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『幻想侵略記2』 作者: IMAMI
・バトル物(笑)
・原作厳守のつもりだった俺設定多数
・おそらく結構長編かも
・文章力がまるでない
・東方キャラが死にます
・オリキャラ多数
・ネチョ描写はまだ書けなかった
守矢神社が無残に壊されたころから時間は数時間さかのぼり、妖怪の山の鴉天狗の屋敷では人間の芸人を招かれていた。
本来、天狗、特に烏天狗の口調からは厳格な印象を受けるが、実際は彼らが見下す人間よりも煩悩の数も多く、あらゆる欲求も深い。それは天狗の首領、天魔も変わることはなく、放下師が短刀や玉で曲芸を見ながら酒を呑み下騒いでいた。
(はぁ、早く取材に行っておきたいのにな…)
文は盃の酒をちびちびやりながらそんなことを考えていた。文も酒を飲みながら騒ぐのは好きだ。麓の巫女と百鬼夜行の宴会の出席率もかなり良い。でも今はネタを集めたい。
(今抜けたら嫌な顔するよね?するよね………)
縦社会が現代の外の人間並みに徹底されているのがこの妖怪の山だ。悪い印象は与えたくない。
(はぁ、今夜は徹夜かなぁ………)
文がそう思って酒の残りをあおろうとしたとき―――
「おお!なんだなんだ!?」
烏天狗が声をあげた。新しい趣向の演技でもしたのだろうか。文は舞台を眺めることにした。
「え?」
文はその光景に目を丸くした。舞台の床に黒い穴があるのだ。しかもその中から人間とも、妖怪とつかない生き物の眼がいくつも覗いている。今まで何回かみたことがあるこれは………そう、スキマだ。スキマがこの宴の場に現れたのだ。
回りを見たら、文と同じことを考えているらしい天狗が数人。皆不思議そうな顔をしている。
「あの………これはなんでしょうか?」
放下師の一人が訊くと、そのスキマから一人の妖怪が現れた。美しく波打つ金髪に艶やかな紫のワンピース。幻想郷の大賢者、八雲紫だ。
一気にざわつく宴の席。紫の登場によりすっかり白けてしまったようだ。
「紫殿………顔を見せに来るのは勝手だが、時と場合を選んでくれるかな?」
天魔が渋い顔で能面のように貼り付いた微笑みを浮かべる紫に向かって言う。
「ごめんなさいね。ちょっと受けとりたい物があったのよ」
紫は手袋に包まれた指を天魔の顎にかけて持ち上げた。
だが、持ち上がったのは天魔の首から上だけだ。そこから下は座ったままの姿勢で床に接している。
「えい」
紫は大天狗の首から下を蹴り倒す。断面から鮮血を撒き散らしながら大天狗の首から下は力無く倒れていた。
誰もがその異様な出来事に反応出来ない。
「ありがとう。これが欲しかったのよねー
じゃあね」
紫はスキマへ帰っていこうとする。
「ま、待て!」
一人の烏天狗が叫ぶが、もう紫はスキマの中へと消え、スキマそのものも閉じてしまった。
「…………」
「…………」
「…………」
あとに残ったのは無惨な天魔の死体と静寂のみだ。普通なら誰もが取り乱しす所なのであろうが、それすらもない。
「あ、あの…」
放下師の一人が静寂を破って口を開いた。
「これは一体…」
『この屋敷の中の者に告ぐ!この屋敷の中の者に告ぐ!』
それを掻き消すかのように拡声器に通された怒声が外から聞こえてきた。
『今すぐここを出て降伏しろ!さもなくば皆殺しだ!』
「何が起こっているんだ………!」
「私が見てきます」
文は窓から外へと飛び立った。
まず、目についたものは筒が刺さった巨大な鉄の塊だった。重厚な姿のそれは物々しさしか醸し出していない。その次はその鉄の固まりの筒がある方とは反対側に一抱え程の鉄の塊を武器であるかのように構えた長髪の男が一人。
そして最後の目についたのが───
「なっ………!!」
血を流し、絶命した同胞の天狗達であった。
異常事態だ。かつてない程の異変が妖怪の山を、幻想郷を襲っている。
(直ぐに報告に行かなきゃ!)
ドゴォォォォン!!
文が屋敷の中に戻ろうとしたとき、屋敷が爆発した。
そうとしか表現出来ない出来事が屋敷に起こったのだ。
鉄の塊に目をやると、鉄の塊についている筒から煙が出ている。
(まさか………あれ、火縄銃ってやつなの!?)
