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『働き者の魔法使い』 作者: IMAMI
○がつ○にち
今日はお洋服が一着売れた。。
わたしの手作り。大切にきてほしいな。
○がつ×にち
今日は紅茶とティーセットが一つずつ売れた。きれいな銀色の髪の女の人。
×がつ△にち
今日は友達の理香子ちゃんが来てくれた。ビーカーを買っていった。理香子ちゃんは魔法のお店なのにビーカー売ってるんだとソクラテスを撫でながら感心してた。だって魔法の店だもん。そういったら理香子ちゃんは笑ってくれた。
×がつ×にち
金髪の女の子が来た。物色しながら魔法のお香を取ると借りてくっていってそのまま持っていった。万引きだ。あわてて追いかけたけど逃げられた。すごい貴重なお香なのになぁ…
×がつ◇にち
小さな鬼の女の子がワインとチーズとスモークサーモンをたくさん買っていった。鬼ってお金持ちなんだ。びっくり。
▲がつ○にち
あの金髪の女の子が来た。前のやつ返してって言ったら無視された。怒って掴みかかったら殴られた。また泥棒された。痛いよ。ソクラテスも蹴られた。
▲がつ◆にち
丸い耳が生えた灰色の小さい子がきた。私も小さいけど。あの女の子と同じ男の子みたいなしゃべり方だけどちょっと違うしゃべり方だった。私の傷をみて心配してくれた。魔法の触媒に使うビーズと買っていった。
▲がつ◇にち
また理香子ちゃんがきた。私を心配してくれた。私は理香子ちゃんに相談した。理香子ちゃんはいろいろ教えてくれた。あの女の子。魔理沙っていうんだ。
◇がつ×にち
魔理沙ちゃんの家に行った。誰もいないみたいだから勝手に入った。二階の部屋を覗くと、魔理沙ちゃんともう一人の金髪の女の子が裸でベットの上で抱き合っていた。魔理沙ちゃんが私に気付くと、魔法で何回も痛め付けられた。痛いよ。服がボロボロだ。
◇がつ▲にち
体が痛いけどお店を出したらカナちゃんがきた。リボンを買っていった。
☆がつ
今日、お店に男の人がたくさん来た。その人達はわたしに魔法が使えなくなるお札を貼ってわたしを押さえつけた。ソクラテスがわたしを押さえつける男の人に飛び付いたら壁に投げつけられて踏みつけられた。聞いたことない悲鳴をあげた。そのあと男の人はわたしを裸にして、男の人も裸になった。そのあと────
もう嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤ
だイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ
魔法の森にて
「日記はこれで終わりみたいだな………」
慧音はエレンの首吊り死体の前にあった日記帳を閉じる。
「死後5時間って所かしら。首を吊ったのは真夜中ね…」
検死のために呼ばれた永琳が慧音に告げた。
「それに強姦された形跡があるわ」
「………だろうな。すぐに特定に向かってくれ」
慧音が言うと縄から降ろされて白い布にくるまれたエレンの死体を兎達が運んでいく。
「それじゃあ。何かあったらすぐに伝えるわ」
「わかった。頼んだぞ」
すると入れ違いに幻想郷の警察官、小兎姫が現れた。外出着の着物が美しい。
「慧音」
「小兎姫か…どうだった?」
「店は荒らされていたわね。多分無くなっているものもあるわね………
あと、飼い猫のソクラテスも死んでいたわ。日記はどうだったの?」
「あまり良いことは書いていないな………」
慧音が力なく首を振る。
「そう。前にかかれた日記も持ってきたわ。手がかりになるかわからないけど。一生懸命なあの子らしいわ」
「ありがとう。目を通すよ。
それじゃあ小兎姫は博霊神社にエレンの最近の様子を訊きに行ってくれるか」
