」
「・・・」
既に灰と化したアリスの家。
屋根が崩れ落ちていたので、家の中が見渡せた。
「アリスッ!!!」
アリスの死体を見つけたのは魔理沙が先だった。
アリスの死体も、家同様に黒く焦げていた。
魔理沙の服には少量の血。
・・・。
魔理沙が殺したのかしら?
霊夢は内心そう考えた。
「・・・」
アリスの心臓部分が何かの鋭利なもので貫かれている。
魔理沙はそれらしきものを所持していない。
しかし、魔理沙がそういった物をどこかに捨てたのかもしれない。
「魔理沙・・・とりあえず、神社に行きましょう」
ついでに、霊夢はパチュリーにも呼びかけた。
「パチュリーは、紅魔館の人たちに挨拶はすませてきたのかしら」
「もちろんよ」
3人は神社に戻った。
「・・・」
「・・・魔理沙・・・」
魔理沙は縁側で、先ほどからずっと魔法の森の方角を見ている。
無理もない、かもしれない・・・。
現在、午後の1130分。
もうすぐで、1日目が終わる。
「パチュリーは神社に泊まっていくのかしら?」
「霊夢がそういうのなら、別にいいわよ?」
「頼もしい・・・!!!」
幻想郷崩壊前2日目
「・・・」
「咲夜さん・・・今まで、お世話になりました」
幻想郷が崩壊するということで、
雇っていた妖精メイドはどんどん辞めていく。
「それでは・・・」
最後の1人が門を通った。
紅魔館に残っているのは、咲夜、美鈴、レミリア、小悪魔の4人だけである。
「パチュリー様、ご無事だといいですが・・・」
咲夜は美鈴にそう呟いた。
「き、きっと大丈夫ですよ・・・」
「・・・」
魔理沙は急に立ち上がった。
「ど、どうしたの?!魔理沙?!」
「ちょっと、出かけてくるだけさ・・・」
「殺される危険性があるのに、出て行くのは危険よ!!!」
霊夢の言葉を、魔理沙は全く耳に入れない。
「明日・・・最後の1日のときには必ず戻ってくる」
神社には霊夢とパチュリーがいたが、その発言は
どちらに向けていたのか分からなかった。
「・・・」
幻想郷崩壊前、2日目。
「はあ、にとりさん、何のようですか?」
早朝。
文はにとりに呼び出されていた。
「見てよ、この機械」
「バカでかいですね」
「そうよ?挟まれたりしたらひとたまりもないほどよ」
文はにとりに呼び出された理由が判らなかった。
「で、何で呼び出したんですか?」
「殺す」
一瞬にしてにとりの目つきが変わった。
にとりはじりじりと文に詰め寄っていく。
「な、何をするんですか?!にとりさん!!!」
「動かないでねー」
距離にして5m。
文の体が素早く反応した。
腕を長く突き出し、にとりその両腕をぶつけた。
「はっ!!!」
にとりは後ろに大きく吹っ飛んだ。
にとりの後ろには先ほどの巨大な機械。
「ざ、ざまぁ・・・ないです」
にとりが機械に引き込まれていく。
血が、勢い良く吹き出てきた。
「ここ長居は無用ね」
文は松明に火をつけ、にとりの工房を足早に出た。
麓を出てすぐだった。
「ちょっと!!!待ちなさい!!!」
文は突然、誰かに呼び止められた。
「あんた・・・さっき」
ミスティアだった。
「にとりさんを殺したでしょう!?」
「・・・」文は面倒臭そうな態度を取った。
「あのですね、ああしてなきゃ殺されてたんですよ?」
「殺すしか手段はなかったの!!?」
そう言って、ミスティアはスペルカードを取り出した。
「あなたもぶち殺してくれるわ!!!!」
文は嘆息しつつ、羽団扇を取り出した。
そして、ひとふり。
ミスティアは後方に大きく吹き飛び、近くの岩に頭をぶつけた。
「こうしてたほうが良かった・・・」文はミスティアに近寄り、頭を蹴った。「そういうことですか?」
しかし、返事はない。
「・・・」
ミスティアの頭からはほんの少しの血が出ている。
「・・・」
文は松明の先を下に下げた。
そして、ミスティアの体に引火させた。
「霊夢さん?」
「?」
遠い方から、文の声が聞こえてきた。
文の姿が見えた時、松明の灯りが見えた。
「なんなのよ、こんな朝早くから」
「霊夢さん達こそ、朝早いです、起きるの」
文はパチュリーを珍しそうに見た。
「珍しい客ですね」と言った。
「で?文?何の用なの・・・、あんたが来たときは嫌な予感しかしないのよ」
霊夢は先をとった。
「ご名答です」文は自信ありげに言った「よく判りましたね」
「今朝、にとりさんに自分の工房に来るように言われました」
文は手帳を開いて、話し始めた。
