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『霊夢は永夜抄Normalをクリアできなかったようです。』 作者: NRT

霊夢は永夜抄Normalをクリアできなかったようです。

作品集: 18 投稿日時: 2010/07/02 14:49:57 更新日時: 2011/05/09 13:37:11
長い冬は、霊夢が妥協してEasyをクリアすることでようやく終わりを告げた。
ある秋の夜、霊夢が月見をしながら酒を飲んでいると、突然目の前の空間に亀裂が入り、中
から怪しげな女性が飛び出して来た。

「霊夢、大変よ!満月が欠けているわ。このままでは妖怪達にとんでもない被害が出る。
私が夜を引き伸ばすから、すぐに異変解決に向かいなさい!」

現れたのは八雲紫であった。しかし、霊夢はきょとんとしていた。

「あんた、誰?私と会ったことある?」

「誰って、妖々夢Phantasmのボスよ!忘れたの?」

「ふぁんたずむ?ああ、あのExtraの狐のご主人様か。私、Extraクリアしてないから!」

「…………………… よし、報酬は30万円でどう?」

「乗ったああ!」

こうして、霊夢は紫をアシスタントにして、異変解決へ向かった。
Extraで避け能力が鍛えられていたのか、かなりスムーズに進むことができた。

「しまった、避けきれ…きゃああ!」

「霊夢、危ない! 境界『永夜四重結界』」

そう、霊夢が被弾しても、今回は紫がボムを2つ消費して少しの間なら被弾を帳消しにし
てくれるのである。このシステムに助けられ、遂に6面ボス、八意永琳の所へ辿り着いた。

「まだ1コンティニュー有る!行ける!」

全く避けられそうもない弾幕が次々に繰り出されるが、ボムを残機を惜しげもなく使い、
遂にラストスペルに。

「秘術『天文密葬法』」

「大丈夫、説明書は読んだもの!使い魔さえ壊せば…あと1機ある。間に合う!」

そして遂に…

「やったーーー!遂にNormal初見クリア達成よ!コンティニューはしちゃったけど念願が
適ったわ!」

そしてエンディング

「あれ?もう一回ノーコンティニューでクリアすればいいの?よし、やってやるわ!」

その後、霊夢はプラクティス、スペルプラクティスをやりまくった。そして、2度目の異変
解決へと飛び立った。練習の成果は存分に発揮され、何と、ノーコンティニューで6面まで
来てしまったのである!

「あれ?6B?へえ、コンティニュー無しだと変わるんだ。でも、流石にあと1機はきつい
わよね。今回はコンティニューして最後まで見て、プラクティスを出してから攻略しましょ
う」

そして、霊夢の残機はあっという間に尽きてしまう。

「いやあ!通常攻撃でえええ」

しかし、霊夢は知らなかった。6Bは、コンティニュー不可であり、残機を使い果たした時
点でゲームオーバーになる事を。そのまま倒れ伏し、手術室に監禁されるのだった。



「んっ…」

霊夢が目を覚ますと、手足が金属の枷で手術台に固定されており、身動きが取れなかった。
しかし、それ以前に体に全く力が入らず、声すらも満足に出せなかった。

「あら、お目覚め?どう?全く体が動かせないでしょ?私特製の筋弛緩薬、ヤゴクロニウム
よ。生命維持に必要な筋肉以外全てを選択的に弛緩させるの」

手術台には、白衣を着た永遠亭の薬剤師、八意永琳と、その部下数名の姿があった。

「今日は弟子達の解剖学の勉強会に付き合ってもらうわ。あなたの付き添いの妖怪が言って
たけど、あなたが死ぬと姫様を隠す結界が崩壊するらしいわね。だから、手術にも耐えられ
るように、全身にウイルスベクターを使って再生力の強い妖怪のDNAを導入させてもら
ったわ。多少臓器を摘出しても3日で全部再生するから安心しなさい」

何が何か解らないまま、なす術も無くただ聞いていることしかできなかった。

「師匠、麻酔は使わなくて大丈夫なんですか?」

永琳の一番弟子、鈴仙が尋ねた。

「ええ、姫様に危害を加えようとした賊には地獄の苦しみを味わってもらわないと。体は
いくら切られても動かないから解剖はしやすいけど、痛みは全て感じてしまう。素晴らしい
でしょ?」

