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『隠・東方惨劇録』 作者: HAMU
「文様」
椛は文のいる部屋に入って来た。
幻想郷崩壊予告の異変から早10日。
博麗神社での宴会から約3日が経過していた。
「んー?」
「あの事件の時、なんでああもうまくいったのでしょうか」
「ああ・・・」
椛の質問はよく判らなかった。
文はすぐに理解できた。
「まあ、あんたが信じるか信じないかの違いなんだけどね」
「?」
文は、手帳などがしまってある棚に手をかけ、
一冊の手帳を取り出し、椛に見せた。
そして、にとりから貸してもらったテープレコーダーと、
何かが録音されているテープカセットを取り出した。
「これらに、ちょっとした詳細が書かれているのよ」
「き、聴かせてくれませんか?」
「・・・」
1つの手帳と1つのテープカセットには、今回の件についてが
記録されている。
「まあ別に、見せたり聴かせたりして困るもんじゃないし」
文は手帳を開いた。
「まずは・・・何から?」
「何もかもです」
「・・・」
「根本的に、どうしてうまくいったのか・・・」
新聞によって幻想郷崩壊予告が知れ渡った日。
あの謎の子供が、霧の湖のほとりでひなたぼっこをしていた。
「あ〜・・・あったいかいです・・・」
霧の湖にしては珍しく晴れていた。
子供は呟いた。
「それにしても、なんでこんなことが可能に出来たんでしょうかね〜」
「それは」
その時、子供の後ろから声がした。
「あなたの協力のおかげでしょう?」
「パチュリーさん・・・」
パチュリーは1冊の本を持って、子供の前に現れた。
その本のある頁には
『時間は不可逆』
と記されていた。
「自覚があるのは私とパチュリーさんだけですもんね」
「時間を戻す前のあの日、私の前に突然現れてね・・・
「確か、『協力しましょうか?』って声をかけたんでしたっけ」
「あの時は『不可能を可能にしてみせます』とか言ったわよね」
パチュリーは微笑った。
子供も微笑った。
「あの時はあなたの事、半信半疑だったけど」
「でも、信じてくれただけでも嬉しかったですよ」
子供は寝ていた体を起こした。
パチュリーはその横に座った。
「でも不思議じゃないの? 外の世界の住人がそんな事出来るなんて」
「自分でも判らなかったんですよ・・・変な丘に来て、倒れたから助けてって願ったんです」
「?」
「そしたら本当に来たんですよ助けてくれる人」
「・・・」
「最初の日・・・なぜか私には声をかけてくれなかったけど・・・」
「時間を戻した日には話しかけてくれたのね」
「はい・・・」
パチュリーは子供への協力者でもあった。
「紅魔館での事件は覚えていますよね?」
「忘れないわ」
「あの時は、私が時間を戻したんです、このまま終わらせたくなかったから」
子供は自分でも時間を戻す事が出来た。
「でも、1度きりだったんですね・・・私が時間を戻せたのは」
「だから2度目は私に協力を求めたわけなの?」
「1回目は霊夢さんが協力に乗ってくれなかったから上手くいきませんでしたが」
「2回目は保険だったという事ね?」
「そういうことです・・・2回目でも上手くいかなかったらどうしようかと考えちゃいました」
子供は苦笑いした。
「そうね」
パチュリーは考えた。
「次、こんなことが起きたらどうするの?」
「そのときはそのときです、考えます、作戦を練ります」
「?」
「パチュリーさんのやりたい事を可能にしましたから、もう1度出来るとは限りません」
「そういうことなのね・・・」
パチュリーはそれだけ言うと、立ち上がった。
「この事・・・文に教えていいかしら・・・」
子供はきょとんとした。
「いいに決まってるじゃないですか・・・ですが、この事はパチュリーさんの功績という事にしておいてください」
「判ったわ」
「で、その後私に教えてくれたわけです」
文は手帳ではなく椛を見ていった。
椛はまだ疑問に思う事があった。
「でもなんで自分じゃなくてパチュリーさんにしたんでしょう・・・」
文は即答する事にした。
「謙遜じゃない?」
「あ、そうですか」
「ところで、作戦の内容ってどんなモノだったんですか?」
「あんたは人の話を聞いていたのかしら」
「いえ、内容というか・・・」
作戦実行するとき。
文は人文を書き終え、コピーしていた頃だった。
子供が話しかけた。
「私の作戦・・・というより、考えは上手くいくと思いますか?」
「・・・」
文は暫く考えた。
「どうでしょうね、上手くいくかどうかは犯人と私たちの動きじゃないんですか?」
「それもそうですね・・・」
何十枚にも渡るコピーが終わった。
「効果はあるんですかね」
「犯人の心境とかにもよるとは思います、ですが」
「・・・」
「犯人がどれほどの動きを見せるか・・・の、違いでしょうかね」
「あなたがその予言をしたのは今日の夜」
「そうです、今日の宴会のときに報告が出ます」
「どうして知ってるのかは疑問なんですけど」
「それで、手紙を書き終わる頃だと思います、この新聞を届けるのは」
「・・・」
「犯人がどれだけ油断する・・・か、ていうのが醍醐味と言いますか・・・お楽しみ、ですかね」
文は、子供のくせに変な考えね・・・と思った。
突然現れ突然変な作戦を、予言を告げた。
「しかし、まだ夜明けまでは相当時間があるのに大丈夫なんですか?」
