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『東方新政治 第3章』 作者: ゴルジ体
ずちゅっ、と湿った音を立てて、小野塚小町は閻魔の胸から大鎌を引き抜いた。
どさりと崩れ落ちた死体の服で、得物に付着した血液を拭う。
「・・・これでいいんだろ?」
小町は依然微笑みを崩さない紫を見て言う。
「ええ、よくやってくれたわ。約束どおり、手はずは済ませておく」
紫は扇で顔を扇いだ。
「これからはあなたが"楽園の最高裁判長"よ、――小野塚小町さん」
タイル張りの床を拡がる赤色が、小町の下駄の先端を染めた――
――いかんせんそれは人知れず起こったことであり、なにをもってしても、この場の誰しもが、その変化に気付くことは能わなかった。
ちょうどこの者たちの中の誰一人として、真の意味での幻想郷の現状を把握することができなかったように・・・。
東方新政治――第3章――
「<敷令法>第128条――『政権組織に対する反逆或いはそれに準じると認められる行為への処罰等』」
騒ぎから落ち着いた大広間に、紫の朗々とした声が駆け抜ける。
「・・・それが、四季様の能力を封じたのか?」
小町は投げ捨てられた死骸を見て言う。
「そう。この法は妖怪にも適応される。私たち妖怪が絶対的な力を持ったとして、人間に与する妖怪が現れぬとは限らない」
紫は目を細めて場にいる全員を見回した。
「そうなれば、この制度は或いは諸刃と成り得る」
「ふん、まああたいにとっちゃあ、そんな細かいルールは何の価値も無いよ。欲しかったものは、・・・もう、手に入れたさ」
ここでひとつ付記しておくことに、四季映姫の出席が確認された段階で紫と小町、2人の間に早急にある契約が結ばれていた。内容として、閻魔の殺害――これは双方にとって非常に有益なことであった。紫は邪魔な閻魔を消すため、小町は裁判官の地位を得るため、提携することとしたのであった。
紫自身、法が完全に閻魔に適応されるかは未だ未知なところがあったので、閻魔の最も信頼する人物、もとい死神の小町に止めを刺させることで油断の不意を突いて殺害せしめた――と、このような経緯があったという蛇足である。
「ええ、私もよ。・・・皆さん、少々のごたごたがありまして申し訳御座いません。しかしてこれで我々に反旗を翻したいなどとのたまう方は誰一人とていなくなりました。さてさて、仕切り直しに、私がこの政府に正式なネーミングを致しましたので発表し申し上げたいと思います」
時刻は亥の刻を回りて、夜の深きが月の紅を一層際立たせていた。
館の傍らに月を映す湖面、人は流水に鑑みるなくして、止水に鑑みるを表していた。
「『幻想省』――これからの私たちの秩序、幻想郷のまつりごとよ」
さて、この後の会議は素晴らしくスムーズに進んだ。8議席を獲得した者とできなかった者の実力差が、余りに開きすぎていたことが主な要因である。
以下に決定された役職を記載する。
<幻想省>
議長:八雲紫
書記・管理:八雲藍(8議席に含まれない)
議員:伊吹萃香
:八意永琳
:蓬莱山輝夜
:風見幽香
:八坂神奈子
:洩矢諏訪子
:星熊勇儀
是非曲直庁門外顧問:小野塚小町(8議席に含まれない)
以上である。それ以外――大妖怪・神の猛襲を受けた結果――として、パチュリー・ノーレッジ、永江衣玖、寅丸星、聖白蓮の4名――死亡(明確な死因は判明されなかったが、少なくとも1人として肉体の原型を留めていた者はいなかった)。
西行寺幽々子、逃走(出席者の誰もがどのタイミングで彼女が逃走したのか把握していなかった為、或いは彼女は初めから出席していなかったのではないか、と疑問視する声も一部で挙がっている)。
一部端折った部分はあるが、ここまでが「幻想省評議会」の詳細である。
そして、この会議は、幻想郷が完全に"新たな制度を受け入れること"を確定させた。紛れも無い、幻想郷自身に。
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会議が円満に終了した頃、つまり午後12時位だろうか、博麗神社では紫との接触を諦めた霊夢、魔理沙、アリスが眠りこけていた。
浅き夢見し少女たちは、勿論、裏で何が起こっているか知る由も無かった。しかして、もうじき明晰判明に認識せらるることとなる。
1匹の妖精の、その儚い命によって。
朝、霊夢たちが目覚めたのは7時前であった。彼女らは朝食後、何とか情報を集めるために人里へ向かうことにした。
勿論、アリス以外飛べないことを考慮して徒歩である。
「・・・はあ、一体どうなってんのよ全く。紫の馬鹿が訳わかんないことするから・・・」
霊夢は先程から愚痴をこぼしこぼし歩いていた。いかにも面倒だ、という思いが全身から怠惰のオーラとして溢れている。
「霊夢、そう気を落とすなよ。なっちまったもんは仕方ない。とにかく里で適当に当たってみるしかないな」
魔理沙は一晩明けて幾分冷静に構えられるようになった。これは魔理沙の長所でもあるだろう、良くも悪くもさばさばした性格なのだ。ならば霊夢はばっさりした性格というところか。
「そうね、どうも事態が見えない。慧音あたりに聞いてみるのがベターだと思うわ」
アリスは思案顔で2人の後ろに付いていた。
3人がのんびり小道を歩いていた、その時だった。
ゴッ!
