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『フランドールの華麗なる日常』 作者: 機玉
【引き篭もり魔法少女】
「え〜とここの式を二乗して……」
今日も今日とて新しい魔法の開発に勤しむ私。
今回のテーマは遠距離でも会話ができる道具だ。
この前パチュリーが開発していたのを見て便利そうだったので私も作ることにした。
言ってみればただの暇つぶしである。
私は別にスカーレット家の当主でも何でもないので基本的に暇である。
私の人生の大半は暇つぶしで構成されていたし、これからもそうするつもりだ。
必要な物は金も食事も道具も全て我が愛しの姉、レミリア・スカーレットが用意してくれる。
貴族最高。
因みに食事は何故か必ずお姉さまが運んでくる。
お姉様の最近のお気に入りらしい人間のメイド(確か咲夜ちゃんだったっけ?)にはまだ一度も会っていない。
別に壊したりするつもりはないのだが、非生物は遠慮なく壊しまくっているから警戒しているのかも知れない。
まあどうでも良いが。
「よ〜しこれでOK。
あとは片方を誰かに渡して話して見るだけね」
通信玉(仮名)は6つ作った。
誰かと使うことを想定して作ったわけではないので適当な数だ。
さて、誰に渡そうか。
いや、わざわざ誰かに渡す必要もない。誰かが適当に拾って話をしてくれればそれで良い。
私は取りあえず玉を一つ手に取り、大きく振りかぶった。
「ボールはともだちぃー!!」
私の手から離れた玉は紅魔館の壁を派手に突き破り遥か彼方へと飛んでいった。
これでよし。壁はそのうち誰かが直すだろう。
「フランドール、昼御飯ここに置いておくわよ」
「は〜い」
今回の実験はこれで一旦終了なので私は残りの玉をしまって昼御飯を食べることにした。
ちなみに幻想郷に来てからお姉様が昼型に生活を変えたので私もそれに習っている。
【資源の有効活用】
幻想郷にはスペルカードルールというものが存在する。
これはつい最近今代の博麗の巫女である博麗霊夢が有力妖怪と協議して決めたルールである。
表向きは。
実際は妖怪が草案を作成し、先代の博麗の巫女との協議でほとんどの内容が決定されていた。
というか当時人間基準で見てもまだ小さな子供だった博麗霊夢がいくら天才とはいえこんな画期的なルールを一から生み出せるはずがない。
まあ経緯はともあれそのルールができてから女の妖怪、及び異変解決屋はスペルカードを用意し、そのルールの下で戦うようになった。
私もスペルカードを用意し博麗霊夢、鴉天狗の記者を相手に使用して戦ったことがある。
しかし私にはこのゲームの才能が無かったらしく、あっさり負けてしまった。
ちなみにお姉様はそれなりに強い上にこのルールを割と気に入っているらしく、客が来た際にはこのゲームでよく遊んでいる。
そんな訳で挑戦者が来た場合にはお姉様やその部下達が相手をしてくれるので私はわざわざこのゲームで遊ぶ必要もない。
よって私は今日手元にあるカードを処分する方法を考えている。
いらないカードをわざわざ持っている必要はない。
しかしこのカードはなかなか凝った作りになっており、私の魔力に反応してピカピカ光ったりする。
戦っている時はノリノリで使用していたが今考えてみると少々恥ずかしい。
それはともかくこのままただ捨てるのでは勿体無い(パチュリーやお姉様に譲ることも考えたのだが断られてしまった。というか拒絶された。あの二人に私のカードは合わないらしい)。
何かに使用できないだろうか。
2時間程ベッドの上でダラダラ考えていると、ふと日本にはメンコというカードゲームがあることを思い出した。
叩き付けた瞬間に眩く発光し、ただの子供の遊びをあたかも歴戦の戦士同士の激闘であるかのように演出するメンコ。
これは売れる、絶対売れる。
そうと決まれば早速カードをもう少し厚い素材に貼り直そう。
枚数ももっと増やさなければならない。
久し振りに忙しくなりそうだ。
紆余曲折を経て私のスペルカードを材料に作成されたおもちゃ、「スペルメンコ」は見事に人里の子供達の間で大ヒットしたそうだ。
よく考えたら私は金を稼ぐ必要などなかったので商標権は登録せず、お姉様に頼んで人里のおもちゃ屋に委託して売って貰った。
しばらくすると面白がった他の妖怪も自分のスペルカードをモチーフにしたスペルメンコを売り出し、人里では子供達がスペル名を叫ぶ声と閃光がしばらくの間絶えなかったという。
【氷精の生態】
「ちょっと中に入れなさーい!!」
二つ目の通信玉(仮)を蹴り飛ばしたら脛にミラクルヒットし、悶絶していたら部屋の前から怒鳴り声が聞こえてきた。
最近は柔らかい物しか蹴っていなかったので脛はぶつけたら痛いということをすっかり忘れていた。
大体攻撃として非常に有効である「蹴り」という技を繰り出す際に高確率で対象に命中させることになるであろう足の前面に弱点が位置しているというのは明らかに構造的欠陥と言えるのではなかろうか。
もしこの体を考え出したのが神であるのならば今すぐ抗議を申し立てた
「コラー!!開けなさいって言ってるでしょー!!!」
客人を待たせてはいけないわね。
脛についての考察は取りあえず置いておいて迎え入れなければ。
痛む足を引き摺りながら扉を開けてると間違えて冷蔵庫の扉を開けたのかと思う程の冷気が流れ込み、一匹の妖精が飛び込んできた。
メイド妖精ではない野生の妖精だ。
「こんにちは、可愛い妖精さん。
こんな所に一体何の用かしら?」
「この玉投げたのあんたなんでしょ!?
