Deprecated: Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『射命丸暴走』 作者: 156p
○月×△日
今日も、幻想郷を飛び回る。しかし、ネタが無い。かれこれ2週間程探しているが全く見つからない。呆れる程の
平和にフラストレーションが募る。道中、変な棒を持って地面を探ってるネズミを見付けた。無視して帰ろうかとも思ったが手ぶらで帰るのも癪だし、もしやするとネタになるかも知れないので話し掛けてみる。しかし、今取り込み中だから後にしてくれ、と邪険に扱われた。
薄汚いネズミ風情がッ・・・!全身の血液が沸騰するのを感じた私は、地面を探ろうと中腰になったネズミの左側頭部に渾身の蹴りを見舞った。
瞬間、ネズミの身体は弾丸となり、立木に打ち付けられる。ネズミは、大量の血液を口や鼻から出血し、揉んどり打っている。しかしまだ、私の沸騰した
怒りは収まらない。続いて、蹲るネズミの腹や頭をこれまた渾身の力を込めて蹴り付ける。天狗は一走りで木々を薙ぎ倒す。
その速さを産み出す脚を使った蹴りは岩石すら粉々に打ち砕く。ネズミの骨が砕ける音が響く。心地いい。段々と落ち着きを取り戻した
私は、最後に何か言おうと動いた口に下駄の歯を思い切り叩き込んだ。ネズミの癖に蟇の様な断末魔を
挙げて失神した。足を上げると、ネズミは白目を剥き鼻水やら血液やらで化け物の様だった。ほとんど欠けた歯が、更に凄惨さを際立たせる。
「これじゃあ、お嫁に行けないわね」などと、無責任な台詞を呟く。記事に載せようかとも思ったが、流石にその手の趣味でも無い限り吐き気を
催す記事になる事は間違いないので、私はネズミを放置して飛び去った。
○月×△日
しとしとと、梅雨時の雨音をBGMに執筆に耽る。しかし、そのペンは途中でピタリと止まり私は頭を抱える。今日だけで、6度目の行動だ。
原因は、絶望的な程のネタ不足。記事の半分どころかまだ1面しか書き終えていない。得意の捏造をしようにも、ネタ自体が
無いのでねじ曲げようがないのだ。虚しく雨音と時計の針の音だけが響く。頭を抱えて小一時間、私はのっそりと机を立つと傘を持って扉の錠を外す。「気分転換でもしよう・・・」
傘を片手に妖怪の山を散策する。目的地は特に無い。ただ、雨音を聞きながら静寂な森を歩くと、気温の低さも相まってか
記事を何とか仕上げようとフル回転して熱を持った脳が少しずつ冷めていくのを感じた。最も、それは束の間のことであったが。
しばらく、歩いていると見覚えのある顔に出会った。椛の模様が入った盾を持った白狼天狗だった。折角、冷めて来ていた脳が再び熱を帯び始める。
正直、この白狼天狗は苦手だ。会う度に怪訝な表情で睨んでくるし、この前取材に行った時は噛み付かれそうになった。何が気に入らないのかは
知らないが格下にこのような態度を取られると、私もいい気分ではない。しかし、相変わらず今回も怪訝な表情で私を睨む。何時もなら、
笑顔で流せるが、今日はそうもいかない様だ。あの時程では無いが、やはり全身の血液が沸々とたぎり始めた。白狼天狗が哨戒任務に戻ろうと飛び去ろうとした刹那、
私は瞬時に距離を詰めると白狼天狗の右足首を掴み、力任せに雨でぬかった地面に叩き付けた。顔面から、泥に叩き付けられた
白狼天狗は驚愕の表情を一瞬見せた後、怒りの表情で自慢の太刀に手を掛けようとする。しかしまた、一瞬で距離を詰めると、
その右手首を捻り上げて鳩尾に一発、鼻っ柱に一発ショートパンチを打ち込み動きを止める。ところが鼻血を出しながらもまだ、こちらを睨んで来たので
頭を抑え付けて膝蹴りを二発打ち込こんだ。すると、堪らず地に伏してしまった。こうなれば、後はこの前と同じだ。中心部だけでなく、脚・腕等の末端部も満遍なく砕いていく。
そのたびに、白狼天狗は悲鳴を上げようとするが叶わない。あらかじめ喉を潰しておいたので、声にならないのだ。ある程度蹴り終えて冷静
さを取り戻した私は、ボロ雑巾になった白狼天狗の服を全て脱がすと、近くにあった川に服を流した。白狼天狗は、痛みと羞恥で声にならない嗚咽を漏らしている。