「わかったわ」
日記からエレンは恐らく強姦され、飼い猫を殺され、店を荒らされたことを苦に自殺したのだろう。読む限りでは密接に関わっているのは朝倉理香子、ナズーリン、そして魔理沙とアリス・マーガトロイド。この辺りだろう。
紅茶を買った銀髪の綺麗な女性と鬼の女の子、おそらく十六夜咲夜と伊吹萃香は密接では無いにしろ、割りと頻繁に店を利用していることが過去の日記でわかった。
「だから知らないっていってんだろ!」
慧音の取り調べに対して机を叩く魔理沙。
「だが!日記にはお前が物を盗んだって書いてある!」
慧音も負けていない。
「たしかに物は取ったけど借りただけだ!それに、写し見たけどそれが理由じゃあない!その魔女が男に犯されたのが原因だろ!」
「お前かアリスがけしかけたんじゃないのか?情事を見られて腹が立ったなら、十分あり得るし、お前がそうアリスに唆した線もあるんじゃないのか?」
「ふざけんな!」
「いずれ男の精液から加害者の身元が割れる。そいつらを取り調べてお前の名前が出てみろ?実刑が下るぞ!」
「………誰が?」
魔理沙はその言葉に反応して、慧音を口元に醜悪な笑いを浮かべて睨み付けた。
「な、何を………」
「誰が私を裁くんだよ?ええ?お前か?お前ごときが?」
確かに慧音と魔理沙が戦えば、満月でも魔理沙が勝つだろう。慧音では魔理沙を止められない。
「ぐっ………私じゃなくとも博霊の巫女が!」
「ああ。霊夢か。博霊の巫女っていっても抱いちまえば女だよ。もう私が居ないってのは考えられないだろうな。お前と私が争ったら私の味方をするよ。だったらあのスキマ妖怪もだ。
ククッ、キャハハハハハハハハ!何が実刑だよ!これだから何も知らねえ妖怪の癖に魔法も使えない弱い人間に味方する変人は!」
魔理沙は壊れたかのように笑い出す。
「お前っ………!!なんてことを!」
ドン!と机を叩く慧音。
「おう慧音。そろそろ帰っていいかよ。アリスがベットで裸で待ってるからよ。キャハハハハ!」
魔理沙はそんな慧音を受け流して立ち上がる。
「箒。返しな」
「………」
慧音は答えない。魔理沙を睨み付けている。
「箒だよ。
なんだよ。寺子屋のガキを魔法の森の奥に投げ込んでも───」
「廊下に立て掛けてある!」
慧音は大声で言うが魔理沙は意に介した風もなく部屋を出ていった。
「くそっ………くそっ………」
自分が不甲斐ない。こんなクズにロクに尋問出来ず返してしまった。
「すまない。エレン」
慧音は再び、エレンの心内を探るように日記を読み始めた。
「魔理沙」
慧音の屋敷から出てきた魔理沙は白衣に身を包んだ眼鏡の女に肩を捕まれ呼び止められた。
「ああ?えっとたしかお前は………」
「朝倉理香子。科学者やってる魔法使いよ。
取り調べ室でのことは全部筒抜けよ。大嫌いな魔法を使って盗み聞きしたわ」
「趣味悪い女だな」
魔理沙が鼻で笑う。
「よくもエレンを殺したわね………!許さない!」
「はぁ?いいぜ?宣戦布告と受け取る、ぜ!」
魔理沙は箒の柄で理香子のその端正な顔を殴り付けにかかる。が、理香子はそれを簡単に片手で掴んで受け止める。
「騙し討ちね………悪いけど止まって見えるわよ」
「ちっ、放せよ!」
魔理沙は理香子の手を振り払い、後退すると八卦炉を取り出した。魔力を込める。
(そんなビーム、避け───)
「避けるなよ?避けたら慧音の屋敷に当たるぞ」
「! ちくしょう!」
理香子は手に魔力を込める。
「喰らえっ!マスタースパァァァーク!」
極太ビームが理香子に伸びる。だが───
「なにっ!?」
ビームは理香子に当たる直前で起動が空へと反れて、魔力の塊は悪戯に消えていった。
「なんてことはないわ。魔力を込めた腕で弾いただけ。こんな魔力の塊にも揚力って働くのね」
ピシッ!
