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『素敵な未来に思いを馳せて』 作者: マジックフレークス
「ねぇ紫?」
「なぁにれいむぅ?」
バリバリボリ
博麗神社の茶の間。博麗霊夢は座布団の上に正座して湯飲みの茶を啜り、八雲紫は畳の上にごろりと横になりながら煎餅を齧る。
「…………」
紫は手にしていた煎餅を食べきってしまい、そのままの姿勢でスキマを開く。煎餅が入っている盆のすぐ横に通じる隙間を。スキマ越しに煎餅に手を伸ばした瞬間だった。
「人の話を聞けッ!!」
バシィッ!
「あイタッ! いったぁ〜ぃ、うわぁん霊夢がぶったぁ」
「体を起こせば直接手が届くでしょ、横着するからよ。それに人の話を真面目に聞かないから」
「ぐすんっ。それで、話ってなによ?」
「あんたなんかに真剣な相談をする気が失せたわ、もう良いわよ」
わざとらしく子供のようにふざけていた紫の目つきが変わった。
「良くない、貴女が真剣な相談をする相手というのが私以外にいるって時点で聞き捨てならないわ。それにその内容を知らないまま私は帰るわけにはいかないじゃない、気になって夜眠れなくなってしまったらお肌が荒れてしまうもの」
「はぁ……」
これ見よがしに溜息を吐く。対照的に紫はらんらんと興味深々な眼差しを霊夢に向けている。
「私の後継ぎは私の子供がなるのかしら?」
コキーーン
場が凍りつくような音が聞こえる。
「………貴女ほどの実力者が女子を産んだら、おそらくは十分な資質と才能を兼ね備えているでしょうね。でも子宝に恵まれなかったり貴女が異性との交渉を望まないまま天寿を全うするということになっても責任を感じる必要は無いわ。その時は才能のある少女を博麗の巫女に仕込めば良いだけだもの。某拳法使いですら一子相伝とか言っても養子オッケーで血統には拘ってなかったし」
「そう………」
「どうしたのよ霊夢、博麗の巫女の重責に耐えられなくなって辞めたくなったの?」
ズズッ
机の上でかっちりと握り締めている湯飲みからぬるくなってしまったお茶を啜った。
「好きな人がいるのよ」
「………は?」
コキーーーーン
再び場が凍りつく。
「その人に気持ちを伝えたいの。返事をもらってもいないのにこんな事を言うのが可笑しいことはわかっているけれど、もしその方が了承してくれたら、………契りたいって考えているわ」
「相手は誰なの!?」
紫は卓袱台ごしに大きく身を乗り出して鼻息荒く霊夢に迫る。
「香霖堂の店主、森近霖之助さん」
「………………」
「…………」
二人の沈黙が周囲を静寂の世界に変える。風の音も鳥の囀りも二人の会話に割って入ることはない。
「……霖之助さんは半人半妖よ、貴女とは寿命が違うわ。いいえ、そもそも博麗の巫女の血に妖怪の血が混じる事は―――」
「わかっていたわ、貴女がそう言うって事は! 私と霖之助さんは結ばれちゃいけないって! それは私が博麗の巫女だから!!」
「お、落ち着いて霊夢……」
「半分人間で半分妖怪ってだけでどっちからも除け者になるなんて、可哀想な霖之助さん。さっきあんた私に子供が出来なくても巫女は作れるって言ってたじゃない? そうしてよ! 私は霖之助さんの子供を産みたいんだから手を貸しなさいよ!!」
「落ち着いて霊夢、お願いよぉ、泣かないで」
しゃくり上げながら手足をバタバタと振り回す霊夢の体を強く抱きしめる。
「あっ……、あんただけは理解してくれると思ったのに! ゆかりだけは私の友達だと思ってたのにッ!」
抱きしめながら泣いている霊夢の頭を撫でる。
力強く抱きしめ、優しく撫でて落ち着かせる。しばらくすると霊夢は手を紫の背に回して咽び泣きと言える泣き方に変わった。
「ヒッ、ひっぐ。うぐっ、えっく」
「……私が悪かったわ、ずっと悩んでいたのね霊夢。無神経なことを言って御免なさい、こんな嫌な事を言っても貴女の考えが変わるわけはないものね」
「じゃ、じゃあ?」
「後のことやお役目のことは考えなくても良いの。霊夢は霊夢の好きなように生きていいのよ、霊夢がり……、森近さんのことが好きなら私は応援するから」
「う、うん…………」
再び部屋を静寂が満たす。二人の深く長い呼吸の音だけがお互いに聞こえてくる。
「私が応援してあげるわ霊夢、森近さんとの恋が叶うように。それと博麗の巫女としての立場のことも。文句を言う奴なんか私がスキマ送りにしてやるんだから」
そう言って紫は腕まくりをして力瘤を見せる、古典的な“任せなさい”の意をあらわした。
「あぅ、ありがと。ゆかり」