私は、肉体的な暴力に加え、精神的な暴力にも愉悦を見出だしたようだった。
「んー私、どんどん化け物じみて来てるなぁ。あ、私は化け物だったか」なんて一人芝居を演じた後、帰宅した。
○月×△日
私の家では、麓の神社が局地地震で潰れたときよりも永久の月が出たときよりも重大な異変が起きていた。
――カメラが、消えた
床には服や菓子袋が散らかり、机上は原稿や写真が散乱している私の家だが、カメラだけは必ず所定の位置に置くように
している。しかし今朝、取材にいこうと準備を整えカメラを取ろうと、何時もの場所に伸ばした手は見事に空を切った。
そして現在、散らかった家はさながら戦場と化していた。引き出しをひっくり返し、ゴミ箱をひっくり返し、布団をひっくり返し、そのたびに原稿とゴミを掻き分けながら
私のもう一つの心臓を探す。しかし、時計が無慈悲に針を進めていくだけだった。もう、この家にカメラは無い。そう判断した私は、激しい焦燥を感じつつ家を出た。
「何処かに置いて行ってしまったのかもしれない」そう思った私は、思い付く限りの所を回った。麓の神社、山の神社、悪魔の館、冥府の庭園、果ては恐怖の花畑から死神の昼寝スポットまで足を伸ばしたが皆、首を横に振るだけだった。私は、途方に暮れた。
――ふと、頭にこんな考えが過った。そういえば、最近出来た寺には何でも見付けるネズミがいるらしい。上手く頼み込めばもしかしたら見付けてくれるかも。しかし、ネズミという言葉が頭を過った瞬間、私の両脚に骨を砕く感触が再び走り、
その考えは萎んで消えた。次に、白狼天狗は鼻が効くから見付けてもらえるかも・・・とも思ったが、手足があらぬ方向に曲がった小柄な
犬の映像が頭に浮かび、再び萎んで消えた。
・・・仕方ない、河童に頼んで新しいのを作って貰おう。愛着のあるカメラを諦めるのは断腸の思いだが、新聞大会も近いのでこれ以上時間を消費するのは
好ましくない。思い立った私は、大瀑布に向かって飛んだ。大瀑布から歩いて3分程すると、目的の河童の工房が見えた。ふと、心無しか以前見たときより、工房が大きく感じる。中に入り
早速、工房主に事情を説明する。工房主は面倒くさそうな表情を浮かべた後、「1週間後」と答えた。一瞬で大荒れだった心が晴れ渡る。新聞大会は、1ヶ月後。1週間のロストは確かに痛いが、
それでも十分挽回出来る。私は、安堵しつつ工房主にカメラの製作を依頼しようとした。しかし、工房主が次に発した言葉によってそれは無かった事になった。
――お代は、1500000ね。
・・・コイツは、何を言っているんだろうか?1500000?私が100年働き詰めても達しない額だ。それを、この工房主は平然と宣った。つまり、コイツは最初から製作する気が無いのに
1週間と言ったのだ。あの時と同じように、全身の血液が沸き立つ感覚を覚えた。自然と口角が吊り上がる。・・・今度は、蹴るだけじゃ物足りない。此処には半田鏝やらペンチやら、拷問器具は
山ほどある。どうしてやろうか。
――いやー、次の新聞大会大変だね。
隙を伺っていた私は、工房主の気の抜けたセリフで思わず脚が止まった。それもそうだ、コイツの腕を潰して二度と機械弄り出来ない
ようにしたいのは山々だ。だが、それで何になる?この幻想郷でカメラを作れるのは、忌々しいが唯一コイツしかいない。ならば、ここで叩きのめすのは得策とは言えない。
工房主は、無表情で私の次の一手を伺っているようだ。「チッ、出直して・・・きます・・・」私はせめてもの嫌がらせで、扉を前蹴りでブチ破って工房を出た。
特大の苦虫を噛み潰し、家路に着く。ふと、空を見上げると私と同じ鴉天狗がカメラを首にぶら下げ、ひっきりなしに行き来する。苦虫がもう一匹追加された。カメラは無くなるし、壊したいヤツも壊せなかった。
新聞大会は、メモ帖とペンだけが頼りか。今日は、史上最悪の1日としてカレンダーに刻んでおこう。その後はイライラしたまま起きてるのは良くないから、早めに寝ようかな・・・。
ところが、運命は実に気紛れ。この後、私の頭上から降ってきた声のおかげで、イライラもカメラも一挙に解決してしまうのだった。
――あー、文じゃん。カメラ無しなんて珍しーねー。散歩?
