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『白い蓮と幻想、その思いは』 作者: 上海専用便器

白い蓮と幻想、その思いは

作品集: 20 投稿日時: 2010/08/26 22:17:51 更新日時: 2010/08/28 12:20:38
縄で縛られている私は、自分の意思で動くことができない。
動けるだけの気力がなかった。
周りの人間たちは、憎悪の篭った目で私を睨みながら、石を投げてくる。

「妖怪に組する悪魔め!」
「裏切り者!人間の味方だと信じた俺たちが馬鹿だったよ!」
「見た目に騙されるなんて…………くそっ!」

妖怪のためだけの世界を作る気なんてない。
人間たちも、この世界には必要なのだ。
それなのに、私は今、その人間たちに迫害されている。
それも仕方ないのかもしれない。
私を慕ってくれていたのは、妖怪ばかり。
人間で、私に付き添ってくれていた方は一人もいなかった。
妖怪に囲まれながら、人間と妖怪の平等を目指す。
そんなもの、ただの幻。
(ああ、最初から無理だったのね。)
私は、石を何十個も当てられながら、男たちに暗い牢獄へと連れて行かれた。

「なぁ、どうする?殺すのか?」
「あ?里長はなにを言ってたんだよ。」
「知らん。聞きたいのなら、聞いて来い。」
「な、何だよその態度は!」
「まぁ、待て。どうせ最後には処刑だろ。だったら………」
「…………なるほどな。」
「へへ、こんな女を抱けるなんて最高だよな?」
「…………気が乗らんが、そういう命を下すならやるぞ。」

男たちは、私の衣服を引き剥がした。
生まれて此の方、一度も殿方と交わった事のなかった私は心が壊れそうになった。
口付けを交わし、胸を揉みしだき、恥部に指を入れていく。
私は声は出さんまい、と体を硬くしていたが、初めてのその快感には耐えられなかった。
殿方のソレを挿れられてもないというのに、だらしなく舌を出し、涎を口から零していた

「おいおい、処女だぞ?」
「まじかよ…………こいつ、本当は婆さんなんだろ?」
「………………やるのか?」
「当たり前だろ、これが普通だぜ。」
「じゃあ、俺が一番!」
「なっ、お前!」

挿れてほしかった。
早く、本当の悦びを教えてもらいたかった。
男の一人が、私の純潔を破る。
破られた時の痛みはたいしたことはなかった。
それ以上に、快感が大きかったのだ。
私は交代交代で、男たちと関係を持っていく。
抵抗することなんて、いつの間にかしなくなっていた。
自分の頭がおかしくなっていることに気づいたのは、全てが終わったときだった。

「ふぅ……………また別の奴らも呼ぼうぜ?」
「ああ………」
「何だよ、お前。乗り気じゃねぇな。」
「…………処刑するというなら、処女を奪う必要もなかったろうに。」
「あ?意味分からねぇよ。」
「じゃあ、呼んで来るぜ?」

いつ終わるとも分からない、男たちの宴。
飽きるまで、私を慰み者にし続けていくのだろう。
だけど、きっと私はこの行為に快感を覚える。
私は、考えるのも嫌になり、そのまま目を閉じた―――










「っ!!」
「ひじり〜…………ムニャムニャ………」
「ぬ、ぬえ…………夢、か。」

あの時の夢を見てしまった。
遠い昔、人里に迫害され人間たちに慰み者にされたあの日。
ずっと忘れておきたかった、忌まわしい記憶。

(まだまだ修行が足りないわ………煩悩を全て捨てなければ。)

まだ外は暗かったが、こんな夢を見てしまう自分を戒めるためにも滝に打たれに行こう。
私に抱きついて寝ていたぬえを起こさないように布団から外に出ると、
滝のある場所へと向かっていった。

朝日が昇るその時まで、私は滝に打たれ続けた。
その最中にも、私の脳裏にはまだあのときの記憶が浮かぶ。

「こんな体の女を抱けるなんて、最高だな。」
「ひ、聖さん…………オ、オラ、あんたが大好きだべ!」
「尼さんがこんな体つきでいいのかよ。」

どうしたというのか。
こんな風に、あの時のことに悩むことなんて無かったのに。
あんな夢を見てしまったせいで、また思い出してしまったのだろう。
朝日が昇るときには命蓮寺に戻ろうと思ったが、もっと長く滝に打たれていようと思った。

「ム、ムラサ………聖、大丈夫かな………?」
「どうしたのよ、ぬえ。そんなに心配するなんて、あんたらしくないわ。」
「だ、だってぇ………聖がいなくなったら、私…………ぐすっ……」
「ちょ、ちょっと?な、泣いてるの?」
「やだよぉ、ひじりぃ………………」
「ど、どど、どうしたらいいの?聖だったら、え、えっと………あ、頭を撫でれば!」

ぬえとムラサの声が聞こえてきた。
突然いなくなった私を探しに来たのだろう。
そういえば、誰にも行き先を言っていなかった。
家族を心配させるわけにもいかないので、一先ずここで終わることにした。