「で、言われた通り、工房に行ってみたんですが・・・見つかりました」
「何がよ・・・」
「にとりさんの死体です」
霊夢とパチュリーは同時に動揺した。
「自分の作った機械に挟まれたようです・・・体は完全に砕け散っていました」
「し、信じられない・・・」
「私が見つけた頃は、まだ挟まりはじめで、返り血を少し浴びてしまいました・・・」
霊夢とパチュリーは、文の服に着いた血を確認した。
「それともう1つ、今朝、妖怪の山の麓にて、ミスティアさんの死体も発見されました」
「・・・」
「焼死体でした・・・私が着いたときには既に燃え尽きていました」
今日・・・今朝だけで、2人分の死体・・・。
「て、ことは・・・もう殺しの作業は始まっている?」
「昨日・・・1日目の時点でも始まっていましたが・・・」
「ーーーー!!!」
文は地面に松明を刺した。
「これで少しは明るくなるでしょう・・・」
「文はどうするの?」
「ここに泊まります・・・ここだけ安全そうな感じがしましたので」
妖精メイド全員と、パチュリーが出て行った紅魔館は静寂に包まれていた。
「え・・・咲夜、今・・・何て言ったの?」
「自殺します」
「冗談言わないでちょうだい・・・せめて・・・崩壊寸前まで生きてよ・・・!!!」
「冗談じゃないです・・・お嬢様、お先に失礼いたします」
「さっき、最後まで付き合うって言ったじゃないの・・・!!!」
「ですが・・・」
咲夜は既に、ナイフの刃先を自分の心臓前まで持ってきていた。
「お嬢様ならなんとかできるはずです・・・私は・・・信じています」
「・・・」
咲夜は花畑の真ん中まで歩いていった。
「こあ・・・断光の呪文を発動して!!」
「は、はい・・・」
「お嬢様?!」
レミリアも花畑の真ん中まで歩いていった。
「せめて・・・最後に顔を近くで見せて・・・!!!」
「・・・」
次の瞬間、レミリアの安らかな顔が不気味な笑顔に変わった。
そして、咲夜の体に激痛が走る。
「はっぁ・・・!!!?」
「馬ッ鹿じゃないのぉっ!?私が本当に記憶をなくしてると思ったわけぇっ!?」
レミリアは記憶なんてなくしていなかった。
「私の事好きなんでしょ私のためにしてくれるんでしょ私の幸せになってくれるんでしょ!!!?」
「お嬢様・・・!?」
咲夜の目からはどんどん生気が失われていく。
咲夜は死んだ。
「あっははははははははあっはははははっははははは!!!!」
レミリアは吠えた。
そのとき、小悪魔が戻ってきた。
「お嬢様、断光の呪文を唱えました・・・はっ!!!」
館から出た小悪魔は、その異変に気づいてしまった。
「お嬢様・・・なんてことを・・・!!!」
「小悪魔・・・あなたは、私の味方よね?」
「え?」
レミリアが小悪魔に歩み寄ったと思うと、一気に飛びついて襲った。
「ああぁっ!!!」
その攻撃に、小悪魔は思いっきり吹っ飛ばされた。
「こんなもんじゃないわよねぇっ!!!」
「や、お止めください!!!」
「れ、霊夢さん?どちらへ・・・私・・・まだ伝えたい事があるんですけど・・・」
「関係ないわ・・・魔理沙を探しにいくのよ・・・」
再び紅魔館。
「あはははははぁ・・・」
レミリアは館内に入った。
館何に入った瞬間、フランドールに遭った。
「お姉様?なんなの?その服は」
フランドールの質問は単刀直入だった。
レミリアは考えた。
単刀直入な質問には単刀直入な答え方をする。
「咲夜と小悪魔を殺したのよ」
「ーーーーーーーーーーーーーー!!!」
次の瞬間、フランドールは飛び上がり、「レーヴァティン」を構えた。
そして、レミリアに一気に振り下ろす。
「やるのぉっ!!?」
レミリアは「スピア・ザ・グングニル」を構えた。
その時、「お止めください!!!」美鈴が止めに入った。
「邪魔よ!!!どきなさい!!!」
しかし、レミリア達は美鈴の頼みを聞き入れない。
「どけええええええええぇぇぇぇええぇえぇぇぇぇぇえええぇぇぇぇええぇぇッッッ!!!」
レミリアとフランドールの武器が同時に美鈴に直撃した。
さらに、2つの武器はが当たったのは美鈴だけではなかった。
レミリアの槍はフランドールの心臓に・・・
フランドールの剣はレミリアの肩から心臓にかけて。
「私たち・・・いつから共食いする蛇になったのかしら・・・・」
「冗談じゃ・・・・ない・・・・」
「おや、魔理沙」
「よぅ・・・こうりん」
魔理沙は香霖堂に来ていた。
「どうしたんだい、こんな朝早くから」
「何だ・・・お前は何にも知らねぇんだな」
