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『「開けるな」』 作者: 忙しい人
ある日、大妖精は、かくれんぼの途中で小さな箱を見つけた。
箱には、何重にもテープがしてあり、貼り付けられた紙に「開けるな!」と大きな文字で書かれていた。
大妖精は、急いでチルノを呼んだ。
「チルノちゃん、見て。こんなの見つけたよ」
「おおー!これって『宝箱』ってやつだね!あたい知ってるよ!」
チルノは、エッヘンと胸を張る。
「じゃあ、この『開けるな』って書いてある事は、この中にお宝が!?」
2人の目がキラキラ光だし、同時に鼓動が高鳴る。
「でも・・・、もし嘘だったら・・・」大妖精がポツリと呟く。
確かに、ここは幻想郷。このような悪戯は毎度のことだ。
2人に沈黙が訪れる。
「ま、まぁこんな物なんて、あたいは興味ないね!さ、続きやろう!」
2人は、かくれんぼを続けた。しかし、大妖精には、中身が気になって仕方が無かった。
夜。大妖精は、床についた。
だが、やはりあの箱の中身が気になる。
考えながらも10分、20分・・・時が過ぎる。
「もう!」大妖精は、起き上がり服を着る。
「中身を確認するだけなら・・・」扉を開け、夜の道を駆け出した。
森の中を、ゴソゴソと影が動く。
息を切らせながら、大妖精は走っていた。
箱は、そう遠くなかった。ホッとした大妖精が箱に近づこうとすると
チルノがいた。箱の前で、何かソワソワしている。
「チルノちゃん?」
大妖精が呼びかけると、チルノはすぐに体を向け、箱をかかえた。
「どうしたの?こんな時間に・・・」チルノは、箱をかかえたまま動かない。
「い・・・いや、あたいは・・・箱を・・・あ、いや・・・」
大妖精には、大体の察しがついていた。箱の中身を確認しに来たのであろう。
「チルノちゃんも、気になっていたんだね。一緒に確認しよう。」大妖精が言うと
「い・・いやだ・・」衝撃的だった。
「え?だって、確認しに来たんでしょ?なら・・・」
「いやだ!これはあたいのだ!誰にもあげないんだもん!」チルノが大声を上げる。
「中身もあたいのだ!お前なんかにあげるもんか!」
大妖精には訳がわからなかった。親友がこんなことを言うなんて・・・
チルノは、箱をギュっとにぎり、言葉を続ける。
「お前だって、この中身が目当てなんだろ!?でもあげない。絶対あげない。あげるもんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
チルノの腕が、大妖精の首を絞め付ける。
「チ・・・チルノ・・・ちゃん・・・」首を絞められた大妖精の意識が、少しずつ薄れていく。
いやだ・・・こんなところで死ぬなんて・・・
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
大妖精は、落ちていたガラスの破片を握り、チルノの腕に切りつけた。
チルノは、箱を落とし、尻餅をつく。
「は、箱!箱!」傷つけられた腕を押さえながら、箱を探し回っている。
「チルノちゃんの・・・チルノちゃんの・・・ばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
大妖精は、破片をチルノの喉に刺した。
「ガッ・・・ゴッ・・・」この世のものとは思えない奇声をあげながら、チルノはもがき苦しんだ。
大妖精は、何度も何度も喉に刺した。
・・・何回刺したのだろう。チルノはピクリともしなくなった。
大妖精は、その場に倒れこみ、嘔吐を我慢した。
なぜだろう、不思議と殺した事に抵抗はなかった。
大妖精は、箱を拾い上げ、テープと紙を破り捨てた。
高鳴る鼓動を抑えながら、中身を開く。
しかし、中身を見た大妖精は驚愕した。
「え・・・・中身が・・・無い・・・!?」
連続投稿失礼します。
いやぁ、物への執着心とは怖いものですね。
6月3日追記
コメント欄に「洋介犬のパクリじゃん」とのコメントがありましたので
調べてみた所、洋介犬様の「イヌギギ」と言うブログに類似の漫画があることに気づきました。
大変申し訳ありませんでした。今後は、このような被りがないよう、努力いたします。
最後に、できる限りこのSSを「一つの作品」として楽しんでいただければ幸いです。
忙しい人
- 作品情報
- 作品集:
- 16
- 投稿日時:
- 2010/06/02 07:33:16
- 更新日時:
- 2010/06/03 20:02:39
- 分類
- 奇妙
- 宝箱
- 「開けるな」
- チルノ
- 大妖精
生き返っても関係は最悪の状態ですからw
欲望にとりつかれるとおそろしいね
こういう一発ネタはかぶってもしょうがないと思うよ
パクリも何も世界中で語られている寓話の典型例の一つではないか。
まったく同じこと考えた。