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『その美しいブロンドの髪を僕にくれませんか?』 作者: sako

その美しいブロンドの髪を僕にくれませんか?

作品集: 17 投稿日時: 2010/06/23 16:33:35 更新日時: 2010/06/25 00:03:17
 秋の稲穂と冬の針葉樹。
 黄色の縫い糸と鈍い輝きの針金。
 水槽の熱帯魚と深海で目を光らせている鮫。

 そんな対比。


「………………」

 十六夜咲夜はティーセットを載せたトレイを手にしたままぼうっと、後ろから霧雨魔理沙のウェーブかかった長いブロンドの髪を眺めていた。

 美しい金髪はまるで夕日を浴びて輝く小川のよう。指をそっと差し入れれば本物のそれのように何の抵抗もなくするりと動けてしまいそうな、そんな柔らかさを持っていた。或いは天女や天使、神の御使みたいた連中が着ている服はあんな感じなのかもしれない。

 特別に手入れしているのかと思えばどうもそうではないらしい。咲夜が魔理沙の話を盗み聞きした限りでは頭を洗うのに使っているのは普通の石鹸でシャンプーなんて小洒落たた物はめったに使わないそうだ。
 それであの輝き、あの髪質。天性と若さと言うものは空恐ろしいと生命の神秘を畏れ敬う。

 それに比べて…

「はぁ…」

 ため息を付いて咲夜は自分の髪。ピンと横に跳ねた犬の耳みたいな部分を触ってみる。滑らかではあるがそれは加工された滑らかさだ。咲夜は毎晩、特注のシャンプーで髪を洗い、これまた特注のリンスでコンディションを整え、特注のタオルで乾かして、特注の香油を馴染ませ、髪の綺麗さを保っている。それは石鹸で洗うだけで特に何もしていない魔理沙の髪と比べれば、ああ、確かに加工品の滑らかさ、と捉えられるだろう。波に洗われて角をすり減らした浜辺の滑らかな石とやすり掛けしてニスを塗ってコンパウンドで表面を均した加工品の滑らかさ。

 まぁ、髪の綺麗さはこの際妥協しよう。魔理沙の方が咲夜より年下なのだし、髪は肌の次に経年劣化が多い人間の部品なのだから。金と銀、色の違いも好みの問題になるから追求しないでおこう。
 問題なのは髪質…あの小川のせせらぎかラマの毛のように柔らかな髪の毛に比べれば咲夜のそれは針金か冬の薪か。とにかく固かった。それに加えて跳ねっ返り。犬の耳を思わせる咲夜の前髪の反りはセットしているわけではなく、自然とそうなってしまった結果なのだ。いくら蒸かしたタオルで温めても、電髪にかけてもそのうち戻ってしまう。そうとう質の悪いクセッ毛だった。

 屋敷には髪のきれいな人…大抵は魔女だったり吸血鬼だったりと元から魔性の美しさを備えている連中が大勢いるがそれは人と妖怪の種族としての性能限界として咲夜は捉えていた。捉えてはいたのだが…

「おんなじ人間でどうしてこうも違うのかしらね」

 皮肉げな言葉は自嘲に満ちている。

 咲夜はやれやれ、と肩を落とすとメイドの本分を思い出したかのように仕事に取り掛かった。
 パチュリーと楽しそうに話している魔理沙の前、テーブルの上にティーセットを音もなく並べていき、ティータイムの用意をする。ありがとう、咲夜、というパチュリーの言葉に対して小さくいえ、仕事ですから、と模範的な返答をしてポットに缶から取り出したお茶の葉をスプーン二杯入れ、熱したお湯を注ぐ。待つこと百三十と七秒。絶妙の濃さで抽出されたお茶を二つのカップに注いで角砂糖と輪切りにしたレモン(黄色い皮は小削である)をセットに談笑する二人の前へ並べる。後はお茶菓子にクッキーでも用意すれば終り。その筈だった。

「でさぁ、霊夢のやつが…」
「ふぅん、あの紅白もずいぶんとやんちゃね」
「………」

 ティーカップの受け皿を指で摘みつつ咲夜の視線は揺れる紅茶の水面ではなく、横へ投げかけられていた。

―――綺麗な髪。

 金色が瞳いっぱいに写っている。
 その一本一本が数えれそうな、そんな距離。

「あ…」

 気がつくと咲夜は手を伸ばして魔理沙の髪に触れていた。柔らかな金糸の感触。それ以上、無理に動こうとはせず、ともすればちぎってしまうことを恐れているような、そんな丁寧な感じで。

「何やってんだ、メイド長」
「あっ、いえ、ごめんなさい」

 魔理沙に注意されぱっと手を離す咲夜。魔理沙はゴミでもついていたか、と自分の髪を怪訝そうな顔つきで指で梳いている。一瞬だけ考えて咲夜は魔理沙の言葉に乗ることにした。