「な、何をだい・・・?」
「明日にはこの幻想郷が崩壊する」
「い、嫌な冗談だなぁ・・・急にそんな事・・・」
霖之助は、魔理沙が冗談を言っているようにしかとらなかった。
「お別れなんだよ・・・こうりん」
「ち、ちょっと待てよ!!!」
霖之助は、魔理沙に駆け寄り肩をつかんだ。
「そんな冗談言って・・・お別れなんて・・・!!!」
「ーーーーー」
「はっ!!!!」
「この顔が冗談言ってるように見えるか!?」
「ーーーーー」
「で、でもーーーーーーーーーー」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇえええッ!!!」
魔理沙は懐に隠し持っていた包丁を取り出し、霖之助に刺した。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
「次は・・・守矢神社にでも行くか・・・」
「霊夢じゃなて、私にでもいいんじゃない?」
パチュリーは「しょうがないわね」という感じでそう言った。
「あ、はい・・・」
文はパチュリーに並ぶように、縁側に座った。
「いつからは判りませんが、早苗さんが失踪いたしました・・・」
「なっ・・!!?」
「諏訪子さんが言うには、目を離した一瞬の隙に消えてしまったそうです」
「ーーーーーー」
アリスが死に、にとりもミスティアも・・・。
「ま、待って!!神奈子が幻想郷をでて言ったのは知ってるけど・・・
早苗まで出て行ったなんて知らないわよ!!」
「誰も・・・出て行ったなんて言ってません。ただ、生きている確率は低いです」
「そんな・・・!!!!」
「早苗は逃げないって言ってたはずなのに・・・!!!!!!!!」
「パチュリーさん、紅魔館の方はいいんですか?」
文はいたずら気味に聞いた(顔的な意味で)。
「そうね・・・見てきた方がいいかしらね・・・」
「私は神社で待ってます、どうぞ、いってらっしゃい」
魔理沙は、守矢神社の社の前の庭に降り立った。
「何の用かしら?」
諏訪子は魔理沙の足音ですぐに反応し、すぐに社から出てきた。
「話したい事があるんだ」
「そう・・・じゃあ、中に入りなさい」
諏訪子は魔理沙に勧めた。
しかし「ここで十分だ」と断った。
諏訪子は同意し、庭に出た。
「で、何の用なのかしら?」
諏訪子は単刀直入に質問されるのを覚悟していた。
「早苗・・・お前が殺しただろう」
「・・・?!」
諏訪子は目を丸くした。
「な、何・・・言ってるのよ・・・ぉ」
「とぼけても無駄だぜ」
『私は・・・外の世界になんか逃げたりしません』
「早苗はこう言ってたんだ・・・それに、その時の顔は噓つくような顔じゃなかった」
「たいそう自信があるのねぇ・・・」
諏訪子はばればれの嘘をついた。
諏訪子は冷や汗をかいているが、魔理沙は違った。
「正直に」
「・・・」
魔理沙に嘘をつける状況じゃない。
つく余裕がない。
「殺しては・・・いないわよ」
正直に答えるしかなかった。
「本当か?・・・なら、見せてほしいね、生きてる早苗」
「いいわよ?」
諏訪子は魔理沙に手招きをした。
「・・・」
魔理沙は黙って、諏訪子に誘導されるがままに、社の中に入った。
「ーーーーーーーー!!!」
社に正面から入って、すぐに、早苗はいた。
両腕両足、「守矢鉄の輪」でがっちり固められていた。
「邪魔はしないでちょうだい」
諏訪子は、魔理沙にも鉄の輪をはめた。
「これから、早苗を殺す予定だったんだから」
そういって、諏訪子は壁にかけてあった短刀を手にとった。
「や、やめてください!!!」
早苗は叫んだ。
「・・・私の気は変わらない」諏訪子は刀の刃の部分を鞘からぬいた。「あんたを殺すという事は」
諏訪子は短刀のはを舌で舐めた。
その顔は、今まで見た事もない気色悪い笑みを浮かべた。
短刀の刃が早苗の右腕をゆっくりと切っていく。
「・・・ーーーーー!!!ぅぅぅ----!!!」
早苗は痛みを堪え、少しの涙を流すだけだった。
「何よぉ、痛いんじゃないのぉっ!!?もっと叫びなよぉッ!!!」
諏訪子は早苗の腕から短刀を抜き、腹に垂直に刺した。
「うううぅぅぅ-----うあああぁぁぁぁぁっ!!!」
神社中に早苗の叫び声が響いた。
「やっぱりね・・・あんたはこのぐらい柔じゃないつまらないもの」
諏訪子は短刀をいったん抜いた。
魔理沙は何度も何度も殺そうとするのを止めろと叫んだ。