「ぬえ、ムラサ。おはよう。」
「ひ、聖?ああ、滝に打たれていたのですか。」
「聖!!」
「きゃっ!ぬえ?」
「ばか!勝手にいなくならないでよぉ!」
「ぬえ………ごめんなさい。さぁ、一緒に帰りましょう?」

泣きついてきたぬえを慰めながら、私はぬえとムラサと一緒に命蓮寺へと帰っていった。




朝食を終えた私は、星を連れて人里へと赴いていった。
行き交う人々は私の姿を見ると、ありがたやありがたや、などと言って頭を下げる。
命蓮寺を構えてから、まだ1年ぐらいしか経っていないというのに、
いつの間にか人々の信仰を私は手に入れていたのだろうか。

『騙しやがったな、この悪魔!!』
「っ!?ま、また………」
「聖?どうなさいました?」

私の脳裏に再び、迫害されたときの記憶が浮かんだ。
今日は一体どうしたというのだろうか。
夢を見たせいで、人間を見るたびに思い出してしまうようになったのかもしれない。

「しょ、星。今日は守矢神社の皆さんの元に参りましょうか?」
「は、はい。」
「おや、聖ではないか?。」
「あ……貴方は、慧音さん?」

守矢神社へと向かおうとした私は、人里の守護者である上白沢慧音と出会う。
彼女は半人半獣の身でありながら、私以上に人間たちの信頼を得ている。
もちろん、彼女に嫉妬しているわけではないが。

「今日も、信仰集めか?」
「い、いえ………」
「……言い方が悪かったもしれんな。別にしても構わんのだぞ?
お前は、人里の皆が頼ることができる数少ない人物だからな。」

その言葉を聞いた私は、彼女に恐怖してしまった。
彼女はもしかしたら、私を陥れようとしているのではないだろうか。

『皆、よく聞いてくれ!この女は、人間と妖怪の平等を謳っていた。
だがしかし!この悪魔は、人間を妖怪の食い物にしようとしているのだ!
何故なら………命蓮寺には、妖怪しか住んでいない!所詮、彼女は妖怪の仲間なのだよ!』

今日の私はおかしい。
彼女がこんなことをすると思ってしまうなんて、私は一体どうしたのだろうか。

「………どうした?気分が悪いのか?」
「聖、ご気分が優れな――」
「ご、ごめんなさい。ちょっと急ぎの用があるので。」
「そうか、道中には気をつけ……もう行ってしまったのか。」
「待ってください!ごめんなさい、慧音さん!」
「ああ。」

私は慧音の視界から逃げるように、その場から早足で去っていった。
星の声が聞こえてきたが、私はそれを無視して、すぐに妖怪の山の頂上へと向かっていく。




「あ、慧音。」
「む、妹紅か。」
「聖と何か話してたの?」
「話をしようと思ったら、急用があったみたいでな。」
「ふ〜ん。で、何の話?」
「彼女が人里に現れ始めてから、妖怪に襲われる人間の数が極端に減ったのでな。
聖は低級妖怪にすら慈悲を見せる、おそらく、彼らもその慈悲を本能で感じ取ったのだろう。
あくまで推測だが、聖がその人柄で、低級妖怪すらも説得したのだろう。人間を襲わないように、と。」
「ふむふむ。」
「お礼に、温泉にでも連れて行って、食事も用意した旅行のようなものを催そうと思ってな。」
「へぇー。それで、慧音も一緒に温泉に入るの?」
「ああ。彼女の胸を是非、この目で見てみたいと思っていたのだよ。
聖の胸は大きさだけでなく、美しさを備えているに違いない。
乳首、乳輪、柔らかさ。そのどれをとっても、彼女に勝てる胸を持つ物は存在しないだろう。
胸だけではない。あの脚、髪、唇、恥部、尻、耳、目。
まだ見ていないものもあるが、彼女の全ては、おそらくこの幻想郷で最……………」
「………………………」
「………………………」
「………………………」
「………なぁ、妹紅。」
「何。」
「歴史を、食べてもいいか?」




妖怪の山を昇っていたが、終始、星は私の身を案じていた。
それも仕方が無い。
あんな風に他人を扱うことなんて、今まで一度もなかったのだ。
星も、そんな私に違和感を覚えたのだろう。

「聖、今日は一体どうしたのですか?ご気分が優れないなら、命蓮寺で休養を……」
「大丈夫よ、星。何もないのよ、何も。」
「……………分かりました。」

私の言葉に納得してしまった星は、それ以降何も言わなくなってしまった。

『所詮、妖怪のことしか考えていないのですね。見損ないましたよ、聖白蓮。』
「っ!?しょ、星?」
「へ?」
「あ…………な、何でもないわ。」

おかしい。
何かがおかしい。
星はこんなことを絶対に言わない。
長い間、私は星と一緒にいた。
封印されてからも、星は私のために動いてくれていた。
その星が、私をこんな風に思うなんて――――私が信じ込んでいるだけ?

