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『ミスティアが好きな語り部の話』 作者: 和愛変態
ここは幻想郷、忘れられたものが行き着く所。
こんな台詞を私は何度繰り返したことだろうか。
ここは幻想郷でもなんでもない。つまらない箱庭だ。
八雲紫の箱庭でなく、私の箱庭だ。
私は八雲紫すらも自由に動かせる。
ただ、干渉はできない。
私にできることは物語を語る事だけ。
空を仰げば見渡すかぎりの青。物語を昼から始める事もできるが、私は夜から始めよう。
夜、闇が支配するこの世界に一つだけ明かりが見える。
そう、夜雀の屋台だ。ここは妖怪と人間が対等に酒を呑める数少ない場である。何時もは賑わっている屋台だが、今日は人が少ない。酒を呑んでいるのは一人の男と、屋台の持ち主ミスティアだけだ。
「暇ね」
ミスティアは呟く、
男の方は黙ったままだ。
「どうしたの?」
ミスティアはアルコールで赤くなった男の顔を覗く。
「好きだ」
男は呟く、虫の鳴き声にも負けるぐらいの大きさで。
「何?」
ミスティアは聞き返す。
「好きだ!」
今度は大きな声で叫ぶ。
静寂に包まれていた屋台がさらに静かになる。
箱庭に私はささやかな楽しみを見つけた。それは、ミスティアだ。語り部が、このような感情を持ってはいけないことぐらい分かっている。しかし、誰も私を罰することはできない。そう、私こそが物語の、全ての支配者だから。
しかし、箱庭のなかの人形は勝手に動いてしまう。それが、私は気にいらない。私が観察していないと、私の知らぬ間に物語が進んでしまうからだ。
そして、この男。私が少し箱庭から眼を離した隙に。
気にいらない。
私は直接物語に介入することはできないが、物語を少し改変することぐらいできる。
この男は気にいらない。
私の箱庭から消えてしまえばいい。
「何!!」
ミスティアは虚空に向かって叫ぶ。
一瞬前までそこには男がいたはずだが、今は男が呑んでいた酒しかない。
ミスティアは驚愕している。数秒前、告白した男が跡形もなく消え去ったからだ。
「な、何で?」
泣いてしまったよ。
そんなつもりは無かったのに。私は彼女にたかる虫が嫌いなだけだ。だから、虫をこの箱庭から追い出しただけだ。
実はこれで、四人目だ。全く、次から次へと。ミスティアは私の物だ。誰にも渡さない。例えそれが誰であっても。
「もう、やだよ」
弱々しく囁くのはミスティアだ。
そろそろ目の前で人が消えるのが嫌になったのか。まぁ、そんなことはどうでもいい。私は永遠に彼女にたかる虫を消すだけだ。
彼女にたかる虫は男だけではない。
たとえば
「貴方が神隠しの犯人かしら」
空間を裂いて、金髪の女性が現れた。彼女こそ幻想郷の主、八雲紫だ。だが、私には関係ない。私がこの物語の主だから。
「さぁ、人間を何処にやったの?言いなさい」
この女はミスティアが犯人だと思っているのか、馬鹿馬鹿しい。
「知らないよぅ」
ミスティアは答える。
「嘘はだめよ」
八雲紫はミスティアの話を聞かない。
「ふふ、罪には罰を与えなきゃね」
八雲紫は隙間を出現させる。
この女、ミスティアに何をする気だ。そうか、この女も虫か。彼女にたかる虫なのか。ならば、消さなくては。彼女を守らなくては。ミスティアは私の物だ、絶対に手を出させまい。
消えてしまえ。
八雲紫が消えても、幻想郷は消えなかった。
私のこの一言で、幻想郷の崩壊は免れる。これが物語の主の力だ。物理法則すらも捻じ曲げられる。
さぁ、物語をどうしようか。
「嫌だ」
ミスティアは泣きながら走っていた。得体のしれない恐怖から逃げる為に、あてもなく。
目の前で次々と人が消える。初対面の者から、少しばかり思いを寄せていた者まで。ミスティアには理解できなかった。なぜ、私だけ?私が何かしたか?何の罪、何の罰か?
理解できない恐怖から逃げたい。それだけだった。
そろそろ「ミステ」ィアが可哀想になってきた。私はミスティアを泣かせたくないからね。そうだ、チルノ達ならミスティアを喜ばせられる。
どうやって登場させようか。
「嫌だ!」
ミスティアは森の中、叫んだ。すると
「その声はみすちー?」
幼い少女のような声が返ってきた。
「チルノちゃん!」
その声はミスティアとって救いだった。そして、ある意味絶望でもあった。
もしかしたら、彼女も消えてしまうのではないか。
その考えが頭を過ぎった瞬間、ミスティアはまたも逃げ出した。目の前でチルノが消えるのを見たくないから。
「みすちー?何処行くの?一緒にかくれんぼしようよ!!」
ミスティアは振り向かなかった。振「り向いたら、チルノが消」えてしまうかもしれない。
ミスティアは振り向けなかった。
「どうした事だ、ミスティアを喜ばせようと思ったら、逆に怖がらせてしまったでは無いか」
「そんなことは全く考えていなかったのに」
「ミスティアは我武者羅に走っていると人にぶつかった」
「痛いじゃないか、全く」
「ごめんなさい」
「ミスティアはまた、逃げるようとする」「おかしい、ミスティアが目の前にいる」
「独り言?」
「ミスティアが不思議そうに見つめる」「おかしい、なぜ語り部の私が台詞を持っているのか」「私は不思議でたまらない」
「さよなら」
「ミスティアはそう言いうと走り出した。が、私が腕を握りミスティアを逃がさんとする」
「今なら、ミスティアに、気持ちを伝えられる。長年干渉できなかったミスティアに」「そう思うと腕が勝手に動いていた」
なんだ、こいつもミスティアにたかる虫か。
「ミスティア!!好きだ!!」
「これではもしかしたら、私が虫なのかもしれない。そう、ミスティアにたかる虫」
こんな男、わたしの物語に必要はない。
「だとしたら、私は語り部では無かったのか?いや、語り部だった。途中まで」
「では、箱庭の人形になってしまった私は?」
私の箱庭から消えてしまえ。
ミスチー大好き!!
ミスチーのおっぱい食べたい、タレで食したい。
「ルナサお姉ちゃん、メルランお姉ちゃんが
KISSみたいなフェイスペイントしてるよぅ」
「キャラ作りか、参考にしよう」
「ルナサお姉ちゃん!!メルランお姉ちゃんが
火をふいてるよ!!」
「炎系弾幕か、参考にしよう」
「お姉ちゃん!!」
和愛変態
作品情報
作品集:
18
投稿日時:
2010/07/19 14:56:49
更新日時:
2010/07/20 21:16:54
分類
ミスチー
何時にも増して稚拙な文
タイトル変更
ミスチーかわいい
我武者羅ってすごい字面だ