「ダメよぉ!!こいつはねぇ・・・神奈子を唆したんだから・・・ぁ!!!」
「な、何をぉッ!?」
「あんたは聞いてないの?!神奈子はね、外の世界に逃げたんだよッ!!」
諏訪子はそう吐き捨て、短刀を早苗の腹に刺した。
その返り血が、諏訪子だけでなく魔理沙にもかかった。
「唆したぁッ?!ありえないねぇっ!!!」
「あんたまでそんなこと言うのかぁッ!!?」
「本当さ!!!私にも言ったのさ!!!私は逃げない・・・ってね!!!」
「噓だぁッ!!!」
諏訪子は早苗の体から短刀を抜いた。
「神奈子が出て行った後、こいつは明らかに挙動不審だったんだぞッ!!!」
「それはなぁ・・・神奈子が出て行った事がショックだったんだよ!!!」
「嘘をつけぇッ!!!!」
諏訪子は今までよりも一番の力を入れ、短刀を早苗に刺した。
「・・・ぁ・・・・!!!!」
「さ、・・・早苗!!!」
「あらぁ・・・死んじゃったぁっ?!だぁらしなぁぁぁい!!!」
諏訪子は短刀を早苗から抜いた。
そして、魔理沙に向き直った。
「うっ・・・!!?」
「次は・・・あんたの番よ・・・ッ!!!」
短刀の刃が早苗の血で紅黒く光った。
その時、諏訪子が魔理沙の向いている方向に吹っ飛んだ。
「お・・・?あぶね・・・」
「ぐッ」
さらに、一瞬にして、魔理沙にはめられていた鉄の輪に札が貼られ、
その札が爆発し、鉄の輪が破壊された。
「チャ・・・チャンス・・・!!!」
魔理沙は部屋の中を見渡した。
諏訪子は突然の衝撃にうろたえ、倒れたままだった。
諏訪子が起きるまで時間がない。
殺さなくては殺されてしまう。
「これか?!」
魔理沙は床に落ちてた、短刀の鞘を手にとった。
そして「諏訪子ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」と、吠えながら諏訪子に襲いかかった。
魔理沙は、鞘で諏訪子を殴りまくった。
「死ね!!!!カス!!!!死んでしまえぇぇぇぇぇっ!!!」
「ちょ・・・やめっ・・・魔理沙・・・」
「今更命乞いしても無駄だぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「人里にね、おいしい定食屋見つけたの・・・!!!今度一緒に食べにいきましょうよ・・・!!!」
「五月蝿いいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
社中に、神社中に、最後の一撃の音が響き渡った。
「はぁっ・・・!!!・・・・・・・」
魔理沙はある意味後悔していた。
本当に殴り殺してよかったのか・・・?
「だ・・・間に合った!!?」
誰かの声が聞こえてきた。
「さっきの手助けは霊夢だったのか・・・」
「こ、殺したの?!」
霊夢は、魔理沙が諏訪子を殺す事を予想していなかった。
「こーりんも・・・殺しちまったんだぁ・・・笑えるだろ?あははは・・・」
「魔理沙・・・」
霊夢は優しく魔理沙を抱きしめた。
「大丈夫・・・安心して・・・私は味方だから・・・」
「・・・ーーーーーーー」
どれくらい時間が経過しただろうか。
紅魔館の状況に絶望した。
とりあえず、その事を報告するために神社に戻る事にした。
神社には、霊夢達は戻っていなかった。
「文ー・・・??」
「ああ、戻ってきましたか」
文だけしかいなかったが、文は無事だった。
「どうでした?紅魔館」
「話したくない状況だったけど、話すわ」
先ほど、パチュリーは紅魔館に行った。
「皆ー?」
パチュリーは紅魔館の門にさしかかった。
その時、異変に気づいた。
花畑の真ん中に咲夜の死体。
心臓が刃物らしき物で貫かれている。
近くにはバラバラになった小悪魔の死体。
「くそっ!!!」
パチュリーは紅魔館内に入ってみた。
「はっ!!!?」
入ってすぐ、ロビーには見慣れた3人の死体。
レミリア、フランドール、美鈴。
レミリアは左肩から心臓に一直線に何かで砕かれていた。
フランドールは、胴部分が砕けて無くなっていた。
美鈴は、胴部分も頭も砕け散っていた。
ロビーと花畑は血の海になっていた。
「皆さんは・・・死んでしまっ・・・殺された?」
「そういうことになってしまうわ・・・」
現在、午後11時。
その時、石段の方から誰かを呼ぶ声が聞こえた。
「文様ー!!」
「椛?」
声の主は椛だった。
文は立ち、パチュリーにここに待つように言った。。
「椛ー?何の用?」
文は社を出て、椛の方に歩いていった。
「・・・!!!」