私にぶつかったのよ!!」
一つ目の玉から返事がなかったので、二つ目は近くに落ちるように気をつけて発射してみたのだが、どうやら見事に近所の妖精に命中してしまったらしい。
「確かにその玉を飛ばしたのは私だけど何でそれが分かったのかしら?」
「訳を話したら門番が親切にここまで案内してくれたのよ!」
美鈴は非常に優秀な門番だ。
紅魔館に勤めてそれなりの年月になるし既に「色々と」慣れている。
「OK、分かったわ。確かにその玉を投げたのは私よ。
それで貴方は何が望みなのかしら?」
「私とスペルカードで勝負しなさい!」
妖精は綺麗な青いスペルカードを突き出すと勝負を挑んできた。
困った事に私のスペルカードは先日全てメンコに変えてしまった。
しかし挑まれたからには受けなくてはならない。
スカーレット家の辞書に逃走という文字はないのだ。
敗北という文字はあるが。
「いいわよ、かかってきなさい」
「凍符『コールドディヴィニティー』!!」
よほど腹に据えかねていたのか妖精は初っ端から強力なスペルカードを連発し、私はあっさり残機を使い切ってしまった。
当然彼女は真面目にやれと抗議してきたが、スペルカードは全部売っ払ってしまったので持っていないと素直に伝えたら呆れと哀れみの入り混じった何とも言えない表情で見つめてきた。
「あんた訳分かんない奴ね……」
「よく言われるような気がするわ。
まあ、これじゃあ納得いかないだろうからおやつでも奢ってあげる」
ちょうど人間が入っていないケーキがあったのでそれを出すと彼女は美味しいと喜んで食べた。
どうやら機嫌を直してくれたようだ。
しかしよくよく考えてみると妖精の器でここまでスペックの高い個体は初めて見た。
そもそも私はあまり外に出ないので私が知らないだけという可能性もなくはないが、少なくともうちのメイド妖精でこの娘以上の者は見たことがない。
妖精について調べたことは今までなかったのでこの機会にやってみようか。
「あなた名前は?」
「チルノ」
「私はフランドールよ。よろしくね、チルノ。
ところでチルノは一人暮らし?」
「そうよ、それが何か?」
「食事は出してあげるからしばらくここに泊まっていかない?
私友達が少ないから寂しくて」
これは嘘ではない。
知り合いはそれなりにいるが、友達と呼べる間柄の者となるといるかどうかすら怪しい。
作る必要性を感じたことがない、というのもあるのだが。
「ん〜、まあ別にいいわよ。
私もあんまり友達いないし」
「よ〜し決まりね。
それじゃあまだ昼間だしトランプでもして遊びましょう」
「とらんぷ?」
「知らないかしら。じゃあまずはルールを説明するわね」
果たしてチルノにポーカーのルールが理解できるだろうか。
結論から言えばチルノは問題なくポーカーで遊べた。
記憶力に多少難があるが彼女は恐らく頭は悪くない。
妖精は自然の具現だが自然だって環境に応じて変化するので、チルノもたぶん毎日頭を動かせばもっと面白い奴になるだろう。
「う〜ん、2ペア」
「3カード、今回は私の勝ちね」
「む〜じゃあもう一回!」
「そういえばチルノ、あなた霧の湖に住んでいるのよね?」
「そうよ。あそこは私の自慢の城なんだから!