私の中に、不安が沸いてくる。

星は私を利用しているだけなのかもしれない。
毘沙門天の代理を務めるほどの妖怪。
魔法で妖怪になっただけの元人間。
その差は、歴然としていた。
星は、私を見下すことだってできるのだ。
もしかしたら、毘沙門天の信仰を手に入れるために、私に近づいただけなのかもしれない。

「聖………やはり、今日の聖はおかしいですよ。」

道具。
私は、星に利用されているだけ。
星のどこか抜けている振る舞いも、全て私を騙すための巧妙な手口。

「聖、帰りましょう。お体の調子が悪いのを隠す必要は………」
「触らないで!!」

私は、星が肩に触れようとしたのを払いのけた。
この女の真意が分からなくなった以上、もう信用することができない。

「ひじ、り………?」
「…………ごめんなさい。しばらく、一人にさせて。」

私はそう言い放つと、私はそのまま守矢神社へと向かっていった。
後ろを振り向くことなんて、できなかった。
襲われるかもしれないというのに、どうして振り向けなかったのだろうか。




「ただいま、帰りました………」
「おや、ご主人。聖はどうしたんだい?」
「聖に………嫌われました………」
「全く話が読めないから、ちゃんと説明をしてくれ。」
「その、聖に……元気がなくて………その……」
「ふむ………それで?」
「…………ようと思いました。」
「何だって?よく聞こえなかったんだが。」
「聖を抱きしめよう、と思いました………」
「………………」
「そうしたら………聖は、私の手を払いのけて………う、ううっ………」
「…………ご主人。」
「ひっぐ………なんでずが………?」
「本当に元気が無いときには、いきなり抱きしめようと思ってもダメだよ。
ご主人の話を聞く限り、聖は本当に元気が無かったのだろう。
こういう時は、まず言葉だけで聖を安心させるんだ。
それで、聖の目を潤させる。成功していたら、聖はご主人に依存するようになるはずだ。
その次に、『聖、愛してます……私はずっとずっと、貴方の傍にいますから……』と言うんだ。
ならば、聖は自ずからご主人に抱かれ………抱きしめてもらいにくるよ。」
「ナズ…………分かりました!次は、ナズの言うとおりにします!!」





守矢神社についた私は、ふと気づく。
私は一体、何のためにここに来たのだろうか。
慧音さんの前から去るために、適当に言ってしまっただけなので何の目的もない。
とはいえ、妖怪の山をただ散策しただけ、となると何か問題が起こるかもしれない。

「あ、聖さん?」
「さ、早苗さん。」
「こんにちは、諏訪子様と神奈子様に御用ですか?」

掃除をしている早苗さんは、笑顔で私に挨拶をしてきた。
私は彼女の笑顔に、少し見とれてしまう。

「そ、その。ちょっと、お二方とお話を………」
「では、こちらに。お茶もご用意しますね?」
「ありがとうございま…………」
『ふふふ、貴方はただの妖怪ですよ。それなのに、人間の皆さんの信仰を得るなんて………
みなさん、この人は悪魔ですよ!封印される前から、何ら変わっていない悪魔なのです!!』
「どうしました?」
「い、いえ。」

私はまた、良からぬことを考えてしまった。
早苗さんは、あの時のような迫害を指導する人物になる、という妄想を抱いてしまう。
星の言葉を信じて、今日は命蓮寺に帰るべきだったかもしれない。
いや、星の言葉を信じるのも間違っているだろう。
ここは、どこか他の場所へ向かうべきだった。
とはいえ、ここまで来てしまったのならば、何か話をしなければ。

守矢神社の中の一室で、早苗さんに出されたお茶を飲みながら私は神奈子さんと諏訪子さんを待っていた。
待っている間、私は自分の心を落ち着かせる。

(ダメだ、聖白蓮!彼女たちが悪人なんてことはない!絶対に…………無い、はず。)
「待たせて悪かったね………」
「んぅ…………だれー…………?」

寝癖が立ったままの神奈子さんと諏訪子さんが、部屋に入ってきた。
諏訪子さんに至っては、半分寝ている状態である。
どうやら、彼女たちはさっきまで寝ていたらしい。

「朝早くから申し訳ありません………」
「いつも暇だから、構わないが………ふぁ〜あ………」
「眠いよ…………おやすみ……………」
「………しばらく、待ちましょうか?」

欠伸をする神奈子さんと、その場に寝転んでしまった諏訪子さんを見て、申し訳ないと思った。
目的も何もないというのに、ここに来てしまい、二人を起こしてしまったのだ。
そんな私を他所に、早苗さんは穏やかではない雰囲気を出していた。

「いいえ、聖さん。お気になさらず。」
「さ、早苗さん?それは………」
「耳を塞いでいてください。ちょっとうるさいですから。」

早苗さんは、取っ手のついた黒い板のようなものとお玉を持っていた。
何をするのだろうか、と思った私だが、とりあえず早苗さんの言ったとおりに耳を塞ぐ。
すると、突然、早苗さんは黒い板をお玉で叩き始めたのだ。
轟音が部屋中に鳴り響くと、神奈子さんと諏訪子さんは飛び上がった。