「ぐえっ」
鈍器で何かを殴りつけたような鈍い音と、低い悲鳴が横の森中から響いた。
3人は驚いて、静かに木々の中に分け入って様子を窺った。
そして、小道から50メートルほど、巨木の根元に見知った姿たちを見つけた。
ルーミア、リグル、ミスティアが、チルノ、大妖精を取り囲んでいた。
妖怪3匹は、それぞれ手に無骨な太い木の枝を持っている。
チルノが、何事か叫んでいた。言うことに、
「おい!さっきからなんなんだよ!あたいたちがなにをしたっていうんだ!」
目に涙を浮かべ、大妖精の肩を掴んで、ルーミアたちに叫んでいた。
大妖精は額から出血し、腕や足にも青痣が見えた。明らかに木の枝によって殴られてできたものだ。
大妖精は、何も言わなかった。いや、意識があるのか怪しかった。
異様な光景。異常な光景だった。霊夢たちは動けず、ただことの成り行きを見守っていた。
「はあ?なんか言ってるよルーミアちゃん、こいつも潰そうよ」
汚らわしそうにチルノを見て言ったのは、リグル・ナイトバグだった。
「そうだね、リグルちゃん。すっごい目障りだし」
ルーミアが応答した。彼女は枝を握り直し、思い切りチルノ――その頭蓋めがけてスイングした。
ごちゅ、と妙な音がしてチルノは宙を舞った。
木にぶつかってべたりと倒れた、その頭は、半分潰れて脳が露出していた。
目玉が飛び出ている。血と訳の分からない液体で地面が黒く染まった。
「・・・え?」
何が起こったのか、3人の眼に確実に写し出されてはいたが、彼女らの優秀な脳はその理解を一瞬遅延させた。
絶叫して気絶しない精神を持ち合わせていただけで、霊夢たちは未だ少女であった。
「うっ、ウぇ、うげぇォェッ」
ぱたぱた、と吐瀉物を撒き散らしたのは魔理沙だった。
血を吸った地面も、ゲロを吸った地面も、色は大して変わらないんだなと、霊夢は頭の片隅でふと思った。
すいません;;
展開と方向性を決めるのに時間がかかって投稿がおくれてしまいました。
会議も無事終わり、霊夢たちもいよいよ動き出します。
魔理沙のゲロは至高
ゴルジ体
- 作品情報
- 作品集:
- 17
- 投稿日時:
- 2010/06/18 15:17:50
- 更新日時:
- 2010/06/20 11:22:46
- 分類
- 新政治
- たくさんでる
これからの展開が気になる
独裁狙ってんの丸分かりだぜ糞ババア。
これは天狗たちや山田殺された是非曲直庁の動きに注目だな。
このまま、紫の独裁が始まって、2W・Wの時のドイツみたいになるのかねぇ?
輝夜は月でも政治家というよりは象徴でしかない。
えーりん、神奈子諏訪子ぐらいしかまともな政治(というより統治?)ができる奴が居ない上、神奈子と諏訪子は軍神と祟り神だから平時の政治には向かない。
えーりんがなんかしようにも萃香、勇儀、幽香がまとまるとも思えない。
早くも終了の気配
今の状況でも殺されるの確定みたいなものだけど
議員から降ろされた奴らの方が内政に向いてそうなのがなんとも
ババアも年なんだよ・・・
寅丸殺したら毘沙門天もなんか突っ込んできそうだ。
妹紅は薬飲んだだけの人間だけど、どっち扱いなんだろう?
薬効が切れてるならやっと死ねそうだけど…
↑
えーりん
神奈子
諏訪子
関心と無関心の壁
幽香
有能と無能の壁
勇儀
萃香
輝夜
最低と最低以外の壁
紫
↓
ごみくず
紫の権限がどれほどなのか気になる。
妖怪の統治にかかわることでも、↑三人がなんか考えても幽香は欠席(無発言)、鬼は無法を望むなら、議員3票が紫の一票で台無しになる可能性もある。
強い奴は上に立つべきだけど、強いだけの奴が最上位に居てはいけないということを証明してくれるSSになりそうな予感。
外に喧嘩売って滅ぼされちゃうのかな
それとももう一度月に殴り込みとか?
このアホ共がどれだけうかつな真似をするか楽しみです
蓬莱人×2、鬼×2、守矢×2、幽香
えーりんは輝夜さえ無事ならだし、輝夜も鬼も幽香も政治とか興味なさそう
この機に勢力拡大狙いそうのも守矢しかいねぇ
紫を軸にするならそりゃそうか