今度遊びに来てもいいわよ」
「考えておくわ。
ところでその『住んでる』っていうのはあの湖の中に入って暮らしてるってこと?」
「当然じゃない。
あんただってこの屋敷の中で暮らしてるでしょ」
「私外に出かけないから妖精の事あまりよく知らないのよ。
だから妖精の家も見たことないわ。
やっぱりあなたの家は氷で出来ているのかしら 」
「う〜ん、まあそうね。
湖にでっかい氷を作ってその中に入ればそこがもう家よ」
「むむむ、よく分からないわ……
他の妖精はどうなのかしら?」
「他の奴等は木に住んでるのが殆どね。
そういえばでっかい木に住んでる奴等にこの前会ったけどあそこは立派だったなあ……
私の家は大きいんだけど、あそこ程霊力がないからそこまで良い家にはならないのよね。
まあ、私はかまくらで過ごす事の方が多いからあまり気にして無いけど」
なるほど、なんとなく分かってきた。
妖精達は自然の中にある様々な物を住まいとして利用出来る特殊な力を持っているのだろう。
それにしても霊力によって家の質が左右されるとはなかなか興味深い。
良い家、というのは具体的な形となって現れるのだろうか。
「家の中の様子は説明できるかしら?」
「別に普通よ。
ベッドがあって、リビングがあって、キッチンがあって……」
「いやいやちょっと待って。
今、キッチン、って言った?」
「言ったわよ?
そりゃあ私の家だってキッチンぐらいはあるわよ。
食べ物食べなくても平気だけど、美味しい物は食べたいし」
「火が付いたり、水が出たりもするの?」
「火は付かないけど水は出るわよ。
熱や光が操れる奴もいれば火も出せるけどね」
住む妖精によってその家でできることが左右されるということか。
どうやら妖精の家は想像以上に面白い仕組みになっているらしい。
さらにその後食事について詳しく話を聞いてみると、ある程度の知能を持った妖精の間では物々交換による市場が形成されているらしい。
それぞれの妖精が多く持っている物やいらない物を持ち寄り、自分が欲しい物と交換するのはよくある事なのだそうだ。
ちなみにチルノは霧の湖の魚の独占市場を作り上げていて、氷で保存した新鮮な魚を高い値段(と言っても支払われるのはあくまで物だが)で売り捌いているとのことだ。
「う〜ん妖精って案外凄かったのね」
「ふふん、そうでしょう!
フランドールも妖精になれば?」
「それは遠慮しておくわ。
私は吸血鬼だし」
不便に思わないことが無いわけでは無いのだが、私は自分が吸血鬼に生まれてきた事を恨んだことはない。
「何してるのフランドール?」
「脈と呼吸を診てるのよ。
こうすると体の状態がなんとなく分かるの」
「お〜、すごいな」
脈も普通、呼吸音も聞こえる。
妖精に果たして必要な行為なのかは分からないが、人間と同様に行っているようだ。
妖精は意識、無意識を問わず人間の行動を模倣する性質がある、と以前パチュリーが言っていた。
脈と呼吸もその一環なのかも知れない。
さて、実験動物ならこの後バラして中身まで詳しく見るのだが、チルノは友達なのでそれはできない。
その代わりに今回はチルノができることを中心に調べみよう。
「うん、まあ普通ね。
何も異常のない元気な体よ」
「最強ね!」
「はい、持ち上げて」
「むぐぐぐぐぐっ!!」
「う〜ん、20kgは無理かしら?」
「こ、こんなに重たい物持ち上げたことないわよ……」
おかしい。
彼女は先程のスペルカード戦ででかい氷塊をバンバン投げていた。
あれは明らかにこのバーベルよりも重い大きさだったはずなのだが。
「じゃあチルノ、今度は自分で大きな氷を作って持ち上げてみて」
「よ〜し、それぇ!!」
チルノが両手を掲げると、見る見るうちに巨大な氷塊が出来上がり、それは彼女の両手の上に乗った。
一度降ろしてからもう一度持ち上げてもらったが、先程のバーベルとは違い軽々と持ち上げた。
今度は試しに私がバーベルと氷塊を持ち比べてみたが、やはり氷塊の方が明らかに重い。
「こっちの方が断然重いわね」
「え〜、なんでよ?」
「チルノが氷精だから……なのかなぁ?