永琳はニタリと笑い、手術に取り掛かるのだった。

「よし、じゃあウドンゲ、あんたがメスを持ちなさい。使い方は指示してあげるから」

「はい」

鈴仙はメスを持ち、霊夢の腹部に刃を当てた。

「まず、左手の親指と人差し指でしっかりと皮膚を張って、2本の指で作ったトンネルの下
を通すようにしてメスを引きなさい。手をクロスさせると自分の手を切っちゃうから気をつ
けてね」

言われた通りに鈴仙はメスで霊夢の腹部の皮膚を肋骨の高さで横に切った。

「あ゛…ぁ゛」

言い知れぬ激痛が霊夢を襲う。痛みで暴れ周りたかったが、体が動かず、必死に耐えるしか
なかった。

「次に、さっき切ったのと垂直に正中で切りなさい。そしたら、内臓を傷つけないように
筋肉を開いて」

メスでブチブチと筋線維を切断していく。霊夢は、ほとんど動かせない体を少しだけ捩り、
目からは大粒の涙を零した。鈴仙は綺麗に切った皮膚、脂肪、筋肉を扉を開くように横に
こじ開け、内臓を露出させた。

「へえ、教科書で見たのと随分違いますねえ。何ですか?この白い網みたいな膜は」

露になった内臓は、白い脂肪のような網目状の幕で包まれていた。膜には、血管やリンパ管
が走っていた。

「これは大網(たいもう)というのよ。内臓に栄養を供給したり、内臓を保護したりしてい
るの。あんまり一般人には知られてないけどね」

次に、琳仙は大網を上にどけて、小腸、大腸を引っ張り出した。

「うわあ、何か血管が網目状に走ってて、しかも自律運動でうねうねして思ったよりグロい
ですね。吐きそう…」

「気分が悪くなったら別の人と変わっていいわよ。じゃあ、てゐ、続きをお願い」

てゐは腸を体から引きずり出し、生理食塩水を入れた容器に腸を突っ込んだ。

「へえ、腸の間にも血管の走った膜が有るんだ。初めて知ったウサ」

「それは腸管膜といって、腸へ繋がる血管が走っているの。腸がねじれないようにする働き
もあるわ。じゃあ、この容器にこれを…」

永琳は、腸の入った容器にアセチルコリンを数滴垂らした。すると、凄い勢いで腸がうねり
出した。

「消化活動は副交感神経系で活性化されるから、アセチルコリンで腸の運動も活発になる
のよ」

霊夢は、体を引き裂かれるという、これまでに味わった事の無い常識外れの激痛に、とうに
限界など通り越していた。しかし、腸を冷やされ、さらに激しく蠕動を強いられ、下痢を
した時の数十倍の腹痛が霊夢を襲った。今までとは違う種類の痛み。失禁し、涙と涎を
流し、肛門からは腸内洗浄をしたはずなのに、分泌液が垂れて、全身からは玉のような汗
が滲み出て、ありとあらゆる分泌腺から液体を垂れ流していた。

「腸の奥に見えるのが腹大動脈。ここから腹腔動脈、上下腸間膜動脈、左右腎動脈、に分か
れるから、そこから繋がる臓器も全部観察しましょう」

その後、腎臓、副腎、子宮、卵巣に至るまで観察が終わった。将来は、霊夢も家庭を持ち、
子を宿すであろう神聖な場所。そこを得体の知れない連中にペタペタと触られ、観察される
のは、今までの肉体的苦痛に匹敵するほどの精神的苦痛だった。

「下腹部を見たから、次は上腹部ね。膵臓、脾臓、肝臓、胃を見るわよ」

「ウサ!膵臓って触るとプチプチ弾けるような感触がするウサ!」

「分泌腺はそのような形態のものが多いわ。唾液腺も同じような感じね」

普段触られることの無い内臓を惜しげもなく触られ、さらに胃も刺激されて、猛烈な吐き気
を催した。勿論、消化管に内容物など無いので、胃液のみが反射により戻され、口の中に
苦くて酸っぱい味が広がった。それがさらなる吐き気を呼び、激痛も合わさって何重もの
責め苦に身悶えた。

「腹部の観察はだいたい終わったわね。じゃあ次は胸部。てゐ、開きなさい。あ、その前
に、横隔膜を破くと呼吸ができなくなるから、私特製のヤゴコロサーファクタントを肺に
吸入させるわ」