「えぇ、えぇ………」
「……よし!」
香霖堂からおよそ数十メートルの場所、店の奥にいる霖之助からは見えていない。この場所で小一時間ほど潜伏していたが、とうとう意を決した霊夢は店内に入ってゆく。
「あの……お邪魔します」
「あ、ああ。いらっしゃい、霊夢」
霊夢は香霖堂を訪れたときの定位置に移動して座る。店番をする霖之助を横目にソワソワもじもじしながらも手持ち無沙汰なので勝手にお茶を入れて飲み始めた。
(ハッ! これじゃいつもと同じだ)
「あ、あの霖之助さん!」
「ん? どうしたんだい」
せっかく紫にまで相談したというのにここまで来て関係を進展させられなかったと言う訳にもいかない。霖之助に声をかける。
「り、霖之助さんは私のことどう思っているのかしら!?」
本来!は要らないだろう。声が上ずっている。
「それは君の事を女性としてどう思っているかということかな?」
「は、ハイ! そう、私のことを女の子としてどう思うの? 私って自分でもこんなチンチクリンだけれど、霖之助さんとしては私みたいな女と付き合ったり………結婚したりとか考えられる?」
「あ、ああ。大丈夫。霊夢は今まで妹みたいに思っていたけれど、もう大きくなったからね。1人の女性として立派になっていると思うよ」
霖之助は冷静さを装いながらも眼鏡の縁をクイクイと世話しなく持ち上げては降ろしてを繰り返した。
「じゃ、じゃあ私とお付き合いを、結婚を前提としたお付き合いをしてくれますか!?」
「ああ、うん。君の気持ちは嬉しいよ霊夢、今度ちゃんとした返事をしに君の神社を訪ねるから答えはそれまで待ってもらっていいかな?」
あれから数日後、霖之助が家を訪ねてきた。
「ようこそお出で下さいました、どうぞお上がり下さい霖之助さん」
「お邪魔します」
境内で霖之助の来訪を遠目に知った霊夢は(ここ数日魔法の森から来る人物に注意を払っていた)彼の博麗神社への到着にあわせて玄関口で待ち構え、伏して必要以上に堅苦しい挨拶で出迎えた。
「ど、どうぞ」
居間に通しお茶を入れて出迎える。茶菓子も茶葉も紫などの来訪者に出すものよりもずっと良いのを準備した。
ちなみに資金は異変のたびにマヨヒガや地霊殿、聖輦船などをついでに家捜しして手に入れた金目のものを売り払ったお金である。
「ありがとう、ところで本題の先日の回答だけれど……」
ビクリと肩を震わせる。告白してからの数日というものは何をするにも手に付かず、告白の瞬間を思い出しては身悶えるという苦しい日々を送ってきた。
今こそ異変の起こし時である。きっと彼女独力での解決は望めないだろう。
「その前に御夕飯の準備してくるわ! 今日は是非晩御飯を食べていって欲しいもの!」
早く聞いてしまえば楽になる事はわかっている筈。本人も答えを聞きたくて仕方ない。
それなのに今は聞きたくない、時間稼ぎをしてその瞬間が来るのを遅らせようとする矛盾。
後で答えを聞くとしてそれが拒否であったならば………、果たして夕餉など共にできるだろうか?
立ち上がってそそくさと台所の方へ向かおうとする霊夢の腕を霖之助が掴んだ。
「それは楽しみだけれど、先に言っておくよ。僕で良いのなら一緒になろう霊夢」
「も、もう………するの?」
夕食を一緒にとった後彼は今日神社に泊まっていきたいと申し出た。
料理の味はおろかもはやすでに何を作って何を食べたかも思い出せない。
霖之助を床の間に案内し、二人は布団の上に横たわっていた。
どうしてこうなったのだろうか? 霖之助はもっとずっと奥手で、こういうことは付き合いを始めても当分は無いことだろうと覚悟していた。
(勿論嬉しいけれど、心の準備が)
小さい頃から身寄りのない自分にとって兄のような存在、そして自分の気持ちに気がついてからは恋焦がれる思い人。その相手が自分と寝所に入って覆い被さる様に見つめ合う。
ゆっくりと優しい動作で霊夢は一枚ずつ服を脱がされていき、彼は自分で自分の上着をはだいた。彼の顔が間近に迫り静かに初めての唇を奪われる。
「あぁっ! ふぁん」
同時に彼の右手が霊夢の秘所をまさぐった。自慰とは全く異なる、愛する男性の手で与えられる快感に嬌声が漏れた。
霖之助は優しい表情のまま下衣を下ろして己の一物をさらけ出す。快楽に耐えるように布団の裾を掴んで顎を上げ身を捩る霊夢にはそれをじっくりと見ることはできなかった。
だが彼の一挙一動が触れ合う肌から伝わってくる。これからされる事を理解した。
「霖之助さん………私こういうことは良く分からないのだけれど、今日貴方と交わったら貴方の子供を宿す気がするの。私は良いの、霖之助さんの子供が産みたい。でも霖之助さんは良いの?」