もっと調べてみればはっきり分かるかも知れないけど面倒くさいからいいわ」
「なんか納得いかないんだけど」
「細かい事は気にしない。
まあとにかくお疲れ様。
運動の後だし水浴びでもしましょう」
「あれ、あんた吸血鬼じゃなかったっけ?」
「泳いだり裸で水を思いっきり被ったりするのは駄目だけど、合羽着てれば基本的に大丈夫よ」
私もお姉様も言わないので紅魔館の中ですら知っている者は美鈴以外いない。
お姉様が何か吹き込んだのかパチュリーは私が部屋から出る度に律儀に雨を降らせるが、別に雨が降っていようが出ようと思えば出られる。
出ようとも思わないが。
「喰らえウォーターライフル!」
「ふはははアイスシールドをそんな攻撃で破れると思ったら大間違いよ!」
「ならば熱湯ボムを受けてみろ!」
「あちちち!畜生、冷水スプレッド!」
ここはお姉様がこの前図書館の海もどきを撤去した際に代わりに作った室内プールだ。
今は中の水を抜いてその中で私とチルノが水遊びをしている。
ちなみに普段はメイド達がこの中に水を張って遊んでいて、お姉様は端でそれを眺めているらしい。
私もよく言われるがあいつも大概訳の分からん事をする奴だ。
「ハア、ハア、もう無理……
というか疲れたから水浴びに来たはずなのになんでこんな遊びしてるのよ……」
「そういえばそうだったわね。
じゃあ今日は軽く水浴びしてもう休みましょう」
「じゃあ私はこっちのベッドで寝るからチルノはそっちのベッドで寝て」
「何でこんなにベッド離れてるの?」
「私時々寝ぼけて物壊すことがあるから近くにいると死ぬかも知れないのよ」
「酷い寝相ね」
「どっちかって言うと私の力が強すぎるんだけどね。
それじゃあおやすみ〜」
こんな調子でチルノは私の部屋に四日間滞在して帰った。
普段誰かと過ごすことなどないのでなかなか実り多き日々だったと思う。
なお通信玉(仮)の使い方も教えておいたのでまた会うこともあるかも知れない。
【人形遊び】
私がかつて使用していたスペルカードに禁忌「フォーオブアカインド」というものがあった。
私以外に三人の分身を出して全員で弾を敵に向かって撃つ技なのだが、この分身には人格が無い為全て私が操っていた。
今日はそのスペルカードを元に、分身に人格を付与する実験をしている。
とは言ってもこれがなかなか難しい。
人格を一から構築して完成させるのはまず不可能だ。
というかそんな事ができる奴がいたら神になれる。
他にも既存の人格をコピーして使用するという案も考えたのだが、これも方法が思いつかない為廃案となった。
そこで最初の案のレベルを下げ、感情や思考プロセスを単純化した簡易人格で妥協することにした。
私は別に神になりたいわけではないので、ちょっと自分で考えて動き回れる分身ができて、少し楽しめればそれで構わない。
さて、まずは基盤になる人格を作ろう。
三大欲求は……睡眠は必要ない、食欲もいらない、性欲もいらないか。
その他分身には必要ない行動を削ぎ落とし、移動の仕方、戦闘の仕方だけ入れる。
あ、本能的な行動とかは役に立つかも知れないから残そう。
う〜ん、つまらない。
あとで余裕があれば何か無駄な要素も付け足そう。
何はともあれこれで私が指示を出せば自分で動いてくれる人格はできたはずだ。
次は感情を入れてみよう。
感情を入れた分身を使用する機会があるかどうかは疑問だが、まあやっておいて損はないと思う。
喜怒哀楽……まずは一番大人しそうな哀でいこう。
余計な感情を削って、あなたは悲しい、あなたは悲しい、あなたは悲しい
「よし、起動」
私の合図で悲しくてしょうがない分身が動き出す。
が、動き始めた分身はすぐにバッタリ倒れて動かなくなってしまった。
「あれ?」
失敗だろうか?