その後、てゐは綺麗に胸部の脂肪、筋肉を剥離し、横にどけた。乳房が左右にだらんと垂れ
て、乳頭からは血が滴り落ちていた。

「師匠!肋骨が邪魔で切れません」

「そういう時は、骨鉗子(こつかんし)を使いなさい。これは解剖用のだから、綺麗には
骨を切断できないけど、骨を潰してはさみで切ることができるようになるわ。間に付いて
いる金具を反対側の窪みに引っ掛けて、ペンチみたいにして骨を潰すのよ」

言われた通りに、てゐは霊夢の肋骨に骨鉗子の先をはさみ、てこを使って思いっきり骨を
潰した。

「い…い゛ぃいあ゛ぁ」

声にならない声が霊夢から聞えてくる。それでも構わずてゐは次々と肋骨を潰していった。

「師匠!大変ウサ、心停止ウサ!」

「大変!誰かドーパミンを持ってきなさい!」

その後も、霊夢はショックを起こしたり、気絶しては痛みで目を覚ましたりを繰り返し、
何かある度に永琳を機転により回復するのだった。

「ふう、やっと終わったウサ。じゃあ、ご開胸〜」

真ん中から胸を開き、両側へ思いっきり引っ張った。まだ折れていなかった肋骨が全て一気
にバキボキと音を立ててひしゃげ、突き出した骨からはドロリと固まりかけの血液が糸を
引いていた。

「ウサ?心臓の上に何かドロドロした物が付いてるウサ」

「それは胸腺ね。免疫機能を担っているわ。年齢を経るごとに脂肪組織に変わってドロドロ
になっていくのよ。お年寄りの免疫力が低いのはこれが原因ね。この子はまだ若いから結構
しっかりした組織を持っているわ」

「わあ、心臓が力強く鼓動してますね。これで全身の血管に血液を送り出しているんです
ね。人間の体って凄いなあ」

トイレで一通り吐いてきた鈴仙が帰ってきた。

「その言葉が聞けただけでも、今回解剖学の勉強会をした甲斐があったわよ。さあ、もう少
しよ。最後まできちんと観察しましょう。胸腺の中に心臓から出た大動脈弓の分枝がある
わ。まず腕頭動脈、これから分かれるのが右鎖骨下動脈、右総頚動脈。大動脈弓のさらに
先に、左総頚動脈、さらに先に左鎖骨下動脈。さあ、探しましょう」

ピンセットで、胸腺を丁寧に剥がしていく。霊夢は痛みとも何ともつかないただひたすらに
気持ち悪い感覚に苛まれた。

「ふう、やっと全部特定しました」

「じゃあ、左右の総頚動脈が有るでしょ?それに何か別の物がくっついてない?」

鈴仙とてゐが指で辿ると、血管とは違う太い線維が総頚動脈にくっついていた。

「師匠、これ、何ですか?」

「これは迷走神経というの。脳からここまで伸びてて、さらに腹部の色々な臓器に分岐して
分布しているわ。では、迷走神経と総頚動脈の間を剥がして、糸を通しなさい。ピンセット
を血管の下から通して、糸をつかんで引っ張るとやりやすいわよ」

二人は、総頚動脈を傷付けないよう、細心の注意を払いながら糸を通した。霊夢も、この
血管がとても大事な物だと本能で察知し、全身から冷や汗をかき、心臓の拍動がその緊張
具合を語っていた。

「で、できました!」

「よくやったわ。さあ、最後の実験よ。人は何で首を絞められたら死ぬと思う?」

「それは、気道が塞がって息ができなくなって死ぬウサ」

「でも、気道には輪状軟骨が有って、簡単には塞がらないようになってるの。もっとも、
絞殺体の多くは輪状軟骨は折れてるそうだけど。実は、首を絞めるとこの総頚動脈が圧迫
されて脳に血液が行かなくなって死に至るの。その実験をやってみるわね」

