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『無題』 作者: 忙しい人
―――0日目
いつものような、青い空に雲ひとつ無いきれいな太陽がのぼっていた。
けど、何か違った。
人間の里からやってきたのか、緑色の服を身にまとった人たちが行列を作っていた。
みんな覇気の無い顔で歩いていた。
―――1日目
今日は、高い破裂音で目が覚めた。
まだ、早朝だというのに、何をしているのだろう。
外にでてみると、昨日見た男たちが、鉄の塊を手に、向かい合っている。
私には、これから何が始まるのかまったく理解できない。
―――2日目
また、高い破裂音で目が覚めた。
部屋から、隠れて見てみると、昨日の男たちが何か話してる
そのままダダダッと走ってどこかへ行ってしまった。
―――3日目
博霊神社の巫女が、行方不明らしい。
諏訪子さまから聞いてしまった。
最近は、変な男たちがうろつきまわってるし
爆発音は日に日にひどくなるし
気をつけなくちゃ・・・
―――4日目
巫女さんが死体で見つかったらしい。
レイプされた後に殺されたと。
私は、みんなでお墓を作ってあげた。
みんな涙をポロポロと流して、とても胸が痛くなった。
―――5日目
男たちが持っている物がなんなのか、ようやく理解できた。
拳銃だと。
人間たちが戦争に使うものだそうだ。
「あぶないから、外に出るな」と神奈子さま。
ちゃんと言いつけは守りますよ。神奈子さま。
―――6日目
今度は、魔理沙さんが死んだって。
頭を撃ちぬかれて死んだと
ここ最近、そんなことが多い
妖精たちは、箱に詰められて生き埋め。
八雲家の、紫さんは拷問にかけられたみたい。
式神の2人は、張り付けで内臓引きずり出されて死んじゃったみたい。
―――7日目
いよいよ、神奈子さまと諏訪子さまが揉め出した。
逃げるんだって、諏訪子さまは言うけど、神奈子さまはそうしないみたい。
私は隠れてそれを聞いてる事しかできなかった。
せめて、なにかしてあげることがあれば・・・
―――8日目
何かできる事があればと思い、思いついたのが
「料理」だった。みんなお腹が空いていらいらしてるだけなんだ。
私は、さっそく残った材料で料理を作ってあげた。
2人とも、おいしそうに食べてくれたけど
2人の仲は良くなってくれなかった。
―――9日目
今度は、紅魔館の人たちが死んだ。
引きずり回されて、レイプされて、心臓抜かれて死んだって
でも、私は、もう慣れてしまった。
慣れるというものほど怖いものはない。
―――10日目
今日は、大変なものを見てしまった。
妖精の生き残りだろうか、小さな妖精たちが
死体に群がって、手足を引きちぎって食べてる。
その光景を見た私は、もはやこの世のものとは思えなかった。
すると、あの男たちがやってきて、妖精たちを連れて行ってしまった。
あの妖精たち、無事だといいのだけど・・・
―――11日目
気分が悪い。どうやら風邪にかかってしまったようだ。
最近は、ロクに食べ物にもありつけない。
畑や食料は全部男たちが待っていってしまった。
今日も、少量の水と余ったパンの耳にかじりつくだけだ。
―――12日目
風邪が酷くなってくる。お腹が空いた。
さっきも食べ物を持っていかれた。
お願いです。せめて、ひとかけらでも食べ物をください。
―――13日
嘔吐してしまった。
布団から起き上がる気力もない。
神奈子さまも諏訪子さまも仲が悪くなる一方。
ついに、水の取り合いまで始まってしまった。
もう、私のことなんてすっかり忘れてしまってる。
―――14日目
体が痒い。お腹が空いた。気分が悪い。
いやだいやだ食べ物がほしい。
食べたいタベタイ
―――15日目
神奈子さまが、肉を持ってきてくださった。
変な匂いだけど、文句は言えない。
私は、思いっきりかぶりついた。
口の周りの血も気にならなかった。
―――16日目
また2人がもめてる。
どうやら、秘密で肉を食べていたのがばれたらしい。
諏訪子さまが、肉の入ったトレイを持ってきて
そのまま1人で食べちゃった。
―――17日目
窓から外を眺めた。
神奈子さまが何かしてる。
持ってきた死体を切り刻んで食べてる。
でも、怒る気はまったくしない。
生きるためですもの。
―――18日目
それから毎日、神奈子さまは
私に、お肉を持ってきてくれた。
あんなに不味かった肉にも、もうすっかり慣れてしまった。
もちろん、罪悪感も一つも残ってなった。
―――19日目
今日は、神奈子さまが男たちに連れて行かれた。
ボロ雑巾のように、引っ張って殴って蹴って連れて行っちゃった。
諏訪子さまと私だけになっちゃった。
ああ、お腹空いたな。
―――20日目
次は、諏訪子さまが連れて行かれた。
その場で、目玉を撃ちぬかれて、もだえ苦しみながら連れて行かれちゃった。
私は、どうなるんだろう?
お腹空いた。体中が痒い。だれが私を守ってくれるのだろう?
1人になってしまった。
―――21日目
だめだ。吐き気がする。食べ物も水もない。
寝ても覚めても空腹と吐き気が襲ってくる。
なんでもいいから食べたいよぉ・・・。諏訪子さま・・・神奈子さま・・・
―――22日目
男たちがやってきた。
ズカズカと入り込んで、私を見下ろしてる。
お願い・・・助けて・・・。何でも言うことは聞くし、なんでもするから・・・
「レイプしてから殺すか」
男がそう言って、私の服を脱がせると、そのままレイプし始めた。
私は、苦痛と暴力に何度も嘔吐した。
なんでだろう・・・。私は何も悪いことしてないのに
なんだろう・・・。言いつけだって守るのに・・・。
私は、頭に銃を突きつけられた。
逃げる余裕だってない。
されるがままに、身を任せ
男は引き金を引いた。
諏訪子様、神奈子様
どうして、こんなことになっちゃったんでしょうね。
私たちが、笑いながら暮らしていたころがなつかしいです。
私は、ただ2人に笑っていてほしかった。
人並みに暮らして、人並みに幸せをともにして
みんなで笑って、泣いて
弾幕で戦って
そんな生活をともにしたかったのに。
何が、私たちを狂わせたのでしょう?
ただ、私たちは生きるだけでよかったのに
みんな、みんな奪っていってしまいました。
どうか、みなさん
他人の幸せを、奪わないでください。
引きちぎらないでください。
そして
大切な人を守ってあげてください。
それが、私の唯一の望みです。
東風谷 早苗
言うことはない。
他人の幸せを奪わないでください。
ただ、それだけです。
忙しい人
- 作品情報
- 作品集:
- 19
- 投稿日時:
- 2010/08/05 07:38:10
- 更新日時:
- 2010/08/05 16:38:45
- 分類
- 諏訪子
- 神奈子
- 早苗
今だッ!!
確かに全然わからない。
拳銃で妖怪の山を制圧できるとは……緑色の服というのもあるし、
進化する銃「クリムゾン」を持ったあの方では?
俺に代われ。