とりあえず近ずいて抱き起こしてみると、目が虚ろで瞳孔が開いて……
「ってこれ死んでるじゃん!」
心を持つ者は過度の悲しみを抱えて生きていくことはできないようだ。
私はまた一つ賢くなった。
では、今の分身の悲しみの度合いを100としてだんだん下げていこう。
90:駄目だ、また死んだ。もう少し思い切り下げてみよう。
70:お、一瞬フラッとしたが持ち直した
かと思ったら自分で喉を掻っ切って死んでしまった。
そうか、身体が生命活動を停止しなくても自殺してしまうこともあるのか。
60:今度は銀のナイフで心臓を突いて自殺した。
方法が若干スマートになったな。
死んだことに変わりはないが。
ちなみに本物である私はこの程度では死なない。
50:自殺はしなくなったが殺してくれと懇願してきた。
自分で死にたくなる程ではなくなったということだろうか。
とりあえず望み通り消してあげた。
40:縄を用意して首を吊った。
しかし人間ならいざ知らず、私の分身はこの程度では死なない。
たぶんこいつも分かっててやってる。
鬱陶しいのでとっとと消して次に行こう。
30:部屋の隅で膝を抱えて座り込んだ。
やっとまともな反応になってきたわね。
20:シンプルに号泣。
30の時の反応はこれよりも上位だったのか。
うるさくてかなわん。
10:シクシク泣き出した。
これ位なら私も小さい頃にしたことがある。
見た目が今とそんなに変わらなかった頃だから2、300年ぐらい前かな。
5:ちょっと表情が暗くなっただけ。
これで大体の基準はできた。
他の感情もこれにそって入れれば大丈夫だろう。
さて、これで今日の実験は終了だ。
後は適当に遊ぼう。
『こちらグリフィス1、目標を確認した。場所は中庭だ、応援を頼む』
『こちらグリフィス2、了解した。グリフィス3、グリフィス4、グリフィス5中庭へ向かえ。私はここで待機する』
『『『了解』』』
『こちらグリフィス1、グリフィス3〜5の到着を確認。目標に変化は無し』
『こちらグリフィス2、目標の周囲に別の人物はいるか?』
『こちらグリフィス1、目標は一人だ。時間を考えれば邪魔が入る可能性は低いと思われる』
『こちらグリフィス2、了解した。作戦を開始せよ』
『こちらグリフィス1、了解した。グリフィス3、グリフィス4、グリフィス5これより目標を包囲する。フォーメーションは2だ、繰り返す、フォーメーションは2だ』
『こちらグリフィス3、目標は一人だ、COOLに決めるぞ』
『こちらグリフィス4、グリフィス5、カウントを開始してくれ』
『こちらグリフィス5、これよりカウントを開始する。
3、2、1、ATTACK!!』
グリフィス5――分身の一人の合図と共に私達は飛び出した。
「紅美鈴!!貴様を巨乳取締法違反により逮捕sグホォッッ!??」
「あれ、フランドール様じゃないですか?すみません、侵入者かと思って迎撃してしまいました」
「ふっ、流石美鈴。相変わらず良い蹴りだわ……」
満更でもなさそうなつぶやきを残してフランドールは崩れ落ちた。
「全くこの方は……」
フランドール様の気は無茶苦茶存在感があるので最初からこちらを狙っていることは分かっていた。
本気で迎撃しないと殺されていたことも。
子供の頃から突拍子もない行動を取られる方だったが、こういう命に関わる悪戯は勘弁して欲しい。
「大人しくしてればただの美少女なんだけどなぁ」
現実はとかく非情である。
フランドール様を背負って彼女の部屋に向かいながら、私はそっとため息を吐いた。
脳内のフランドールのイメージをテキストにぶちまけてみたらこんな話になりました。
まだ回収してない伏線やネタも残っているのでいつか続きを書くかも知れません。
次に投稿する作品は多分別のになります。
ではここまで読んで下さった皆さんありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。
機玉
作品情報
作品集:
16
投稿日時:
2010/06/03 16:35:03
更新日時:
2010/11/03 13:40:07
分類
フランドール・スカーレット
チルノ
短編連作
17KB
6月18日コメント返信
チルノとフランに和んだぜー
このフランちゃんは一人遊び(?)の天才ですな
チルノたち妖精は知識がないのと知恵がないのをごっちゃにされている感がありますからねぇ
このチルノは知恵があって、これはこれで可愛いですね
フランちゃんウフフ
そこだけでも話がふくらみそう
>>1
向こうに投稿するには少々自信がなかったのでこちらに投稿させていただきました。
この話ではフランドールもチルノも性格が捻ってありますが和んでいただけたのならば幸いですw
>>2
この話のフランドールは何故か神が好きですねw
今後ももしかすると神を引っ張り出す事があるかも知れません。
>>3
ありがとうございます!
地味に面白い話(?)というのがコンセプトの一つだったのでそう言っていただけると嬉しいです。
>>マジックフレークスさん
やりたい事は全力で、がこのフランドールのモットーですw
チルノは頭が良いとは言い難いけどそこまで馬鹿でもない、というのが自分の印象です。
この話では流石に少し補正がかかっている気もしますが。
>>5
気にっていただけたようで嬉しいです。
次回もこんなノリで書きたいと思っています。
>>6
ありがとうございます!
確かに分身の実験はもう少し膨らませる事もできたかも知れないのですが、自分の腕ではグダグダになりそうだったので早々に切り上げさせていただきました……
機会があれば、また分身の話で何か書くこともあるかも知れません。
やっぱりフランちゃんの性格が媚びてなくいい意味での「普通」だからこそかもしれない