理香子が喋り終わると同時に魔法の閃光が迸り、魔理沙の帽子を撃ち抜いた!
「………!」
「花びらを焼かずに撃ち抜くことも出来るわよ」
理香子の右手に人の頭程の大きさの高密度の魔法球が作られる。
「お前…本気でやろうってのか?」
「ええ。エレンの敵よ」
魔理沙の足元から植物の蔓が伸び。魔理沙を絡めとる。
「うわっ!?なんだこれは!?」
「間近で死に顔を拝んでやるわ。魔理沙」
ゆっくりと魔理沙に近寄る理香子。
「てめぇ!私を誰だと思っているんだ!」
「ただのエレンを殺した醜い盗賊にしか見えないわ」
「やめろっ!」
理香子が今正に魔法球を撃ち出そうというタイミングで、騒ぎを聞き付けた妹紅が飛び出して来て理香子を羽交い締めにした!
「朝倉!やめろ!そんなことをしたら………!!」
「放して!放せ!」
理香子が暴れるが単純な腕力では妹紅の方が強い。いつの間にか魔理沙の拘束も外れてしまった。
「この野郎っ!」
それをいいことに魔理沙は無防備な理香子の顔面に拳を叩きつけた。少女の力とはいえ、本気で殴られたのだ。眼鏡が叩き落とされる。
「魔理沙!」
「クソがっ!」
ベキッ
魔理沙は理香子の眼鏡を踏み潰して箒に跨がると、森へと消えていった。そのあとは殴られて眼鏡を踏み潰された理香子と理香子を羽交い締めにする妹紅が残された。
「………すまない」
妹紅は理香子を解放する。すると理香子は眼鏡の残骸を拾い上げた。
「これ、結構前に壊れた眼鏡の代わりにエレンから貰ったのよ………」
「………すまない。朝倉」
「いいのよ………あなたがああしないと私は魔理沙を殺してたわよ」
再び謝罪する妹紅に応えて理香子は眼鏡を白衣のポケットに仕舞い込む。
「………それじゃあね」
朝倉は里の自分の家へと帰っていった───
「アリスー?今帰ったぜ」
理香子を殴って溜飲を下げた魔理沙は、自宅へと帰ってきた。
「アリスー?二階か?」
箒を立て掛け、エプロンを外して二階への階段を上がる。寝室のドアを開けると、一糸纏わぬ姿のアリスがベッドで寝ていた。
「待たせたな。アリス。
あの人里の半人がうざくてよ。早く殺しちまおうか?」
魔理沙は優しくアリスの顔を撫でてやる。すると、魔理沙はある恐ろしい違和感に気付いた。
「アリス?なんだよお前」
アリスは失禁していた。大小ともに漏らしてシーツに染みを作り、そして何より───
体温がなかった。
「おい………アリス?」
魔理沙がアリスを抱き起こすと、さらに恐ろしいものが見えた。
首を縄で絞め上げたかのような跡があった。いや、違う。
「縄が前にしかない………」
普通、首を縄で絞めたときはチョーカーのように環状の跡がつく。だがアリスの首筋には前側の方にしか縄の跡がついていない。こんな跡が付く死に方は一つしかない。
「首を吊ったのか………?」
誰かがアリスを吊るしたあと、アリスを寝かせたのだろうか。一体誰が………
私だ。
私になる。
私がアリスと口論になり、何らかの方法(催眠効果のある香等)でアリスを無抵抗な状態にしてしばらく吊るして慧音の所へ向かう。
そして慧音の所から戻ったあと、十分な跡が首についたらアリスを下ろして何食わぬ顔で通報する。
こんな算段を平気で打つ人間だと里の連中には思われているだろう。
それだけならまだいい。だが、霊夢に「自分の恋人を平気で殺す女」と思われたら………?