文も里に何回も訪れている柄、人間が持つ火縄銃を見る機会はあったし、河童がそれを弄くる所も見たことがある。でもここまで物々しくもないし、威力もない。それに、弾が爆発するなんてこともない。
文は自分の頭をフル回転させてどう動けばいいかを考えた。
戦う。いや、それはダメだ。この長髪の男はかなりの数の天狗を一人で倒している。これでは返り討ちだ。
この男は一人で侵略に来たのだろうか。もしそうでないのなら………
文は翼をはためかせ、全速力で守矢神社へと飛んだ………
「と、いうわけなんです」
文は早苗にこれまでのことを話終えた。
「そんな………紫様が………!
でも、紫様がもし異変を起こしているとしても、なんで霊夢さんが………」
「八雲紫と近しい人間だからです。疑わしきは罰します。そう考えると式とその式も疑わしいですし、あの小鬼と魔法使いもです。
そう考えると、吸血鬼もその線がありますね」
文は堅い声で冷酷に言う。
「どうして………どうしてそんな証拠もないのに!」
「誰かが落とし穴を仕掛けただの、財布を盗んだだのという騒ぎとは違います。疑わしきは調べて、それからです。
とりあえず人間の里と永遠亭、彼岸、地下の街、地霊殿、あと命蓮時あたりと協定を組みましょう」
「………私達ががもしあいつらに教われてなかったら、私達のことも疑うのでしょうね」
その早苗の、外界から来て間もないが故の甘さを含む言葉に、文にしては珍しく露骨に顔をしかめて答えた
「ええ。疑いますよ」
「………ずいぶん平気な涼しい顔で言うのですね。あなたの所も同胞が殺されてるというのに」
早苗が言い返すと、文は突然黙りこんでしまった。
「………」
「射命丸さん?」
相手の出方を見るかのように俯く文の顔を覗き込む早苗。やがて文は俯いたまま声を絞り出した。
「………平気なわけ、ないじゃない」
文にしては珍しく口調がいつものような慇懃なまでの敬語ではない。
「泣きたいわよ私だって。泣きわめいて、親しかった人にすがり付きたいわよ………!」
そのとき早苗は、自分の発言に気づき、謝罪の言葉を入れた。
「ごめんなさい…私………」
「いえ、こちらこそ。
もう怪我は大丈夫ですか?幸いどこも折れてはいないようですから、早く行動に移しましょう」
そう言う文の瞳は涙で濡れていた。が、その奥には確かな意思が存在していた。
「ええ。ハンカチ、返しますね」
「どうも。まずは人間の里に向かいましょう」
それから時間は流れ、守矢神社を攻略した三白眼の男は妖怪の山のとある洞窟の中へと入っていった。三白眼が持つ明々と燃える松明が洞窟内を照らす。反対の手には麻袋が握りしめられている。やがて洞窟の一番奥の区画に辿りついた。
「ここだな」
三白眼が辺りを見回すと、洞窟内なのに鉄格子によって区切られた部屋があり、その中に鬼や河童や天狗、垢舐、てけてけ、天邪鬼などの様々な妖怪がいる。
皆一様に憔悴しているようで、二人が来ても殆ど興味を示さないでいる。そう、ここは地下と直接繋がっている妖怪の刑務所だ。
「おい、起きろお前ら。聞いてくれ」
三白眼が声を張り上げるが、反応はあまりない。魔術で洞窟内を明るくする。一人一人の顔が確認出来るほどの光量が洞窟を満たした。
「よし、お前ら。今日からこの山は俺たちの管轄になった。よろしくたのむよ」
「…………」
「…………」
「…………」
妖怪の囚人達は反応が薄い。
「聞いてるのかそこの河童」
三白眼は鉄格子の近くにいる痩せた河童と目線を合わせて話しかける。
「へぇ………聞いておりますよ。人間様が監獄長になるのですね。よろしくお願いしますわ…」
「嬉しくないのか?」
「嬉しうございますよ。ええとても…」
卑屈な態度で手を擦り合わせる河童。
「はぁ、仕方ない。見せてやろうか。見せに来たんだし」
三白眼は麻袋を逆さまにひっくり返した。ゴロリと中にあった何かが落ちる。
「ひいっ!」
「なっ………!」
それが何なのか理解した妖怪達が悲鳴を上げる。
三白眼が拾い上げて高々と掲げたそれは妖怪の山の長、天魔の首だった。
「かつてのお前らの首領はもうこの通りなんだ。だからここは俺たちの物だ。
お前らとも喜びを分かち合う為に恩赦を出そう。お前らを簡単な条件付きで釈放する」
恩赦。釈放。この2つの言葉に妖怪が色めきたった。
「条件付きで釈放………その条件をみたせばオレ達は釈放されるってわけですかい?」
体格に優れた天狗が訊くと、三白眼は頷いて答えた。