「ええ、蜘蛛がね。もうとれたから、安心しなさい」
「うぇぇ、そんなの付いてたのかよ! ってか、素手で触るなよ少女なのに!?」

 おあいにくさま、と咲夜はティーセットが乗せられていたトレイを小脇に抱えて後ろずさる。

「それじゃ、ごゆるりと。お二人様」

 深々と礼をすると咲夜はいつの間にか影も形も残さず消えていた。後にはトランプの札が散らばっているだけ。五枚。ハートのK、スペードのQ、ダイヤのJ、クラブのA、それとJOKER。ワンペアかよと笑う魔理沙。

「……………」

 対照的にパチュリーはむっつりと黙ったままだった。










 魔理沙が帰り、パチュリーが自室にひきこもった後、咲夜は二人が使っていた図書室の一角を掃除していた。といっても出しっぱなしの本を片付けて適当に床を掃いて食器類をまとめて台所に運ぶ、それぐらいのものだったが。

「……………」

 残念ながら完璧で瀟洒である咲夜は掃除中に鼻歌を歌う様なことはしないし、置きっぱなしのバケツに足を突っ込んで転ぶようなマネもしない。それは門番の役目でついでに掃き掃除にバケツは必要なかった。
 機械的、と言う程ではないが正確な動きで咲夜は丁寧に床の目に沿って箒を動かし、埃を履き集めていく。
 それらをちりとりに集めとって床掃除は終り。綺麗になったその一角を見回して咲夜は自分の仕事の出来栄えを確認する。
 背の高さとアルファベット順に並べられた本棚。塵ひとつ落ちていない床。青々と葉を茂らせる観葉植物。優しく陽の光を招き入れるよう掃除された窓ガラス。磨きぬかれた鏡のように光沢を保っているマホガーニのテーブルと椅子。尻と背もたれの部分に貼られた皮もバッチリ光っている。読書スペースとしては完璧の度合いにある場所が出来ていた。

「………アレ?」

 けれど、その完成度を調べていた咲夜は小首を傾げる。鷹のように視力の良い瞳が椅子の背もたれの上に何か乗っているのを見つけたからだ。

「これは」

 近づいて手にとってみる。
 光に翳さないとそうと分からないほど細く長いもの。室内灯の光を受けて輝いているそれはブロンドの髪の毛だった。
 むぅ、と咲夜は眉をしかめためつすがめつ、指で摘んだ髪の毛を観察する。
 消去法で…考えるまでもない。この屋敷に足を踏み入れた人でブロンドなのは二人だけ。そして、日光に当てても気化しない髪の毛なら当てはまるのは魔理沙だけだからだ。

「………抜けても綺麗ね」

 指先で摘んだ髪の毛を弄ぶ。くるりくるりと回す度に光を反射する場所が変わり、まるで花火でも見ているよう。

 暫くそんな風に魔理沙の髪の毛で遊んでいた咲夜だったが、

「咲夜〜何処〜!!」

 唐突に自分を呼びつける声にそれは中断させられる。レミリアの声だ。
 ビクリと、まるで万引きの現場でも見つかったように咲夜は身を強ばらせるがすぐに持ち直し、振り返って大きな声で返事をした。

「はい、ただいま!」

 その時、魔理沙の髪の毛をポケットに仕舞い込んだのは無意識の行動だった。そのはずだった。


 その後、自室に戻ったとき、それを見つけまた咲夜は光にかざして遊び、それから少し迷ってそれを小さい茶封筒へ仕舞いこんでしまうまでは、無意識の行動だった。















 以来、咲夜は暇があればその魔理沙の抜け落ちた髪の毛をじっと眺めるようになった。
 と言っても、仕事も手につかず、なんて麻薬中毒の初期患者のようなことはない。表面上、いや、内面もいつもどおりにただ、一日のほんの一時、例えば眠る前などにふと思い出したようにその髪の毛を眺めるようになっただけだ。

 ただ、それだけ。それだけのこと。









 本当にそうだろうか。













「だから、私は言ってやったのさ。『だれかがすくわれるということはだれかがぎせいになるということなのか……?』ってな」

 HAHAHAと笑う魔理沙。今日も彼女はパチュリーのところへ遊びに来ていた。仏頂面でストローから音を立ててシェイクを飲んでいるパチュリーだが、その雰囲気は何処か楽しそう。傍目からも二人は仲の良い友達、或いは恋人同士に見えた。いや、先日、パチュリーが珍しく魔理沙のところへ出かけてその日は帰ってこず、次の日の朝になってやっと帰ってきたところを見るとそうなのかもしれない。

「……………」

 そんな二人を、正確には魔理沙、そのブロンドの美しい髪を咲夜は離れたところから見ていた。

 いつもの紅魔館の日常の光景。その筈だった。咲夜の視線が鋭くなければ。

「……………」

 無言で壁際に立ちながら一点を見つめ続ける咲夜。

 室内灯の淡い光を乱反射して、スパンコールのドレスのように輝く髪。けれど、そこには安っぽい飾られたような綺羅びやかさはない。自然体に、そう、あくまでも自然体に、夕日を受けて波打つ湖畔が輝くように、魔理沙の髪は輝いている。