「う、うるさいよ、早苗!」
「やめてやめてやめてやめて!もう、それはいやーーーー!!」
「聖さんが来ているのに、あなたたちは何をしているのですか!さぁ、身だしなみを整えてください!」
「で、でもさぁ………私たち、まだ3時間しか寝てないんだよ。」
「子供は10時間寝ないとダメなの!私は寝るっ!」
「貴方たちが夜遅くまで起きていた理由は知っていますよ!
それに、諏訪子様はもう子供じゃありません!全く、どこからあんな本を………」

耳を塞いでいても、3人の会話はしっかりと耳に入ってきた。
それだけ、彼女たちの声は大きかったのだ。

「せめて、聖さんの話を聞きましょう。」
「びゃ、白蓮は待ってくれるみたいだし………」
「そーだよ!暴力はんたーい!」
「………………………」

早苗さんの体からドス黒い何かが出てきているのを見た、気がした。
神奈子さんと諏訪子さんは、互いに抱き合いながら、首を横に振っている。
体を震わし、何かに怯えているような目をしていた。
その直後、神奈子さんと諏訪子さんの寝癖がなぜか直っており、顔つきも風格があるものとなっていた。

「さて、白蓮よ。私に何の用かな?」
「我々二柱の力を借りたいなんて、何があった?」
「神奈子様、諏訪子様。急に態度を変えても、さっきまでの醜態は消えませんよ。」

早苗さんの言葉を、神奈子さんと諏訪子さんは無視しているようだった。
二人の顔から冷や汗が流れているような気がしたが、とりあえず何か話題を取り上げようと思った。

「えっと、ですね。その…………」
「どうしたんだい?」
「元気がないみたいだけど………体は大丈夫?」
「聖さん、フライパンの音が………ごめんなさい!」
「い、いえ。あの音は大丈夫でしたが………その………」
『妖怪と人間の平等を目指していたみたいだが……ただの嘘かい。』
「ち、違う。」
「な、何?」
「………白蓮、何かあったのかい。」

違う、違う。
神奈子さんが、こんなことを考えるわけがない。

『あーあ、私たちの信仰集めにもっと利用できると思ったのになー』
「やめて………違うの………」
「聖さん?」
「早苗、命蓮寺にいる誰かを呼んできて。」
「は、はい。」

諏訪子さんが、こんなことを………考えるに決まっている?
いや、違う!
これは全て、私の妄想だ!これは全部、煩悩なのだ!

「…………ごめんなさい。命蓮寺に帰ります。」
「へ?」
「びゃ、白蓮?」
「聖さん、どうしま…………」

神奈子さんたちが私を引きとめようと何かを言っていたが、私はその言葉を信じることができなかった。
恐怖のためなのか、再び迫害されることを恐怖しているからなのか。

(まだ修行が足りないだけだ!煩悩を全て捨てることができれば……!)

もっと厳しい修行を積もう。
そうすれば、他人を疑うようなことは無くなる。
疑心暗鬼になることなんて、絶対に無くなるはずだ!





「……行っちゃいましたね。」
「ふむ………何があったのだろうな?」
「………ちょっと心配だよ。」
「諏訪子様?」
「何がだ?」
「あの子、目の焦点が合ってなかったよ。あのままじゃあ……」
「あのまま、だったら?」
「一体、聖さんは…………!」
「男に襲われて、『いやーっ!やめてーっ!』と悲鳴をあげちゃうよ!
それで、『私は、ご主人様の雌犬です……ご主人様、ここに挿れてください!』って言わされて……
体中に落書きされて………『ちんこ………ちんこ、おいしい………ちんこ……』としか言わなくなって……」
「………………」
「さ、早苗?」
「諏訪子、最期に言っておくよ。現実では、そんなことは滅多にない。」
「そ、そうなんだー?」
「あの本、没収します。」
「それはおかしいんじゃないか、早苗?」
「独裁政治、はんたーい!」
「全部、没収しますよ?」
「「どうぞ持っていって下さい。」」




妖怪の山を下っている最中も、私を頭を痛めていた。
何故だ。
何故、他人を敵と見なすようになってしまったのか。
今の幻想郷は、昔よりも人間と妖怪の関係はよくなったはず。
人間の方々も1000年前よりは立派になっていると、私の目にはそう映っていた。
それなのに、どうしてこんな風に考えるようになってしまったのか。
平等を目指すならば、私が皆を信じなければならないというのに。
あの夢を見た……………あの夢をどうして見てしまったのか。

「ん?盟友、ここで何してるのー?」
「貴方は確か………にとりさん?」
「おお、私の名前を知っているとは、何奴!?と思ったら、聖か!」

考えことをしながら山を降りていたためか、いつの間にか河童の皆さんが住む川に着いていた。
そこで、私はにとりさんと出会う。
霊夢さんのところでの宴会で何回か顔を見ているので、私は彼女のことを覚えていた。