外から文の叫び声。
パチュリーはすぐに気づいた。
外の2人は危険にさらされている。
「何なの!?」
パチュリーはすぐに外に飛び出した。
「・・・!!!!」
2人は危険にさらされていなかった。
さらされていたのは1人。
「や、やめなさいっ!!!」
椛が、自分の所持している剣で、文を何回も刺していた。
椛の剣は、文の血で染め上げられていた。
「椛ッ!!止めなさいッ!!!」
パチュリーの声が聞こえたのか、椛は動きを止めた。
「獲物がまた1人増えたわ・・・!!!」
椛はそう言って、パチュリーに襲いかかった。
「くっ!!!」
しかし、椛は返り討ちにされた。
「はぁ・・・っ!!!」
火符を唱え、椛を業火に包ませた。
「うああああああああああぁぁぁああぁああぁああああぁぁぁっ!!!!」
椛は絶叫している。
「・・・」
やがて、その声は薄くなり
亡くなった。
「・・・」
足下には文がいた。
既に手遅れだったらしく、動かない。
体の至る所を剣で刺されていた。
「私・・・1人かぁ・・・」
椛は灰になった。
文は足下で血まみれで死んでいる。
気づかないうちに、立ち尽くしていたパチュリーの脚を、文はつかんでいた。
まるで「助けて」とでも言ってるように。
「結局・・・宝玉って何なのかしら・・・」
2日目が終了した。
明日、幻想郷は終焉を迎える。
幻想郷崩壊前最終日の朝が明ける。
神社にはパチュリーただ一人。
「なにやってるんだろう・・・私は・・・」
霊夢と魔理沙は戻ってこなかった。
おそらく、死んだから戻ってこないのだろう。
昨晩は文と椛が死んだ。
「宝玉・・・」
パチュリーは「宝玉は、単なる宝石の事ではない」と考えた。
だとすると、案外身近なものかもしれない。
「よし・・・」
パチュリーは香霖堂に行く事にした。
「霖之助さん?いるかしら?」
店に着き、入り口のドアを何回かノックした。
しかし、返事はない。
もう何回か、ノックを繰り返してみた。
結果は同じ。
「返事がない・・・ただの屍のようだ」
パチュリーは勝手にドアを開け、店に入る事にした。
店に入った。
「・・・?!」
パチュリーは、店内の様子を疑った。
店内の所々に、血飛沫が飛んでいた。
「ーーーーーーー」
そして、その血飛沫を飛ばした元も見つかった。
「霖之助さん!!!」
霖之助だった。
店の真ん中で、うつぶせで倒れていた。
「何があったのよ・・・」
霖之助は、全身を刃物のような物で切られていた。
「まさか・・・!!!」
しかし、イメージが少し違った。
血は、とっくのとうに乾いている。
つまり
「今日じゃなく、昨日か一昨日に殺されてる・・・!!!」
パチュリーは次に、守矢神社に向かった。
「カエルー?」
神社に着き、出来る限り大きな声で諏訪子を呼んでみた。
しかし、霖之助の時と同様に、返事がなかった。
嫌な予感しかしない。
「諏訪子!!!早苗!!!」
社に思いっきり飛び込んだ。
「・・・ーーーーー!!!!」
香霖堂同様。
神社の中は、血の部屋と化していた。
目の前には諏訪子がうつぶせの状態で倒れていた。
諏訪子は、頭を何度も殴られたらしく、頭の損傷が激しかった。
もはや、面影は・・・・・・・無い。
奥の部屋に進んだ。
「・・・早苗・・・!!!」
早苗がいた・・・・・・・・・死んだ状態で。
全身から血が吹き出ていた。
何か、ナイフや包丁じゃない物で。
「・・・」
そばに短刀があった。
早苗はこれで刺され、殺された。
「守矢神社の人たちは・・・全滅?」
血は乾いていた。
つまり、霖之助と同じ、昨日か一昨日に殺されているという事だ。
ある程度時間が経ち、
現在、午前11時30分。
パチュリーは、正直やる事がなかった。
「とりあえず・・・食べる物はあるかしら」
「そうだ・・・食べ終わったら今までの死を推理でもしよう・・・」
午後12時。
午後1時。
午後1時47分。
午後3時25分。
午後5時。
午後6時48分。
そして
現在、午後10時。
「やっぱり・・・宝玉なんて物はないわね・・・ていうか判らないわ・・・」
パチュリーは違った意味で、時間を無駄にした。
八雲のほうは、紫以外死亡。
霊夢達は行方不明。
アリスもリグルもミスティアも死亡。
文と椛の2人も死亡。
にとりも。
「はぁ・・・」
希望を失いかけた、その時だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