「もちろんだ。この檻にかかっている結界程度なら破れる。出たらお前らはやりたい放題だ。調子に乗り始めた天狗や河童の女をブチ犯すなり殺すなりな………」
さらにざわつく檻の中。
「おねげぇだ!その条件とやらを教えてくだせぇ!」
鬼が頭を下げ、三白眼に懇願すると、三白眼はそんな鬼にゆっくりと近づいて懐から札を取り出した。
「この札を身体のどこかに貼り付けてほしい。これはお前らを俺たちに隷属させる呪印が刻まれている」
「隷属、ですか?」
「ああ。でも勘違いしないように。俺らの兵隊になってもらうのと、俺らに危害を加えないようにしてほしいというだけなんだ。簡単な命令を聞き逆らわない。これさえ守れれば釈放する。理解したか?」
「よし!札を寄越してくれ!」
三白眼は囚人達に札を配っていく。やがて札は全ての囚人に貼られた。貼られた札はすぐに札の紋様のみが刺青のようになって肌に刻まれた。
「よしお前ら。出るんだ」
三白眼が檻に触れ、何かを呟くと結界が破れた。
「適当に檻を壊してくれ。俺らの仲間のバカが天魔の家ごと吹き飛ばしたから鍵がなくてよ」
一人の赤鬼はその怪力で扉を殴り飛ばした。ひしゃげて反対の岩壁にぶち当たり扉は壊れた。
「ありがてぇ!今日から兄貴と呼ばせてくれ!」
「これで生意気なメス共の鼻っ面をへし折れるだぁ!」
「犯しまくってやる!全身の穴という穴を犯しまくってやる!」
騒ぎまくる元囚人達。跳び跳ねる者、残忍な笑みを浮かべる者、次の行動のシュミレーションとして腰を動かす者など様々なリアクションを見せてくれる。
「よし、それじゃあよろしくやろうぜお前ら───」
姫海堂はたては妖怪の山を飛んでいた。天魔が殺され、今天狗と敵が交戦状態になっている。
(異変よね…これ。とりあえず麓の巫女に知らせなきゃ!文は大丈夫かしら)
下を見ると天狗の無惨な死体があちらこちらに転がっている。だが───
(なんで敵の死体がないわけ!?)
天狗も幻想郷にいる種族では弱い方ではない。集団戦ならかなり強い筈なのに、敵を一人も倒せていない。
早く、早く知らせなくては。不本意だが天狗だけの手には負えないのだ。
さらにそのスピードを上げようとしたそのとき───
ゴキュッ!
「あ゛ぐっ!」
はたてに自らの体格と同じぐらいの大きさの岩が下から飛んできた。避けられず岩を食らってはたては地面に背中から落っこちた。
「───っ!」
はたては悶絶するが、どこも折れてはいないようだ。だが痛みで体が痺れて動けない。ここはどうやら沢っぺりらしく石がごろごろ転がっている。
「おお、よく当たったもんだ」
そのとき、声をかけられ、はたては寝転がったままそちらを見る。まるで鬼のような巨矩の男が立っていた。
「降伏すれば生かしておいてはやる。どうする?」
「ふざけるな!誰が人間なんかに!」
はたては立ち上がってそう返した。
「そうか。なら死ね」
巨矩の男ははたてに掴みかかるがはたては後ろに飛び退いて紙一重でかわす。そして翼をはためかせて飛んで逃げようとした。が
「させるかぁ!」
巨矩の男は小石ではたての翼に向かって指弾を放つ。巨矩の男の指によって打ち出されたそれは銃弾の如き速度ではたての黒い翼の先を捉えた。先端が抉れ、血が流れる。
「い゛っ!ぅく………」
翼を押さえるはたて。この男はさっき岩を投げた時といい、この指弾といい、腕力も鬼並らしい。
さらに巨矩の男ははたての頭部を掴み上げ、沢のほうに投げつけた。雫を滴らせ、咳き込みながら体内に流れ込んだ水を吐き出すはたて。足をとられるのを恐れて沢から出ようとしたら、巨矩ははたてを仰向けにして胸を踏みつける。
怪力からくる圧力と頭が完全に沈んで溺死しそうになる苦しみから必死でもがくが、巨矩の足はびくともしない。
やがてはたての鼻と口から出ていた気泡が弱くなってくる。それを見計らって巨矩は足をどかしてはたての胸ぐらを掴んで岸へ打ち上げる。
「ゴホゴホッ……!!」
その衝撃ではたては覚醒し、再び水を吐き出して呼吸を整える。髪が乱れてブラウスとスカートが肌に貼り付いた姿は非常に扇情的だ。
「………」
無言でそんなはたてに詰め寄る巨矩。
「やめて………!ぐっ…!」
巨矩ははたてをうつ伏せにして馬乗りになった。そしてはたての両翼を掴む。
「やめてぇっ!それだけは許して!降伏でもなんでもするから!やめてぇぇ!!」
自分が何をされるかわかったのだろう。はたては半狂乱になって暴れる。
「ダメだ。
ぶっちゃけた話よ、お前が降伏しようが何しようが状況は変わらない。岩をぶん投げたのも俺のただの気まぐれなんだよ。だから、な」
ベリベリッ!