「何がですか?」
「あなた、どう見ても子供なのに、こんな時間に起きていて」
「この幻想郷では違和感ありますか? こんな時間に起きてて」
「無いです、でも、家の人が心配とかするんじゃないんですか?」
「いません、いません、はい、いません」
「あなたは何歳ですか?」
「15ですけど」
「どうみても・・・ね・・・」
「いえ、新、高校生なんですけど」
「?」
「見えませんか?!」
「どうも、発展途上のせいで全然見えません」
「発展途上とかいわないでください!!! ひどいです!!!」
文はあきれた。
コピーした新聞をまとめ、配達用のバッグにつめた。
量に比例して、バッグはいつもより大きめのを選んだ。
「はたては?」
「外で待機してます。 文さんの事を待ってるんじゃないんですか?」
「大変!!」
文は飛び出した。
「少しでも遅れちゃうと全てがずれてしまいます」
はたてはとっくのとうに準備が完了していた。
「ああ、やっと来たわね。 遅い遅い」
「悪かったわね・・・原稿料があんたのより多めな上に枚数が多かったのよ」
「はいそうですか」
文、椛、はたての3人は集まった。
椛は子供に質問した。
「今回の作戦はうまくいくと思ってますか?」
子供は力強く答えた。
「もちろんです」
「すいません、よく判らないです」
「・・・(作者は馬鹿なのかしら)」
「その子供はどこから来たんでしょうか?」
「うーん・・・それが、教えてくれないのよね・・・」
「外の世界の人というのは確実ですね」
文と椛は腕を組んで考え込んだ。
「ていうか、一網打尽でしたね」
「そうね、紫さん、幽々子さんにレミリアさん」
文はペンをくるくると回した。
「最初は連続失踪の犯人を捕まえようとしたんですけどね」
「子供の作戦によって2人を同時に捕まえてしまったという」
文は微笑った。
「あの子供が言うには、『1回目』では連続失踪の事件が無かったようです」
「文様?」
「なぜか偶然起きちゃったみたいですね、その事件」
連続事件発生時。
人里のとある家。
人里では有名な定食屋の店主ははりきった。
「さぁて、朝からバリバリ仕事するかな」
両腕を伸ばし、腕をパキパキ鳴らした。
調理用の服に着替えた。
そして、調理道具などの準備を始めた時だった。
突然、入り口の方で戸を壊す音が聞こえた。
「な、なんだ!?」
店主は急いで入り口に向かった。
「なっ?!」
そこには、戸を突き破って入って来た、何かがいた。
「何だお前は!?」
店主は、棚にあった包丁を『そいつ』に向けた。
しかし、そんな脅しは『そいつ』に効かなかった。
「うぁっ!!!」
『そいつ』は一瞬にして店主の足を取り、転ばした。
そして、『そいつ』は店主を一瞬にして包み込んだ。
「・・・助けてくれぇっ・・・!!!」
「まぁ、本人はそう語っていました」
「でも何で判ったんですか? 解決しようと動いた時は本人がいなかったのに」
「何ででしょうねwww」
「永琳さん」
「?」
作戦開始時、あの子供は永琳の所に来ていた。
「あなたですか、あの仲が悪い2人に協力を求めたのは」
「はい」
永琳は溜め息をついた。
「それで、何の用ですか?」
「ああ、はい」
子供は辺りを気にした。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「あの2人を、一時的に行動不能に出来ないでしょうか」
「・・・殺すってこと?」
「いえ違います。 仮死薬とかを塗って、矢を刺すんです」
「・・・」
椛は何かを気にしていた。
「不可能を可能にして、殺した後生き返らせたわけじゃなかったんですか?」
「自分の能力で殺す事に躊躇いがあったんじゃないの?」
文は自信ありげに言った。
椛は訊き返した。
「だったら、能力で殺されないようにしたら?」
「できなかったんじゃない? そういうことは」
「?」
「1説に、能力では死なないようにする事が出来ないんじゃないかしら」
「なるほど」
「別では、自分の力でこなしなさい・・・っていう意味かもしれないんだろうけど」
「私は後者だと思います」
「そう? 私は前者でもあり、後者でもあると思うわ」
文は手帳で自分の顔をぱたぱたした。
「どちらか・・・て、言うのなら、私は前者だと思うけどねぇ」
「そうですか・・・」
「ていうか文様」
「何なの?」
「レミリアさんの封印の件の詳細を教えてもらってないんですけど」
「そうだったわね」
文は手帳を開いた。
「お嬢様、例の一件が解決したそうです」
「・・・そう・・・良かったじゃない・・・」
レミリアはどことなく元気が無かった。
「どうかなさったのですか・・・お嬢様」
「私・・・何だか卑怯だと思ってね・・・」
「?」
「何でも無いわ」
レミリアは外を見つめていた。
日がすっかり沈んで真っ暗な外。
レミリア、フランドールたち、吸血鬼達にとっては好都合な時間帯。
「見てください、お嬢様。 満月がとっても綺麗ですよ」
「そうね・・・」
そらにしっかりと映し出された満月。
邪魔する雲が1つも無かった。
しかし、レミリアの心の中には何かが邪魔されていた。
嘘をついた自分が許せなかった。
紅魔館でのあの事件。
自分が起こしたくせに、記憶喪失のふりをして一旦逃げた。
そして、まだ記憶は戻らない。
という噓を何回もついて来た。
しかし、正直者達の霊夢はどうだろうか?