神社の外から、2人分の叫び声。
というよりは、誰かを呼ぶ声。
「誰かいるの!?」
その声は、だんだんこちらに近づいてきている。
「その声は・・・パチュリーか!?」
「え・・・!?」
2人のうち、1人の声の主は魔理沙だった。
死んでなく、生きていた。
「なにー?パチュリーがいるのー?」
霊夢も生きていた。
パチュリーは嬉しくなり、社を飛び出た。
「魔理沙・・・!!!霊夢・・・!!!」
「どう?久しぶり・・・元気にしてたか?」
「パチュリー・・・まだ生きてたのね・・・」
「あんたたちこそ!!!」
2人とも、どこも変わりはなかった。
いや、変わりはあった。
魔理沙の服には、べっとりと血が付いていた。
「やるしかなかったんだ・・・」
「で?この椛はあんたが?」
「そ、そうよ・・・」
「ーーーーーーーーーー!!!」
次の瞬間、パチュリーは激痛を感じた。
「な・・・」
パチュリーの腹部に、バカでかい包丁が刺さっていた。
「うぁっぁぁぁ・・・!!!」
2度目の激痛が走った。
その、あまりの激痛に、地面に倒れ込んだ。
包丁を刺しているのは魔理沙だった。
「あははは・・・・・」
隣にいる霊夢は、止める様子がない。
「あああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
3度目・・・何度も激痛が走る。
腕。
腹。
脚。
頸。
頭。
「あっはははははははははははははははっははははははははははははははははははは!!!」
「魔理沙・・・!!!」
「いいんだもん!!いいんだもん!!私、もう2人殺したもん!!1人ぐらいどうってことないよね!?」
「・・・ーーーー!!!」
「死ね死ね!!死んでしまえ!!!」
霊夢も一緒に笑い出す。
「あははっはははははははははははははははっははははははは!!!!」
「はははははははぁ・・・あはははははははははははははははっははははは!!!」
パチュリーの意識が薄れていく。
刺すたびに刺す度に、どんどんどんどん意識が薄れていく。
やがて、パチュリーの意識が真っ黒になった。
現在、午後11時。
「なぁ・・・霊夢」
魔理沙は霊夢に問いかけた。
「結局・・・宝玉・・・ってなんなんだ?」
「あら知りたい?」
霊夢は「もう知ってるわよ」と付け足した。
「これ」
霊夢は懐から、通信機能付きの陰明玉を取り出した。
「あ、これが、宝玉みたいなものかな」
霊夢は陰明玉のスイッチをつけた。
「魔理沙は・・・死んだ事にしておいて」
「判った・・・」
「もしもしー?あんたでしょー?この事件の犯人」
「あら、よく判ったじゃない」
「判らないやつが馬鹿よ」
「あ、そう」
向こうの相手は、たいそう余裕だった。
「で、あんただけが生き残りよね?」
「さっき、私のそばで魔理沙が死んだわ」
「ふーん」
霊夢は「どういうことだ?」と聞き返した。
「だって・・・・・」
「もう既に死んでるじゃない」
「!?」
霊夢は急いで振り返った。
「魔理沙!!!!!!!」
通信相手の言う通り、魔理沙は死んでいた。
頭部を、何かでかいもので貫かれていた。
「あんたっ!!!!なんて事をするの!!!」
「あら・・・だって、嘘をついたから」
「・・・!!!」
霊夢は自分の右手を確認した。
「自分で殺したんじゃない」
霊夢は右手に椛の剣を持っていた。
「そんなことより」
「・・・?」
「後ろ後ろ」
「え?」
「後ろ後ろ後ろ後ろ後ろ後ろ後ろ後ろ後ろ後ろ・・・」
通信は自動で切れた。
そのとき、霊夢は背中からの激痛を感じた。
「ぐあああああぁぁあぁぁぁぁぁあああぁぁぁっ!!!」
何かが霊夢を貫いた。
「?」
霊夢は目を覚ました。
さっき何かで貫かれたのは腹だった。
腹だと言えど、死ぬまで時間がない。
「犯人の名前だけでも・・・記しておく・・・」
霊夢は這いずり、社の中に入った。
そして、筆を紙を手にとった。
幻想郷崩壊予告から少し。
結局、幻想郷が崩壊する事はなかった。
博麗霊夢。
博麗神社にて死亡を確認。
死因は、出血性ショック死。
霧雨魔理沙。
博麗神社にて死亡を確認。
死因は、頭部刺殺による出血性ショック死。
東風谷早苗。
守矢神社にて死亡を確認。
洩矢諏訪子に殺される。
死因は、全身刺殺による出血性ショック死。
洩矢諏訪子。
守矢神社にて死亡を確認。
霧雨魔理沙に殺される。
死因は、頭部連続強打による撲殺。
八坂神奈子。
生存不明。
射命丸文。
博麗神社にて死亡を確認。
