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『夜空を舞う巫女を見上げる私』 作者: エイエイ
ご主人様の家は何時も薄暗く、時折カーテンからのぞく光が頬を撫でるのが私の何よりの楽しみでした。
ご主人様は人形職人であり、私と私の姉妹達は書斎の窓際の細長い机の上にきちんと並べられております。
私らは皆ご主人様の手により作られ、彼の身の回りのお世話をするのが仕事であり生きがいです。
その事に何の疑問も持ちませんでした。
この小さな部屋の中から出た事などありませんでしたから、
私のとってご主人様は神様で、彼のおっしゃる事は神託を受けた巫女のように謹んでお聞きしなければなりません。
私は姉妹達の仲でも彼から特別な愛を受けており、ご主人様から直にお恵みをいただいておりました。
今日も私は小鳥のさえずりで目を覚まし、朝食代わりのご主人様からのお恵みを直に食べさせていただきます。
ご主人様が彼の助手の女性と一緒に書斎に入って来ました。
彼女は何処か私と似ており、もしかしたらそれが私が特別に愛していただける理由なのかもしれません。
私は何時ものように跪いてご主人様からのお恵みを頂こうと口を差し出しましたが、
助手である女性に思いっきり頭を殴られたため目の前がちかちかと光り、木製の家具が多い書斎は真っ赤な光に包まれて、
私が神様の意思に反した行いをしてしまったのに気付きました。
彼女は私に頂きますの前にやる事があることを身振りで教えてくれました。
私は自分の浅はかさにほとほとあきれ返り、何の神事も無くお恵みを頂こうとした事を深く反省します。
本当にどうかしていました。
私は両手を前でくみ、神様にお恵みを下さるようにお願いします。
たまに神様はこの祈りの最中にお恵みを下さる事がありますが、大抵は直に口に朝食を食べさてくれました。
この日は神様との神事をきちんと執り行う事が出来、満足げに出て行く彼を見送り私も胸が高いです。
次の日もまた次の日も、何時までも何時までも私は神様に使える巫女であり続けました。
永遠に私は祈り続けるのかと思っていました。
でも私は神様が好きではありませんでした。勿論嫌いでもありません。
人形の身で神様の事を理解できる事などあろう筈もありません。
吐き気以外の感情を感じた事はありませんでした。
そしてある満月の夜、私はご主人様から神様である証を食いちぎりました。
神様の神殿があった場所は今は崩れ落ちて、吐き気を催すグロテスクな廃墟が残ります。
神様は人の身に落ちて死んでしまいました。
その後、私は助手である女性に連れられてご主人様の家を後にします。
本当のところ、私は神様を殺したことをちっとも後悔なんかしていません。
彼女の手に引かれて私はもっと素晴らしい所に行けると思っていました。
しかし彼女は私を置いて何処かに行ってしまいました。
私は広い 鈴蘭畑の中でドロドロになりながら這いずり回ります。
瞳には狂気の色が宿り、自分を捨てていった女性に対する憎しみは彼女を人形から妖怪へと変化させていきました。
妖怪となった人形の少女は自分に近づくもの全てに敵意を抱きます。
やがて少女が毒を吐く能力を獲ると共に寄り付く物は一層へっていきましたが、それでも構いませんでした。
ご主人様から既に一生分の愛を貰っていましたから、好意はおなか一杯だったのです。
ある時ほうきに跨った白黒の少女が彼女の元を訪れました。
そして人形の少女に手を差し出しますが、その細い腕で少女を青空へ連れて行ってくれるとは信じられません。
もしかしたら、気のせいかも知れませんが魔女の女の子も助けを求めて手を差し出したのかもしれませんでした。
次の日もまた次の日も少女は人形の元を訪れましたが、彼女は何時もその手を取るのを拒否したのです。
落胆して帰っていく箒の裏側を見ながら、人形はその魔女に強い羨望を抱きました。
どうして人を信じられるのか分からなかったからです。
ある時日傘を差した女の人が訪れましたが、自分より一回り大きな彼女に、何時しか自分を捨てていった女性を重ねてしまいました。
結局その手を取る事も出来ませんでした。
ある夜紅白の衣装を来た巫女が鈴蘭畑に降り立ちます。
その巫女は人形が捨てられてから、たびたび鈴蘭畑を訪れる事がありました。
彼女が妖怪になる前に訪れたただ一人の人間でもあります。
誰にも心を開かなかった少女も、巫女の優雅なたたずまいと、そして何より底が見えない真っ黒な瞳に惹かれました。
「今日も一人で居るの?」
一寸呆れ顔で話しかけられました。
「それは貴方も同じでしょう?・・・それにしても・・・良く飽きずにやってくるわね。」
巫女の少女はその黒い目を一寸細めて、笑って手を差し出します。
ああ、もう人形は巫女の少女の全ての虜になってしまいます。
「自分の心の形は自分自身で決めるのよ・・・」
二人は手を取り合って空へと浮かび上がります。
その度に人形の少女は自分の人生が残り僅かだと思い知らされました。
巫女の少女のように自由に空を飛ぶことを夢見ながら。
・
・
・
人形の少女は、ふと思いを巡らせます。
巫女の少女が手を差し伸べたら誰だって手を取る事を躊躇わないのかと・・・
最近まともな文章を書いて無いなと反省しています。
エイエイ
作品情報
作品集:
17
投稿日時:
2010/06/16 07:55:10
更新日時:
2010/06/16 16:55:10
分類
作者は心の病気
霊夢
メディスン
キチガイ気取りw・・・のは良いけどあまりにリアリティが無いのは荒らしと思われ手もしょうがないよね?
良い文章じゃないですか
この人の過去の作品全部も読んでいるから、そういうことを言っているのですか?
少なくともこれは普通に読めたし
次の作品も期待してるよ。