「───!!」
「これで俺の気まぐれでお前は翼を失った。勘弁しろ」
絶叫するはたてと対照的に静かに言い放つ巨矩。はたての翼をむしったあと、巨矩は立ち上がってはたての頭上で翼を絞り、はたての髪に顔に翼から出た血を降りかける。
「………ぁ、ぁっ………」
もう飛ぶことが叶わなくなった。やっと自分で取材できたのに。
涙が止まらない。
「そんなにこの汚いカラスの羽根が惜しいのか」
「!!」
その言葉ではたてはキレた。涙を止めて、すべてを満たしていた悲しみが怒りに変わる。
(それだけはありがとう。人間の鬼)
もし、それを言われてなかったら悲しみで満たされたままだった。はたてはこっそりケータイカメラを握る手に妖力をこめる。
全身が痛い。翼をもがれた背中から血が流れる音がする。でも、そんなことは気にならないほど憎悪が精神を支配していた。
「泣くなよ。バカ」
「バカはお前だぁぁっ!」
はたては叫び、巨矩に向かってカメラを向けて決定ボタンを押した。カメラから弾幕がほとばしり、巨矩の男の上半身が粉々に消し飛ぶ。筈だった。
だが、弾幕のひとつも出なければ、シャッター音もしない。
「え………?」
「水の中の落ちたろ?…………ぷぷぷ」
笑いを堪えながら巨矩ははたてに言う。
「うそ………うそ…………!」
はたてはケータイカメラのボタンを激しく押すが。カメラは動かない。はたての股間から太ももへとチョロチョロと琥珀色の液体が滴る。
巨矩の男は懐から巨大な銃を取り出した。デザートイーグルと言う名がついているが、はたてはそんなこと知る由もない。
巨矩はゆっくりとカメラを弄るはたての頭の照準を合わせる。
「バカ」
バァン────
to be continued
ニ話目完成です。
一話目に沢山のコメントありがとうございました。何度も何度も読み返してはニヤニヤしています(笑)
みんな大好きデザートイーグル
姫海棠はたて 巨躯の男によって羽をもがれた後射殺される。
IMAMI
- 作品情報
- 作品集:
- 18
- 投稿日時:
- 2010/07/01 16:02:27
- 更新日時:
- 2010/12/26 14:21:39
- 分類
- 早苗
- 紫
- 文
- はたて
- オリキャラ
- バトルもの
- 幻想侵略記
最近性格悪い早苗と文ばっかり見てきたから、久しぶりに善良な二人を見たよ
まだ善良かはわからないけど……
この早苗と文には頑張って欲しい
次回作も期待してます
妖怪相手ならね
屋敷を吹き飛ばしたのは砲の類?
今回の侵略側は結構重装備なのか
期待して待ってるよ
でも、そこまで強く無いけどね
両手撃ちだってできるけどしっかり狙えないから意味ないし
反動は強すぎるし、威力はMP5とかにも負けるから結局意味が無い
実際軍人さん達はM9とかオートマグとか使ってるみたい
まぁ、頭撃ち抜かれたら終わりですが^q^
で、質問なんだが
外の世界ではデザートイーグルと呼ばれいる物だった
ってフレーズ必要ですかね?
普通に構えてる奴に言わせちゃうばいいのに
そこの所以外はスラスラ読めました
三人組って言ったらGTA4のルイス、アルマンド、エリンケしか頭に思い浮かばないのは俺だけか?俺だけか
74式あたりか?
こいつらの組織ってどんだけの規模なんだろう
ゆかりんが一枚噛んでるのはほぼ間違いないけど