―――綺麗

 と、咲夜の唇は形作っていた。声には出していないけれど確かに。

「でさ…」
「そう…」

 魔理沙の頭が動く度に川の水面のように金色の髪は揺れる。
 それをじっと眺めていると何処か遠い世界、人類未踏の絶景を眺めているような、それでいて逆に日常に潜んでいる他愛のない、けれど、心やすらぐ風景を眺めていような、そんな感傷にかられる。

―――ああ、綺麗。

 そう咲夜の唇が動く。
 表情こそ変わらないものの瞳に浮かんでいる炎は情熱のそれだった。黄金と宝石を前に強欲が浮かべるような、なめらかな肌の裸体の女を前に劣情を催しているような、精密にして苛烈に真似られたイコンを前に狂信者が浮かべるような、そんな炎だった。
 その炎はプロミネンスのように消えることがなく、絶対的な力を持っているように思えた。けれど…

「あ、魔理沙。ゴミが付いているわよ」
「ああ、どうやら私の髪にはよくゴミが付くみたいだな」
「タタミの上でごろごろしているからじゃないの?」

 パチュリーがテーブルに身を乗り出して手を伸ばし魔理沙の頭にひっついていた何かの糸くず…魔理沙の柔い髪の毛へ触れる。

「……………」

 そこで初めて従者に徹していた咲夜の顔がわずかに歪んだ。唇を軽く噛みしめ、眉を寄せ、視線を下げる。
 そいつは或いは嫉妬の情だったのかもしれない。瞳に灯っていた情熱の炎も陰りを見せたのは確かだ。

 ああ、多分そうだろう。
 咲夜は羨ましかったのだ。
 ああやって、簡単に魔理沙の髪の毛に触れれることが。
 屋敷の主人の友人と、主人に使えている者。どちらが偉いかなんて書くまでもない。そうして友人と従者。どちらがあの来客に親いかなんて。どちらが何の躊躇いもなく、魔理沙の髪に触れられるかなんて。

「……………」

 咲夜の指先にいつぞやか、つい無意識に触れてしまった時の感覚が蘇ってくる。
 まるで生まれたばかりの赤子の手を握っているようなそんな柔らかさ。最高級の絹地でもこうはいかない滑らかさ。そして、抜け落ちてしまったものからは感じられない生命の息吹。

「………っ」

 咲夜はゴクリと喉を鳴らすと、気づけば愛用の懐中時計を握っていた。かちり、かちりと正確に時を刻んでいたその時計、その秒針、内部機構の歯車が、瞬間、すべて動きを止める。






########################################




















 手近にあった真鍮のガラクタを組み合わせて金色のそれらを束ねてそれは完成した。
 一見すれば刷毛か何かに見える細工。けれど、よく見ればそれは取っ手になる真鍮製の留め金の部分概要に短く、刷毛の部分の毛は必要以上に長そうだった。
 それ以前に纏められた魔理沙の髪の毛は柔らかすぎてとても刷毛としては機能しそうになかったし、もとから製作者の咲夜はそんなぞんざいな扱いをするつもりはなかった。毛頭。

「…やってしまった」

 出来上がったものを手にしたまま自己嫌悪にため息をつく。
 真鍮に金具にまとめられているのは魔理沙の髪の毛、一房分といったところだ。本数にすれば多いが長い髪をしている魔理沙からすれば数%程度。けれど、それを咲夜は先程、時を止めて手にしたナイフで切り取ってきたのだ。

 気づかない筈だ。時が止まった世界を知覚し、入門できるのは限られた能力者だけだ。それは吸血鬼や魔女ですら不可侵の領域。だからこそ十六夜咲夜は紅魔館唯一の人間にして従者序列一位、実質、紅魔館を指揮する立場に収まっていられるのだ。

 けれど、咲夜が図書室から立ち去るとき魔理沙が自分の頭…頭皮に僅かな痛みを覚えて疑問を感じていたことを思い出す。
 悪いことをしてしまったのかもしれない。
 主人の友人の客…もしかしなくても恋人の髪の毛を盗みとると言う異常な行為に加えその罪悪感が咲夜を苛む。

 しかし、それも…

「…柔らかい」

 魔理沙の髪の毛を手に入れた喜びを前にはちっぽけな悩みになってしまったようだ。

 まるで新しいおもちゃを与えられた子供のように咲夜は魔理沙の髪の毛の一房を手の中で遊び、指の腹で転がして、握りしめて形を変えてみせたりする。それが本当に楽しいように笑みを浮かべながら。