あぁ何だ、こんな簡単な解決方法あったんじゃないか。そう思った私は、その鴉天狗の持つ長方形の物体を見てほくそ笑むのだった。
○月×△日
その日の夜。私は、人気の無い森の一角に計画に必要な物を潜ませる。「こうゆうことって、まるで密室殺人のトリックを仕込む犯人みたい」と、私はとてもウキウキしていた。
翌日の昼、梅雨明けの不快な暑さの広がるなか、私は何時も通りの服に着替え、大型の水筒とタオルを用意して家を出た。蒸し暑さと照り付ける太陽に顔をしかめながら、ターゲットの住処を探す。
・・・あった。私の家をもう少し小さくした感じの家に花果子念報という手書きの看板が掲げられていた。扉を叩く。施錠が外れる音がした後、今日の暑さにやられたのか、気だるさの極みといった表情の主が
顔を覗かせた。珍しい来訪者に始めは警戒していた様子だが、私がカメラが無くなってしまったので共同取材をしたいとの趣旨を伝えると、
予想外にあっさり同意した。暫くして、着替えた花果子念報の主が出てきた。右手で、私のお目当てのモノを弄っている。
――暫く妖怪の山上空を飛び、私は取材現場と称した人気の無い場所に降り立った。「何も無いじゃない」と、ターゲットは怪訝な表情を見せる。私は、「あの木の上を見てください」と目の前の木立を指差す。木立の上を見ようと視線を上に上げ
――重心がほんの少し後ろに傾いた
瞬間、私はターゲットの両脚を払った。フワリ、と一瞬宙を舞った後、ターゲットは地面に背中を打ち付ける。驚愕の表情を見せるターゲット。
矢継ぎ早に鳩尾を数回踏みつける。ターゲットは、堪らず眼を見開き吐血した。私はすかさずマウントポジションをとり、ターゲットの両腕を脚で押さえ付ける。そして、タオルで鼻と視界を塞ぎ
酸素を吸おうと大きく開いた口に水筒を押し込んだ。必死に首を振り、身体を震わせて水から逃れようとするが、引き篭りの力などたかが知れてる。タオルを持った左手は
ガッチリ頭を押さえ、右手に持った逆さの水筒は無慈悲にターゲットに水を流し込む。蟇の様な声を上げながら懸命の抵抗をしていたターゲットだが、
水筒が少し軽くなってきた辺りで抵抗は小さくなり、水筒が空になる頃には白眼を剥いて動かなくなっていた。ふう・・・と、一仕事終えて汗を拭う私。お目当てのブツを取り、
ターゲットの身体を茂みに放り込む。念のために前日、茂みに隠しておいたロープで縛り上げて猿轡を施した。
――それじゃあ、死ぬまで借りておくわね。
どっかの白黒みたい、と苦笑する私。ふと、前と違い血一つ付いていない自分の服を見る。「そういえば私も白黒ね」と、再び苦笑を重ねて私は飛び去った。
○月×△日(□)
私は、今日も新しいカメラを片手に取材に出る。正直、このカメラを手にしてからの私はいままでのスランプが
ウソのように、次々と新しいネタが入って来た。この日は、永遠亭に取材に行った。なにやら、新しいゲーム機
が幻想入りしたらしく、暇を持て余していた永遠亭の主が幻想入り初日に購入したそうだ。私は永遠亭に到着し
て受付の因幡への挨拶を済ませると、赤い目に他の因幡とは違う尖った耳をした兎が現れた。私は、彼女の後ろ
に付き主の部屋を目指す。長い廊下にそろそろ飽きてきた頃にようやく、廊下の一番奥に到着した。襖の奥から
なにやら勇猛な音楽が流れている。案内役の兎が音を立てずに襖を開くと音楽は一層鮮明になり、大広間の奥に
設置された大型TVに映し出された映像に没頭する黒髪の女性がいた。「姫様、取材の方がおいでになりました」
従者の声に反応した主が、手元の機械を弄るとTVに映っていた映像は止まり、音楽も途絶えた。そうして、主