「それで、私たちに何か用?」
「い、いえ。その、道に迷ってしまいまして。」
「なるほどー。よし!麓まで連れてってあげるよ!」
「あ、ありがとうございます。それでは………」
「いくよー!」

にとりさんは懐からきゅうりを取り出すと、それを揚げながら歩き始めた。
私もその後を追う形で、山から降りていくことになった。

「きゅうり、食べるー?」
「あ、お気持ちだけで十分です。」
「えー?きゅうりはおいしいんだぞ?」
『薬の入ったきゅうりを食べさせて、あんたを実験体にしてやろうかな。』

にとりさんの邪悪な笑みが、私の目に映った。
まただ。
また、私を陥れようとする妖怪が現れた。

「やめてっ!!!」
「え?あ……ご、ごめんよ………」

この河童の馴れ馴れしい態度に耐えられず、叱咤してしまった。
顔を見ると、何故か目が潤んでいた。
そんなに私を捕まえることができなくて、悔しかったのだろうか。

「そ、それじゃあ………私の後についてきて。」
「あ…………ひ、一人で行きます!」
「え…………う、うん………」
(どうしてなのよ!どうして、罪の無い娘を傷つけるようなことをするのよ!)

やってしまった。
また他人を敵を見なしてしまった。
申し訳ないと思った私は、にとりさんの前からすぐにでも去っていこうと思った。
にとりさんは今、涙を流しているのかもしれない。
彼女がとても優しい娘であることは、数回出会っただけで分かっていた。
そんなにとりさんの、せっかくのご好意を踏みにじってしまったのだ。
………元の自分に戻ったら、謝らなければ。
私はそう決心して、しばらく一人になれる場所へと向かっていく。





「にとり?泣いてる、の……?」
「ひなぁ………私…………」
「……大丈夫よ、私が傍にいてあげるわ。大丈夫。」
「私…………失敗しちゃった…………」
「それで、悔しかったのね………失敗があるから、成功があるのよ。
その悔しさが、成功に繋がるの。だから、今は思い切り泣きなさい。」
「うん………………ぐすっ……」
「………ちなみに、何の実験を?」
「聖が来てね………」
「ええ。」
「その……………と、盗撮を………」
「とうさつ?ああ、こっそり写真を撮ることだったわね。」
「だって、聖……………美人で…………とっても、優しくて………」
「それはそうだけど、とうさつはダメよ。」
「そう、だよね…………」
「こっそりするぐらいなら、直接よ。」
「え?」





落ち着ける場所はどこだろうか、と思い浮かんだ場所は竹林。
永遠亭の近くにさえ近寄らなければ、知り合いは誰一人いない。
さて、あそこで心を落ち着かせよう。。
そうしたら、今まで疑ってきた皆さんに謝らなければ。
私は、竹林の奥にまで足を進める。

(ここでいいわね………)

目を閉じて、私は心を無にする。
何も無い。
怒りも悲しみも憎しみも無になれば、すべて消える。
そうだ、これでいいのだ。
もうすぐ、私は今までの自分に戻れる。
あの夢のことも、全て忘れることができる。
――そう思っていたのに。

「あら、貴方は………」
「永琳に用があるのかしら?」
「え、永琳さんに輝夜さん?」

永琳さんと輝夜さんと私は出会ってしまった。
お二人一緒に、永遠亭から外に出ることは少ないと聞いていたが、
たまたま、二人で出かけることになったのだろう。
疑心暗鬼になっているときに限って、私はお二人と出会ってしまった。
これでは、また――

「早くしてくれないかしら、私も足が疲れているのよ。」
「早すぎよ、輝夜。まだ、3分しか経ってないわ。」
「う、うるさいわね!それに3分じゃないわよ、30分よ!」
「あら、ずっと部屋に篭っているせいで感覚が鈍ったのかしら?」
「…………黙れ、薬まみれの女が。」
「貴方よりはマシよ、寝たきりのお姫様?」
「「……………………」」
「お、落ち着いてください!」

喧嘩が起こりそうになった輝夜さんと永琳さんの間に私は入る。
何とか二人は落ち着いてくれたようで、永琳さんは私に頭を下げる。
輝夜さんは、不貞腐れた顔をしていたが。

「ごめんなさい、白蓮………いきなり、喧嘩を始めてしまって……」
「ふ、ふん。あんたも永琳の味方なのね?」
「そ、そういうわけでは………」
『失敗ね、輝夜。流れ弾で気絶させようとしたけれど……』
『仕方ないわ。タイミングが悪かったのよ。』

やめて。
もうやめて。
私は、信じたいの。
こんなことを考える人たちは、幻想郷にはいないはず。
皆さんの本性は、善のはず。

「それで、何の用かしら?永遠亭近くにまで来たとなると、私たちに用があったのでしょう?」
「面倒くさいわね…………」
「あ、な、何でもないです!」
「え、ええ?」
「ちょ、ちょっと!」

その場から、私は逃げ出した。
怖かった。
皆さんの心が分からない。
信じたいのに、信じることができない。
輝夜さんも永琳さんも、本当は優しいお方だと知ったはずなのに。
家族の兎の皆さんを大切にしていると知っているのに。