 自然に抜け落ちた髪の毛…身体が不必要と判断して抜け落ちた死んだ髪の毛ではなく、まだ、頭から生えているところから切り取ってきたそれは花で言うところのドライフラワーと生花ぐらいの違いはあった。剥製が手に入ったから次は本物の標本、そう考えてもらってもいい。
 目的のものを手にいれることができて咲夜は心底うれしそうに笑っていた。











「………魔理沙」

 手の中の房に鼻を近づけ軽く息を吸い込む。
 やさしい石鹸の香りが備考に満ちる。それと同時にあの爛々としたはにかんだ様な笑顔が咲夜の脳裏に再生される。

 ただの憧れがもっと深い何かに変わることなどままある。
 最初は綺麗な髪だと思ってみていたのに気がつけばその髪を盗みとって、あの娘の顔を想い浮かべるなんて…













 それから暫くは何事もなく日々は過ぎていった。
 その時間は永遠であるかのように変化に乏しく、毎日が同じことの繰り返し、ただ空模様と夕食の献立だけが変わる毎日、そんな単純な日常だった。

 いや、変化は実際には確実にあった。

 魔理沙が訪れる度に咲夜は少しだけ顔をほころばせ、その揺れる金色の髪に目を奪われることが多くなったのだ。

 そうして、もう一人の心中にも変化が訪れていた。
 もっともそれは咲夜を超える精神力で誰の目にもわからぬほど、おくびにも表には出していなかったのだが。









 その日、咲夜は上機嫌で図書室の掃除をしていた。
 最近の咲夜のお気に入りの場所はこの魔理沙がよく訪れるここだったからだ。
 けれど、それは同時に時に心臓に短い針を差し込むような辛い思いをする場所でもあり…

「咲夜、ちょっといいかしら」

 今日もその思いの元凶が声をかけてきた。
 はい、と従者然としたキチンとした言葉で返す咲夜。脚立から降りた先に待っていたのは図書室の主、パチュリーだった。

「なんでしょうか、パチュリー様」

 あくまで表面上は冷静に受け答えする。大丈夫、バレてはいないと咲夜は自分自身に言い聞かせ自信を固める。

「あなたにお願いしたいことがあるの。今度の実験で使う薬品の調合なのだけれどね。量が多くてとても一人じゃ作り切れないの。だから、それを貴女にお願いしたいのよ」

 何、簡単に三つ四つの材料を混ぜあわせてすり鉢ですりつぶすだけよ、とパチュリーは説明する。更に話を聞いていくと確かに一人では何日もかかる作業のようだった。問題は…

「すぐにですか?」
「ええ、すぐによ」

 このタイミングで、という事だった。
 今日、咲夜が図書室のこの一角を丹念に掃除していたのには理由がある。




 魔理沙が、今日、やって来るからだ。




 それは当然、パチュリーも知っており、それなのに、それだからか、パチュリーは咲夜にそう長く時間がかかる仕事を頼んだのだ。いや、或いは魔理沙が来るのにそんな対それた実験を行うとは考えにくい。実験すらもブラフでは、と咲夜は内心で訝しげに眉を顰める。

「だから、今日はお茶の用意もいいわ。今日は…私が魔理沙に淹れてあげるから」
「………」

 気がつくと咲夜は強く握りこぶしを作っていた。意識してではない。けれど、自分がそうしていると気がつくと更に万力を締め上げるように強く拳は握り締められた。

「…前から、魔理沙。私が淹れたお茶を飲みたがっていたの」
「…………」

 必要のないパチュリーのセリフ。弾幕ごっこで言えばハッタリのための全方位弾だろうか。当てるためではなくプレッシャーを与え事故死させるための。

「わかりました」

 やや経ってから咲夜は目を伏せて頷いてみせた。もとから自分はそうするしかない立場なのだ。自分は紅魔館のメイドでレミリアの友人のパチュリーに逆らえる立場ではなく、そうして、それより大切なことに魔理沙の恋人はパチュリーなのだ。
 だから、自分は黙っているしかない、と咲夜は自分の心を殺す。それが当然であるように。
 踵を返し、言われた仕事を片付けようとする。もう、心は鋼のようだった。何を言われても傷ひとつつかない。何をされてもヒビさえ入らない。そういう強度。
 けれど…

「それと、これは捨てさせてもらうわ」

 鋼の心もそのパイルバンカーじみた一撃には為す術もなかった。
 
 振り返る咲夜。そのの瞳、振り返っている途中のため、片方だけがそれを捉える。
 真鍮の金具に纏められた一房のブロンドの髪の毛。
 綺麗で綺麗で、とても大切な―――


 もしかすると、或いは咲夜がパチュリーの嫌がらせや嫌味のような言葉に憤慨したり、動揺してみせたりすればその一言、それから先に続く言葉はなかったのかもしれない。けれど、あまりに完璧な対応は逆にパチュリーには嫌味か嫌がらせのように聞こえた。弾幕ごっこで言えば自爆待ちの安置退避のような咲夜の態度に。あからさまな逃げのような態度に。それを…パチュリーは許さなかった。

