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『百物語』 作者: 忙しい人

百物語

作品集: 19 投稿日時: 2010/08/03 07:05:16 更新日時: 2010/08/03 16:07:23
――ー百本のロウソクを立て、そのロウソクを囲むように座る。

そして、1人1人怪談を話していき、1つの話が終わるごとに1つのロウソクを消す。

ちょうど100本目のロウソクが消える時、何かが起こるらしい・・・




「・・・って話だぜ。霊夢」

魔理沙が、本を片手にシシシと笑う。

2人は、いつものように部屋でまったりと過ごしていた。

幻想郷にも夏が訪れ、暑い日が続いていた。

人間も妖怪も、夏ばて気味な毎日であった。

そんな時、魔理沙が図書館から拝借した本を持ってやってきたのだ。

「なぁ、おもしろそうじゃないか。やってみようぜ」

「いやよ。そんなメンドクサイこと。別に怪談とか興味ないし」

「もしかして怖いのか?」

魔理沙の言葉に、霊夢はムッとする。

「怪談とかホラーとか、幻想郷だけで十分なのよ」

「やっぱり、怖いのか?」

魔理沙の追い討ちに、霊夢のプライドが立ちはだかった。

「いいわよ!やってあげるわよ!でも、途中でやめるなんてなしだからね!」

「その前に霊夢がギブしなきゃな」

そんなベタな展開で、百物語は始まるのだった。






―――日もすっかり暮れ、ヒグラシが所々で鳴き始めた頃

「ごめんなさーい!遅れました!」

早苗が、手を振りながら近づいてきた。

「遅いわよ。準備できてるから上がって」

霊夢は、早苗を畳の間に通した。

そこには、ロウソクが100本。壁のいたるところにはお札が貼られている。

「雰囲気でてるだろ?」

魔理沙の笑みが、ロウソクの炎で揺ら揺らと揺れている。

「じゃ、始めましょうか」

こうして、百物語が始まった・・・








―――「でな・・・、そいつを殺したのは・・・お前だ!」

「ひぁっ!」

早苗が、霊夢の裾を掴んで、今にも泣きそうな目で、震えていた。

霊夢は、興味が無いのか、すっかり眠ってしまっている。

ロウソクの火も49本目が消え、中盤に差し掛かったときだ

「あの・・・、誰かに見られているような機がするんですけど」

早苗が、カタカタと震える。

魔理沙が、襖を開け、周りを確認するが、人影すら見当たらない。

「気のせいだろ」

魔理沙が、席に戻るときだった。

ロウソクの火が1本多く消えている・・・。

「霊夢、まだ話してないのに消すなよ」

その声で目覚めたのか、霊夢が目を擦りながら

「知らないわよ。まだ話してないし」と言った。

じゃあ、誰が火を?

早苗か?・・・いや、早苗には無理だ。100本の中から、器用に1本だけ消すなんて・・・。

3人に、冷や汗が流れる。

「・・・続けるか」

こうしている間にも、時間は丑の刻をまわっていた。



―――90本目から、不思議なことが起こり始めていた。

早苗は、急に倒れるし、子供のような声が周りから聞こえ始めた。

誰かに見られているような感覚にも襲われた。

だが、2人とも「やめる」とは言わなかった。

プライドと言うものを守りたかったのだ。

「・・・91本目だぜ」

91本目の火が消えた瞬間だった。

魔理沙の、背筋にいやな汗がつたった。

いや・・・汗なんかじゃない。

冷たく、ドロドロしている。

魔理沙が、背中に手をかけた。

その手を見た瞬間、2人は愕然とした。

血だ。手いっぱいに血が付いている。

「うわぁ!」

冗談じゃない。

もう終わらなければ・・・ものすごくやばい気がする。

「だめよ」

霊夢が、ゆっくりと顔を上げる。

「今外にでたら、どうなるか分かってるでしょう?最後まで終わらせるのよ」

もう3人は、引き返せない所まで来てしまっていた。






―――とうとう来てしまった。



100本目が



霊夢がゆっくりとロウソクを持ち上げ、火を消した。



周りが闇に包まれる。

と、同時に襖を叩く音がした。

しかも、四方八方から、何度も何度も

「早苗!早苗起きろ!」

魔理沙が、早苗を起こすが

「苦しい・・・苦しい・・・」もがき苦しみ始めた。

「どうなってるんだ・・・。どうなって・・・」

気がつくと、1人になっていた。

「霊夢・・・?早苗・・・?」

誰か・・・


誰か前にいる・・・


見たくない・・・



だが目を閉じることができない・・・



目が合った。少しずつこちらへ歩いてくる。


顔が見えた・・・。目が・・・、皮膚が・・・・


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」



薄れていく意識の中、魔理沙の目に朝日の光が差し込んでいた。




―――魔理沙が、布団の中で目覚めたのは、昼過ぎだった。

頭の中が真っ白で、何も思い出せない。

しかし、少しずつ鮮明に思い出してきた。あの後、気絶してしまったのだと

とりあえず、畳の間から出て、部屋へ向かった。

そこには、いつものようにポケーッとした霊夢がいた。

「ようやくお目覚めね。よく眠れた?」

「霊夢、俺たち助かったのか?それに早苗は?」

「早苗は、さっき帰ったわ。あー、もうあんなことはこりごりよ」

それを聞いた瞬間、魔理沙の目から涙が零れ落ちた。

平和な幻想郷の、ある夏の出来事でした・・・。
長文失礼します、

夏だから、ホラー!という簡単な回路で考えた作品になりました、

たまには、こういうありきたりな小説も悪くないね。
忙しい人
作品情報
作品集:
19
投稿日時:
2010/08/03 07:05:16
更新日時:
2010/08/03 16:07:23
分類
霊夢
魔理沙
早苗
百物語
怪談
1. 名無し ■2010/08/03 16:16:29
長文か?
2. 名無し ■2010/08/03 16:28:00
SSだな
3. 名無し ■2010/08/03 16:35:08
久しぶりに、一人称「俺」の魔理沙を見た
4. 名無し ■2010/08/03 18:52:11
!俺……だと……!?
5. 名無し ■2010/08/04 00:02:27
魔理沙「私は俺だなんて言わないぜ?」
6. 名無し ■2010/08/04 00:38:36
……俺たち ……俺?
7. 名無し ■2010/08/05 22:04:31
つまり別人に入れ替わったということか……
8. 名無し ■2010/08/10 00:29:08
>7
うわああぁぁあぁあああ!!?
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