それだけは避けたい。自分が好き勝手やれてるのはあの女がいるからだ。魔理沙はアリスを背負って庭のリアカーに乗せて森の奥へと運び出した。アリスは比較的華奢なので肉体的な負担は殆ど無かった。
「ここらか…」
魔理沙はは魔法の森の中でも肉食の妖怪が多い地域についた。アリスの死体を無造作に転がす。去ってから一時間もすれば妖怪が現れてアリスの骸を貪り始めるだろう。
「じゃあな、アリス」
「酷い………」
「!?」
何かの声がした。誰だ。
「誰だ……!?誰だよ!?」
魔理沙は八卦炉に光を灯して辺りを探る。
「私はここよ。魔理沙ちゃん」
「うわぁっ!?」
ポン。と肩を叩かれた。あまりの不気味さに振り払いながら後ろを振り向いた。
「恋人でしょ?なんでそんなことするの?」
「お、お前は………!」
ふんわりとした金髪に栄える真紅のリボン───
エレンがそこにいた。
「エレンだよ。忘れちゃった?あなたに大切な商品を盗まれて、あなたの恋人がけしかけた男の人に犯されたエレンだよ」
エレンの微笑む。だがそれは生きた魔女の笑みでもないし、亡霊の笑みでもない。悪霊と化した魔女の笑みだ。
「………アリスを殺したのは、お前だな!
───!?」
魔理沙はエレンの怨霊に対して八卦炉を向ける。だが、八卦炉は魔理沙の手の中で既にボロボロに錆びていた。
「魔理沙ちゃん。私が何年魔法使いやってたと思ってるの?あのお寺の和尚さんや、真っ赤なお屋敷の紫色の魔法使いより長いんだよ」
人間に毛が生えた程度の小娘が扱うヒヒイロカネ製のマジックアイテムを腐食させることなど造作もなかったのだろう。
「じゃあね。魔理沙ちゃん。
私は亡霊化してアリスちゃんを殺しちゃったし魔理沙ちゃんも殺しちゃう。地獄にも行けずに消失するわ。
魔理沙ちゃんも、天国には絶対に行けないから。死んじゃえ………!!」
エレンが喋り終えると、魔理沙の首に縄の跡が走り、とたんに動脈を締め上げられたような窒息感が魔理沙を支配した。
「ぐがっ………!!やめろっ………!!」
首を押さえてのたうつ魔理沙。
「わた………しを…………だれ………だ…………と───」
だが、数分ものたうつことが出来ず、魔理沙は真っ青になって目を剥き出し、糞尿と涙、鱈子のようになった舌を垂らして絶命した。
「はぁ………これでもう、全部済んじゃった。あ、違う、まだだったわ」
エレンは魔理沙のリアカーを押し始める。
指紋は幽霊だからつかないよね………
そんなことを考えながらエレンは魔理沙の家へと向かった───
理香子は自室に籠り、くたびれたイスについて気を紛らわせるために科学の実験をしていた。
ビーカーの中の角砂糖が薬品により炭化する光景をぼうっと眺め、傍らの壊れた眼鏡をとった。
手のひらに乗せて 視線をそれに移す。と、そこで眼鏡が後ろから何者かの手によってつまみ上げられた。
「───!?」
驚いて振り向く。
「理香子ちゃん」
「あ………!」
理香子の友人が、変わらぬその姿で理香子に微笑みかけた。
「眼鏡、壊されちゃったんだね………」
「エレン!エレンっ!」
たまらず理香子はエレンの小さな身体に抱きついた。
「もう、理香子ちゃんったら………」
「エレン!エレン!ぅぅっ………ぐすっ………」
理香子の震える身体をエレンは優しく抱きしめる。
「理香子ちゃん。これ」
理香子が落ち着いたらエレンは理香子に丸眼鏡を渡した。エレンの店にある新品だ。
「え………眼鏡?」
「魔理沙ちゃんに壊されちゃったんでしょ?新しいやつ。これもあげるよ」
「エレン………」
「かけてみて」
「うん………」
理香子は涙をぬぐって眼鏡をかけた。
「どう?」