「貴女の部屋で見つけたのよ。大切そうに、しまってあった」

 咲夜に見せつけるようにそれを掲げてみせるパチュリー。表情は固く、声は震え、瞳には何か、そう敵意のようなものが浮かんでいる。

「パチュリー様、それは…」

 何か言わないと。何か言い訳のようなことを言わないと、そう咲夜はパチュリーの手から大切な物を奪い返したい衝動にかられながらも必死に暴れ馬のようなそいつを抑え言葉を紡ごうとする。けれど、パチュリーの叫びの方がガンマンのように早い。

「言い訳はよしてよ! 魔理沙のでしょう、コレ!」

 パチュリーの手の中で揺れる金色の髪の毛。好きな人のもの。二人が、好きな人の一部だったもの。
 歯を食いしばって、震えて、足の小指でもぶつけたように悲痛に顔を歪めながら咲夜を睨みつけるパチュリー。つい出来心でやってしまった万引きの現場を見咎られた生徒のように咲夜は震え、叱咤の言葉に耐える準備をしているよう。もう、どちらにもこれから先を止めるすべはなかった。いや、誰にも。

「知っているのよ私、貴女が! 貴女が! いつも魔理沙のことを見ているのを! 私が気づいていないと思っていたの!? それとも、魔理沙以外は目に入らなかったとでも言うつもり!?」

 矢のように囃し立てるパチュリー。大きく手を振るって、はしたなくも口からつばを飛ばし、目を見開いているさまからは憤怒しか読み取れない。返す言葉もなく咲夜は項垂れてパチュリーが叫ぶ言葉を聞き入るしかなかった。

「魔理沙は私と付き合ってるのよ! 貴女に、そこに入る権利はない。わかるでしょう!」
「はい」

 項垂れたまま力なく頷く咲夜。パチュリーの言葉は確かに真理で咲夜もその所はよく理解しているつもりだった。だからこそ、遠くから眺める事ぐらいしかしていなかったのだ。或いは偶然を装って触れる、それぐらいしか。

「………だから、見てただけだった、というのは判るわ。多分、私でもそうするでしょうから」

 激情に駆られ怒鳴り散らしていたパチュリーだったがその実、咲夜の行動にはある程度、理解をもっていた。自分がもし、咲夜の立場だったら、そうシュミレートするぐらいの部別は持ちあわせてある。魔女である彼女の本質は理性人間だ。感情を宥めて理性で考えて行動する。だから、咲夜の行動も理解できるのだ。十分に。
 言葉尻に近づくにつれて小さくなっていく言葉。最後の方はもはや独白に近かった。そこで止めることもできたのかもしれない。貴女のやってることは理解できるわ、でも、やめてね、そんなお茶を濁さないような取り繕った言葉で。これがもし、他の無能そうな相手…雇っている妖精メイドたち程度ならパチュリーはそう済ませただろう。けれど、相手は咲夜だった。十六夜咲夜だった。
 パチュリーが知る中でもっとも性能のいい人間。理知的で面倒見がよく、仕事を完璧にこなし教養もある、スタイルも抜群。たまに抜けた言動をするがおおよそ人間が勝ち取れるスペックのほぼ最上位を示しているメイド長、十六夜咲夜だ。
 そんな咲夜が魔理沙に好意を寄せているのだ。確かに今現在、魔理沙はパチュリーと付き合っているが、花の蜜を吸っている蝶がその隣にもっと多くのもっと美味しい蜜を出す綺麗な花を見つけたらそちらへ飛んでいかないとどうして言える。今現在、付き合っているからなんて事実がどれほどのアドバンテージになっているのか、まるでパチュリーは自信がもてなかった。
 だから、パチュリーは戦うことにした。戦って相手を倒してしまわないと、蝶が…魔理沙が新しい綺麗な花の方へと飛んでいってしまうのではと恐れたからだ。

「でも、これはおかしいわ」

 だから、突きつける。パイルバンカーを。咲夜を殺す“花をへし折る”ための言葉を。

「見ていたのよ私。貴女が、夜な夜な、魔理沙の髪の毛で、遊んだり、匂いをかいだり、舌で舐めたりするところを!」

「ッ!?」

「正直…キモチ悪いわよ、貴女」

 金具を壊し、美しいブロンドの髪を解く。
 宙を舞う金の糸。
 それはまるで朝日に煌めく雪原のようで、とても、とても美しかった。

 床の上に落ちて輝きを失い、塵芥と化すまでは。



「……………………………」



 ああ、自分は長い人生の中で恐らく一番酷いことをしている、とパチュリーの理性的な部分、客観的に自分を眺めている心のどこか一角はそう思っていた。
 これは当分は咲夜がおかしくなってしまって、明後日にでもレミィに問い詰められるでしょうね、とそんな野暮なことも考える。
 ごめんなさい、と咲夜に謝りながら。
 でも、仕方のないことなの、と弁明して。
 こうでもしないと貴女を魔理沙から遠ざけられないから、と私利的な理由で。
 本当にごめんなさい、失恋させてしまって、と今度こそ心の底から。