(誰もいない場所………廃屋の中にでも、行きましょう………)

一人になりたい。
そう思うようになった私は、人里の外れに点在する廃屋を探しに行く。
そこでなら、誰も私と出会うことはないだろう。





「何だったのかしら……?」
「永琳、行くわよ。」
「……彼女が心配だわ。」
「大丈夫よ、慧音に何とかさせるわ。」
「あら、他力本願なの?」
「………何かできるのならば、してあげるわよ。」
「ふふ。」
「な、何がおかしいのよ?」
「何だかんだ言って、優しいのね。」
「ま、まあ、これぐらいは当然よ。優しさでも、妹紅に負けるわけにはいかないわ。」
「それで………薬まみれとは、どういう意味かしら?」
「それなら、寝たきりって、どういうことよ?」
「言葉通りの意味よ。」
「言葉通りね。」
「「……………もう少し、生活を見直しましょうか。」」





人里外れにあった廃屋の中に、私は入る。
汚れており、蟲も少なくなかったが、ここならば誰も入ってこないだろう。
私はそこで、再び心を無にした。

『おいおい、処女だぞ?』
『まじかよ…………こいつ、本当は婆さんなんだろ?』
『………………やるのか?』
『当たり前だろ、これが普通だぜ。』
『じゃあ、俺が一番!』
『なっ、お前!』

夢という名の記憶が、再び頭に浮かぶ。
心を無にすることなど、私には容易いことのはずなのに。
忘れられない。
忘れてはいけない記憶なのか。
その時、誰かが扉を開けようとする音が聞こえてきた。

「ここにするかのう。」
「うむ、汚いが、隠れるには十分じゃ。」
「おや、誰かが…………ひ、聖様!?」

高齢の男性3人が、廃屋の中に入ってきた。
私の姿を見ると、彼らはとても驚いた表情になる。
どうやら使われているものだったようなので、私はここから出て行こうと決心した。

「ごめんなさい。勝手に使ってはいけなかったのですね。」
「い、いえ!そんな滅相もない!」
「どうぞ、お使い下せぇ!」
「あっしらが出て行きやす!」

私は目を開けて、彼らにそう言った。
だが、廃屋の中を見渡した時に気づく。
この場所は、私が男たちに慰み者にされた場所と似ていた。

「さぁ、聖様。ごゆっくりしてください!」
「わしらはまた仕事に戻りやす!」
「で、では………」

そうか。
そうだったのか。
全部、私をここにおびき寄せるための罠だったのか。
そして、人間の男たちを呼ぶ。
理由は何であれ、口実を作って、ここで私を慰み者にする。


「……………皆さん。」
「へ、へぇ。」
「なんですか?」
「………ごめんなさい。」
「え?」

私は、巻物を取り出すと、この3人を―――――
















「ち、違う………違うわ!私じゃない………私じゃないのよ!」

何をしたのか、私は覚えていない。
彼らが、あの時の人間たちと同じように私を迫害する。
そう思い込んでしまったことまでは、覚えているのだ。

気づいたときには、彼らは白骨体と化していた。

「ゆ、夢よ。あの夢のせいで、私は………っ!」

やっと、全てが分かった。
あの夢は、迫害された時の夢だけではない。
これから迫害される未来の夢でもあったのだ。
彼らは、本当に私を慰み者にしようとしたかもしれない。
どっちにせよ、私は人間を3人も殺してしまった。
迫害されるだけの理由は、十分にあった。

「はは…………ははは……………」

笑うことしかできない。
私の脳裏に浮かんだ、あの声。

『騙しやがったな、この悪魔!!』
『皆、よく聞いてくれ!この女は、人間と妖怪の平等を謳っていた。
だがしかし!この悪魔は、人間を妖怪の食い物にしようとしているのだ!
何故なら………命蓮寺には、妖怪しか住んでいない!所詮、彼女は妖怪の仲間なのだよ!』
『所詮、妖怪のことしか考えていないのですね。見損ないましたよ、聖白蓮。』
『ふふふ、貴方はただの妖怪ですよ。それなのに、人間の皆さんの信仰を得るなんて………
みなさん、この人は悪魔ですよ!封印される前から、何ら変わっていない悪魔なのです!!』
『妖怪と人間の平等を目指していたみたいだが……ただの嘘かい。』
『あーあ、私たちの信仰集めにもっと利用できると思ったのになー』
『薬の入ったきゅうりを食べさせて、あんたを実験体にしてやろうかな。』
『失敗ね、輝夜。流れ弾で気絶させようとしたけれど……』
『仕方ないわ。タイミングが悪かったのよ。』

これは、妄想なんかじゃなかった。
全部、彼女たちの本心なのだ。
迫害されたくないからという理由で、人の命を踏みにじるただの悪魔。
それが、私の本当の姿だった。
それをこの世界の住人たちは、見抜いていた。
何故、そんなことに気づかなかったのか。
どうして、自分が卑怯者なことを忘れていたのだろうか。