はこちらに振り返り「あぁ、あなたが取材の…ようこそ、永遠亭へ」そういって微笑んだ。
主の手元の機械は、アルファベットの「H」の形をしており、右側にそれぞれ○、×、△、□が書かれたボタンが
四つ。左側には十字にボタンが配置されており、下方には茸のような形の奇妙な棒がそれぞれ右と左に付いている。
それがTV前の白い大きな箱に繋がっており、更にその箱から伸びた線がTVに繋がっていた。傍らには、英語で何か
書かれた空の箱が置いてある。「んー?さ…さげ?エフろ…?」自分でも良く分からない言葉を紡ぐ。英語は読め
ん…。「それ、サガ・フロンティアって読む」永遠亭の主に解説される。「って、永淋が言ってた」。そーなのか
ー、と暗闇の妖怪のセリフを心のなかで呟く。「まぁ、別に言葉の意味を知らなくても物語を進める上では何の問題
もないわ」というセリフと同時に、手元の機械のボタンを押すと再び勇猛なBGMと映像が動きだした。
TVの中で、数人の人間が巨大な怪物と交戦している。派手な効果音を散らしながら、時に集団攻撃も仕掛け巨大な怪物
を消滅させる。おぉー、と思わず拍手をする。美麗な映像と、勇猛な音楽に彩られた怪物討伐は実に新鮮な物だった。
忘れずに感想をメモ帖に走らせ、怪物との交戦をカメラに収める。しかし、始めは派手な戦闘に心躍ったが段々と飽き
てきた。結局、私は眺めているだけなので面白くない。そんな私に勘付いたのか永遠亭の主が口を開く。「正直、飽き
て来たでしょ?仕方ないわ。私だって飽きてるもの」聞くと、この時点でもう3週目らしい。そして、さっき巨大な怪
物を倒したのでもう4週目に突入するらしい。「もう、ガッカリだわ。折角、皆で楽しもうとコントローラーも4台買った
のに一人用だなんて!」そう言って永遠亭の主は、箱から取り出した円盤を睨み付けた。そーなのかー、とまた暗闇の妖
怪のセリフを呟く。とはいえ、これだけ美麗な映像はなかなか無い。読むに十分値するネタだ。これは、明日の新聞大会
が楽しみだ等と心の中で呟く。私ははやる気持ちを抑えつつ、永遠亭の主に取材協力への謝辞を述べ、早々に帰宅した。
帰宅した私は、猛烈な勢いで執筆する。長い人生で、ここまでスラスラと記事を書けるのは初めてだ。渾身の記事を仕上げ
た私は、その足で大会の申し込み所に記事を提出した。申し込み所を出る私の足取りは、実に軽やかだった。ランキング入り
は確実だ。弱小、三流などと罵詈雑言を私に浴びせてきたあいつ等を遂に見返せる…そう、思うだけで思わず顔が綻ぶ。帰りに
商店で特上の祝い酒を買って家路に着いた。
翌日、私は焦っていた。会心の記事の喜びから遂、酒が進んでしまった。そして案の定、開催ギリギリの時間に目が覚めたのだ。
幻想郷最速の脚をフルに使い会場に急ぐ。ーー見えてきた。会場には既に多くの天狗が集まり、発表を今か今かと待ち侘びていた
何とか間に合ったようだ。すると、壇上に山の神社の2柱と巫女が現れる。どうやら、今年の大会の司会のようだ。ざわついていた
会場が、発表の緊張感からか一気に静まる。「皆さん!こんにちわ。今大会の司会進行を努めさせて頂きます、東風谷早苗です。
今大会への100を超える多くの投稿、有難う御座います。その多数の投稿の中から、妖怪の山内外から集まった賢人の厳正な審査
の元、選出された30の記事を発表したいと思います。皆さん、大いに盛り上がっていきましょー!!」巫女の滑らかな、マイク
パフォーマンスで静まっていた会場のボルテージが一気に沸騰した。この巫女、ノリノリである。歌とか歌ってる。夜雀や騒霊も