 そして最後に、

―――ああ、嫌な仕事が終わった。

 そんなため息、それと続く疑問符がパチュリー最後の思考だった。
























「え?」

 ざくり。






 一瞬、何が起こったのかわからず、そうしてそのままパチュリーは何が起こったのかわからないままこの世から永遠にバイバイしてしまった。視界が夜の帳を下ろしたようにすぐに暗くなり、息をする必要性が感じられなくなり、体中を流れている血流がストライキを起こして、物資不足の脳髄はあっという間に営業停止。文字通り命の糸が切れたパチュリーは自分の体を支えていることができなくなり、そのまま前のめりに倒れた。

「………」

 そのパチュリーを身体で受け止める咲夜。逆の腕を伸ばしてパチュリーの腰を捕まえ、それ以上、倒れないようにする。
 そして、逆の逆の手には今もナイフの柄が、深々とパチュリーの心の臓に突き刺さったナイフの柄が握られている。綺麗にまっすぐに差し込んだお陰か、あまり血は流れでていない。
 咲夜はナイフから手を離すとパチュリーの亡骸の重みに耐えかねたのか、そのまま倒れるように膝を折り、両手で自分の顔を覆った。

「私は…なんで…ああ…すいません…すいません、パチュリー様」

 嗚咽が漏れ、涙が溢れ出す。
 腕の中、まだ抱きかかえたままのパチュリーに謝り続ける咲夜。けれど、パチュリーは憤慨の叱咤も宥めすかすような言葉も返してはくれない。当然だ。自分が殺してしまったのだから。


 殺意はあった。いや、生まれたといったほうが正しいのかもしれない。

 パチュリーが自分のことを罵ったとき、『キモチ悪いわよ』気がつくと自然と身体が動いてしまっていたのだ。

 或いは、もっと前から、そう自分の中でくすぶっていた気持ちに気づいて、それが今のままでは決して叶わぬとある種の諦めに達してしまっていたから。その諦めが歪んだ方向へ―――パチュリーを亡き者にしてしまえば、魔理沙の隣へ自分が座れる、そんな邪な考えに変わってしまったのかもしれない。

 咲夜は自他共に認めることができるほど理性的な行動が取れる人間ではあったが、その実、本質的な部分は感情に身を任せ行動する感情人間だったのだ。行動の根源の全ては感情に帰結する。それを無理矢理に理性に置き換え、時に感情を殺して生活してきたのだ。普段の生活ならそれでもよかったかもしれない。せいぜい、ストレスが溜まりやすいだけだ。どこかで毒抜きすれば何の問題も起こらない。

 けれど、この場合はどうしようもなかった。

 咲夜の精神に鋭く、鉄の杭を打ち付けるような衝撃が襲いかかる。それに対して理性的で模範的な行動は取れない。どうすればいいのか考えるよりも早く外側の衝撃ではなく内側の暴走で理性が消し飛び、そうして、心の赴くまま怒りと妬み、憤りと嫉みのまま咲夜はナイフを取り出して―――






 ああ、と咲夜は嘆いた。自分の愚かさを。

「おーい、パチュリー、今日も来たぜ〜」

 遠くから聞こえてくる魔理沙の声に喜んでいる自分がいることも含めて、全て、自分の愚かさを。

















「静かにしなさいよ、もう」
「よう、メイド長。さすがメイド長。わざわざ、パチュリーを運んできてくれるなんてなメイド長」

 それから咲夜はパチュリーの亡骸にシーツをかぶせるとそれを抱き抱えたまま魔理沙の前に迎に現れた。
 事情も知らず、いつものテンションでにこやかに話しかける魔理沙に少しだけ日常の尊さを見たような気がして咲夜はほほえむ。もう少しだけ、この時を楽しんでいようと。

「見ての通りパチュリー様はお休み中だから、静かにしなさい」
「あー、そうだな。寝た子が泣いても蓋とるな、だな」

 少しだけ声のトーンを落として笑う魔理沙。椅子を引いていつものポジションに座る。
 咲夜は踵を返すと図書室の隅で半ばインテリアになっていたロッキングチェアーにパチュリーの身体を横たえた。力なく瞳を伏せたその顔は傍目には眠っているように見える。

「んー、パチュリーが起きるまで暇だけど、待たせてもらうぜ。まぁ、幸い、ここには本がいっぱいあるから暇つぶしには事欠かないしな」
「あら、パチュリー様の代わりに私がお相手しようと思っていたのだけれど、一人静に読書の方がよかったかしら?」