自分と違って誠実に生きている。
「自分が恥ずかしいわ・・・」
レミリアは違った意味の溜め息をついた。
「咲夜」
「お嬢様?」
「私、決めた」
「?」
「記憶が全て戻ったわ・・・全部、完全に」
「お嬢様・・・!!!」
「だから、自首してくるわ」
「?!」
「霊夢達のように、正々堂々するわ」
レミリアは紅魔館を出ようとした。
「お待ちください!! ここの統制は誰に任せるのですか?!」
「いるじゃないの、たくさん」
「・・・」
「咲夜、パチュリー、美鈴、小悪魔、フランドール、その他の妖精メイド」
「・・・!!!」
「私がいなくてもしっかりするのよ?」
レミリアは霊夢の所に向かった。
「霊夢、全部包み隠さず話すわ」
「判ったわ」
霊夢とレミリアの顔は真面目だった。
「まあ、本人達から聞き出せたのはその程度だったわ」
「自首するなんて・・・」
「あなたが犯人だったら? 自首するんじゃないの?」
「まあそうですかね・・・」
文の問いかけに、椛は曖昧に答えた。
「じゃあね、椛」
「はい、おやすみなさい」
「何か進展があったらそれを伝えるわ」
「判りました」
その日は偶然にも新月の夜だった。
真っ暗な空間だけが、広がっていた。
どうも、HAMUです。
今回は、文の情報による。
という形式で紹介いたしました。
個人的にも考えていますので、
何か考えついたら更新いたします。
で、次回が惨劇録シリーズの最後になります。
後・惨劇録は、意味不明に等しいので。
外の世界がどうたらこうたらの話ですので、
意味不明のお話しになってしまいました。
では。
それと、言い訳になってしまうかもしれませんが、
読者の批判とかを受け入れないのは、
このシリーズを途中で曲げたくないからです。
まあでも、推理形式じゃなかった。
というのは反省していますが。
そこは受け入れるつもりでいましたよ・・・。
明日辺りに、
ゆゆ様の動機を公開いたします。
HAMU
- 作品情報
- 作品集:
- 17
- 投稿日時:
- 2010/06/10 08:48:46
- 更新日時:
- 2010/06/10 18:32:54
- 分類
- 文
- 椛
- 異変の裏側(に、なってるのかなぁ?)
ま、これはこれでいい経験だったよ。
もはや誰が殺されたのか生存しているかわからん状態でふ。
紫とゆゆ子とレミリアがとち狂って皆殺しでOKなのかね。
歌詞作り逆にセンス良いwww
>>2
なんかいろいろとすいません・・・。
>>3
一応、何かが思いついたら更新していくと思うので。
トチ狂い皆殺しで一応OK
でも、よく見てる人なら判ると思うけど、
真犯人は殺しの手を下していない。
殺したのは恐怖におびえきった被害者達。
ゆゆ様は、マジで殺そうと思った。
とりあえず乙。あと一話分頑張れ
どっちにしろ話がつまらんけど
呆れるの通り越して怒りも通り越して嫌悪も通り越してここまで来ると清清しい
ちょっと早いが、お疲れ様としか言いようが無い
よく頑張った
その結果がこれじゃあなwwwwww
なんだかコメにも哀愁を感じるw
ついでに批判受け入れた上で曲げなけりゃいいのにねぇ
批判は内容以外に関することがほとんどだったわけだし
解答編から頑なに解答することを拒み、
時間を戻して強引に解決編を推し進めた上で、
新たに解答を行う作風は斬新だけど、受け入れがたいね
作品が短いことが悪い方向にしか働いていないことは
散々言われているし、今更言っても詮無いことだけど、
この作風を貫き通すと決めたんなら、最後まで頑張って
いつだったかの紫とか
殺されないうちに殺すって決断が早過ぎたんじゃねーか?
そこを面倒くさがらずにしっかり書いてれば酷すぎる評価にはならなかったと思われ。
作風を変えたくないと言ってるけど、中には書き方が悪いだけでマトモなアドバイスも多々あったし頭冷やして読み返してみればいい