犬走椛に殺される。
死因は、全身刺殺による出血性ショック死。
犬走椛。
博麗神社にて死亡を確認。
パチュリー・ノーレッジに殺される。
死因は焼死。
ミスティア・ローレライ。
妖怪の山の麓にて死亡を確認。
射命丸文に殺される。
死因は後頭部強打による出血性ショック死。
死体は焼かれた。
リグル・ナイトバグ。
博麗神社の石段にて死亡を確認。
死因は、心臓部分の刺殺による出血性ショック死。
魂魄妖夢。
白玉楼にて死亡を確認。
死因は心臓部分の刺殺による出血性ショック死。
八雲紫。
白玉楼にて死亡を確認。
死因は、心臓部分の刺殺と全身刺殺による出血性ショック死。
八雲藍。
被害者の自宅にて死亡を確認。
八雲紫に殺される。
死因は、心臓部分と全身刺殺による出血性ショック死。
橙。
被害者の自宅にて死亡を確認。
八雲紫に殺される。
死因は、心臓部分の刺殺による出血性ショック死。
アリス・マーガトロイド
被害者の自宅にて死亡を確認。
自殺。
死因は、心臓部分の刺殺による出血性ショック死。
森近霖之助。
被害者の自宅にて死亡を確認。
霧雨魔理沙に殺される。
死因は、全身刺殺による出血性ショック死。
レミリア・スカーレット
被害者の自宅にて死亡を確認。
フランドール・スカーレットに殺される?
死因は、心臓破裂による出血性ショック死。
フランドール・スカーレット。
被害者の自宅にて死亡を確認。
レミリア・スカーレットに殺される?
死因は、心臓破裂による出血性ショック死。
十六夜咲夜。
被害者の自宅にて死亡を確認。
レミリア・スカーレットに殺される?
死因は、心臓刺殺による出血性ショック死。
紅美鈴。
被害者の自宅にて死亡を確認。
死因は不明。
小悪魔。
被害者の自宅にて死亡を確認。
レミリア・スカーレットに殺される?
死因は不明。
パチュリー・ノーレッジ。
博麗神社にて死亡を確認。
霧雨魔理沙に殺される?
死因は全身刺殺による出血性ショック死。
河城にとり
妖怪の山付近の被害者の工房にて死亡を確認。
激しい損傷のため、死因が特定できなかった。
また、博麗神社内で、霊夢の遺書と思われるものを発見した。
しかし、所々、被害者の血などで内容が判らなくなっていた。
某月某日。
私、博麗霊夢は死にます。
今回の異変で、大量の人が殺されました。
犯人がなぜこんな事をするかは分かりませんが、
何かしらの執念があります。
直感ですが、犯人は・・・(ここが判らなくなっている)・・・。
動機は判りませんが。
皆を殺したのは犯人ではありません。
殺された人たちの狂気です。
私は生き残りたかった。
でも、人を殺してしまった。
その人を殺した事で・・・・・
私は生き残れると思ったのかな・・・
私は・・・・・
新しい空気を・・・
吸えると思ったのかな・・・・・・
「戻る・・・?」
私は懲りません!!!
というより、何が悪いのか自覚が無いとでも言いますかね?
そう言ってしまうと、変なやつに思われて(ry
でも別に、評価が多いからって、調子に乗ってるわけではないんですよ。
最後まで書ききりたいだけです。
あ、最後で霊夢が魔理沙を殺しましたが、何で殺させたんだろう。
次回から、この事件の解決させるお話に入ります。
どっかのアレをパクっているみたいな感じになってしまいますが。
あと、この作品のシリーズは、竜騎士さんの作品を参考にしたり、
パクったりなど、意識はしてはいませんよ?
次回から、妹紅と輝夜が若干活躍いたしますし、
妖夢とかの登場。
紫や幽々子。
などなど。
真犯人はEpisode3で明かします。
まあでも、最後まで見ないと解けない。
というとこでは、うみねこ等に似てますが。
真犯人は紫の死をよぉく考えれば判ると思いますが。
こんな事言ったら真犯人判っちゃうじゃないか。
HAMU
作品情報
作品集:
16
投稿日時:
2010/05/25 09:10:20
更新日時:
2010/05/25 18:43:57
分類
推理・謎解き・流血・血祭り?
途中でダレて飛ばしたのは・・・
俺だけじゃないはずだ!!!!!
竜騎士さんのがどうたらこうたら言っている時点でゼンゼン駄目だ
やはり弱者は信用出来ん・・・謎解きと推理の分類は無くしたほうがいい。流血と「虐殺」でいいだろうに
うん、やっぱりこいつはホンモノだwwwww
全部見てきてるから、ペースは落とさないで頑張って
後書きはなかなか良かったと思うよ
に、2に激しく同意!