永琳は、総頚動脈に通された糸を思いっきり引っ張り上げた。

「う…く…る…し…」

霊夢は目を血走らせ、呼吸を荒げ、薄れ行く意識の中でこれまでの思い出が走馬灯のように
蘇った。何で自分がこんな目に遭わなければならないのだろう?多分、死ぬよりもずっと
つらい事をされている。発狂せずに今まで持ちこたえられたのは、博麗の巫女としてのプラ
イド故だろうか?しかし、その要らぬプライドがこのような結果を招いたのではないか?
見栄を張ってNormalなんて選ばなければ。素直にEasyをプレイしていれば。もっとプラクテ
ィスをしっかりやっていれば…そのような後悔の念を抱きつつ、霊夢は意識を手放した。



3日後、霊夢は永遠亭の病棟で目を覚ました。

「はっ!体は?」

霊夢が体を見ると、まだ若干の傷は有るものの、ほぼ健康状態に近いレベルまで回復して
いた。

「あら、お目覚め?」

「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

永琳の顔を見た途端、霊夢は絶叫し、部屋ので振るえ始めた。

「お願い、もう止めて、痛いのは嫌、嫌ああああああああああああああああああ!」

「あーあ、すっかり怖がっちゃって。私もちょっとやり過ぎたかなって反省してるのよ。
ごめんなさいね。でも、もう姫様に危害を加えようなんて思っちゃだめよ」

「はい!言うとおりにします!だからお願い、もう、痛いのは…嫌なんです…ぐすん」

霊夢はその場で号泣し、それを永琳が抱きしめてやるのだった。

1週間後、永琳の投薬治療とカウンセリングにより、精神面のケアは万全となり、再生力を
高めた妖怪の遺伝子も、1週間で自動的に変性するように設計されていた為、霊夢は無事
元の体に戻ることができたのである。
こうして、霊夢は無事神社に帰ることができた。

「やっと…帰って来れたんだ…うわあああん」

帰宅できた事への余りの嬉しさに再び涙する。しかし、落ち着きを取り戻した霊夢に、今度
は憎しみの炎が燃え上がる。

「この私をあんな目に!許さない。どうせ奴らは殺しても死なないんだ。私が強くなったら
私がされたのの1万倍酷い目に遭わせてやる!」

しかし、今回の反省から、最後に霊夢は叫んだ。

「でも、もうあんな目に遭うのは嫌だああ!次からコンティニューし放題にするもん!」

こうして、次回作(風神録)以降からはコンティニューすると面の最初に戻される代わり、
何度でもコンティニューできるという制度が確立されたのである。


え?花映塚はどうしたかって?いや〜対戦型はどうも肌に合わなくて、持ってないんです
よね(笑)


          霊夢はNormalをクリアできなかったようですシリーズ  完
今回は、グロにしてみました。ちなみに、僕自身は花映塚も持ってますよ。ただ、ちょっと
他に書きたい物を思いついたので、このシリーズは今回を持ちまして、終了とさせていた
だきます。ありがとうございました。
さて、次回作ですが、色々有りまして、あまりこの名前で酷い作品が書けなくなりましたw
よって、予告とは違いますが、これを最終話とさせていただきます。
NRT
作品情報
作品集:
18
投稿日時:
2010/07/02 14:49:57
更新日時:
2011/05/09 13:37:11
分類
永夜抄
霊夢
永琳
鈴仙
てゐ
残酷
グロ
解剖
拷問
1. 名無し ■2010/07/03 00:17:07
ウイルスベクター・・・・ベクターって・・・
2. IMAMI ■2010/07/03 00:23:21
妖夢でクリアできなかったら・・・ゴクリ
3. 名無し ■2010/07/03 06:35:47
永はボムの使いどころさえ計算すれば初心者でもノーマルノーコン可能な唯一の作品
しかし決死結界のせいで本来の喰らいボムが難しく、
出し惜しみすると2倍の早さでボムが無くなる両刃の剣

魔理沙のアースライトレイあたりで残機減らしたんだろうなぁ……というのは私の体験
4. 名無し ■2010/07/03 07:57:55
コンティニューが無制限になったのはいいけど
そのその代わり5面以降のプラクティスを出しづらくなって泣いているのは私だけではないはず
5. 名無し ■2010/07/03 09:33:37
一通り吐いてきたwwww
6. 名無し ■2010/07/03 10:38:16
これが解体新書か
7. 名無し ■2010/07/03 12:37:27
心が折れるのも再生するのも早いなぁ。
8. 名無し ■2010/07/03 15:46:07
次回作釣られてやんよw
9. 名無し ■2010/07/03 18:46:02
後悔するところがw
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