………今となっては、どっちでもいい。
明日には、全て終わっているのだろう。
私は夢のように、人間たちに縄で縛られ、犯されて、慰み者にされる。
星やムラサたちはどうするのだろうか。
彼女たちも、私を裏切るに違いない。
いや、むしろ星やムラサが私のことを人間たちに告げ口する可能性だってある。

結局、私は一人だったのだ。
あの日よりもずっと前から。
魔界に封印されたあの時よりもずっと前から。









「白蓮………」

誰かが、私に声をかける。
声のする方に目を向けると、そこには霊夢さんが立っていた。
ほら、また迫害が始まる。
手にしていた巻物を地面に落とすと、その場に座り込んでしまった。

「あんた……………何があったのよ。」
「…………もう、いいんです。」
「何があったのか、って聞いてるの。」
「私が、この方たちを…………」

霊夢さんは、針と札を手にしていた。
ああ、今から退治されるのか。
でも、これで良かったなのかもしれない。
他人を疑いながら、生き続けることなんて嫌だ。
霊夢に一思いに退治されたら、どれだけ楽なのだろうか。
少なくとも、家族だと思っていた者たちに殺されるよりは、マシだ。

「何もされてないわよね?」
「れ、霊夢さん?」

霊夢さんは、私の肩に手を置く。
分からなかった。
どうして、霊夢さんがこんな行動に出たのか。

「こいつら、人里で女の人を何人も襲ったのよ。………自殺した人もいるぐらいでね。
それで、退治しろって頼まれたから追いかけてきたのだけど……………」

嘘だ。
嘘に決まっている。
罪の無い女性を犯すような人間が、この世界に存在するわけが無い。
そんなことをされてしまうのは、私だけのはずだ。
私は、霊夢さんの言葉を信じることができなかった。
おそらく、私をさらに追い詰めるために嘘をついているのだろう。

「あんた、襲われてないわよね?」
「………………嘘。」
「何ですって………?」
「嘘よ、そんなの。」
「白蓮、どうしたのよ……」
「嘘に決まってるわ…………そんなことが、あってたまるか………」
「…………何か、されたのね。とりあえず、神社で休みましょうか。」

霊夢さんは私の体を抱えると、神社に向かっていく。
頭がしっかりと働いていない私は、それについて行くことしかできなかった。

博麗神社についた私は、霊夢さんが敷いた布団の中に入る。
霊夢さんが何を考えているかは分からないが、どうせ結末は決まっている。
それならば、せめて今は休みたい。
何かを考えるのも疲れてきた。
私は眠りにつく。










しかし、その眠りは浅く、短く、苦しいものとなってしまった。
毎日、耳にしてきた声が聞こえてきた。
私は意識を取り戻すが、あえて目を開けなかった。

「聖………心配かけないでよ…………」
「ぬえ、泣かないで。聖が起きちゃうよ。」

ムラサだけでなく、ぬえまで来てしまったのか。
私の胸はが、さらに締め付けられていく。

「私が………私が邪なことを考えずに付き添っていれば………」
「ご主人、過去のことで悔やんではならないよ。これから聖を助けていくことが大事だ。」

ああ、やはりこの娘たちもここに来たのか。

「とりあえず、白蓮が3人を殺したことは不問とする。
元々、処刑が決まっていた男たちだったからな。」
「紫にも報告しないから。したところで、何もないでしょうけどね。」

慧音さんと霊夢さんだろうか。
だけど、私は彼女たちの顔を確認する気にはならなかった。

嫌だった。
言葉で安心させて、油断した私を捕らえた人間が、あの時にいた。
星や霊夢さんたちも同じようなことを企んでいるのではないか、と探ってしまう自分が嫌だったのだ。


「で…………あ、あっちは…………その………」
「ん?どうした、霊夢。」
「そ、その………ゴニョゴニョ………」
「ああ。体を調べさせてもらったが、犯された痕跡は無かったよ。
体のどこにも汚れは無い。っと、勝手に調べて悪かったな。」
「そ、そう。よかったわね。」

霊夢さんと慧音さんの会話を聞いていたが、よからぬ妄想を抱くことはなかった。
少し休んだお陰なのかは分からなかった、それは良いことだ。
あの夢のことも忘れることができそうである。
そろそろ目を開けてもいい頃だろう。

『それで次は、この娘たちを殺すのね?誰にも狙われない日々を過ごす為に。』
「っ!?」
「ひ、聖!?」
「目を醒ましたのですね、聖!」

何かが私に語りかけてきた。
それに驚いた私は、すぐに体を起こす。

「白蓮、起きてすぐにこういうことを言っていいのか分からないけど………あの3人は、仕方なかったのよ。」
「心配するな。いざとなれば、歴史を食べてなかったことにしておく。
それならば、お前がまた迫害されるようなこともなかろう。」
『ほら。人里の守護者も、所詮この程度の女よ。敵うはずがないわ。』

誰。
誰が、私に話しかけてくるの?
星や霊夢さんたちの声じゃない。
一体、誰が私に?