 少しいたずらっぽく笑みを作りながら魔理沙に話しかける咲夜。てきぱきといつものようにお茶の用意をし始める。今のところ、魔理沙の分だけ。

「んー、そうだな。それも珍しくていいぜ」

 やや考えてから魔理沙はそう応えた。用意するお茶のカップが二つになった。

 しっかりとお湯を沸騰させて蒸気でカップを温めて、準備完了。いつものように完璧な手順でお茶を用意。 待つこと百三十と七秒。芳しい匂いをたたせる二つの紅茶が出来上がった。
 一つを片手を上げてお礼を言う魔理沙の前に、もう一つをいつもパチュリーが腰掛けている席の前に置いて、椅子を引きそこに座る咲夜。

 美しい金髪をした魔理沙と面と向かい合って座る。かなわないと思っていた望みが今叶ったのだと、咲夜は知らずの内に微笑んでいた。

「なんか嬉しそうだな」
「そうね。こうして、貴女とお話できることが嬉しいのかも」
「…なんだよそれ」

 魔理沙は少しだけ怪訝な顔をしたが、すぐにいつもの満面の笑顔に戻った。

 それから二人は他愛のない会話を交わした。
 言葉のほとんどは魔理沙が紡いでいて、咲夜はその笑顔を、揺れる前髪を、煌めくおさげを、流れる後ろ髪を眺めているだけだった。
 それだけで幸せだった。
 
 本当に、ほんとうに、咲夜は幸せだった。

 いつまでもこの時間が続いてくれればと心底願った。

 そういうわけにはいかないと理性が告げていても。

 咲夜は魔理沙の言葉に耳を傾け、風に揺れる稲穂のような金色の髪に見とれていた。





 けれど、それは長くは続かなかった。
 続いてはいけないからだ。

「…さっきから何見てるんだ? 私の顔になんか付いてるのか?」

 眼と鼻と口はあるな、と魔理沙。

「貴女の、髪が綺麗だから見ていたのよ、魔理沙」

 自然と、コップから水があふれるように緩やかに、咲夜の口からそんな言葉が漏れる。それは本心で今の咲夜の全てだった。

「あ、ありがとう…だぜ」

 不意に誉められて顔を赤く、視線を伏せてお礼を言う魔理沙。あ、う、と言葉を探し、ややあってから顔をあげた。

「パチュリーにも言われたな、そのセリフ。『貴女の髪はとても綺麗ね』ってな」

 似ていない声真似だけれど、咲夜には確かにパチュリーが魔理沙の髪に触れてそう口にしている場面がありありと想像できた。

 ああ、そうか、と咲夜は納得する。
 パチュリーは何も同じ女の子を好きになったから咲夜に少しだけ理解を示してくれたんじゃない。同じ女の子の同じ部分、その美しい髪に惹かれていたから、理解してくれたんだ。同好の士として。

「魔理沙」
「なんだぜ?」
「好きよ」

 その言葉も自然に出てきた。同じ女の子のなじ部分が好きならきっと同じことが出来るのだと信じて。同じ結果になるのではと薬に浮かされたようなありえない望みをいだいて。

 返事も待つように咲夜はすっかり冷めてしまった紅茶を一口、飲んだ。砂糖の甘い味が口に広がる。美味しい、とつぶやく。

「はは、えっと…冗談だよな、メイド長。ああ、冗談なんだな。パチュリーと共謀して私を驚かせよようっていうう魂胆なんだな。そうは問屋が卸さないぜ。おい、パチュリーも狸寝入りはいいからそろそろ起きろよ」

 魔理沙はしどろもどろになりながら立ち上がると部屋の隅でロッキングチェアーに横たわっているパチュリーのところまで近づいていった。咲夜が止めるよりも早くその手はパチュリーの身体を覆っていたシーツをつかみとり、そうして、






「え?」











########################################









「ごめんなさい魔理沙」

 止まった時の世界の中、咲夜は誰にも聞こえない言葉を紡ぐ。
 手にはナイフ。深々とそれが刺さっているのは魔理沙の胸。肋骨の隙間を縫うように心の臓へ銀の切っ先は服を切って肉を裂いて腱を貫いて突き刺さっている。
 咲夜は少しだけ柄に力を込めると刃を十度ほどひねった。魔理沙の胸の傷口が大きく開く。けれど、血は流れ出ない。時が止まっているからだ。
 咲夜はナイフの柄から手を離すとため息を付いた。

―――またやってしまった。

 そういう後悔の念が篭ったため息。

 咲夜がパチュリーに続いて魔理沙までも刺してしまった理由。それは咲夜自身にもわからない。パチュリーの時と同じく、気がつくと身体が動いていて、時を止め、ナイフを取り出し、そうして―――その過程と結果しかわからない。動機は哲学の園だ。
 保身のためだとか、全てを闇に葬るためだとか、魔理沙に遠巻きに振られた腹いせだとか、それらしい理由は理性的に考えて幾つでも思いつく。けれど、どれも本心、感情を動かすに足る理由ではないような気がした。いや、それが事実なのだろう。感情は止められず、理性を凌駕する。したいから、した、それだけのことだ。