まあ、いつも後書きから先に読ませてもらってますが
解答編でしか真犯人のヒントが出ないって言うんなら推理物じゃなくね?と思った俺はおつむが弱いのだろうか。
これほどあとがきとコメントが気になる作品(作者)はない
しかしこれが推理ものだとは認められない
つまり俺マンセーなコメ以外するなと
そうですか
そもそも、レミリアが記憶なくしてなかった なんてのは普通は分からない
いや、紅白巫女って呼んでるから分かるかもしれないがさ.後態度の変化とかで
解答編で犯人が分かるのは典型的なひぐらし、うみねこだぜ?
意識してないと言われても意識してる様にしか見えない
文がにとりを殺したのだって、1だけ見ると別の人が殺してる可能性だってあるだろ?
証拠から確実に犯人はコイツだ!と分かるようなものじゃないと推理小説とは言えないんじゃね?
後、自分に対してのコメを聞きたくないっていう態度にも問題があると思うんだ
まぁ、俺のコメントも悪かったけど
よかったね、HAMUさん
ちなみに、俺は内容も全部見てる
別に意識するのは悪いことじゃないし否定する意味がわからない
これで本編もそれ相応に高水準ならよかったんだがな
生き残るために宝を…とかうみねこじゃないの…?
一度2週間くらい此処から離れて一般的なミステリー小説なり何なりを読みあさってからこの作品を見直してみると良いと思う
あとわかっているとは思うけど、評価数=コメント数ですよ
>30コメ行った作品
1ケタ台の作品集見てこい
この作者がミステリー小説を読んだところで、どうにかなるとは思えんw
投稿直後から観察していたがコメの伸び率がハンパないな
しかし、これだけやっても正当にコメを獲得したごみ屑シリーズ最終話にかなわないとは、ニトロさん恐るべし……。
こんな事態になっちまっても平然と書き続ける作者のタフネスには真面目に関心するよ。
その情熱のベクトルというか扱い方をもう少し工夫じゃないけど…なんだろうなぁ…
空白が多かったりで内容が短いにしてもこのペースで投稿し続けるのはぱねぇから、なんというか勿体無い気がしないでもない。
何でにとりが文を呼んでまで殺したかったのか、とか
文の事が多く描かれているだけに、不自然さが際立っている気がする。
解答編でも具体的には紫んが出てきていないこととか、
ゆゆ様どこいった?とか、あたしゃここにいるよとか、
宝玉の在り処どころか宝玉が何かすら、霊夢にしか分からないのに
殺らなきゃ殺されるとか疑心暗鬼とか、そういった心境になる
状況を作るには、説明が弱いんじゃないかな。
これを解答として終えるのか、解決編になるのかは分からないけど、
とりあえず作者には期待してるよ。
それだから注意書きスルーで批判されまくるんだろ
批判中心で45コメとか異常だぞ
とにかく当分引っ込んでろ
あれは本文への賞賛のコメ
こっちは作者に対する、『賞賛』のコメ
中途半端にやられると逃げ以外の何物でもないし
まああれを超えることはできんだろうな
悪ふざけの極致みたいなもんだったし
これもオチ次第でどうなるかわからんが
やっぱ試飲はこってほしかった感がするな。一概に刃物による試飲だけでも「ショック死」「失血死」などぽぴゅらーなものからあまり聞かないもの(自分の知識ではあまり聞かないものだか他人はどうかは知らない)まで様々
またキャラの行動が理解しがたい。ここは幻想郷だから自分らの常識が通用しないのは分かってるが常識的に考えて死にたくないならひきこもる。宴会なんかやってて毒まかれたりしたら袋のネズミ。
もうすぐ死ぬなら好きなことやろう殺してもいいさ。誰かそう考えるやつがクラスにはひとりくらいいる。殺されそうだからやりかえそう。そう考えるやつがほとんどかもしれない。だけど中にはそんなことできないやつもいるさ。
もしかしたら操られてるとかなんかで正常な判断できてないとかならごめん。
とこれで今まて色々俺たちにできないことをやってのけてきた(のかなぁ?)犯人はただ者ではないと思うが幻想郷を崩壊させれるほどの力を持ってるって何でみんなしんじられるの?
あと作品以外のとこでは、意識してないって言っちゃうと意識してるようにしか聞こえないので本当に意識してないなら言わぬが吉。
みんなあとがきと米しかみてないようだけど初回からあとがきはどうでもよかったていう自分は異端かな?まあ米読みたかったのは事実だけど・・・
色々あるけど 何かあっても続けてほしいな 頑張って 。
長文失礼
いや本文でもなくて、後書きでもなくて
ニトロさん懐かしいw