真っ青だ。と思ったら後ろに居た。華麗なダンスをしつつ、よく分からない言葉をリリックする。かと思えば、この世への呪詛を
青筋立てながらシャウトしている。10曲ぐらい歌い終えた所、酸欠で失神した巫女は担がれて舞台袖に消えた。苦笑いを浮かべ顔
を見合わせる2柱。いつの間に集まった、審査委員と思われる賢人達もなんともいえない表情をしている。2柱が何やら言葉を幾つか
交わすと、祟り神の方がマイクを取った「えーっと、何かスイマセン…。ここからは、私、洩矢諏訪子が進行したいと思いまーす」
ウォォー!!とよく分からないテンションのスタンディングオべーションで迎える観客。祟り神は、相変わらず苦笑いを浮かべた。
「そ、それじゃあ、発表したいと思いまーす!」ураааааааа!!!とまた、よく分からないスタンディングオべーションが
起きた。
「ベスト3から発表したいと思います。第三位ーーー」
ベスト3には、そもそも入れるとは思っていない。私は、さして興味も無く聞き流した。
「第二位ーーー」
おや、あの文経新聞が二位?とんだ番狂わせがあったわね。天狗社会でも、1の巨大
組織と発行部数を誇るあの新聞社に勝つなんてどんな新聞社なんだろう?普段は聞き流す
第一位に珍しく興味を持つ。
「そして、栄えある第一位はーーー花果子念報!!」
ーーーー…は?
何を言っているんだ?あの蛙は?花果子念報といえば遂、数日前に私がこの手で破壊したじゃないか。これは、夢?しかし、壇上
に上がった顔を見て愕然とする。あの時不意打ちを喰らわせ、大量の水を飲ませ、妖怪に食わせようと縛って放置したあの鴉天狗
だった。全身から嫌な汗が噴出し、震え始める。
「花果子念報が、栄光の1位を獲った記事を発表します!「実録取材!妖怪連続襲撃事件!!」これは、妖怪の山周辺で起きた3人の
妖怪の襲撃事件を取材したものです。そして、この記事を執筆した姫海堂はたてさんはなんと!この事件の被害者なのです!!また
、共同執筆者として名を連ねる犬走椛さん、ナズーリンさんもこの事件の被害者。被害者だからこそ伝わるリアリティ、臨場感溢れる
記事が審査員の心を掴んだようです。では、はたてさん栄えある第1位のコメントをどうぞ!!」
私は、そっと会場の扉に向かう。幸いにも、遅刻したおかげで私は一番後ろにいた。また、会場の異常なテンションのおかげで気付か
いないようだった。壇上には、いつの間にか共同執筆者の2人もいた。
「今回は、このような賞を頂きありがとうございます。皆さん、すみませんが突然の事を申し上げます。私達を襲った犯人は、この会場
にいます」
会場の雰囲気が一変する。会場の誰もが、お互いの顔を見合わせる。さながら、イエスが裏切り者の存在を告白した晩餐の様。私は、
急いで扉を開ける。
「その犯人はーーーーーーー今、この場から逃げようとしている人です…」
会場全員の顔が、一斉に出口を向く。
ーーー閉まった扉がそこにあった。
まとめました。ルールも知らずに投稿して申し訳ないです。しかも、誤字まで
してるし…
156p
- 作品情報
- 作品集:
- 16
- 投稿日時:
- 2010/06/04 11:19:24
- 更新日時:
- 2010/06/04 23:56:52
- 分類
- 射命丸
悪いことってするもんじゃないな
できたら続けて欲しい
あやや虐め好きだから、続編もあると嬉しいな
しかしそれだけに、このような類型的な形で締めてしまっているのが残念でなりません。
次回作にも期待。
かなり自分好みな作品を見落としてたんだな
極悪な射命丸と尊厳破壊される椛がかわいい