―――或いは、すべてを精算するために。
―――これからすることを咎められないために。


 咲夜は微笑を称えるとそっと動かぬ魔理沙の後ろに回りこんで、後ろ髪をひとつかみ、高級な織物でも扱うような丁寧さで掴むとそこへ自分の顔を寄せた。

「…魔理沙」

 名前を読んでその金色の美しい髪―――清潔な石鹸の匂いを鼻孔で感じ、指先に絹糸の滑らかさを覚え、せせらぎに手を浸しているような柔らかさを感じ取る。
 
 待ち焦がれた魔理沙の金色の髪の毛だった。

 咲夜はそのままライナスの毛皮、幼い子供が眠るときに絶対に抱いているくまのぬいぐるみにするように魔理沙の髪へ顔をうずめてその香りをその肌触りをその滑らかさをその柔らかさを存分に感じ取った。

 それは一分ぐらいの事だったのかもしれないし何時間にも及んだのかもしれない。時の止まった世界では時間の経過なんてものは無意味なものだからだ。

 やがて咲夜はやっと諦めがついたのか、片方の瞳から涙を流しつつ魔理沙の髪から離れた。名残惜しそうに最後まで伸ばしていた指からはするりと髪の毛が流れ落ちていく。その柔らかさと滑らかさが今だけは憎らしかった。

「………………」

 最後に、もう一度だけ咲夜は魔理沙の顔を眺めた。
 時の止まった世界の中、少しだけ開かれた状態で固まっている唇が見える。
 好きな人の唇。そこへ自分のものを重ねあわせるというのは何よりも確かな愛の証になるのだろう。けれど―――

「私にはその資格はないわね。そこは………パチュリー様のものよ」

 寂しげに、自分を戒めるようにつぶやいて、代わりか、咲夜は魔理沙のお下げを手に取るとその先端に優しくくちづけした。

 別れのキスだった。






「それじゃあ、魔理沙。さようなら」


 手を振って出来る限り魔理沙とパチュリーから離れると咲夜は白刃をかざした。

 自分は地獄に堕ちるだろうが願わくばあの二人は同じ所へ。そうして、向こうでも一緒になっていて欲しい、そう咲夜は自刃を持って自分の失恋に終わりを告げた。



 再び時が流れだした図書室には三つの亡骸が横たわっていた。
 椅子の肘掛から投げ出されたパチュリーの手の上には偶然、魔理沙の金色の美しい髪が乗せられていた。咲夜の手元には何もなかった。


END
咲マリが最近のトレンドだと聞いたのでついカッとなって…ペプシバオバブにビフィータ入れて呑みながら書きました。

10/06/25>>追記
>>4さま、5さま
ウォン俺は人間五時製造機だぞ
以後気をつけます…つけれるのだろうか…
sako
作品情報
作品集:
17
投稿日時:
2010/06/23 16:33:35
更新日時:
2010/06/25 00:03:17
分類
咲夜
魔理沙
パチュリー
ブロンドヘアー
三角関係
クンカクンカ
1. 名無し ■2010/06/24 01:57:47
本当にsakoさんは速筆でかつ色々書けてすごいですね。
2. 名無し ■2010/06/24 03:16:15
美しい…明日はホームランだ
演出過剰でも言葉足らずでもない、過不足のない描写がすごく心地いいです

咲マリは紅魔郷EDから続く永遠のトレンド(ただしソースは俺)
3. 名無し ■2010/06/24 03:56:32
金髪金髪というけれど、本当の金髪って生はおろか映画でも見たことない
4. 名無し ■2010/06/24 09:22:53
家庭→過程

自分よりも年上の咲夜さんに少女と言ってくれる魔理沙はすこぶる優しいな
5. 名無し ■2010/06/24 10:15:23
とお取さ→尊さ

咲マリもいいなぁ…ペプシバオバブぐらい
6. 名無し ■2010/06/24 13:22:26
咲夜「霧雨魔理沙たんのブロンドの髪をクンカクンカしたいお!」

咲夜「カリカリモフモフ!髪髪モフモフ!きゅんきゅんきゅい!」

……ごめん
7. 名無し ■2010/06/24 20:40:43
悲劇の咲夜さんは美しい
8. 名無し ■2010/06/24 21:25:20
咲夜の毛は固くてクセがあるのか
つまり……あの毛も。ちょっと興奮した
9. 名無し ■2010/06/25 06:42:34
何気にレミリア涙目だなこれ…
10. 名無し ■2010/06/25 10:42:54
風呂上がりのシャンプーの匂いぷんぷんの髪に溢れ出るエロスは国宝級だと思う!いや絶対だ!
11. 名無し ■2010/06/25 14:43:02
ぱちぇが3P提案してたらこんな事には……
12. 名無し ■2010/06/27 10:41:56
一番悲惨なのがレミリアだな
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