「…………」
彼は黙って頷き、それを見た霊夢の頬を一筋の涙が伝う。
プチィッ
「―――っ!」
処女膜を貫き彼が霊夢の内側に入ってくる。
破瓜の痛みは性的快感の波と無上の喜びに飲み込まれるようにして小さくなり、彼の陰茎を霊夢の膣はきつく締め上げた。
「ううっ!」
一瞬だけ身悶えるようにして霖之助は霊夢の最奥に精を放出した。
挿入と数度のストロークという極短い期間での事であり、性交に慣れている女性を相手にしていれば早漏となじられてしまうことだろう。
「霖之助さん…………」
だが霊夢は心も体も満たされた表情で彼の背中に手を回しひしと二人は抱き合った。
初めての快楽、何より愛する人と一つになれる悦び、今これ以上を求めるのは罰が当たるであろう程に幸福感に包まれていた。
今後性的な満足を得ることなど幾らでもできる、二人は夫婦になったのだから。二人一緒に暮らし、子供を産み、育み、求め合えばいい。いつでもできることだった。
幸せな将来を夢見ながら霊夢は小さく寝息を立て始めた。
霖之助の腕の中で控えめな胸を上下させ、大人の女になったばかりだというのに子供のような無垢な微笑を浮かべて。
スーーッ
眠りについた霊夢を起こさないようにゆっくりと身を離して立ち上がる。音を立てずに足を運び、襖を静かに開けて部屋を出た。
スーーッ タン
ほぼ同様の音を立てて襖を閉める。閉まるときに柱とぶつかる小さな音が響き渡った。
「…………」
下には何も着けず上着ははだけた半裸のままの霖之助は、そこで霊夢に見せたものとは違う恍惚の表情を表した。
目の前には八雲紫が立っていた。
スタ スタ
彼女は言葉を発することなく彼に近づき、彼の頬に左手を添えると顔を引き寄せて口付ける。そのまま彼の唇を外から嘗め回すように舌を動かしてゆく。
「………あぁ、霊夢の唇の味」
たっぷりと霖之助の唇を犯した後、彼の前に跪くように腰を落とした。霖之助の陰茎が眼前でいきり勃つ。それは霊夢に挿入されたそれよりも大きく力強く反っていた。
「んむっ」
紫はその大きなモノを口に含む。愛しそうに頬張り、味わった。
(霊夢の愛液の味、霊夢の破瓜血の味、霊夢の味………………)
亀頭を口に含んでたっぷりと付いた愛する女性の体液を堪能する。
(この味、やっぱり今日は霊夢の排卵日だったのね。愛液の味に子宮頚管粘液の味が濃く混じってるわ、今までの霊夢の月経周期から計算される排卵日の下着の味と一緒だもの。貴女のことはなんだって知っているわ霊夢、私が一番貴女のことを思っているのよ。誰よりも………、あぁ……霊夢)
挿入時に押し下げられた破瓜血と霊夢の処女膜の一部が霖之助のペニスの付け根の方に堆積している、一度亀頭から口を離しそれを突き出した舌で舐め採ってゆく。
「ゆ、ゆかり……!」
八雲紫は失念していた。目の前にいる男、森近霖之助という生き物のことを。
ドピュッ ドクッ ドクッ
舌先で霊夢の処女膜の欠片を絡め採った後だった。口の中で転がして味わいを楽しんでいたところだった。
彼の放った多量の精液は強かに紫の顔面を撃ちつけ顔中をその白濁で汚す。
そして半開きだった口の中に僅かに流れ込み、青臭い味が口内に広がってゆく。
「…………………………」
「スゥ すぅ むにゃ 」
布団の中、裸で寝息を立てている霊夢の横に立つ。
彼女が眼を覚まさないように、それでも彼女に自分のこの想いが伝わる様に小さく枕元で囁く。
「………貴女が悲しむ顔を見るのは辛いわ霊夢、でもその感情はほんの一時の事だから。貴女がその身に宿した子供は私たち二人で協力して育てましょう、きっと貴女に似て良い子に育つはずよ」
「う〜〜んっ」
眠っている霊夢は閉じた唇をうねうねと波打たせて渋い顔をした。
「産まれてくる子供も貴女に良く似た女の子だったら良いわね。きっと霊夢あなたのように、私はその子とも仲良くなれるもの」
ところで霖之助は八雲紫に心酔し自らの意思で隷属していたのか
何らかの方法で自我を失い行動や精神を操られていたのか
或いは作者の思い及ばないそれ以外の理由でしょうか?
マジックフレークス
作品情報
作品集:
19
投稿日時:
2010/07/24 12:25:34
更新日時:
2010/07/24 21:25:34
分類
霊夢
霖之助
紫
俺にも少し分けて欲しい
可愛すぎるんだが
霊夢かわいいよ霊夢!!
紫に心酔していたにしても最初から操られていたにしても、少なくともどっかでは操られてたんだろうから救われないな。