「慧音、それでは何も変わらないよ。」
「………失言だったな、今の言葉は忘れてくれ。」
「聖?どうしたの……?」

ぬえが、心配そうに私に話しかけてきたが、耳に入らない。
頭の中には、名も知らない誰かの声しか入ってこないのだ。

「聖…………ごめんなさい。私のせいで………」
「星は何も悪くないよ!悪いのは、全部私………」
「ムラサ、君は何も悪くない。ご主人が帰ってきたときに、然るべき対応を取れなかった私の責任だよ。」
「あんたたち、謝っている場合じゃないでしょ?」
「霊夢の言うとおりだ。今は、白蓮の心を労わってやれ。」
『上辺だけは良いことを言って。さすが、低俗な人妖共ね。』

違う!
この娘たちは、みんな優しくて強いのよ!

「聖、これからもずっと貴方の傍にいます。だから、今は安心して休んでいてください。」
「聖…………大好きだよ。」
「え、えっと………そ、その…………わ、私もぬえと一緒で………う、うんと……」
「ムラサと一緒で、私も聖を守りたいんだ。貴方は一人じゃないよ、聖。」
「ナ、ナズと同じことを言おうと思ってました!」

私は、星、ぬえ、ムラサ、ナズに手を握られた。
暖かった。

聞きなさい。
こんなに暖かい手をしている娘たちが、低俗なわけがないわ。
何も知らない貴方は黙っていなさい!

「聖、どうしました?」
「何か、飲み物が欲しい?」
「私のお茶を飲ませてもいいけど、後でお賽銭を用意しなさいよ。」
「欲しいものがあれば、私や妹紅で用意するぞ。何でも言ってくれ。」

霊夢さんも慧音さんも、優しいのよ。
ここにいる皆だけではない、幻想郷にいる人妖たちはみんな………みんな……!

『その人妖たちに、追い詰められたことも忘れたの?
私は、過去から目を逸らしているだけじゃない。』
「え………?」
『私は、この娘たちを本当に信じていると思っているの?』
「っ!!」

私のその言葉を聞いて、やっと私は気づいた。
私は、私のお陰で、本当の私に気づいたのだ


私は、星たちを信じていなかった。
星たちを信用しているつもりだったけれど、それはあの時のことを忘れかけていたからだった。
あの夢は、私に全てを思い出させた。
誰も、私を助けてくれなかったからなのか。
星たちが、私が迫害されようとしていたのに、何もしてくれなかったからなのか。
そのせいで、私は誰も信じることができなくなってしまったのだ。

「そう、だったのね。」
『そうだったのよ。やっと気づいたでしょ?私は―――』

この世界の住人たちは皆、優しくて暖かい。
私を迫害するつもりもないだろうし、あの3人殺したことも許すつもりなのだろう。
先ほどまで頭の中で浮かんできた、あの妄想はただの妄想に過ぎない。

その妄想こそが、私の幻想郷への思いの表れだった。

私はこの世界を、愛することも、信じることも、尽くすこともできない。
人間と妖怪の平等を目指す、それはすべて本当の自分を隠すためだった。
人妖たちも何も信じることのできない自分を消すために、人間と妖怪の平等を目指してきた。
やっと、私はそのことに気づいたのだ。










自分の家族に握られた手から、伝わってくる温もり。
慧音さんや神奈子さんたち、にとりさんや、永琳さんたちが与えてくれた温もり。
あの時とは大きく変わった、この世界の住人たちの温もり。


それは、とてもとても暖かくて――――冷たかった。
ノリで書いてみただけの駄作です

次は、しっかりと考えて作りますので
文と椛とにとりとはたてが処刑される話か、
誤解から、全てに見放される輝夜の話のどっちにしようかな……?

そして、『鏡の体』にコメをしてくれた皆さんに、心からの感謝を。
上海専用便器
作品情報
作品集:
20
投稿日時:
2010/08/26 22:17:51
更新日時:
2010/08/28 12:20:38
分類
白蓮
いろいろ
思いつきだけで書きました、ごめんなさい
1. 名無し ■2010/08/27 13:49:12
つまり…どういうことだってばよ?
2. 名無し ■2010/08/27 15:01:55
幸せな状況下でトラウマが発動して、疑心暗鬼に囚われたということですかね。
3. 名無し ■2010/08/27 18:03:36
白蓮の戦闘前台詞を見て、「こいつなんか被害妄想っぽいなあ」と
思った俺には、この作品の彼女がすごくしっくり来る。
4. マジックフレークス ■2010/08/27 18:08:02
この守矢は許される……
5. 名無し ■2010/08/28 23:21:03
ノイローゼ怖い・・・
6. 名無し ■2010/08/31 23:09:59
この白婆は次に喉を掻き毟る
かまだ封印の中
かただの暗澹たる現実
か正気なのは婆だけなのかもしらん
7. 名無し ■2010/09/03 15:54:00
というかある意味被害妄想しちまってもしょうがない変態多いな、おいw
輝夜らがましに思えたぜ。いっちゃんまともなのは霊夢みてえだがw
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