「似合うよ。理香子ちゃん。かわいい!」
エレンは理香子の頬に手を触れた。そしてその唇に唇でそっと触れた。
「───!?」
「ごめん理香子ちゃん。驚かせちゃった?」
エレンは微笑む。
「男の人が来たときに………ちゅーはされてないから安心して。唇以外全部取られちゃったから、これは理香子ちゃんにあげたいなぁ………なんて………」
そんなエレンを理香子はもう一度抱き締めた。
「エレン………」
「理香子ちゃん。もう行かなくちゃ」
エレンは理香子の胸の中でそんなことを言った。
「えっ………?」
「実は、魔理沙ちゃんとアリスちゃんを呪い殺しちゃったんだ………私を痛め付けたのも、理香子ちゃんを殴ったことも、許せなかったから………」
「そう………」
うつむく理香子。別に気の毒とは思わない。魔理沙の悪名はかなり高い。喜ぶ連中の方が多いだろう。
「だから、天国にはいけない。良くて地獄。最悪消えちゃうかもしれない」
「………」
「じゃあね。理香子ちゃん」
エレンは一歩理香子から離れると、そのまま煙の様に霧散し、消えていった───
残ったのは理香子と、すっかり炭化した角砂糖のみが残された───
翌日、魔理沙とアリスの死体が魔法の森で烏天狗の少女により発見された。死体は肉食の妖怪に貪られ、見る影もなくなっていたが、かろうじて原型は留めていたため持ち物や身につけていたものや、残った髪の毛等で判別された。
幻想郷は魔理沙のことで持ちきりだ。
魔理沙を慕っていた者、憎悪していた者、恐怖していた者、そして哀れに思っていた者───
魔理沙に対する感情は様々だった。エレンを強姦した男もすべてが挙げられたそうだ。
理香子は、自分はどう思っていたのだろうか。やはり、憎悪だろうか。
自分の視界を鮮明に映している眼鏡に触れてそんなことを考える。天狗の新聞を見ると、葬式や通夜の日程が書かれている。何人が集まるのか………
コン コン…
ノックの音。誰だろう。小兎姫か、慧音か。
ドアノブに手をかけて、ドアを開けた。
「閻魔様が情状酌量をくれたんだ。煉獄行きだって。だから───」
理香子の家に再び訪れたそれは弾ける笑顔で理香子にそう言った。
「一緒に来て欲しいな」
END
コン コン…
ノックの音。誰だろう。小兎姫か、慧音か。
ドアノブに手をかけて、ドアを開けた。
「やぁ、初めまして。死神の小野塚小町だよ」
初めて出会う和装の女がそう理香子に言った。
「あんたのお友達が情状酌量を受けたよ。煉獄行きだ。
煉獄で罪を償えば極楽に行ける。そうだな。30年間ぐらい煉獄で奴隷として働く。
あんたは人間だが、まだ若い。お友達が極楽に行けるまで健康に気をつけな。それがあんたに出来る善行だそうだ───」
どうも。IMAMIです。
産廃百物語を書いてみたのですが、〆切過ぎてしまった・・・だからもう開き直って救いエンドも載せちゃいました。
さて、旧作 東方夢時空の朝倉理香子とエレンをメインに書いて見ました。いかがでしょうか?
エレンはあまり使わないのですが、旧作で一番好きな夢時空で一番好きなキャラです。昔は某同人作家のM・Mさんの作品の影響で夢美教授が一番好きでした。
それにしても理香子とエレンの二次創作無さすぎる。ってか無い………
IMAMI
- 作品情報
- 作品集:
- 20
- 投稿日時:
- 2010/08/25 15:09:25
- 更新日時:
- 2010/08/26 00:11:57
- 分類
- 旧作注意
- エレン
- 理香子
- 小兎姫
- 魔理沙
しかしまじゴミクズだぜ
答え:ゴミクズです。
最高ですね。
ああ、締め切りすぎてても大丈夫でしたのに。
健気なエレン可愛いよエレン